職種研究

【デザイナーの種類26選】仕事に役立つ資格10個もご紹介

目次

  1. そもそもデザイナーって何?
  2. デザイナーの種類26選
  3. 統計データから見るデザイナーの雇用と収入の実態
  4. デザイナーの仕事に役立つ資格10選
  5. デザイナーに向いている人の特徴
  6. デザイナーを志望するときのポイント
  7. デザイナーはあなたのセンスが光る仕事

そもそもデザイナーって何?

そもそもデザイナーとはどんな仕事なのか、仕事内容などの詳細を詳しく理解している方は少ないです。デザイナーとは英語でdesignであり、後に人を表すerの文字がついてdesinerとなっています。デザイナーとは簡単に言えばデザインする人、図案を作ったり、企画を練ってその設計図などを作る人ということになります。デザイナーはどんなものでも作れるのではなく、それぞれに専門分野がある専門性の高い職業です。そのためデザイナーと一口に言っても、その種類はかなり細かく分類されています。

デザイナーの種類26選

ここからは、デザイナーの種類を26個ご紹介していきます。自分の目指すデザインの方向性や、デザイナー像がまだ明確ではない人は参考にしてください。

①ファッションデザイナー

ファッションデザイナーとはその名の通り、ファッション関係のものをデザインする人です。服だけに限らず、帽子や靴、カバン、その他小物などファッションで使われるものに関係する仕事で、それらをデザインしていくことが主な仕事になります。いわば流行を生み出す仕事でもあり、ファッションセンスはもちろん時代を先読みする能力などが必要です。デザイナーと聞いて一番初めにイメージされやすいのが、ファッションデザイナーではないでしょうか。デザイナー職の中では有名で、人気度の高い職種だと言えます。

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②テキスタイルデザイナー

テキスタイルとは布地や織物という意味があり、テキスタイルデザイナーは布地や織物のデザインを考える人です。例えばファッションデザイナーが考えた新しい洋服のデザインをもとに使用する布地を決めたり、柄などを選んでいくのがテキスタイルデザイナーの仕事になります。ファッションデザイナーが考えた全体の設計図を見ながら、その細部を担当し、仕上げていくと考えれば分かりやすいでしょう。また服飾だけではなく、インテリアなどの分野などでも活躍し、その活動の幅は広いといえます。

③ジュエリーデザイナー

ジュエリーとは宝石や金銀プラチナなどを意味する言葉で、ジュエリーデザイナーはそれらのデザインを考える人になります。どのような宝石を作るのか、その設計図を作成するのがジュエリーデザイナーの仕事です。設計図を作るところまでがジュエリーデザイナーの仕事で、実際に宝石に加工するのは専門の職人の仕事になります。クライアントの意向に沿って、新たな宝石の図案などを考えていくのが主な仕事です。

④ゲームグラフィックデザイナー

ゲームグラフィックデザイナーはゲーム中の背景やキャラクター、アイテムなどのデザインを考える人です。ゲームのシナリオに基づいてそれに合った背景やキャラクターなどをデザインをする仕事で、それらがゲームの世界観を作り上げるので、非常に重要な仕事でもあります。ゲーム全般のグラフィックを担当するので最初から最後まで一貫して関わることになり、強い責任感とそのゲームに対する高い理解力、そして周囲の人との連携が大切な仕事です。

⑤イラストレーター

イラストレーターはクライアントの指示に従ってイラストを作成するのが仕事です。イラストレーターとして単体の仕事と思われがちですが、これもイラストをデザインするとですので、デザイナー職になり、手書きのイラストだけに限らず、パソコンを駆使したイラストを作成することもあります。看板や広告物、書籍やイラスト単体を求められるなど幅広い分野で活躍する仕事です。個人で行うフリーのイラストレーターだけではなく、企業専属のイラストレーターも存在しています。

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⑥キャラクターデザイナー

キャラクターデザイナーはその名の通り、キャラクターをデザインする人です。ゲームやアニメ、映画など活躍の場も広く、様々なシーンで活躍しています。基本的にはクライアントから依頼を受けてキャラクターを作成することになりますが、クライアントのイメージだけでほとんどゼロの状態からキャラクターを作り上げるため、強いイメージ力やひらめき、クライアントの要望を正しく吸い上げ、理解する力などが必要な仕事です。

