目次
資格を取得するメリットとは?
在学中に自己啓発として資格を取得することは当たり前となっていますが、就活においても資格取得はとても重要だと聞いたことがあるでしょう。なぜ資格を取得することが就活でメリットとなるのか、どんな資格を取得すればいいのかなど、具体的な内容は意外と知られていません。
自分自身の就活に合った資格を取得することは内定獲得の大きな手助けとなります。資格取得を目指す際、事前にしっかり準備と計画をしておくことが大事です。
スキルを具体的に示すことができる
就職活動において資格取得というのは色々なメリットがあります。まず一番大きいのは、その資格の所持で自分自身のスキルを具体的・客観的に示すことが出来るようになることです。新卒採用は中途採用と違いきちんとした仕事の経験がありません。
そのためアルバイトの経験などでは、業務に活かせる(必要な)スキルが備わっているという事を面接官にアピールするのはなかなか容易ではありません。しかし資格を所得する事によってスキルの保持やそのスキルレベルを第三者的視点で証明することが可能になります。また資格取得は一定の労力や取得の努力を必要とするので、その仕事への志望度や継続力・向上心などをアピールする材料にもなります。
資格が全てではない
エントリーシートに必ずあるのが、「資格」の欄です。何もなくても特に問題ではありませんが、埋められないでいるとなんとなく不安になるものです。資格を持っているからと言って、それが直接就職につながるわけではありません。
しかし、志望の業界にどういった資格が必要なのか、具体的にどんな就職先があるのかなど、資格を知ることは就活に役立ちます。時間のある学生時代だからこそ取りやすい資格もありますし、今から取っていて損ではない資格も沢山あります。
実は国家資格でも難易度の低いものや、受験制限のないものあるため、取得のしやすさやコスパの良さも踏まえつつ、本記事では特に就職に有利な資格10選をご紹介します。
取得する場合は志望企業で活かせるものが◎
就職活動においての資格取得は、同時に企業へのアピールであることを忘れてはなりません。つまり、その資格のスキルが志望する企業の仕事で活かせるものであることは、重要なポイントになります。
例えばパソコンの資格など、ある程度どのような仕事においても必要なスキルは別ですが、入社後の仕事と全く関係ない資格については取得の努力や向上心をアピールすることはできるものの、業務の適性についてアピールすることはできません。
せっかく時間と労力をかけて取得する資格ですから、志望する企業に最大限アピールできるものを選んで取得することが重要になります。
あなたが受けないほうがいい職業をスマホで確認してください
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
取りやすい資格10選
資格を取得していると、採用試験の際にも有利となることがあります。履歴書などに記入することで、自分のアピールにも効果的です。就職を希望する企業や業界で、役に立つ資格を持っていることも大切です。ここでは、就職活動にも有利になる、比較的取りやすい資格を10個紹介していきますので参考にしてみてください。
希望する職種で、どのような資格を持っていれば活かせるのかを、事前に確認しておきましょう。もし、就職試験の時に資格を取得していない場合でも、資格に向けて勉強中だというだけでも、前向きに取り組んでいるというアピールになります。
①自動車運転免許
学生時代に一番取りやすい資格といえば、自動車運転免許です。しかも、自動車運転免許は国家資格でもありますし、身分証明書としても使えます。取得する際には、大体20万から30万円かかってしまいますが、コスパは最強です。
長期休暇の間に合宿で取れば、期間も費用も抑えることが出来ます。社会人になってから取ればいいと考えてるなら、それは大間違いです。いざ働きだすと、なかなか運転免許取得の時間は取れません。乗る予定がないからいらない、と思っている方もいるかもしれませんが、車で営業に回ったり、荷物を運んだりすることもあるので、持っていて損はない資格です。
試験も難しくないので、国家資格の中では取りやすさはピカイチでしょう。車で旅行にいく時にも便利ですし、将来職に困ったとしても、タクシーの運転手や運送業などで働くことができるようになります。
②簿記検定
簿記検定とは、一般的に商工会議所が実施する日商簿記検定のことを指します。1級、2級、3級、初級の階級があり、どの区分からでも受験可能です。ちなみに、全国経理教育協会が実施している「簿記能力検定」もあります。
