面接対策
「最近読んだ本」を面接で聞かれたときの答え方【例文あり】
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目次
読書の好みからも分析されている
就活の面接では、志望動機や学生時代に打ち込んだことなどの質問をうけることがありますが、しばしば「最近読んだ本はなんですか?」という質問がされる場合があります。いきなりの質問に何と答えるべきか困ってしまうかもしれません。正直に答えるべきなのか、あるいは面接官が期待するような本のタイトルを挙げるべきなのか、というように戸惑ってしまうというのが本音ではないでしょうか。
最近では学生の読書量の低下ということも問題になっており、面接官の発するこの質問は、なかなかに鋭い質問だと感心する就活生もいるかもしれません。実際、質問された就活生がほとんど本を読まない場合もあるわけです。就活生としてはその質問の意味の本当のところを認識し、対策しておく必要があります。
面接官が「最近読んだ本」を質問する意図
面接官が「最近読んだ本」に関する質問をする場合、どのような意図があるのでしょうか。読書は、人生に対しさまざまな知識と知恵を与える大事な学習のひとつであると捉えられています。そこには新しい知識への好奇心や、自らの人格を高めるための姿勢を感じることができるでしょう。
面接官がこの質問で知りたいことは、そもそも就活生に本を読む習慣があるかどうかということです。この読書習慣があるかないかで、その対象者の人としての姿勢がみえてくると考えられます。また、どのような種類、傾向の本を読んでいるかを知ることで、その人の考え方、また目指す方向が見えてきます。面接官はそのようなことを知る手掛かりとして「最近読んだ本」に関する質問をするのです。
①読書習慣があるか知りたい
読書の習慣が身についているかどうかを知ることは、人生のあらゆる局面で自ら学ぼうとする意欲を持っている人なのかを見極めることにつながります。面接官が読書習慣を探るのは、学びへの熱心さを確認しているのです。
人生は常に勉強が必要であり、仕事においてもその態度は向上心として表れます。本を読むという能動的な行為からは、「あるテーマに興味を抱いて、自ら好奇心を満たす」「課題にぶつかって、それを解決する」などの積極性や、「働き方のヒントを得よう」「他人の話に耳を傾けて吸収しよう」とする姿勢が見てとれるものです。限りある時間の中であらゆる人の教えを知ることができる本からの学びは、職場での効率的な勉強方法としても生きてきます。
また、単発の行為でなく習慣として継続しているかという点で、一朝一夕には得られない知識の蓄積や長きにわたる行動様式の形成を推し量っている可能性もあります。このように、読書習慣に見え隠れする、その人の考え方や行動に関するさまざまな情報を読みとっているのです。
②学生の関心を知りたい
就活生が日頃から何を考えているのか知りたいと考えるのは、企業の人事担当者としては当然のことでしょう。一体どんな分野に興味を持っているのか、何のために本を読んでいるのかといった学生の関心を知りたいと考えています。そのことによって就活生の人間としての潜在力や可能性を判断し、採用にふさわしい人材かどうかを見極めようとしているのです。
人は読む本の趣味や傾向により、その内面を表すことがあります。もちろんそれが全てではありませんが、その人となりを知りうる手掛かりとなることは確かです。面接官は、その手掛かりを端緒として就活生の全体像を把握しようとします。就活生の関心から人間性をみているわけなので、「最近読んでいる本」の質問には、そのような深い意味があることを認識してください。
③知識量を知りたい
「最近読んだ本」という質問は、面接官にとって、就活生の知的、能力的キャパシティを推し量ることにも役立ちます。端的に就活生の知識の幅を知ることができるのです。ビジネスシーンに対する準備としての知識量、知的能力、仕事へ向かうスタンスがどのくらいあるのか、それに対しどのように考えているかをみるのに最適な質問であると面接官は考えます。
