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【社会保険労務士の就職先】資格を持っていると就職率が上がるのか

社会保険労務士の就職の実態は?

社会保険労務士は、社会保障制度に携わって活躍しています。社会保険の加入手続きや保険料の計算、さらに労働契約や就業規則の作成など、企業において就労者をフォローします。就労者の権利や安心できる生活を支援するスペシャリストであり、労働環境を円滑にするために必要不可欠なお仕事なのです。

社会保険労務士は企業の労務や人事、総務部で活躍しているだけではなく、独立開業として働いている方も多いのが現状です。特に、最近では様々な労働問題が明るみにされているため、社会保険労務士にとっては追い風が吹いているとも言えます。つまり、労働環境をスムーズにする社会保険労務士はニーズが高まっているところがポイントです。

社会保険労務士になるには

社会保険労務士とは、社会保険労務士法に基づいた国家資格者になります。社会保険労務士になるには、まず社会保険労務士試験に合格すること、そして全国社会保険労務士連合会の名簿に登録する必要があります。社会保険労務士の業務は、社会保険の手続きから労務管理、時には個別労働関係紛争の解決に関わることもあります。

簡単に取得できる資格ではないため、しっかりとした事前の準備が必要になります。通信教育や専門学校などのコースも充実しています。費用がかかるため、自分に合った勉強法をしっかり計画し受験に備えることが大切です。

国家試験に合格しなければならない

まず、国家試験に合格しなければなりません。試験は社会保険労務士試験センターが運営していて、毎年8月の第4日曜日に実施されます。試験内容は労働法令、社会保障法令、一般常識(労働に関するものと社会保険に関するもの)から出題され、選択式(1科目5点満点で合計40点)と択一式(1科目10点満点で合計70点)の両方が出題されます。

年に1回しか実施されない試験で、合格率も7~10%と難易度が高いです。準備・対策をしなければ到底合格できるものではありませんが、参考書での独学から通信教育や専門学校の講座など勉強法は様々あります。自分の知識や受験までの期間に合わせて勉強することが合格への近道です。

全国社会保険労務士会連合会の登録が必要

国家試験に合格するだけでは、社会保険労務士と名乗れません。正式に社会保険労務士になるには、全国社会保険労務士連合会の名簿に登録し、各都道府県の社会保険労務士会に入会する必要があります。また、登録するには企業か社労士事務所等で2年以上の実務経験を経て、事業主から証明される「労働社会保険諸法令関係事務従事期間証明書」を連合会に提出するか、連合会が実施する4ヶ月間の通信教育と4日間の面接講習を受講することで、2年間の実務経験に代えるかする必要があります。

さらに、登録税や登録手数料、各都道府県の社会保険労務士会への入会金や年会費なども必要ですので、あらかじめ社会保険労務士登録の必要性は確認しておきましょう。

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社会保険労務士の就職先はどのようなところがあるの?

就労者にとって欠かせない存在である社会保険労務士。人材に関する専門家ということで、魅力的に感じる方も多いと思います。そこで気になるのが、社会保険労務士の就職先です。誰もが知る有名な職業というわけではないため、なかなかピンとこない方もいらっしゃるでしょう。そこで、社会保険労務士の一般的な就職先を3つに分けてご紹介します。

社会保険労務士事務所

就職先の1つ目に挙げられるのが「社会保険労務士事務所」です。個人で事務所を開き、人事や労務管理の専門家として法人個人問わず企業からの依頼に応えるというものです。基本的に労働管理や社会保険に関する相談・指導をおこないます。社会保険労務士事務所への就職の多くは、全国各地に存在する社会保険労務士会からの紹介で成り立っています。

そのため、社労士を目指す人にとってはオーソドックスな就職先だと言えるでしょう。ただし、社会保険労務士事務所の求人自体が非常に少ないという現状もあります。インターネット上の就職サイトやハローワークに求人は出ているものの、そのほとんどは時給制のパートであることが多いのです。給与水準も低いと言われており、高待遇の求人はあまりないと思った方がいいかもしれません。