どちらも簿記能力を問う試験ではありますが、日商簿記検定の方が知名度の高い資格です。高校生でも取れる難易度の階級もある割に、簿記検定にはビジネスパーソンとして役立つ知識が詰まっています。独学でも要領よく勉強すれば、合格可能なこともおすすめする理由の一つです。
簿記検定3級は持っているとベスト
3級は社会人として必須の基礎知識が含まれています。総理関係の書類の処理などに加え、確定申告の際に必要な青色申告書類の作成に関する知識などが問われます。簿記に関する基本的なルール、勘定科目、仕分けといった簿記の基本的な項目が試験の内容です。
難易度が比較的低く取得している人も多くので、珍重されるほどの資格ではありませんが、職種に関係なく持っていて損はありません。将来、中小企業などの経理事務として役に立つだけでなく、志望企業の業績を分析するスキルとしても使えます。
将来起業を考えている人などには良いきっかけとなるでしょう。就職前の土台作りとして、また社会人の基本スキルとして3級は修得しておくのがベストです。
総務系を希望するなら2級まで
2級となると、多少難易度は上がりますが、それでも独学で十分合格が可能な資格です。ただし、2級と3級同時取得だと独学では多少無理があるので、まずは3級の内容を十分に理解し、取得した上での受験をおすすめします。
なぜなら2級は3級と異なり、商業簿記に加え、原価計算などを含む工業簿記についても試験を受けなくてはなりません。2級に合格すれば、財務に関係する諸々の表の数字から、経営内容を把握することが可能となります。
企業の財務担当には必須の資格ですし、ここまで取得していれば総務系の職種を希望する場合は、即戦力として認識してもらえます。費用も5,000円程度とお手頃なので、学生時代に一度ちゃんと勉強し習得しておけば、企業人として一歩リードできるでしょう。
③ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は東京商工会議所が実施している、ビジネスにおける法律知識の修得を目的とした試験です。1級から3級まで設定されており、どの階級にも受験制限はありません。2級からの受験、2級と3級の同時受験も可能です。いかなる仕事でも、法律の範囲内でおこなわなければなりませんし、正しい法律知識を身に着けておけば自分の身を守ることができます。
事前にリスクも回避でき、契約時のトラブルなども防ぐことも可能です。3級は、全ての社会人に通じる内容になっており、業務をおこなう上で最低限知っておくべき法律の基礎知識が問われます。2017年度版の3級公式テキストの基礎知識と、それを理解した上での応用力が問われ、試験はマークシート式で試験時間が2時間あります。
100点満点中70点以上で合格とされており、2016年は約70%とかなり高い合格率をマークしています。2級以上は管理職(候補)向けとされてはいますが、学生でも受験可能なので、さらなるスキルアップを目指すならば挑戦してみるのもよいでしょう。
比較的新しい民間資格なので、認知度が高いとは言い難いですが、それから注目が高まる可能性は大いにあります。法律関係の資格の中では難易度の低いものですし、自分を守るすべとして知っているに越したことはありません。
適職診断を試してください。
適職診断はもう試しましたでしょうか?就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
④登録販売者
ご紹介したおすすめの資格の中でも、特に就職につながりやすいのが登録販売者です。試験合格までは、3ヶ月から半年ほどの学習期間といわれており、独学での取得も十分可能な内容です。
国家資格の中では取得しやすい難易度ですし、即戦力としてすぐに働くことが出来ます。法律の改正により、ここ数年でぐっと注目度も上がっており、年々その活躍の場も広がってるといえるでしょう。次に資格の概要から、仕事の内容や就職先までまとめて見ていきましょう。
登録販売者ってどんな資格?
登録販売者とは、第二類および第三類一般薬品を販売する際に必要とされる資格のことをいいます。2009年に薬事法が改正され、それまで薬剤師もしくは薬種商しか医薬品の販売が出来なかったところを、医薬品を販売できる専門家として設けられた資格です。
また、改正によって薬局やドラッグストアだけでなくコンビニやスーパーでも一定の条件を満たし、登録販売者がいれば医薬品の販売が可能となりました。登録販売者は主に一般用医薬品を購入する人に対し、薬の情報提供や服薬指導などをおこないます。
試験は都道府県がおこなう筆記試験のみで、以前は設けられていた受験資格も平成27年から撤廃され、学籍や年令に関係なく誰でも受験することができるようになっています。
登録販売者の就職先は?