全く本を読まない人と、読む習慣を身につけている人では、決定的に知識量に差があります。また本へ関心を示さない人に対しては、知的好奇心というものが欠如しているともみなされることがあり、たくさんの本を読む人とはその間に大きく評価の差が生まれるのです。
④業務への貢献度を見ている
就活生が好んで読む本の傾向は、仕事への準備体制や積極性を評価することにも役立ちます。就活生が実際の業務で活かせる知識を持っているかどうかということも、日頃から読んでいる本でわかりますし、最近読んだということであれば、就活への本気度を感じることもできます。
また本を読む習慣は学ぶ習慣でもあるので、入社後の仕事に対する姿勢にも関わってくるものです。本を読む習慣のない人は、仕事に対する準備ができていないとみなされる可能性もあります。つまり、日常的に学ぶ姿勢がないのではないかと疑われかねないのです。そのような意味からも、現在読書の習慣がない人も、日頃から本を読む習慣をこの機会に身に付けておく必要があるでしょう。
⑤学生の人間性を知る手がかりにしたい
本に関する質問をする面接官には、学生の人間性を知る手がかりにしたいという意図もあります。どのようなカテゴリの本を好むのかを知ることで、より学生の内面について理解を深めたいと考えるのです。学生が好きな本が自分と同じだった場合は、親近感を覚える面接官もいるでしょう。
読んだ本を聞かれた後も質問が続くこともあるため、簡潔に分かりやすく答えることが大切です。好きな分野の話になるとついつい熱が入り長く話してしまいがちですが、聞かれた内容にだけ答えてください。面接官とのコミュニケーションを意識して、相手が話しているときはきちんと聞く姿勢を整えることが大切です。
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「最近読んだ本」で評価される回答のコツ2つ
「最近読んだ本はなんですか?」という質問に対する答えをする時に、どのように対応することが評価につながるのでしょうか。面接官も、何かしらの期待を持ってこの質問をしたに違いありません。その期待に応えるべく、就活生は質問に対する答えを構築する必要があります。
それは基本的なプレゼンテーションのテクニックになり、しっかりと対応することが就活生の資質と能力を最大限に示すことができます。そのことを肝に銘じて、以下の3つのコツをマスターし、高評価を得る手がかりとしてください。
文章構成をしっかり練る
結論:本の題名
概要:どういった内容の本か
動機:その本を選んだ理由
貢献:本から得た知識を何にどう活かしているのか
就活生が最近読んだ本について、どのように語るのかということが重要になります。これは文章構成をしっかり練ったうえで、伝わる言葉、伝わる論理でその本を紹介することです。何と言った本を読んだのか、その本の内容をわかりやすく伝え、なぜそれを選んだのかという理由も大切になります。
今後のビジネスに関連するから選んだのか、本のテーマが日頃から関心があるものであって、いわば自分自身を確立するための学習機会として読んでいるのか、などしっかりとした本の選択理由を述べることも重要です。面接官におもねった本をあらかじめ選択する必要はありません。就活生が真摯に関心を持って選んだ本を、明確な言葉で紹介することが最善のプレゼンテーションです。
学びを得ていることを伝える
本を読んだのはよいのですが、そこからいったい何を学んだのかということが重要なことです。本を読んだことで、就活生自身に何が残ったのか、この残ったものを伝えるということが大切になります。自ら選んだ本を読んだ結果、自分にどうプラスされているのかを明確に伝えることが大切です。
読書習慣のない方は、本を読んだという達成感のみで完結してしまい、その本が自分自身にどのような影響を与えたのかと深く考えることが難しいかもしれません。しかし、そんな時は読み終わった本をもう一度読み返してください。その本の内容のどこに自分は心を動かされなかったか、またはその本の主張になぜ同意できなかったのかを考えて、それを言葉で表現してみましょう。
人は思っていることを言葉化しないと、他者にはその思っていることが伝わりません。これも今後のビジネスの業務のための訓練としても役立つものなので、実践してみてください。