⑦空間デザイナー

空間デザイナーはコンセプトをもとに空間を作り上げていく仕事です。コンセプト通りの空間を演出し、クライアントが求める世界観を再現します。活動の幅は広く、雑誌の撮影の背景作りを手伝ったり、イベント会場全体の設営を手伝うこともあり、おしゃれなバーなどから庶民的な居酒屋などの空間のデザインをすることもあり、幅広い知識とイメージの再現力が必要な仕事です。

⑧エクステリアデザイナー

エクステリアとは建築や乗り物の外観・外装を意味する言葉でエクステリアデザイナーはそれらをデザインする人です。インテリアは室内の家具などを指しますが、エクステリアはその室外の物であり、塀や門などの限定的な部分のデザインを担当することもあれば、外観全体などを広く担当することもあります。また建築だけに限らず、乗り物などの外装をデザインすることもあり、車や電車などのデザインをすることもあります。

⑨環境デザイナー

環境デザイナーとは、その名の通り環境をデザインする人のことを指します。ここでの環境とは日常生活に関わる全ての部分を指し、道路や交通機関であったり、都市そのものを指すこともあります。都市計画や地域開発にも参加することもあり、活動の幅はありとあらゆる分野に広がっているといえるでしょう。活動の幅は広いですが、その全てに直接人の生活が関わっていることもあり、やりがいも大きいですが強い責任感が必要な仕事でもあります。

⑩家具デザイナー

家具デザイナーは家具のデザインと考える人のことです。どんな家具を作るのか、その設計図を作るところまでが仕事ですが、その設計図をもとに家具の製作まで一貫して行うことも多いです。デザイン性だけではなく実用性も兼ね備えたものを作らなければならず、どうすれば人が興味を持つか、人の役に立つ、使いやすい家具になるかを考える必要があります。家具は生活に欠かせないもので、家具デザイナーは人の生活に寄り添うことが大切な仕事になるでしょう。

⑪照明デザイナー

照明デザイナーとは照明器具の設計するデザイナーではなく、照明器具を使って空間を演出する人のことを指します。光の使い方ひとつで世界観も大きく変わるので、照明や空間コーディネートなどにも深い知識が必要な仕事です。テレビ制作や舞台の照明や雑誌などの撮影だけではなく、最近では建造物のライトアップやイルミネーションをデザインするなど活躍の場は広いといえます。

⑫建築デザイナー

建築デザイナーとは家やオフィスなどの設計をする人です。デザイン性だけではなく、安全性なども重要で、そこに住む人や利用する人のことを考えながら設計していく必要があります。エクステリアデザイナーのように建築物の外側をデザインするだけではなく、建物そのものをデザインするので、より専門性が高い職種だといえるでしょう。また家などは一生ものの買い物なのでクライアントの要望を細部まで引き出し、それを再現しなければならず、要望を叶えながらもデザイン性に留意するなどすり合わせが難しい仕事でもあります。

⑬フラワーデザイナー

フラワーデザイナーは花を使って空間などをデザインする人です。生け花やフラワーアレンジメントなどのように花自体のデザインを考える場合もありますし、それらを用いて様々な空間を演出することもあります。冠婚葬祭の場で仕事をすることが多いですが、空間の演出だけではなく、最近では花を用いた小物をデザインするなどファッションの分野などにも活動の場を広げています。

⑭インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターとは室内の空間をコーディネート、演出する人を指します。空間デザイナーと似ている部分も多いですが、インテリアコーディネーターの場合は活動の場が室内に限られていること、そしてインテリア全般について専門的な知識を持っていることが特徴です。家具の配置だけではなく壁紙などを選び、室内空間を総合的に演出する仕事で、家だけに限らず室内であればどんな場所でも担当します。個人の住宅のコーディネートや展示住宅、オフィスのコーディネートなどをすることもあります。