実は、試験に合格後すぐに一人で販売できるというわけではありません。正登録販売者として登録するためには、試験合格後5年の間に通算2年以上の業務経験が必要になります。それまでの間は、薬剤師または店舗管理者に値する登録販売者の下で販売しなくてはなりません。
就職先は薬局やドラッグストアを始め、先にも述べたようにコンビニやスーパーでも就職が可能です。一般用医薬品の販売許可を得るために、登録販売者を優先的に採用している企業も見られ、今度は更に注目をあびる可能性が高まっています。医療関係の企業だけでなく、漢方や健康食品などの販売も視野に入れている人におすすめの資格です。
⑤FP技能士
FP技能士とは、ファイナンシャル・プランニング技能士の略で、主に貯蓄計画や相続対策など資産運用等に関するアドバイスを行います。金融商品や株式、保険や不動産、税金に年金、ローンなど、生活に関わる資金全般に携わるため、金融や保険業界を目指す人におすすめです。
FP技能士は国家資格であり、等級は1級から3級まであります。取得するためにはファイナンシャル・プランニング技能検定に合格する必要がありますが、試験機関は金融財政事情研究会と日本FP協会の2箇所があるので要注意です。
会得する資格に違いはありませんが、実技試験の内容が異なりますし、日本FP協会にはFP技能士に加えCFP®資格(上級資格)・AFP資格という独自の資格が設定されています。学科試験はどちらも同じで難易度は高くないものの、下の階級を取得してからでないと次の階級の資格を受験することができません。
また、2級からは研修の受講と実務経験が必要になるため、上の階級へ行くまでには結構時間がかかります。3級から1級まで同じ機関でなければならない、というわけではないので、受験する際は実技試験の内容を考慮した上で、試験機関を選びましょう。3級を取得しておけば就職時には役に立ちますし、それ以降の試験も受けやすいので、足がかりには十分な資格と言えます。
⑥MOS
パソコンスキルをアピールしたいのであれば、MOSが有効だと言えるでしょう。MOSとはマイクロソフトオフィス商品のスキルを測る資格試験であり、2つのレベルの試験が行われています。マイクロソフトオフィス商品は社会で働く際、さまざまなところで活用されています。
書類や記録書の作成で用いられる「Word」、売り上げの集計等で用いられる「Excel」など、企業で働くにおいて、必ず触れることになるのです。そのためMOSを保有していることで、即戦力となるパソコンスキルを有していることを効果的にアピールすることが出来、採用担当者に好感を持たれる可能性があるのです。
どのような職場でも活かすことができる
上述の通り、マイクロソフトオフィス製品は多くの職場で幅広く活用されています。そのためMOSで学んだスキルはどのような職場においても活かすことが出来るのです。営業の仕事に従事する際には、顧客向けのプレゼン資料を作成することもあるでしょう。その際には、「Power Point」のスキルが非常に有効になります。
またデータベースの管理に携わるのであれば、「Acces」のスキルが重要なものになります。このように、企業で仕事を進める際にはMOSで学ぶスキルが非常に役立つのです。企業からしても、パソコンスキルは仕事において不可欠なものであるため、その分野において高いスキルを有している就活生を重宝するでしょう。MOSは企業に対して自身を効果的にアピールすることの出来る資格なのです。
⑦秘書検定
秘書検定も就職活動を有利に運ぶ際に効果的な資格の1つと言えるでしょう。「秘書になるつもりは無いし、自分には関係ない」と思う就活生も多くいるかも知れません。しかし秘書検定では社会人として必要とされるビジネスマナーをしっかりと学ぶことが出来るのです。秘書にはビジネスマナーという点において、非常に高いレベルが求められています。
しかし秘書だけでなく、社会で働くにあたって、ビジネスマナーは誰もが必ず習得しなければならないものです。秘書検定の勉強を通じ、ビジネスマナーをしっかりと身につけることが出来ているのであれば、就職活動において採用担当者に好印象を持ってもらうことも可能になるのです。
⑧TOEIC
TOEICは、ビジネスで使われる英語を中心として、どれだけ英語の知識があるかを数値で表すことができるテストです。TOEFLと比較すると世界的な認知度は低いですが、日本ではTOEICが評価を得やすいです。TOEICを受検することで、自分の英語力を数値化して企業にアピールすることが目的となります。
