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就活で頻出するグループワーク
就活において、企業側もさまざまな目線で就職活動をおこなっています。多くの就職希望者がいる場合は特に、限られた時間でできるだけ有効な方法で採用選考をおこなっていく必要があります。その方法のひとつにグループワークがあり、多くの企業が使っています。
グループワークとは、数人のグループに分けてひとつのテーマを全員が共有し、その内容についてディスカッションしていきます。テーマを共有してから最終的な結論を導くなかで、それぞれ個人の特性やスキルを見ながら、企業において必要な人材をピックアップしていきます。
1対1の面接とは違って複数の就職希望者と共に選考されるため、就職活動をしている方にとってはまた違った緊張感があるでしょう。
企業がグループワークを実施する目的3つ
グループワークは近年、採用選考の初期の段階で実施されることが多いといえます。だいたい4~6人ほどのグループに分けられ、1人の面接官がいくつかのグループをチェックしているパターンが多いのではないでしょうか。
企業がグループワークを実施するのは、単純に多くのメリットがあるからです。個人面接を行うことによって把握できる部分とはまったく違った観点から応募者を選考することができます。選考方法のひとつとして企業がグループワークを選ぶ目的は、主に3つあります。
それは、判断基準がブレないこと・コミュニケーション能力をチェックできること・実際に働く姿が見えることです。その詳細について以下で順に解説していきます。
判断基準がブレない
面接官も1人の人間です。それぞれ個人的な判断基準が多少なりともあることでしょう。そのため、1対1の個人面接だと面接官によって判断基準にブレが生じてしまうため、求める人材や重視する特質に違いが出てきてしまうでしょう。
グループワークは、1対1で手分けして何人もの面接をするわけではなく、同じ面接官が一度に同じ基準で数人の学生を見極めるので判断基準がブレないといえます。基準がひとつなので選考もしやすいといえるでしょう。
またグループワークでは面接官との相性などは関係がありません。個人面接において面接官との相性などが理由で、企業にとって必要な人材が選考から漏れてしまうことを防ぐことにもつながります。
コミュニケーション能力が分かる
コミュニケーションはどのような企業においても、仕事を円滑に進めていくにあたって必要不可欠なスキルです。書類や対面の面接では分からない他者との関わり方といったコミュニケーション能力を見る事ができるのは、グループワークの最大の目的といっても過言ではないでしょう。
提出書類においてはこれまでの経歴や持ち味・資格など、主に過去のことが多いです。また、対面の面接では面接官とのやり取りを通して、1対1のコミュニケーションスキルやその場での瞬発力・対応力などが確認できるでしょう。
しかしながら仕事とは、多くの人に囲まれながら適宜コミュニケーションを図って仕事を進めていくことが必須であり、上記の2つの方法ではこの能力を判断することができません。他方におけるコミュニケーション能力をチェックすることができるのは、グループワークだけだといえるでしょう。
実際に仕事をしている姿が見える
グループワークを進めていくなかでどんな風に話を展開していくのか、最終的にどんな結論を導き出すかによって応募者のさまざまな特性をみることができます。その姿を実際に仕事をしている姿に重ね合わせてみることで、面接官は応募者の将来の姿をなんとなく想像することができるでしょう。
企業が決めたテーマに沿ってリアリティを持ってグループワークを進めていくので、思考力や進め方などで実際にどんな仕事をしていく人なのかを見極めることができます。
全体をまとめることが得意な人や、頭の回転の速さで瞬時に今やるべきことを理解して進めていける人、時間を管理できる人、さまざまな特長を限られた時間で面接官が把握することができるでしょう。
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グループワークでよくあるゲーム8選