他の士業の法律事務所

就職先の2つ目として「他の士業の法律事務所」が挙げられます。つまり、社会保険労務士ではない他の士業の事務所内で社会保険労務士業務をおこなうことを指します。こちらは法律事務所に場をおいて賃金形態や労災、年金に関して相談に乗ったり指導をしたりするもので、業務内容はさほど変わりません。

ただし社労士事務所と同じく、給与面においてあまり待遇がよくない場合があるところがネックだといえます。求人数が少なく、たとえ資格を持っているとしても簡単に就職先が見つかる可能性は高くありません。社労士の資格を持つ人にとってはオーソドックスな就職先とは言えど、すんなり就職することは難しそうです。

企業の人事部や総務部

社会保険労務士の就職先3つ目は「企業の人事部や総務部」です。労務関係のプロとして人事や総務で資格を活かすもので、外部の社会保険労務士に頼る必要がなくなりコストダウンに繋がるので優遇されます。資格所有者としてお給料にプラスで手当がつく場合もあると言われています。

求人でも募集欄に「社会保険労務士有資格者待遇」と書かれている場合が多いので、ぜひチェックしてみてください。ただし、社会保険労務士として企業に就職する場合は、たとえ資格を持っているとしても実務経験がなければ採用されにくいことを頭に入れておきましょう。実際すでに人事部や総務部で働いている人が、キャリアアップのために社労士の資格を取得するケースが多いようです。

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社会保険労務士資格があると就職率がいいのか

社会保険労務士の就職先を紹介してきましたが、たとえ資格を持っているとしても簡単に就職先が見つかるわけではなさそうですね。人材のスペシャリストだからこそ、その職を手にするのは狭き門なのです。そこで気になるのが、「社会保険労務士の資格を持っていると就職率は上がるのか」という問題です。就活では資格を取得しておくと有利に働くため、社労士の資格取得を視野に入れている方もいらっしゃるはずです。ここで、その気になる疑問を解決しましょう。

実態は資格よりも実務経験の方が有利

実際には、社会保険労務士の資格を持っていることよりも実務経験を積んだ方が有利になってきます。先ほどもご紹介したように、社会保険労務士の就職先は少ない現状があります。社労士有資格募集と資格保有者を優遇する求人もありますが、何と言ってもその数の少なさは否めません。

しかし、実務経験があると、数少ない求人の中でも大きな強みになります。また、社会保険労務士の資格取得は非常に難易度が高いということも頭に入れておきましょう。合格率は年によって変動しますが、平均して10%未満です。

資格にプラスαがあると差別化できる

実務経験が重要視されるとお伝えしましたが、社会保険労務士の資格とは別にマッチするスキルを持っていることで就活では有利に働きます。ここで、社労士の業務に関連する資格や働く上で役に立つ資格をご紹介します。

  • 行政書士
  • 中小企業診断士
  • 簿記検定
  • フィナンシャルプランナー

上に挙げた資格は保険や法務手続きなどで、業務上深い関わりのある資格です。このようなプラスαの資格を持っていることで、業界の様々な知識が身についていると印象付けることができ、さらには顧客からの信頼も高まります。関連した資格を持っていることは、就職において立派な強みになるのです。高度な業務を扱うことが出来るとして企業から高評価を受けるためにも、社会保険労務士以外の資格を取得して差別化をすることが重要です。

社会保険労務士は会社経営をサポートする職業

近年企業と労働者や雇用の問題等が増加していく中で、社会保険労務士の需要は増えています。会社経営をしていれば、労務や雇用関連の問題を避けて通ることはできません。例えば組織と従業員の間でトラブルになったときや、会社経営を進める上で重大な問題が発生したときに活躍するのは、法的な専門知識を備えた社会保険労務士なのです。

よって、会社経営を円滑に行うために欠かせない存在だと言っても過言ではありません。
社会保険労務士は求人数こそ少なく就職するには狭き門ではありますが、労働問題が増加している中で必要とされている存在です。つまりその需要をうまく活かすことによって、就職に有利に働く資格となるでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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