面接対策

【ロジカルシンキングの例題】論理的思考が身に付く練習問題も紹介

ロジカルシンキングとは

皆さんは、ロジカルシンキングという言葉を聞いたことがありますか。直訳すれば、「ロジカル」=「論理的」、「シンキング」=「考え方」という意味になります。分かりやすく説明すると、与えられた情報を一定の決まりや枠組みに従って整理・分析し、結論を見いだすことです。

このスキルを使えば、複雑な事象の因果関係を把握したり、問題の解決策を筋道立てて導き出したりすることが可能になります。この論理的思考方法を身につけると、就活でも大変役立ちます。例えば、履歴書やエントリーシート、自己推薦文を書く際に、自分のいいところや他人と差別化できる点を限られたスペースで端的に表現できるようになります。

また、面接の際には相手に聞かれたことに、短く的確に応えることができますし、予想していなかった質問が出た場合でも、普段の訓練の成果として慌てることなく落ち着いて対応することが可能です。

ロジカルシンキングのメリット

そもそもなぜ就活でロジカルシンキングを求められるかですが、これは仕事をするうえで重要な能力だからです。ロジカルシンキングができることで、さまざまな仕事で活躍しやすくなり、企業の利益も生み出しやすくなります。

企業にとって採用メリットが高いと判断されるため、ロジカルシンキングは就活でも重要であると考えましょう。また、ロジカルシンキングには、身につけることで得られるメリットもあります。メリットを把握し、身につけることの魅力を知っていきましょう。

分析して対応策を考えられる

ロジカルシンキングが身についていることで、問題に対して細かい分析ができるようになり、対応策が考えられます。仕事はトライアンドエラーの連続であり、常に問題に対して対応策を提示することが求められます。つまり、ロジカルシンキングの能力が高いと、仕事での問題解決能力や分析力が高いと判断されるため、高評価を獲得しやすいです。

また、分析力の向上は就活を円滑に進める上でも重要であり、これが身についていることで、就活に行き詰った場合も解決策を考えやすいです。分析力はすぐに身につくものではないため、これができると選考でも高く評価されやすいでしょう。普段から論理的な思考を心がける必要があり、取得が難しい能力のため、就活の際に鍛えておいて損はありません。

論理的な提案ができる

論理的な提案ができるようになることも、ロジカルシンキングを身につけるメリットのひとつです。ビジネスでは企業内外で誰かに提案をすることが多く、これがうまくいくかによって、仕事が成功するかどうかが違ってくることも少なくありません。

提案力がある人は、ビジネスの現場でも重宝されるため、選考でも高評価を得やすくなるでしょう。また、重要視されるのは論理的な提案力であり、ただ提案ができるならそれでよいわけではありません。

論理的な提案とは、筋道を立てて提案できることであり、無理なアイデアを出せることではないと考えましょう。ただアイデアを出せるだけではなく、論理的で整合性のある提案をすることが重要であるため、ロジカルシンキングの能力があると評価されやすいです。

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ロジカルシンキングの練習問題

ロジカルシンキングは、仕事の現場で実際に使いこなせるようになることが大切です。ここでは、ロジカルシンキングの3つの方法を詳しく解説します。練習問題もあるので、実際に解いてみましょう。

ロジカルシンキングの練習問題①帰納法と演繹法について

練習問題①

「経営者Aは、過去に手がけた事業のうち8割が黒字転換を達成した。この場合、Aについて何が言えるか」

この場合、「Aには経営者としての資質がある」という法則が導き出せます。演繹法の場合は、この逆を考えて練習問題ができます。

ロジカルシンキングの方法の1つに、帰納法と演繹法があります。論理的思考の基礎となるものなので、練習問題を通じてしっかりマスターしましょう。まず帰納法とは、具体的な事実から一般的な法則を導き出す方法です。

これに対し演繹法とは、一般的な法則に基づいて、具体的な事実を導き出す方法です。このように、「事実と法則のどちらからも論理的に考えられる」ようにすることが大切です。

ロジカルシンキングの練習問題②ロジックツリーについて

練習問題②

「ある企業の売上高が減少したのはなぜか、原因を分析せよ」

この場合、売上高の減少の原因を、販売単価下落と販売数量減少に分けます。
そのうえで、販売単価下落の原因を、マクロ要因(デフレ)とミクロ要因(自社の顧客からの値下げ圧力)に分類します。
一方、販売数量減少の原因も同様に、全体的な不景気と自社の商品競争力低下に分けます。

これらを1つの答えとすると、ロジックツリーの練習問題になります。

ロジカルシンキングの主な方法の2つ目に、ロジックツリーがあります。これも論理的思考をするうえで有効な方法なので、ぜひ実践で使えるようにしたいものです。ロジックツリーとは、「ある物事について論理的に細分化」していく方法です。