⑮ディスプレイデザイナー

ディスプレイは展示という意味であり、ディスプレイデザイナーは展示をデザインする人のことを指します。ここでの展示は展示会や個展などの展示品だけではなく、百貨店やお店のショーウィンドウや店内の商品配置なども対象です。同じ商品でも配置によって売上が変わったり、ショーウインドウで興味を惹くことが出来れば大きな集客効果も期待できます。ディスプレイ一つで大きく経済効果が上がることもあり、注目を集めているデザイナー職だといえるでしょう。

⑯パッケージデザイナー

パッケージデザイナーとはその名の通り、商品のパッケージのデザインする人で、パッケージと言っても様々で食品や日用品など活動の幅は広いです。パッケージはいわばその商品の顔です。思わず手に取りたくなるもの、食品であれば美味しそうに見えるものなどをデザインする必要があります。流行やオシャレを知るだけではなく、人の心理を上手くついたデザインを考えなければなりません。パッケージが違えば商品の売れ行きは大きく変わり、ディスプレイデザイナーと同様に重要視されているデザイナーです。

⑰雑貨デザイナー

雑貨デザイナーはその名の通り、生活雑貨などをデザインする人を指します。雑貨のデザインや素材選び、その雑貨の設計図を作るところまでが雑貨デザイナーの仕事ですが、家具デザイナーと同様に設計から雑貨の製作までを一貫して行うことも多いです。生活雑貨は家具や日用品とは違って必ずしも必要なものではありませんが、生活をオシャレに彩るものとして高い人気を誇っています。

⑱グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーはグラフィック、つまり画像や文字などを用いて、デザインする人を指します。ゲームグラフィックデザイナーの場合はゲームのみを担当しますが、グラフィックデザイナーの仕事はさらに広域に広がり、広告物や出版物など活動の幅はかなり広いです。またイラストレーターとかぶる部分も多いですが、イラストレーターはイラストだけであるのに対し、グラフィックデザイナーは画像や文字などを駆使してデザインを行います。画像や文字を効果的に使うことで情報などを伝える仕事です。

⑲Webデザイナー

WebデザイナーはWebページをデザインする人です。企業のホームページや、サイトなどのデザインを請け負い、ページの全体像からレイアウトや写真やイメージ図なども含めた設計をおこない、場合によっては実際にWebページを作成することもあります。ホームページやサイトなどは企業の販売戦略やイメージアップなどにとっては欠かせないもので、誰もが簡単にWebページにアクセスし、それらを閲覧できる時代になっているため需要の高い仕事です。

⑳インダストリアルデザイナー

インダストリアルとは工業や産業の意味があり、インダストリアルデザイナーとは主に工業製品のデザインを担当する人のことを指します。工業製品とは車や電化製品など様々で、生活に直接関係するものも多いです。工業製品自体への理解も必要で、製品がきちんと正常に使用できる範囲を守りながらデザイン性を考えていかなければなりません。デザインに関する感性だけではなく、製品についての知識も必要で、デザイナーとしてだけではなく、工業生産者としての側面を持ち合わせていなければいけない仕事です。

㉑DTPデザイナー

DTPとはDesktop Publishingの略で、平たく言えば出版物について指した言葉です。DTPデザイナーとはこの出版物についてデザインすること、つまりパソコンなどを使用して紙媒体の出版物をデザインする仕事になります。DTPデザイナーはオシャレなデザインを作るというよりは、いかに読みやすいかを考えてデザインしなければならず、出版ギリギリでの記事や写真の差し替えにも対応しなくてはなりません。芸術的というよりは商業的なデザイナー職だと言えます。

㉒エディトリアルデザイナー

エディトリアルとは編集などの意味があり、エディトリアルデザイナーは紙媒体の出版物のデザインをする人のことを指します。より読みやすいように文章や画像のレイアウトを編集するのが主な仕事で、DTPデザイナーと似ている部分も多いですが、エディトリアルデザイナーの場合は読みやすさを重視するだけではなく、より読者の目を惹くように視覚効果を意識してデザインを作成していく必要があるのです。エディトリアルデザイナーはDTPデザイナーに比べれば、若干芸術性に寄ったデザイナー職だといえるでしょう。

