職種研究
【学童の先生になるには】仕事内容や向いている人の特徴をご紹介
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目次
学童の先生の仕事とは
教育の現場では先生と呼ばれる人が多く存在し、学童の先生もその中のひとつです。学童の先生は、学童保育士や学童指導員と呼ばれる仕事で、小学校で働くことが多いです。しかし、実際に教壇に立って勉強を教えるわけではなく、放課後に子供たちを預かり、教育指導をおこないます。
学童の先生はいわば学校が終わってからの先生であり、教員職の中では珍しい存在と言えるでしょう。学童保育は共働き家庭で利用されることが多く、共働きの夫婦が増えている現在では、今後ますます需要の拡大が見込めます。学童の先生は知られていない点が非常に多いため、目指すなら基本的な部分から理解を深めることが大切です。学童の先生の実態を把握し、どのような人が向いているのかも知って、スムーズな就職を目指しましょう。
学童の先生の仕事内容
学童の先生への理解を深めるためには、まずは基本的な仕事内容を知ることが大切です。学童保育を利用したことがない人にとっては、学童の先生は未知の存在であることが多く、何をやっている人なのか全く知らないということもあるでしょう。また、学童保育を経験したことがあっても、実際に見ているのは仕事のごく一部です。実際の仕事は多岐にわたるため、1日の仕事の流れから細かい内容まで把握しておきましょう。
子供の受け入れ準備
学童の先生は放課後子供を受け入れるところから仕事が始まるとイメージする人も多いでしょうが、実はそうではありません。学童保育をおこなうには準備が必要であり、午前中にはすでに学校に来て、当日の準備を進めていることがほとんどです。学校ごとに出勤時間は違いますが、放課後が14時か15時なら10時か11時くらいには出勤して、準備を進めていると考えましょう。
準備の内容は受け持つ学年や学校ごとに違います。勉強のための教材を用意したり、お菓子がある場合はそれらの準備もおこないます。子供をスムーズに受け入れるためには、事前準備は欠かすことができず、やるべきことも多いです。放課後になるまでがタイムリミットであり、時間までに素早く準備を終えなければなりません。
子供の世話
放課後になって子供を受け入れた後は、世話をするのが学童の先生の仕事です。これがもっともメインの仕事であり、やりがいを感じやすいポイントとも言えるでしょう。学童の先生は実際に勉強を教えるわけではなく、子供の自主性に任せて見守るのが大きな役目です。世話をするといっても介入しすぎるのはNGで、子供が自分たちで物事を進められるようサポートをおこないます。
学童保育には幅広い年齢の子供が集まり、年長者に小さい子の面倒を見るよう促すのも仕事のうちと考えましょう。もちろん、完全に放任するわけではなく、話し相手になったり、一緒に遊んだりして交流することも大切です。介入と見守りのバランスを取ったり、自主性の成長を促したりと難しいことも多いでしょう。
片付け
学童保育は子供たちを帰してそのまま終了になるわけではなく、その後片づけをおこなわなければなりません。基本的には使った道具は子供たちが自身で片づけをおこないますが、細部の片づけについては学童の先生が後でおこないます。道具や備品のチェック、部屋の掃除などをおこない、翌日のスケジュールの確認もしなければなりません。
連絡事項がある場合はそれも記して、翌日の担当者に伝えることが大切です。子供たちの間でトラブルがあった場合はそれも記入して、翌日以降の関係性に注目し、さらなるトラブルに発展しないよう見守るのも役目のうちです。各種片づけや引継ぎの準備を終えて業務は終了となります。日によって時間は異なりますが、子供が帰ってから少なくとも1時間程度は片づけの時間が必要と考えましょう。
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学童の先生になるには
学童の先生として就職するには何が必要なのか疑問に思う人も多いでしょう。先生と呼ばれる仕事に付くなら、ほとんどの場合で資格が必要であり、取得するには一定の教育課程を経なければなりません。そのため、就職を考えるなら早めに行動し、資格取得の態勢を整える必要があります。しかし、学童の先生は同じ先生と呼ばれる仕事でも、他の職業とは区分が大きく違います。他の先生とは就職する際にどのように違うのかを知り、さらに理解を深めましょう。
必須資格はなし
学童の先生になるための必須資格はなく、誰でも就職を目指すことができます。実際には小学校教員や幼稚園教諭、保育士資格などが求められることも多いですが、あくまで求められるだけで必須ではありません。これらの資格を持っていると就職でも有利ですが、無資格でも就職できることは覚えておきましょう。
資格なしでもチャレンジできるため、応募のハードルは低く、新卒でも就職を目指すことが可能です。ただし、ハードルが低いのはあくまで応募であり、簡単に採用されるわけではありません。学童の先生になるには採用試験を受けなければならず、当然不採用になることもあります。無資格でも就職できる=簡単に採用されると思わないよう注意が必要です。
一部優遇資格あり
学童の先生は無資格でもなれますが、放課後児童支援員という優遇対象の資格があります。取得していると就職でも有利になりやすく、無資格よりも好条件で働ける場合が多いです。放課後児童支援員を取得するには、保育士資格や教員免許、あるいは社会福祉士の資格が必要です。