「最近読んだ本」におすすめのカテゴリ
どんな本も読めば役に立ちます。知識を与えてくれる本もあれば、自分とは異なる価値観に触れられる本もあります。ファンタジーのような物語、推理小説なども、想像力や感性、語彙、考える力を鍛えることが可能です。
どんな本でも読んで無駄になることはないでしょう。とはいえ、普段読書をする習慣のない人は、星の数ほどもある本の中から「とにかく本を読め」と言われても戸惑う気持ちはあると思います。では、どんな本が「最近読んだ本」としておすすめなのでしょうか。
ビジネス書
ビジネス書というのは、その名の通りビジネス全般の指南書、教本のようなものです。経営やマーケティング、経済など、幅広いジャンルの本があります。今では大企業となった企業の創立者や大学教授、成功した実業家などが著者である場合が多く、たいていは仕事のやり方や心構え、効率化の方法、処世術などが書かれています。
仕事のやり方とひとことで言ってもその幅は広いものです。事務仕事にメーカーの工場、接客業に教育、挙げればキリがありません。そんな中から、自分が興味を持った分野や、志望した企業や部署に関係のありそうな分野の本を読むといいでしょう。業界研究や企業研究にもなって一石二鳥です。特に、志望する企業の創立者や社長の書いた本があれば、その企業をより深く理解するためにも、読んでみることをおすすめします。
自己啓発書
啓発とは「人々の気がつかないような物事について教えわからせること」、つまり新しいことを知ったり、新しい価値観に触れたりすることを指します。自己を啓発するわけですから、平たく言うと自分の見識を広めるための本ということになるのです。転じて、「刺激を受ける」「やる気が出る」といったイメージで自己啓発という言葉を使う人もいます。
自己啓発本を読むと、やる気が出ます。やればできるという気分になり、そういったポジティブな思考は、フレッシュな就活生にとって大きな武器です。もちろん精神的な話だけではなく、その自信を裏付ける根拠となる出来事を自己アピールの内容と絡めましょう。就活中のモチベーションを保ち、ポジティブ思考でいるためにも、自己啓発書はおすすめの本と言えます。
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最近読んだ本を聞かれた際の回答例
では、面接で「最近読んだ本」を訊ねられた際、どのように答えるのがよいでしょうか。
場の雰囲気や話の流れもふまえて「面接官がこの質問を通して何を知りたいのか」という秘められた意図に想像をめぐらせ、うまく汲み取ることができれば、他の質疑応答に乗せきれなかった自分の長所をアピールできるチャンスになります。1冊の本について何パターンかの切り口を用意しておき、そのときに最適な答えを取り出すという技を使うことができれば、上級者といえるでしょう。では、参考までにいくつかの回答例を見ていきます。
例文①
私が最近読んだ本は、マッティオ・モッテルリーニというイタリアの経済学者が書いた「世界は感情で動く」です。これは行動経済学の本で、経済の動きを決定づけるのは人の直感であるという仮説のもとに、経済と人との関係性を解説したものです。この本は事例を紹介しながら、人は理屈でなく直観で行動してしまうという経済活動の習性について説明しています。
この本によって私は経済活動がこの習性によってマーケティングの現場いうものが支配されていることを学ぶことができました。このことは、私が目指しているマーケットリサーチやマーケティングリサーチにたいへんに役立つものではないかと考え、今後の活動に反映させていきたいと思っています。
一段目で、最近読んだ本のタイトルを紹介しています。著者名もしっかりと紹介しているのは、本をしっかりと読み、理解していることの表れでしょう。二段目は本の内容です。当該書は入門書ではありますが、それなりのボリュームのある書籍です。
端的に内容を説明するのはなかなか難しいのですが、「行動経済学」の本であること、「理窟でなく直感で行動する人間」というキーワードを用いて、聞く人が興味を持ちそうな内容として紹介しています。短い言葉で本の内容を紹介する時には、ただ時系列的に内容を説明するのでなく、キーワードなどを用いて聞く人の好奇心を刺激するやり方が望ましいです。