㉓アートディレクター

アートディレクターは紙媒体の出版物などに限らず、Webページなど全てのデザインにおける責任者です。ディレクターとは監督などを意味し、アートディレクターはその美術作品の芸術性における責任者となります。何かの作品を作るときにはデザイナーが複数集まるのが一般的で、それらの総監督を務め、全体のバランスを見ながら作品を作っていきます。オーケストラの指揮者のような存在で、ディレクターが上手く力を発揮できなければデザイナーが優秀でも素晴らしい作品は出来上がらず、作品完成の要の存在だといえる仕事です。

㉔DTPオペレーター

DTPオペレーターはパソコンを用いて紙媒体の出版物のデザインをする人を指します。DTPデザイナーと仕事内容は同じですが、DTPオペレーターはDTPデザイナーが仕上げたものをチェックし、修正するなど最終的な調整役をおこなう仕事です。出版物の印刷前に最後に手を加える人であり、デザイン能力というよりは印刷物にミスがないかなどを細かい視点で問題を発見できる能力が必要になります。DTPデザイナーの前段階という意味合いもあり、DTPオペレーターとして経験を積み、DTPデザイナーへとキャリアアップしていく人も多いです。

㉕プロダクトデザイナー

プロダクトには生産品などの意味があり、プロダクトデザイナーは生産品をデザインする人のことを指します。インダストリアルデザイナーと範囲がかぶることもありますが、プロダクトデザイナーの場合は工業製品に加えて、日用品や生活用品などより幅広い分野のデザインを担当をします。プロダクトデザイナーという大きな枠があり、その中の専門分野としてインダストリアルデザイナーなど様々なデザイナーに分かれると考えるといいでしょう。プロダクトデザイナーだからといって何でもデザイン出来るというわけではなく、個人によって専門分野を決めて活動している人も多いです。

㉖カーデザイナー

カーデザイナーはその名の通り、車のデザインを手掛ける人です。車の外観だけではなく、使用する素材や内装のデザインなど車全体のデザインをするのが仕事になります。美しいデザイン性はもちろん機能性にも留意してデザインする必要があり、車の構造などの知識も必要です。車の性能は各社で大きく変わらないことも多いため、デザイン勝負となることは多く、カーデザイナーは需要があるデザイナー職だといえるでしょう。

統計データから見るデザイナーの雇用と収入の実態

経済産業省が発表している統計データによると、デザイン業の事業所数は近年減少傾向にあり、具体的には2009年から2014年の5年間に15%の事業所数減少がありました。事業所数全体の9割以上が10人未満の小規模経営となっているデザイン業の厳しい業界環境がうかがえます。

その一方、事業所数全体の1%にも満たない30人以上の規模の大きい事業所は、デザイン業全体の14%の売上高を占める売り上げを計上しています。また、デザイナーとして働く人たちの総数は、2000年に16.1万人、05 年に16.5万人、10 年には18.0 万人と、堅調に増加しています。

このことから、デザイナー職の需要は堅調ですが、従来の小規模事務所への就職から大型事務所あるいは企業内デザイナーとしての職を得る人が増加していることがうかがえます。

最大ボリュームゾーンを占めるデザイナーの種類

事業従事者5人以上の事業所の売上構成をみると、平均するとグラフィックデザインの占める割合が6割となっています。グラフィックデザインの需要が安定し、企業側の中核業務となっていることがうかがえます。次いで、WEB系を含むマルチメディアや工業製品のインダストリアルについての需要も堅調です。

デザイン業の花形というイメージが強いファッション、テキスタイルデザイナーについては、昨今のシンプルなファッショントレンドの影響もあって右肩下がりの傾向です。

ファッション系デザインで活躍したい人は、英語ができるもしくは他業種とのコラボに対応できるなど、プラスアルファのスキルを身に着けておくと仕事の幅が広がります。

デザイナーの雇用が多い都道府県

デザイナーの雇用は、地方より都会に集まっているといえます。デザイン業の年間売上高の都道府県別の分布をみると、実にその売上高の約48%が東京都に一極集中していることがうかがえます。