そのように論理的(ロジック)に分けた結果が、あたかも木の枝(ツリー)のようにみえるため、こう呼ばれます。それでは、練習問題をみていきましょう。

ロジカルシンキングの練習問題③MECE(ミッシー)について

練習問題③

「自社の販売ターゲット層について、年齢と居住地域に注目して示せ」

その場合、年齢について30歳未満と30歳以上、居住地域について東日本と西日本と分け、「30歳以上の東日本居住者をターゲットとする」と示せば、MECEに考えられたことになります。

ロジカルシンキングの主な方法の3つ目として、MECEがあります。これは、ある物事について網羅的に把握するために必要なものです。MECEとは、「漏れなく重複なく」という意味です。

つまり、ある物事について必要な要素を漏れなく列挙し、かつそれらが一切ダブることがないようにすることです。こうすることで、物事を論理的に捉えることが可能になります。

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ロジカルシンキングの例題

ロジカルシンキングの方法はさまざまあり、主なものとして帰納法・演繹法・ロジックツリー・MECEがあります。ただそれらについて、理論だけを聞いても十分理解できません。まずは例題を参考に、ロジカルシンキングの解き方を身につけましょう。

ロジカルシンキングの例題①

①「一般的に緯度が高い地域ほど気温が低い傾向にある」
②「ニューヨークが北緯41度で東京が北緯35度である」
この2つから導き出される結論は何ですか

例題①は、演繹法の問題です。演繹法で解く際に重要になるのが、前提条件と個別の事象です。この例題の場合、前提条件が「一般的に緯度が高い地域ほど気温が低い傾向にある」で、個別の事象が「ニューヨークが北緯41度」と「東京が北緯35度」になります。

この2つが見分けられたら、個別の事象に前提条件を当てはめていくだけです。ですので回答は、「ニューヨークは東京より気温が低いと考えられる」になります。

ロジカルシンキングの例題②

①「旦那が奥さんとの結婚記念日を忘れていたので、1日中口をきいてもらえなかった」
②「〇〇君は〇〇さんの誕生日にプレゼントを贈り、交際することができた」
③「姉はバレンタインデーの日にたくさんのチョコを学校に持っていった」

帰納法を用いると、この3つでどのような結論を得られるか

2つ目は、帰納法を用いた例題です。帰納法では、提示されている個別の事象を読み取ることが重要です。しっかり読み込むことで、共通しているものを見つけることができます。この例題の場合、「結婚記念日」「誕生日」「バレンタインデー」の「特別な日」が共通していることが分るでしょう。

実は、「特別な日」だけでなく「女性」も共通しているのです。なぜ男性は入らないのかというと、③の文章に男性が出てきていないからです。読み取った共通事項を用いると「女性は特別な日が大事」となり、「一般的に女性は特別な日を大切にしている」という回答になるのです。

ロジカルシンキングの例題③

「日本の学校」をMECEを用いて2つの切り口に分解してください

3つ目の例題は、MECEを用いて解く問題です。MECEは、重複しないように分解する必要があります。先に回答を出すと1つ目が「小学校・中学校・高校・大学」で、2つ目が「男子校・女子高・共学」となります。

ただしMECEの場合は切り口が多いので、この2つが正解とは限りません。ほかに挙げると「九州・四国」と地方別に分けることもできますし、「県立・公立・私立」と分けることもできます。MECEはロジックツリーでも用いられるので、覚えておきましょう。

ロジカルシンキングに関するおすすめの本6選

ところで、このロジカルシンキングのスキルは、どうやったら身につけることができるのでしょう。もちろん、生まれつき筋道立てて考えることが得意という人はいるでしょう。ただ、大抵の人はそうではありません。普段から物事を論理的に考える習慣をつけなければなりません。

しかし、漠然とロジカルシンキングを習慣づけるといっても、どうしていいかわかりません。専門的なノウハウがいりますし、それに基づいた訓練も必要です。ネットを検索すれば、論理的思考力を鍛えるトレーニング方法がいくつも紹介されているので、参考にするのもいいですが、やはり普段持ち歩けて、いつでも開いてみることができる紙媒体があれば、便利です。そこで、おすすめのロジルシンキング本をご紹介します。

おすすめの本①

1冊目は、ワック社の「ロジカル面接術 2019年度版」です。面接は自分を売り込む戦略活動であると同時に、自己PRは自分への取材活動であるという観点から、マーケティングの専門家と現役報道記者、就職コンサルタントの3氏が共著しています。

企業に「あなたを採用すべき」理由を説明し、「あなたを採用したい」と思わせるため必要な論理的思考力を身につけられます。また、限られた時間でもっとも魅力的な自分をPRするために必要な発信力・表現力を伝授しています。

