業界研究

【石油業界徹底研究ガイド】就活に役立つ情報を一挙大公開!

石油業界とは

石油業界などエネルギー関連の業種は、就活生にも人気の高い業界です。石油業界の安定したイメージは、自動車のガソリンや工業用の重油など生活や産業に欠かせないものを扱っているからかもしれません、

しかしその反面、石油の枯渇問題や国際政治経済の問題など、多くの課題を抱えていることから、業界の先行きが不透明というイメージも少なくありません。石油業界を志すのであれば、まずは石油業界の基本的な情報を把握して、業界の常識を知ることが大切です。

石油業界の現状と動向

石油業界は、原油を精製した石油を販売する仕事です。原油の多くは海外からの輸入に頼っていますが、大手の企業では原油の採掘から輸送・精製・販売までをグループでおこなっているところもあります。

また、企業によっては現在、石油以外のエネルギー関連事業もおこなっており、例えば天然ガスや石炭開発などは、多数の石油企業が主力事業として取り組んでいます。石油業界は、20世紀初頭に船舶や自動車の燃料用の石油の市場が確立すると、急速に発展していきました。以後、石油産業は現在まで一定の需要を保っているでしょう。

しかし国内の石油業界は、原油の調達をほぼすべて輸入にたよっているため、原油価格によってその動向が左右される傾向にあります。原油価格は産出量だけでなく、産油国を中心とした国際的な政治経済によって左右される傾向にあり、そうした懸念から業界の再編成も進んでいる状況にあります。

石油業界の業績推移について

  • 業界規模:20兆3,019億円
  • 平均年収:796万円
  • 平均継続年数:18.1年

石油業界の業績規模は20兆3,019億円と高い水準にありますが、ここ数年は下落傾向にあります。これは近年の消防法改正に伴う設備改修の膨大な費用増、および原油価格の大幅下落の影響などが原因とみられているでしょう。

平均年収に関しては796万円で、業界別ランキングでもトップテンに入る高い水準にあります。また企業別ランキングでみると、上位10位までの企業が700万円以上の平均年収を達成しています。しかし近年の業績の低調の影響からか推移は横ばいです。

平均継続年数も18.1年と平均的よりやや長い傾向にあります。石油業界は大きな資本力を持つ会社が多く、比較的安定した収入が得られることから転職は少ないようです。

石油業界の仕事内容

石油業界の仕事と聞くと、石油販売というイメージが強いと思います。石油販売は各部門の役割が実行され、成り立っています。では石油業界の仕事内容をご紹介します。
石油業界では、「インフラ開発」という設計や、建設、資源開発をおこなう部門があります。次に、「管理・保守」という運転や保守管理、調達などを担う部門があります。3つ目に、卸営業や販売をおこなう部門があります。

そして、どの企業にも経営するために欠かせない共通する部門があります。それが、「経営・人事・総務・経理財務」です。就活で企業分析をおこなっていると、このワードというのはよく出てくるものだと思います。しかし、企業によっては、経理財務や法務は外部に委託しているところもあります。石油会社の経理で働きたいと思う学生は、自分のしたいものがあるのか調べておきましょう。

石油業界の細かい職種分類について

  • プロセス管理
  • プラント管理
  • セールスエンジニア
  • 研究開発
  • 石炭エンジニア
  • 事務系

石油業界の職種については、分けると技術系と事務系の二つです。まずは技術系の主な5つの職種について簡単に説明します。

プロセス管理は、石油精製や石油化学製造に関わり、その生産計画などを担当し、プラント管理はプラントの設計から新設・補修などプラントの管理を行います。セールスエンジニアは潤滑油や石油化学製品の販売からメンテナンスなどを行う技術営業職です。

研究開発は精製プロセスや触媒、科学材料などの研究開発に携わり、石炭を扱う企業であれば、石炭権益の取得や炭鉱開発を担当する石炭エンジニアという職種もあります。

事務系については、販売や経理・人事など一般的な職種はもちろんありますが、なかでも石油業界特有の業務としては、原油などの一次エネルギーを調達する仕事が挙げられます。このように専門性の高さが求められるものが多いのが、石油業界の職種の特徴です。

石油業界の年収は日本の平均より高い

次は、石油業界の年収をご紹介します。石油業界の年収は、高いイメージの人が多いのではないでしょうか。国税庁が発表する「1年を通じて勤務した給与所得者に関する主な結果」によると、一人当たりの平均給与は422万円であることが分かりました。日本の平均年収と比較すると、石油業界の年収は高い傾向にあります。