次いで大阪府(14%)、愛知県(6%)、福岡県(4%)ととなっており、着物などの伝統作業が盛んなデザイン需要の高い都市以外では、産業規模の大きい大都市集中型の産業構造となっていることがわかります。

デザイン業の他では、インターネット付随サービスなど情報通信産業などもデザイナー需要が高く、このような産業が盛んな地域ではデザイナー需要が増していくものと予測できます。

デザイナーが求められる職場

デザイナーが求められる職場とはどういったところなのでしょうか。各種デザイン事務所や企業に属する、いわゆる「インハウスデザイナー」として働く生粋のデザイン業のほかに、デザイナーが求められる職場には次のようなものがあります。

まず、WEBやマルチメディアにかかわる情報通信業、車や家電などの製品のデザイン力が必要とされる「製造業」はデザイナーが求められる職場です。仕入れた商品をコーディネート力を駆使して販売する「卸売業・小売業」もデザイナーの活躍の場となります。

また最近では地域振興のための新しい試みも盛んにおこなわれており、スタートアップ事業にかかわる道を探すのもおすすめです。

デザイナーの仕事に役立つ資格10選

通常の就活においても資格を取得していると有利に進めることが出来ますが、デザイナーの就活でも資格の取得は有利に働きます。デザイナーは芸術性が必要な職種でもあり、営業職や事務職などに比べると専門性が高く、特殊な職種だと言えるでしょう。

デザイナー職の就活では自分にデザインの才能や適性があることを示す必要があり、それらを証明できる資格を持っていると就活でも有利です。鋭い色彩感覚であることをアピールするために色彩検定を取得するなど、役に立つ資格はたくさんあります。資格は取得していることだけではなくその取得の過程が評価されることも多いので、就活に向けて資格取得を目指しましょう。

①ウェブデザイン技能検定

Webデザイナーを目指しているのであれば、ウェブデザイン技能検定は取得しておきたい資格でしょう。ウェブデザイン技能検定は国家資格でもあるので、企業からの信頼度も高くなるはずです。ウェブデザイン技能検定は、デザイナーとしての実務経験を必要とする資格でもあるので、学生の内に取得するのは少々厳しい部分があるかもしれません。

ウェブデザイン技能検定は1級から3級まであり、その中でも3級は比較的簡単に取得することが可能な資格でもあり、高校生からでも取得可能である資格です。将来1級資格を取得することを念頭に入れるのであれば、学生の内に3級に挑戦するのは悪くないでしょう。

②DTPエキスパート

DTP系のデザイナーになりたい人におすすめの資格が、DTPエキスパートになります。DTPに関わる資格には他にもDTP検定というものもありますが、デザイナーとして資格を取得するのであれば、DTPデザインの総合的な知識と技術を必要とされるDTPエキスパートの方がいいでしょう。グラフィックデザイナーや印刷関連のデザイナーになりたいのであれば、DTPエキスパートは取得していて損をすることはありません。

ひとつ注意することがあるとすれば、DTPエキスパートの資格は定期的な更新が必要になることです。基本的に一度取得すると2年間のみ認証されるので、その後継続して資格を取得する場合は、2年毎に更新試験を受験し継続条件を満たす必要が出てきます。

③色彩検定

色彩に関わる資格は複数存在していますが、その中でも知名度の高い資格が色彩検定です。本来色彩検定は、アパレル業界向けに始まった資格だったのですが、近年ではあらゆるデザイナーやカラーコーディネーターなど、様々な職種の人が取得している資格になってきています。上級になると試験が難しい分、取得条件が設けられていない色彩検定は、学生のうちから取得する人も多くいる資格でもあります。

色の組み合わせや使い方に詳しくなることは、どのタイプのデザイナーになるとしても活用することができる知識と技術です。どの資格を取るか迷っているのであれば、まずは幅広く活用できる、色彩検定の取得から始めてみるのもいいのではないでしょうか。