グループワークにおいては、さまざまなテーマが提供されます。現在ではゲームがテーマとなっている場合もあります。ゲームというと1人や対戦型などで楽しむイメージがありますが、グループワークにおいては、個人の力よりもチームワークが主体となって展開していくことが特徴的です。
グループワークがゲームであると何となく面白く感じるかもしれませんが、それも企業側の狙いかもしれません。仕事を疑似体験するような形で、グループで協調性を保ちながら進めていくなかで、自分らしさや素を出して個々の特長を上手くつかもうとしているといえるでしょう。
以下で、グループワークによくみられるゲーム8種を例に対策方法を見ていきましょう。
①地図を完成させるパズルマップゲーム
【概要】
①それぞれに道が描かれたパズルのピースが配られる
②配られたピースは他の人に見せてはいけない
③口頭でどんな絵が描かれているのかを伝えるのはOK
④時間内に地図を完成させる
それぞれが持っているピースを実際に見せることができないということが大きな特徴です。口頭で説明することは可能なため、相手により上手く伝えられるように情報を交換することで活発な話し合いが展開されていきます。ここでは単に情報を共有するだけではなく、相手の理解力も踏まえて分かりやすい説明を心がけるのがポイントです。
簡単な絵柄でも実際に言葉で伝えるのは、意外と難しいものです。応募者がさまざまなやり方を繰り広げるなかで、面接官は傾聴力や説明力を見ているといえるでしょう。最終的に地図を完成させることがゴールですが、1人では完成させる事ができないので、チームワーク力が試されるゲームとなっています。
②NASAゲーム
【概要】
①自分達が乗っている宇宙船が故障して月に緊急着陸
②迎えにくる母船の到着地点までは遠く離れている
③15個あるアイテムの中から最も生存に必要なものを全員で選ぶ
このゲームはコンセンサスゲームと呼ばれ、仲間と合意しながらゲームを進めていく必要があります。自分の意見も大切にしつつ、仲間の意見も受け入れる。時には相手の意見を変える、逆に自分の意見を変える必要が出てくる場合があるかもしれません。そんな場合でも他者の意見を認めて、チーム内に1人でも納得できていない人がいない状態に仕上げるが大切となるでしょう。
③マシュマロチャレンジ
【概要】
①パスタやひもを使用して自立可能なタワーを作る
②タワーの上にはマシュマロを置く
③テープで根本を固定してはいけない
④1番高いタワーを作成したチームが優勝
どのチームよりも一番高いタワーをつくるという目的に向かって、全員でチャレンジするゲームです。チームビルディングと呼ばれる、それぞれが主体性を持ちつつ同じ目的に向かって進んでいく事が重要となります。数人でひとつのチームとなりタワーを作っていきますが、挑戦的なチームだったり、保守的なチームだったり、チームの色も決まってくるので、全員が同じ方向性で進んでいけるように意識することがポイントです。
このマシュマロチャレンジにおいても同様ですが、1人の力では完成はできないということ。実際に組み立てていく人、遠くから角度や微妙な配置を確認していく人、全体のモチベーションを高める人、さまざまな役割を通してそれぞれの特性を見極めています。このゲームは一般企業の研修においても使用されており、チームワークを深めるために効果的だといえるでしょう。
④ペーパータワー
【概要】
①4~5人のチームに分かれ、それぞれのチームにA4用紙を30枚配布する
②5分の作戦タイム内で、できるだけ高いタワーを作る方法を話し合う
・その際、触れても良い紙は1枚だけ
・紙は折ったり、切ったりしても良いが紙以外の道具は使用禁止
③5分間でタワーを組み立てる
④5分経ったら、全員がタワーから手を離し10秒間数えた後、計測タイム
⑤優勝チームの発表
新聞紙やクラフト紙などを使い、より高いタワーを作ったチームが優勝です。シンプルなゲームですが、チームワークや忍耐力、粘り強さが求められます。時間内に完成させようと焦ってしまったり、イライラしてしまうと、うまくタワーを立てることができません。
チーム全員で気持ちを合わせることが重要です。その場の状況を冷静に判断し、適切に作業をおこなう正確さもポイントとなります。