それでは、石油業界の大手5社の平均年収をご紹介します。石油業界の就活を行う際の判断材料として参考にしてください。有価証券報告書に基づいて、ご紹介します。

■JXホールディングス株式会社 (第3期 平成25年3月31日末)
従業員数97 年齢44.3 年収1,177.5

■出光興産株式会社 (第98期 平成25年3月31日末)
従業員数4,200 年齢43.2 年収943.8

■コスモ石油株式会社 (第107期 平成25年3月31日末)
従業員数1,899 年齢41.8 年収742.5

■昭和シェル株式会社 (第101期 平成24年12月31日末)
従業員数946 年齢44.5 年収954.6

■国際石油開発帝石株式会社 (第7期 平成25年3月31日末)
従業員数1,304 年齢39.3 年収929.2

エネルギー業界の業界・企業研究を効率的に進めよう

電力、ガス、石油といったエネルギー業界で働きたいという就活生は、エネルギー業界の仕組みや各企業について把握することが大切です。業績推移や各社の強みを知っておくことで、「この企業でなければならない」という入社意欲を志望動機に反映させることができるでしょう。

そこでおすすめなのが「エネルギー業界大研究Book」です。今後の課題や展望についても把握しておきましょう。無料でダウンロードできるため、効率的に業界・企業研究を進めたい就活生におすすめです。

主要企業5選紹介

石油業界の企業は、基本的に石油を販売する事業を扱っています。しかし、その規模や経営方針によっては、多様な事業を扱う企業も少なくありません。また業界再編も激しく、企業ごとの事業や経営方針の特徴を掴むことは、今後の動向を知る上でも大切なことです。

主要な企業は国内では大きな利益を挙げていますが、今後の成長を持続させるために各社さまざまな方針を打ち出しています。主要な企業の情報を知ることで、業界の大きな流れを把握しましょう。

①JXTGホールディングス株式会社

  • 企業名:JXTGホールディングス株式会社
  • 代表取締役社長:木村 康
  • 従業員数:26,247人
  • 設立年月日:2010年(平成22年)4月1日

JXTGホールディングス株式会社は国内の石油業界でダントツの売上を誇る有力企業です。石油精製販売などのエネルギー事業の他にも、石油・天然ガス開発や金属事業などを手がけています。

2010年、新日本石油株式会社と新日鉱ホールディングス株式会社の経営統合によってJXホールディングス株式会社となり、その後東燃ゼネラルの吸収合併に伴い2017年に今の社名となりました。国内燃料油50%の販売シェアを誇り、売上高は10兆円に及ぶ国内有数の企業グループです。

しかしながら国際情勢や資源価格の不安定な状況、国内での石油需要の減退やグローバル市場の競争激化に警戒心を強めています。そのためにリスクに強い事業を構築し、それを育成・発展させるという成長戦略を掲げており、その実現にふさわしい人材を求めています。

②出光興産株式会社

  • 企業名:出光興産株式会社
  • 代表取締役社長:月岡 隆
  • 従業員数:9,139名(2017年3月末現在)※臨時就業者を除く
  • 設立年月日:1940年3月30日(創業1911年6月20日)

出光興産株式会社は「アポロマーク」のガソリンスタンドでおなじみの国内有数の大手企業です。2016年度は連結業績で過去最高益を達成しています。さらにロイヤル・ダッチ・シェルから株式を取得し、昭和シェル石油株式会社の筆頭株主となり、経営統合の意欲を示しています。

事業内容は石油の精製販売を始め、石油化学や有機EL材料など多角的に手がけています。また、石油開発事業ではノルウェーや英国、東南アジアを中心に石油・天然ガスの探鉱・開発・生産プロジェクトを推進しています。出光興産は今、社が歴史的な転換期にあると自ら語り、社員には使命感を持って協調的に事業を発展させていくことが求められています。

③コスモエネルギーホーディングス株式会社

  • 企業名:コスモエネルギーホールディングス株式会社
  • 代表取締役社長:桐山 浩
  • 従業員数:136名(2017年3月31日現在)
  • 設立年月日:2015年10月1日

コスモエネルギーホールディングス株式会社は、2015年にコスモ石油株式会社から持株会社体制に移行してできた会社です。コスモ石油株式会社は、1986年に大協石油株式会社、丸善石油株式会社、旧コスモ石油株式会社(精製コスモ)の3社が合併し発足しています。

コスモエネルギーホールディングスは傘下グループの経営管理の他に、風力発電やソーラー発電などの環境ビジネス事業にも取り組んでいます。傘下にあるのは、エネルギー資源開発のコスモエネルギー、石油供給事業のコスモ石油、石油販売のコスモ石油マーケティングです。