④インテリアデザイナー

インテリアデザイナー資格検定は、日本デザインプランナー協会が認定した資格のひとつです。家具や照明といったインテリアに関する商品知識だけではなく、販売技術なども問われ、インテリアデザイナーとしての総合的な理解力や表現力が試されます。インテリアデザイナーを名乗る上で特別な資格が必要なわけではありませんが、「資格」は一定水準をクリアした知識や技能をもつ証です。

「資格」を持つことは、決してマイナスにはなりませんし、企業やクライアントからの信頼にも繋がります。合格率は全体の30%ほどで、試験は年に6回実施されています。受験資格も特になく、誰でも受験できる資格であるため、比較的取得しやすい資格だといえるでしょう。

⑤CG-ARTS検定

CG-ARTS検定とは、画像を中心とした情報分野のスキルアップを図る検定試験です。CGクリエイター検定、CGエンジニア検定、Webデザイナー検定、画像処理エンジニア検定、マルチメディア検定、これらの5つの検定があります。

映画やアニメーションなどに用いられるCGの表現技術の習得やシステム開発、Webページの作成に必要なデザインや技術のノウハウ、コンピュータやインターネットといったマルチメディアの社会応用など、「情報分野」と一言でいってもその言葉の指す範囲は広いのです。

そのため、5つの検定試験で各分野の専門知識を正しく理解しているかが試されるのです。CG-ARTS検定にはそれぞれ、専門知識の理解を評価するベーシックと、それに応用を追加して評価するエキスパートの2段階があります。

⑥Photoshopクリエイター能力試験

サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が認定しているこの試験は、Adobeの提供する画像編集・デザインソフト「Photoshop」の活用・応用力を試す試験です。スタンダードとエキスパートの2段階の認定基準があり、スタンダードではPhotoshopの基本的な操作と指示通りの作業を正確に行えるかが評価されます。

一方、エキスパートでは「クライアントのニーズに対応した創造性の高いコンテンツ制作ができるか」つまり、表現力や判断力も評価され、より創造的な「クリエイター」としての能力が必要となります。ただ技術の指標とするだけならスタンダードでも十分ですが、よりレベルの高いクリエイターとしての評価を求めるのであれば、エキスパートの習得をおすすめします。

⑦Illustratorクリエイター能力検定

サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が認定しているこの試験は、Adobeの提供するグラフィックデザインソフト「Illustrator」の技能・応用力を試す試験です。スタンダードとエキスパートの2段階の認定基準があり、スタンダードではIllustratorの基本的な操作能力やDTP・Webデザインに関する基本的な知識があるかなどが評価されます。

一方、エキスパートではより実践的な「クリエイターとしての能力」つまりデザイン性や表現力、応用力などが試されます。Photoshop同様、自身のレベルや仕事のレベルに応じた認定基準の資格を取得しましょう。基本的にクリエイターという職業には資格が必要であることは稀です。しかし、だからこそクライアントはより能力のあるクリエイターを求めているため、信頼を得るためのひとつの手段として、資格の取得は有効といえます。

⑧HTML5プロフェッショナル認定資格

HTML5とは、ホームページなどを作成する際に使用される言語「HTML」のバージョン5のことです。それをいかに使いこなせるかの指標として「HTML5プロフェッショナル認定資格」があります。この資格の認定者は、HTML5を使いこなせるWebプロフェッショナルであることが証明されます。

プロフェッショナルな資格ですが、HTMLという汎用性の高い言語であることから、Web関連だけでなく、スマートフォンアプリの開発やグラフィックデザイナーなど、様々な分野の職業で求められる資格でもあります。ソフトウェア開発、インターネット関連、デザイン会社など、いくつもの企業が取得を推奨しており、中には全社員がHTML5プロフェッショナル認定資格を取得している企業もあるほどです。

⑨プロダクトデザイン検定

PD検定とも呼ばれるプロダクトデザイン検定とは、デザイナーとしての専門性の確立と、社会的信頼性の向上などを目的歳、関連知識の評価基準となるものです。分野にもよりますが、デザイナーという仕事は才能やフィーリングだけで成立するものではありません。特にプロダクトデザイナーは生産品、細かくいうなら工業製品や日用品などをデザインします。