この本を選択した理由ですが、経済学を専攻する学生らしい好奇心を刺激されたことをその理由としています。数値や論理に目がいきがちな現代の経済学ですが、彼には「直感」という欲望にも似たものが経済を動かしているらしいということが、新しい知識として理解できたことを示しています。
例文②
私が最近読んだのは、今話題となっている「1分で話せ」というビジネス書です。サブタイトルにもなっている「大事なことだけシンプルに伝える技術」をテーマに書かれています。私は家族や友人から「話が長い」「言いたいことがわからない」と指摘されることが多く、どうしたら思考の整理ができるのだろうと悩んでいたところ、書店の人気本コーナーで目に入ったのがこの本です。
伝えた先にある、相手を動かすという目的が自分には見えていなかったのだと気づきました。まだ練習中ですが、聞く側のことを考えて、わかりやすく話すことを意識すると、すんなりと理解してもらえている手応えがあります。実はこの答えも1分で話しました。
ここでは、最新の話題書を持ち出しています。好奇心や関心が常に更新されていること、情報に対する感度の高さや興味のアンテナを広く張っていること、などをアピールする効果が期待できます。
まさに今の受け答えに学びの成果を利用するのも、インパクトを与える手段になるかもしれません。
例文③
最近読んだ本の中で印象的だったものは、アドラー心理学の教えをやさしく解説した「嫌われる勇気」です。私は今、大学で放送部に所属し、番組を企画するチームのリーダーを任されているのですが、取材のあり方について意見の対立が起きてしまい、みんなの考えを調整する役目を負っています。新聞の書評からこの本を知って、現状を変えるきっかけをつかめないかと思い、手に取ってみました。
嫌われることになっても自分の価値は揺るがないのだと認識させられ、自分らしく失敗を恐れずにチャレンジする勇気が湧きました。部の仲間と協力しながら、堂々と、問題の解決に切り込んでいこうと思います。
比較的新しいベストセラーをピックアップしました。この例文では、自分がおかれた状況に立ちはだかる問題を打破する糸口を、書籍から探求しようと試みています。課題に合致するセレクトができるリサーチ力もアピールできているといえます。
ビジネス書や自己啓発書は、読書体験を自分の養分にして実践することにその意味があります。具体的なエピソードを交えつつ実践したエピソードを組み込むと、回答に深みが出ます。
例文④
今読んでいる本は、「プロジェクトを変える12の知恵」です。ITコンサルティング会社の影山明さんの著作だけに、プロジェクトを成功に導くコツが歯切れよく書かれていて、まだ社会に出ていない私も面白く読み進めています。
情報システムの変革をこれからどう考えていくかについて研究するために読み始めましたが、業界にとらわれずに応用できる内容で、驚いています。このように物事が改善された実感を得られたら、仕事のやりがいがあるだろうな、などと想像しながら、じっくりと咀嚼している最中です。
業界研究につながる分野のセレクトは、入社意欲の本気度を押し出します。1冊読むにもまとまった時間をとられるからこそ、忙しい就活の合間を縫ってまで手にする本が自社の職務に関連するものだとうかがえれば、好印象です。
有名な著者であったり、狙いの会社にまつわる内容ならば、その名を出すと話題が弾むかもしれません。また、新入社員でも経営者視点で現場を回す見方は大事ですから、経営者の著作を取りあげてみてもよいでしょう。本を読み終わっていない場合は、時間をかけて読むタイプだと印象づける方法もあります。
例文⑤
最近読んだ本は、「論語」です。中学時代に一度読了し棚にしまっていたのですが、最近整理をして久々にページをめくったら止まらなくなってしまいました。「生き方の教科書」とも評されるだけあって、語り継がれ名著と呼ばれるにはそれなりの理由があるのだとよくわかります。