コスモ石油ではこうした生活に欠かせない石油製品や、インフラの整備をグローバルに取り組んでおり、そうした事業を支える人材が求められています。

④昭和シェル石油株式会社

  • 企業名:昭和シェル石油株式会社
  • 代表取締役社長: 亀岡 剛
  • 従業員数:787名
  • 設立年月日:1985年(昭和60年)1月1日

昭和シェル石油株式会社は、1985年に昭和石油株式会社とシェル石油株式会社の合併により発足しました。母体会社は両社とも古く、昭和石油は1942年(昭和17年)の設立、シェル石油は1900年(明治33年)の設立です。

手掛ける事業は石油事業とエネルギーソリューション事業。石油事業は主に輸入した原油を精製し、全国のサービスステーションでガソリンなどの石油製品として販売しています。エネルギーソリューション事業では、太陽電池事業や電力事業をおこなっています。

昭和シェル石油は多様化するニーズに応えられる、新しいエネルギー企業を目指しています。新しい人材には、そうした目標に取り組めるチャレンジ精神が求められています。

⑤国際石油開発帝石株式会社

  • 企業名:国際石油開発帝石株式会社
  • 代表取締役社長:北村 俊昭
  • 従業員数:1,351人(単独) 3,263人(連結)
  • 設立年月日:2006(平成18)年4月3日

国際石油開発帝石株式会社は、原油・ガス開発生産の国内最大手企業で、INPEXを略称としています。原油や天然ガスなどの探鉱活動、油・ガス田の買収などの商業開発、生産した原油・天然ガスを石油精製会社や電力・ガス会社へ販売するなど、エネルギーの上流部門とよばれる事業をおこなっています。

世界20数カ国で約70のプロジェクトを展開しており、グローバルな規模でエネルギーの供給をおこなう企業です。国際的な大規模なプロジェクトを成功させるためには、事業パートナーとの信頼関係が重要です。このため技術力だけでなく、コミュニケーション能力や高いマネジメント力が求められています。

石油業界研究のおすすめ書籍紹介

石油業界を研究するために、書籍を読むのもおすすめの方法です。ネットやニュースでは詳しく触れられていない情報を書籍では解説していることも多く、書籍で得た知識はそれらの不十分な情報を補うことができ、知識の質がより高まります

質の高い知識を蓄えることは、複雑な石油業界の状況をより深く理解することにつながります。石油業界を志すのであれば、書籍を合わせて読むことで業界研究をより質の高いものにしていきましょう。

絵でみる石油ビジネスのしくみ

絵でみる石油ビジネスのしくみ』という本は、石油に関する基礎知識を分かりやすくイラスト・図解で解説した一冊です。中東産油国の実態、石油メジャーの勢力図、そして原油先物市場のしくみなどをイラストや図解を用い、分かりやすく解説されています。

石油業界の就職を希望するのであれば、その世界の常識は必ず知っておきたいものです。しかし石油業界の歴史は古く、そのしくみの成り立ちも大変複雑です。本書では、そうした複雑な石油業界の知っておくべき基本的な知識を学ぶことができます。

基本的な情報をおさえれば、ニュースやトピックなどの情報をより深く読み解く理解力も身につきます。2006年発行とやや古い書籍ではありますが、よく理解されていない石油産業のしくみや実態を手っ取り早く知るには格好の一冊です。

②最新《業界の常識》よくわかる石油業界

最新《業界の常識》よくわかる石油業界』は、最新の石油業界の動向を解説した定番の石油業界研究書の最新改訂版です。本書では、石油業界とその周辺の基本知識、さらには今後の展望までを網羅しています。また、改定前の前回(2012年)から5年の間に大きく変わった最新の石油業界事情も追加で加筆されています。

石油業界はしくみが複雑であり、また次世代エネルギーの開発や普及次第で、状況は大きく変わる可能性もあるでしょう。そうした知識や知見は、石油業界への就職希望者には必須の課題です。

本書では、業界のしくみや石油製品価格の決まり方、サービスステーション経営の現状と今後など、石油業界とその周辺の基本知識や、近未来エネルギーの可能性についてまで網羅して解説していますので、理解を深めるのに役立つ情報が得られるでしょう。

石油業界を深く知って就活を有利に進めよう!

石油業界は、生活に欠かせないエネルギーを扱っていますので、仕事を通して社会に貢献できます。またグローバルに展開する企業が多く、世界という大きな舞台で仕事をできるという魅力もあり、大きなやりがいを持って仕事ができる業界です。

しかし石油業界は現在大きな変化の岐路に立っており、見通しが大変難しい業界でもあります。石油業界を目指し活躍するのであれば、今後の動向を見落とさないようにに業界の理解を深めていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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