そのためには一定以上の知識が必要なのです。材質や形状など吟味し、最も適したデザインを生み出すためには相応の専門知識が必要です。プロダクトデザイナーに限らず、開発部門や企画部門など、プロダクトデザイナーと一緒に仕事をする可能性のある人ならば、互いの仕事を理解するためにも、資格の取得は有益といえます。

⑩空間ディスプレイデザイナー

空間ディスプレイデザインには、陳列の知識・技術から色彩を利用した演出、照明技術など様々な技能が必要とされます。フィーリングで「この方が見栄えがいい」といったプレゼンをするよりも、色彩や配置の意味などを交えた理論的な有資格者のプレゼンの方が説得力もあり、クライアントからの信頼も得やすいでしょう。

自分のための空間デザインならば独学や我流でも何ら問題はありませんが、「デザイナーとしての仕事」となると話は違います。自分の空間デザインを客観的に評価し、理論的に説明することがクライアントへの誠意となります。そのためにも「空間ディスプレイデザイナー」の資格は取得しておいて損はないでしょう。可能であれば、カラーコーディネーターやインテリアデザイナーといった「空間づくり」に関係ありそうな資格も併せて取得しておきましょう。

デザイナーに向いている人の特徴

デザイナーは特殊な職種であり、適性が非常に重要です。デザイナーの就活では作品を提示することも多いですが、それに合わせてデザイナー職への適性をアピールする必要があります。作品が文句なしで才能に溢れているものであればすぐにでも採用はあり得ますが、多くの就活生はそうではありません。

就活はその時点での実力を買われるのではなく、将来性によって採用が決定します。つまり提示する作品が拙い場合でも確かな適性や将来性をアピールすることができれば採用されることになるのです。作品の完成度を高めることも大切ですが、同時にデザイナーに向いている人の特徴を知り、少しでもそれに自分を近づけていくことが大切になります。

アイディアマン

デザイナーと言ってもその種類は多く、どの分野のデザイナーになるか人によって様々ですが、共通してクリエイティブな仕事です。創造力豊かな人や新しいものを生み出していくのが楽しいと感じる人は向いていると言えます。

長い時間をかけてようやくひとつのアイディアをひねり出せるというよりは、ひとつひとつの精度は低くても様々なアイディア次々に出していけるアイディアマンの方が向いているといえるでしょう。ひねり出したアイディアがクライアントの意向に沿わない場合もあるので、常に複数の選択肢を持つことが大切です。

またスランプになってもポジティブに考えられる人だと尚良いです。クリエイティブな仕事なので全くアイディアが出ない時期も当然あります。その時期も前向きに考え、柔軟な思考を持てるということはデザイナーにとって大切な資質になります。

コミュニケーション能力が高い

デザイナーと言えば、クリエイティブ、天才など才能を駆使して自分の作品を生み出したり、誰もが想像もつかない未開の地を我先にと切り開く孤高の芸術家というイメージを持つ人もいますが、実際はそうではありません。

実際のデザイナーはクライアントの依頼を受け、作品を制作し、多数のクライアントと関わっていくので、相手の要求を聞く事ができる傾聴力や提案力も求められるものです。自分にしか理解出来ない芸術を生み出すのではなく、クライアントとの関係性の中で作るものを決め、誰もが理解でき、興味を惹かれるものを作っていきます。

孤高のイメージも強いですが、実際には多くの人とコミュニケーションを取り、多くの人と繋がって仕事を進めるためコミュニケーション能力は必須の能力だといえるでしょう。

スケジュール管理ができる

デザイナーはクライアントの依頼によって仕事内容が変わります。同じ業務を繰り返していく事はなく、毎日違った業務をこなしていく事になるので仕事を待つのではなく、やるべきことを確認して自分から仕事を見つけていかなければなりません。

そのため仕事を与えられるのを待つ受動的な人ではなく、自発的に仕事を進めていける能動的な人である必要があります。またデザイナーの仕事はクライアントからの依頼があってこそです。基本的にクライアントに合わせての仕事になるため社外の人と会議をする機会も多いのでスケジュール管理をしっかりとできる人が求められます。