学生2人の志望動機を修正したものや、面接で実際に話した志望動機の例を報道記者が紹介しています。さらに、就職コンサルタントによる「就活の極意」も掲載し、至れり尽くせりの内容となっています。

おすすめの本②

2冊目は、「ロジカルシンキング プレゼンテーション ファシリテーション まるごとBOOK 目指せマネジメント力向上!」です。これは、メディカ出版の「ナーシングビジネス2017年」の秋季増刊号です。

「ロジカルシンキングとは何か」との概論に始まり、、ロジカルシンキング力を鍛えるトレーニング法、現場の問題を解決するためのMECEとロジックツリーの活用術を網羅。活用事例として、ロジカルシンキングを仕事に生かす方法やロジカルシンキングで選択と決断の精度を上げる手法などを解説しています。

これ1冊で、ロジカルシンキングのスキルだけでなく、経営陣や他部署との交渉力(プレゼンテーション)、会議などを活性化する力(ファシリテーション)の3つを身につけるノウハウが学べるのも嬉しいポイントです。

おすすめの本③

3冊目は、「マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング」です。マッキンゼーとは、アメリカに本社を置き、「世界最強」ともいわれる経営コンサルタント集団。この本は、東大卒業後に小松製作所を経てマッキンゼー社に入って活躍した赤羽雄二氏の経営改革、人材育成のノウハウを、その名の通り漫画で平易に説明した1冊です。

イベント会社に勤務するが、自分の企画を一度も通したことがないという桃子が、マッキンゼー&カンパニーのロジカルシンキングに出会い、それを武器に仕事上の数々の難題に立ち向かうというストーリーです。

「A4メモ書き」を取り入れ、ダメ社員からできる社員に大変身します。営業、企画、プレゼン、仕事が10倍うまくいく世界標準の思考整理術を伝授します。

おすすめの本④

ロジカルシンキングを身につけるにあたっておすすめできる書籍の4冊目は、「ロジカル・プレゼンテーション就活 エントリーシート対策 2017年版」です。この本の特徴はロジカルシンキングについて学びながら、エントリーシート対策を行うことが出来る点です。

エントリーシートでは、限られたフォーマットの中で自身を最大限アピールしなければなりません。その際、論理的に文章校正を考える力が重要になるのです。ロジカルシンキングとは何か、という初歩的な部分から学ぶことが出来、かつ好事例として先輩のエントリーシートの記述例も記載されています。

好事例を実際に読んでみることで、論理的に文章校正を考えるクセをつけることが可能になります。「論理的に考えて文章を書くのが苦手」という人にはおすすめできる1冊だといえるでしょう。

おすすめの本⑤

ロジカルシンキングを身につけるにあたっておすすめできる書籍の5冊目は、「考える技術・書く技術」です。この本の特徴は、物事に説得性を持たせるためのピラミッド構造についてしっかりと学べる点です。伝えようと思ったことが、思う通りに相手へと伝わらなかった場合、伝える際の論理構造に問題がある場合が多いです。

この本では物事を論理的に読み解き、ピラミッドのように一つひとつの事象を積み重ね、因果関係を明らかにしたうえで、相手にわかりやすく物事を伝える技術を学ぶことが可能になります。内容がやや難解なものになるので、ロジカルシンキング初心者の方にはあまり向かないでしょう。ロジカルシンキングについて基本的な部分を学び、その上でもうひとつレベルアップしたいと思う人にとって、非常に有効な1冊となるのです。

おすすめの本⑥

ロジカルシンキングを身につけるにあたっておすすめできる書籍の6冊目は、「世界一やさしい問題解決の授業」です。この本の特徴は、難解な表現がほとんどなく、非常に読みやすく、内容を理解しやすいという点です。ロジカルシンキングについて学ぶ本というと、「小難しそう」と思う就活生もいるでしょう。

この本に関しては、ロジカルシンキングに関して中高生にもわかるように解説されており、読み進めるのに抵抗を覚えない可能性が高いです。また内容に関しても、ロジックツリーや多角的な視点での対応策の検討方法など、基本的な部分が網羅されており、これ一冊でロジカルシンキングについて足固めを行うことが可能になっています。ロジカルシンキングについて初めて学ぶ際には、その入門書としておすすめできる一冊だといえるでしょう。

ロジカルシンキングを鍛えるおすすめ本については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

ロジカルシンキングの練習問題で論理的思考力を養おう

このように、ロジカルシンキングの方法には、帰納法と演繹法、ロジックツリー、MECEなどがあります。それぞれがどんなものかをまず正確に理解し、練習問題を通じて実践で使いこなせるようにしましょう。

そうすれば、論理的思考力に優れた人だと評価が高まるはずです。ロジカルシンキングに関するおすすめの本も参考にして、対策していきましょう。

ロジカルシンキングの思考法について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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