しかしながら、昔と今とでは感じ方がだいぶ変わっており、新たな再発見もありました。好きな一文は「学んで思わざれば則ちくらし、思うて学ばざれば則ちあやうし」で、これはずっと変わりませんでした。改めて、何事にも「学んで考え、考えて学ぶ」という姿勢で取り組んでいきたいと思います。
最近読んだ本の「最近」とは、「最新」という意味ではありません。古い書物でも構わないのです。中でも、誰もが知っているスタンダードな本は会話の種になります。直接的なビジネス書ではなくとも、ビジネス思想に転じたり、自己分析に役立つものが多く出版されていますので、アピールしたい事柄に応じて効果的にセレクトしましょう。
ここでは再読というかたちで読書習慣をアピールしました。また、真っ先にタイトルをあげて強い印象を残すよう工夫しています。
最近読んだ本を聞かれた際のNG回答
日頃から本を読む習慣のない人が面接時に「最近読んだ本はなんですか?」という質問を受けて、言葉を詰まらせることもあるでしょう。しかし面接官に最近読んだ本はなんですか?」と聞かれても、絶対に答えてはいけないNG回答があります。ここからは、してはいけない回答をご紹介していきます。
本は読まない
本を読む習慣のない人は、人とのコミュニケーションで話題を提供できない傾向にあります。ある話題で話を進めていても、知識がないため話がそれ以上膨らまず、学ぶ習慣がない人間だと思われてしまうのです。ビジネスの現場では、話題の提供能力、また話題を深化させる知識力は不可欠になります。
実際に仕事に関わる時、チーム間のコミュケーションや取引先とのやり取りの中で自身に足りないと思われる知識はその都度学習して業務を進行させていく必要があるのです。本を読まないという答えは、そのような即応力を持たない人間だと判断されかねません。
読書習慣のない就活生も、就活が始まる前に最低でも3冊は読んでおくのがおすすめです。ぜひ、これを機会として読書習慣を身につけてください。必ずその習慣は就活生がビジネスマンになった際、大きな力となるでしょう。
漫画や雑誌などの「趣味」で読んでいる本
いわゆる書籍としての本は読まないけれど、漫画や雑誌なら日常的に読んでいるという就活生も、中にはいるのではないでしょうか。しかし、これも面接時の回答としては好ましくありません。確かに最近の漫画には、ビジネスや社会情勢などをテーマやソースにしたものもあり、そこから知識を得たという方々も多いでしょう
。雑誌などで最新のトレンドをサーチしているという就活生もいますが、それらはあくまでも趣味的世界とみなされます。もちろん個人の趣味として漫画や雑誌を読むのはかまいませんが、面接官の前で堂々と披露するものではありません。志望している仕事に全く関係のない趣味で読む本は避けるというのが鉄則です。
本のあらすじだけを述べる
面接官は就活生が興味を持っている本を聞き、そこから物事への興味の持ち方や思考力を分析しています。「読んだ本のあらすじ」を聞かれているのではなく「なぜその本を読んだのか、読んだ結果どうなったか」といった本を読むまでのプロセス・結果を知りたいのです。
本の紹介だけで回答が終わってしまってはもったいないので、本の概要は端的に話し、プロセス・結果部分についてしっかり回答できるよう意識しましょう。思考をしながら物事に取り組んでいる、といったニュアンスを伝えることができれば良く、逆にここをしっかりと伝えられるのであれば本のカテゴリはビジネス書でも小説でも何でも良いのです。
少しでも良い印象を与えられるような本を読まなければいけないと思っているのであれば、それは本質を見失っていますので注意しましょう。
読んでいない本
就活生が企業の面接で最もしてはいけないことは、嘘をつくことです。等身大の自分を正直にプレゼンテーションすることが、面接を攻略するための最も重要な戦術です。そのことからも、実際は読んでいない本を読んだものとして答えるのは絶対にやってはいけません。
たまたま話題になっている本などを読んだ本として答えたものの、面接官が読んだ本である場合はそれを深掘りされてボロが出る場合もあります。感想を求められしどろもどろになってしまうのでは、極めてネガティブな自己PRとなってしまい、面接の攻略は大失敗となるに違いありません。本を読んでいないとバレてしまったら、信用と信頼が下がる結果となります。嘘をつかないことは面接における鉄則です。