デザイナーには芸術家のイメージが付きまとうため、予定など気にしない破天荒な人を想像する人もいますが、実際のデザイナーは綿密なスケージュール管理のもと制作を進めたり、何度もクライアントとの会議を重ねて作品を完成させますので、約束が守れる実直な人でなければなりません。

デザイナーを志望するときのポイント

様々な種類のあるデザイナーですが、どのデザイナーを志望するにしても、押さえておきたいポイントというのは存在します。例えば、ただ興味があるからだけでは不十分なのは見て分かるでしょう。ここでは、実際にデザイナーを志望する時に考えたり、自ら進んでおこなっておきたいことをまとめました。

デザイナーになるために就職活動をする場合、まず大事なのは将来のビジョンを明確にした上でおこなうことと、今まで自分が手掛けた作品があれば一緒に伝えることになります。これはどのデザイナーになるにしても重要なので、後ほど詳しく解説いたします。
また、Web関連のデザイナーになるのであれば、常に最新の技術を身につけることもポイントです。こちらも別途解説したいと思います。

5年後や10年後のビジョンを明確にする

デザイナーという仕事は、評価されるのに時間がかかる職種でもあります。そのことを踏まえた上で、実際にデザイナーとして就職した際は、将来のビジョンを明確にした上で就職活動をおこないたいところです。具体的には、今から5~10年後の自分がどのように成長したいか、どういった仕事に関わりたいかというビジョンをはっきり描いた上で、就職活動に臨みましょう。

特に何かしらの資格を継続して取得する予定であれば、日々の業務をおこないながら資格の勉強もおこなわなくてはいけないでしょう。また同じ職種についたとしても、業務への関わり方でキャリアアップにも変化が出てくるのも、デザイナーという職種です。具体的にこういった仕事をしたい、というイメージを持って就職活動に臨みたいですね。

今まで手掛けた作品があれば一緒に伝える

デザイナーとして就職活動をするのであれば、一番重視されるのが「自分が持っているスキルでどのようなものを手掛けてきたか」ということです。絵画作品であったりWebページであったり、人によってその内容は違いがあると思われますが、これらは面接の際に実際に提示することになる機会も多いのです。そのことを踏まえて、企業側に自分が手掛けた作品があるなら伝えたり、ポートフォリオを用意しておくことは重要になってきます。

こういった作品をまとめる上で大事なのは、どんなに小さな作品であっても、自分が関わったのであれば全て記録を残しておくことです。自分にとっては小さな作品であっても、企業にとっては就活生のスキルを図るための手段になるのです。

Web関係は最新の技術を身に付ける

Webデザイナーやインターネットに関わる業務に就きたいのであれば、常に最新の技術を身に着けたり、情報や知識を取り入れるのは重要なことです。インターネットの環境は日々変化していくものなので、自分が取得した技術があっという間に古いものになってしまうことも珍しくありません。

こういったことを避けるためにも、自分の持っている技術のアップデートや、最新の技術を身につけることはとても大切です。とはいえ、最新の技術をすぐに身につけるというのは大変なことです。仮にすぐ身につかなくても、その点は問題ありません。いち早くその技術に触れ、取り入れる姿勢が一番大事なのです。勿論そのためには、技術面の情報収集をすることも忘れてはいけません。

デザイナーはあなたのセンスが光る仕事

デザイナー職は特殊な職種で就活の方法も一般的な職種とは違っていることも多いです。またデザイナーと言ってもその種類はかなり細分化されていて、一般的な認知度が低い職種も当然あります。

デザイナーを目指すのであればますはどの分野のデザイナーを目指すのか、そのデザイナーはどのような仕事をしているのかを知ることが大切です。ただなりたいと考えるのではなく、デザイナーとしてどのように成長していきたいのか、どのような作品を手掛けたいのかなどより具体的なイメージを持っておくことが必要になります。

デザイナーは適性も大切ですが、クリエイティブな職種のためセンスが非常に重要です。厳しい世界ではありますが、自分のセンスを活かした仕事が出来る職種なので、諦めることなく、自分のセンスを存分にアピールして就活を進めていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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