⑤野球ポジション当てゲーム
【概要】
①4~6人を1チームとして1人につき3~4枚の情報カードを配布
②カードには野球のポジションに関する情報が記載されている
③カードを元に、誰がどのポジションかを導き出す
④正解の発表・振り返り
分断された情報を口頭のみで共有して、制限時間内に答えを導き出すゲームです。自分のカードを他の人に見せてはいけません。すべてのメンバーが発言しなければならない仕組みとなっているため、発言力を鍛える効果があります。
また、それぞれの持っている情報を交換して、ひとつの意見としてまとめる情報編集の力も求められるでしょう。「ジグソーメソッド」と呼ばれる手法を用いたゲームで、バラバラの情報をつなぎ合わせると、正解を導けるようになっています。
⑥レゴ
【概要】
①別の部屋に完成されたレゴブロックがあり、ひとりづつ見に行くことができる
・帰ってきてからメモはできるが、その場で書くのは禁止
②制限時間20分以内に、グループで見本と同じレゴを作る
・完成まで見本を見に行くことはできない。
レゴを完成させるためには、見本をしっかりと観察し、どのように作られているか理解する必要があります。このゲームでは物理的な理解力に加え、チームで情報を共有し役割分担などを決めながら、ひとつの作品を完成させていく協調性が重要になります。
ひとりで完成品を作るよりも難易度が高く、周りと協力しないと作品ができあがりません。ほかにも、レゴを積み上げ、より高く倒れないものを作るというゲームなどもあります。
⑦十人十色
【概要】
①3~7人のグループに分ける
②グループ内のメンバー1人について、好みの色や食べ物は何か他のメンバーが予想する
③正解すると点数が加算され、最終的に高い得点を得たチームが優勝
他の人の好きな物を当てるゲームです。「Aさんの好きな食べ物は何?」「Bさんは、目玉焼きには何をつけて食べる?」などの質問から、相手の立場になって答えを見つけていきます。ゲームの狙いは、自分の考えと他人の考えの違いを理解することです。
他人の立場を予想することは、マーケティングや営業など仕事においても重要なスキルになります。最初から相手の気持ちを決めつけず、他の人の目線から物事を考える力求められるゲームです。自分の意見ばかりを重視していないか、他者の立場が理解できているかがチェックされます。
⑧バースデイライン
【概要】
①グループ全員が立ち、制限時間内に誕生日順に並ぶ
②その際、言葉は使ってはいけない
③終わったらそれぞれ自分の誕生日を発表し、正しい順かどうか確認する
言葉を使わずに、ジェスチャーやアイコンタクトでお互いの答えを理解するゲームです。言葉を使ってはいけませんが、指などで数字を表すことは可能です。チーム全員でひとつの目標に向かって努力するというチームワークが重要になり、お互いに情報を伝え合うためにそれぞれ工夫する必要があります。
また、誕生日が同じだったり、近かったりということを知ると、メンバー同士の親睦が深まります。バースデイラインは、就活生のスキルや能力を判断するよりも、グループ内が仲良くなるためのきっかけとして、アイスブレイクの役割で使われることが多いゲームです。
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グループワークのゲームについて事前に対策しておこう
選考試験のひとつとして、グループワークを取り入れている企業が多くなっています。初めて会った人同士で、ひとつのゴールを目標として協力していくためには、チームワークだけでなく、必要な情報を見分ける力、複数の意見をまとめる力、冷静な判断力などさまざまなスキルが求められます。
企業によってグループワーク内でおこなわれるゲームは異なりますが、なぜそのゲームをするのか、企業はどのような点に注目してゲームの過程をチェックしているのかを考えてみましょう。
事前にゲームの内容や特徴を理解しておくと、グループワークにもスムーズに取り組むことができます。また、自分の役割を知り、適切な行動が取れるように準備しておくこともポイントです。就活の選考でグループワークがある際には、ゲームについても対策を立てておきましょう。