最近本を読んでいない就活生におすすめの本
「最近はそれらしい本を何も読んでいない」「本を読む時間はないけど、面接対策はしたい」「書店を覗いても、いろいろな本がありすぎてどれを選べばよいのかわからない」とお悩みの方へ、就活で質問されたときの答えとして最適な、選りすぐりのおすすめ本を3冊紹介します。
ただし、本の中身について情報を仕入れただけで実際に読まないまま面接に臨むのはやめましょう。相手は面接のプロです。付け焼刃ではボロが出て、見抜かれてしまうでしょう。
「入社1年目の教科書」
初めに紹介するのは、ビジネス書から、「入社1年目の教科書」(著者:岩瀬大輔/ダイヤモンド社)です。
まさに書名のとおり、「入社1年目」の社員にそっと寄り添う、仕事の参考書というべきものです。社会人として必要な最低限の心構えや実務で押さえる基本ポイントを、「大原則」と「具体的な行動指針」で解説しています。基本はすべての基礎となりますから、先の長い社会人生活で大事な「新入社員のマインド」形成に大きな影響をもたらすでしょう。
著者の岩瀬大輔氏は、言わずと知れた有名人です。華やかな経歴をたどった末、ライフネット生命の創業者にして社長となりました。経験に裏打ちされた、確かな言葉を備えた実力者が差し出す説得力のあるこの本は、新入社員の頼れる相談役となるに違いありません。面接対策としてだけでなく、新社会人となる立場でぜひ読んでみてほしい1冊です。就活生が漠然と抱える不安についても、きっと解消の一助となってくれます。
「自分を変える習慣力」
次に紹介するのは、「自分を変える習慣力」(著者:三浦将/クロスメディア・パブリッシング)という、大ベストセラーとなった自己啓発書です。
たった一つ、スイッチとなる「良い習慣」を見つけて実践するだけで、他の「悪い習慣」がすべて変わり、ひいては人生が変わると謳っています。潜在意識に働きかけ、「できない」を「できる」に変える、「やってもうまくいかない」を「やればできる」「やるほどできる」に変える方法を、コーチングのプロがわかりやすく教えてくれます。著者がメンタルコーチとして尽力したトップアスリートのエピソードも、良い例として読めます。
習慣化で「したいことをする」「なりたい自分になる」と前向きに行動し、自分を味方にできるパワフルな良書ですので、就活生にはぴったりです。
「夢をかなえるゾウ」
最後に紹介するのは、「夢をかなえるゾウ」(著者:水野敬也/飛鳥新社)です。読んだことはなくても、鼻の長〜いゾウの姿を持つ神様の絵が描かれた表紙に見覚えがある方も多いのではないでしょうか。テレビドラマの原作としても広く知られています。
普通の会社員が神様の指南によって、「成功するには?」「成功って?」という目標に「本当にこれでいいの?」と疑いながらも近づいていく、小説風の自己啓発書です。人生を変えるためにとるべき具体的な行動を挙げ、なすべき項目ごとに愉快な物語仕立てで導いてくれます。当たり前ともいえる小さなことをコツコツやることの大切さがわかる本ですが、詳細は読んで確かめてみましょう。関西弁でおりなす成長模様はコミカルタッチで、読書が苦手な人も手軽に読破できます。
本を読む習慣とは学びの習慣である
本というものは、ビジネス書であれ技術書であれ、また専門の学術書や、さらに教養、文学の書籍であっても、その1冊1冊の中にさまざまな知識や世界観さらに知的、技術的ノウハウが詰まっています。これらの本から得る知的な資産は、必ずビジネス現場で必須となるコミュニケーションリテラシーを構築するために役立つでしょう。
本を読む習慣は学びの習慣でもあります。就活生は就職するによって学生ではなくなりますが、学習の期間が終わったわけではありません。ビジネスの現場では、学生時代以上に学習することを求められます。そこでは、日頃から如何に学びの習慣を身につけているかどうかが、その成果に大きな差を生むことになります。本を読む習慣も持たない就活生もこれを機会にその習慣を身につけ、今後の輝かしいビジネスシーンを狙い定めた就活に挑んでください。