英語の資格というと、英検がありますが、英検は日本独自の資格検定試験です。そのため、外資系の企業には、英語レベルが正確に伝わりにくいです。TOEICは国際的なテストですのでそういった心配はありません。外資系の企業や、業務のなかで英語を必要とする企業を受けるのであれば、受験して自分のスコアを把握しておくようにしましょう。
企業が新入社員に求める点数は500~595点
500~595点 3語~7語程度の短い文章であれば読み取れる。
600~695点 仕事関連のメモを理解できる。食べ物などのオーダーができる。
700~795点 会議や社内文書を理解できる。日常業務を英語で説明できる。
800~895点 日常会話は完ぺき、トラブルを英語で解決できる。
900~990点 ほぼネイティブ。
TOEICでは、990点を満点として、英語力がスコアで数値化されます。そこで、TOEICスコアの数値と英語力の目安をご紹介します。
新入社員に求められているレベルは500~595点とそこまで高くないため、気負いすぎずに受検してみるといいでしょう。海外展開している会社では、入社後の英語研修が充実している場合もあります。まずは自分の英語力を知り、アピールの材料としましょう。
海外展開している会社への就職も安心
企業のグローバル化が進んでいる今、海外に支店や拠点を置いている日本企業も少なくありません。海外で働くつもりはないから大丈夫、と思っていても、突然海外へ赴任することになる可能性もあります。そんな時、TOEICのスコアがあれば自分の英語力を簡単に示すことができます。
TOEICのスコアに有効期限はありませんが、ブランクが長いと英語力が落ちている場合もあります。TOEICは年に10回、約80都市で開催されていますので、気になる場合には再受検して現在のスコアを確かめるといいでしょう。海外展開している企業の場合、自社で英語の研修をしていることも多いです。入社してから研修についていけないのでは困りますので、TOEICを通してビジネス英語の基礎を身につけておくと安心できます。
⑨医療事務
医療事務は、女性に人気のある資格です。病院などの受付、事務で活かせる資格で結婚・出産を経ても長く働き続けられる資格として、取得する人が多くなっています。病院は、これから高齢化社会が進んでいく中でさらに増えると予想されていて、医療事務も安定した職業だといえます。
独学で取得する人もいますが、資格のための学校に通ったり、通信講座で勉強をしたりするのが一般的です。医療事務のなかでも種類がいくつかに分かれていて、それぞれ難易度も異なります。医療事務の資格は国家資格ではなく、すべて民間の団体や主催学校などの認定資格となっています。資格が無くても医療事務として働くことはできますが、取得しておくと就職に有利となるでしょう。
⑩危険物取扱責任者
危険物取扱者は、危険物を取り扱うのに必要な国家資格です。消防法によると、火災などの危険性の高い物質を「危険物」として指定しています。資格は大きく分けて3種類あり、甲種(こうしゅ)、乙種(おつしゅ)、丙種(へいしゅ)となっていて、それぞれ扱える物が異なります。
甲種は、第1類から第6類のすべての危険物を扱うことができます。乙種は全6種類のなかで、試験に合格した類の危険物が扱えます。丙種では、乙第4種類のうちで指定された危険物のみを扱うことができます。危険物取扱者の資格のなかで最も人気のあるのが、乙種第4類と呼ばれるものです。こちらの資格があれば、危険物全体の80%の物が扱えます。ガソリン、軽油、灯油など身近な危険物がこれにあたります。
難易度が低く取りやすい資格を攻めよう
以上、特に業界を問わず持っていて損はない資格をピックアップしました。どれも難易度は低めで、コスパもかなり良い資格ばかりです。資格をとるにはそれなりの時間もお金もかかります。資格の取得とは、自分への投資です。試験料だけでなく、その後の汎用性や利便性も加味した上で、長期的な価値で資格を判断しましょう。
今は重宝されている資格であっても、数年後には機械に取って代わられているなんてことも現代では十分ありえます。「シンギュラリティ」という言葉が巷にあふれる今、会計や翻訳などは数年後にはAIがほぼ占領するとも言われています。手に職をつけろとはよく言ったもので、機械に乗っ取られない資格を見極めることも大切なことです。