また、これらの資格がなくても高卒以上で、2年以上児童福祉事業に従事した経験があるなら、資格は取得できます。放課後児童支援員は合計24時間の研修によって得られる資格であり、要件さえ満たしていなら取得のハードルはそれほど高くありません。現在学童保育では放課後児童支援員の資格を持つものの配置が義務づけられており、需要は高いため、持っておくと就職でさらに有利になるでしょう。
正規・非正規どちらでもなれる
学童の先生は正規と非正規どちらの区分でも働くことが可能で、柔軟な働き方を実現しやすいでしょう。まずは非正規で働き、そこから正規雇用を目指す道もあるため、自身が求める働き方に合わせて就職の方法を選ぶことが大切です。雇用区分が違うと、当然給料や雇用の条件も異なるため、細かい違いを把握した上で区分選択をおこなう必要があります。
また、非正規から正規登用が可能かは学校ごと、自治体ごとに異なります。必ずしも正規登用を目指せるとは限らないため、正規での就職を希望するなら最初からそちらの区分で採用試験を受けたほうがいいでしょう。なり方は自由ですが、区分によっては仕事内容が異なる可能性もあることは理解が必要です。
学童の先生と保育士の違い
学童の先生は学童保育士と呼ばれ、保育士資格が求められることもあります。そのため、通常の保育士と混同しやすいですが、これらは別物のため間違えないよう注意しなければなりません。学童の先生と保育士で大きく違うのは、世話をする子供の年齢です。保育士の場合、基本的には未就学児を相手にし、園によっては0歳児から受け持つこともあります。
対して学童の先生は小学生が対象のため、保育士よりも相手をする子供の年齢は高いです。年齢が違うため接し方や教育の方針も異なります。保育士は子供の身の回りの世話がメインですが、学童の先生は社会性の形成や自主性の促進がメインです。接する子供の年齢の違いで、関わり方が大きく異なることは理解しておきましょう。
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学童の先生に向いている人
学童の先生を目指すなら、どのような人が向いているのかを知ることも大切です。向いている人の特徴を知ることで、仕事に求められる能力や人柄が分かり、採用試験での参考にもなるでしょう。特徴に当てはまるならそれを伸ばし、当てはまらない場合は身につけられるよう努力することが大切です。学童の先生に向いている人の特徴は大きく3つに分けられます。少しでも多くの特徴に当てはまるほうが、就職にも有利で仕事もスムーズに進めやすいでしょう。
子供が好き
学童の先生は子供と関わる仕事のため、子供好きであることは必須です。特に小学生くらいの年頃の子と接するのが好きだと、仕事もやりがいを感じやすいでしょう。学童保育では子供の自主性に任せることが基本方針といっても、実際には子供に交わって遊ぶことも多く、触れ合い時間も長いです。
そのため、子供が嫌いだと関わるだけでも苦痛になってしまい、嫌な気持ちが子供に伝わり、傷つけてしまう可能性もあるため注意しなければなりません。子供が好きなことは重要であり、どれだけ大変でも子供のためと思って頑張れることが大切です。子供が好きなら子供のために何をすべきかを考えることができ、一歩二歩先の仕事へと繋げやすいでしょう。
コミュニケーション能力がある
コミュニケーション能力があることも重要なポイントであり、子供と大人両方と良好な関係を築ける人が学童の先生には向いています。学童の先生は子供と向き合う時間が長いですが、必要に応じて学校の先生や保護者ともコミュニケーションを取ります。特に保護者と関わる際は注意が必要で、不信感を持たれてしまうと親が預けるのを拒否する可能性もゼロではありません。
子供同士でトラブルがあったり、怪我や事故が遭った場合にはそれを正しく報告し、説明責任を果たすことが大切です。また、子供と良好な関係を作るには、大人とは違った接し方をしなければなりません。相手の年齢に関係なく上手に振る舞えることが大切であり、コミュニケーション能力は高いレベルで要求されるでしょう。
自己分析のやり方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
教育意欲がある
学童の先生は放課後に子供たちを見守るのが主な役目ですが、単に監視役をしているだけでは務まりません。保育士や学校教員ほど積極的に介入はしないものの、学童保育の時間を使って教育をおこなうことは確かなため、子供たちを育てるという意欲を持つことが大切です。学童の先生の教育方法は他の先生とは大きく違っており、独自の方法を用いる必要があります。
どのような方法で接するべきかは子供によって違い、ひとりひとりに合った対応をしなければならないため、難しいことも多いでしょう。教育のハードルが高いだけに、意欲も相応に高くないと勤まらない可能性があります。子供を預かるだけではなく、成長させたいという意欲がある人ほど、仕事に熱心に取り組め、子供たちの成長も実現できるでしょう。
学童保育指導員の仕事内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
学童の先生は第二の教員
学童の先生の実態はあまり知られておらず、謎に包まれた職業のひとつです。放課後に子供を預かり、面倒を見る程度しか知られていないことが多いですが、実際には大変な仕事で、子供の成長に関わる重要な仕事だと考えましょう。学童の先生は必須の資格こそありませんが、子供と深く関わるため、思いやりの気持ちや教育の知識など幅広い能力が求められます。
子供の世話をするだけが仕事ではなく、受け入れ態勢を整えるための準備や、帰った後の片づけ、翌日の準備などもしなければなりません。学童の先生はいわば第二の教員であり、子供と深く関わり教育する仕事です。実態を正しく把握し、きちんと理解を深めてから、高い志を持って就職を目指しましょう。