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クレジットカード業界は女性にも人気が高い
クレジットカード業界は金融業に属し、充実した福利厚生で、安定志向の方や女性にも人気の高い業界です。クレジットカードは長い間ステータスのひとつと言われてきましたが、生活スタイルの変化により、現在では生活に欠かせないものとなってきました。
銀行、保険、証券など他の金融業界と比べると、身近でイメージしやすい業界ですが、具体的になにが違うのかくわしく知らない人も多いです。まずは業界の全体像から確認していきましょう。
クレジット業界の現状と動向
皆さんの中にもクレジットカードを使っている人はたくさんいるでしょう。ここ数年の大きな出来事としては、平成22年以降の法改正に伴い、施行された改正賃金業法です。借り手の3分の1を上限とする与信規模が規制されたことにより、クレジット業界に大きな影響を及ぼしました。
そのほか、リーマンショックをはじめとした経済不況で厳しい状態がつづいたことなどを含めると、変化の激しいクレジット業界でもあります。ここ最近の動向について、詳しく見ていきましょう。
現状:スマホでの電子決済が主流になっている
ここ数年、クレジットカードが普及する大きな要素となっているのが「電子マネー」「ネット通販」です。特にスマホが普及してからというものの、電子マネーの発達により、以前よりも現金を持たない人が増えています。
また、最近ではAmazonや楽天市場をはじめとしたネット通販業界が目覚ましい発展を遂げています。ネット通販業界においては、キャッシュレスな取引が推奨されることが多く、クレジットカードの利用により代引き手数料がかからないなどのメリットも多くあります。これによって日常の買い物では現金決済をしている人でも、ネット通販では現金ではなくクレジットカード決済を利用する人が増え、より電子決済が用いられる傾向にあります。
現状:Suicaやapplepayなども付与
日本において電子マネーは短期間のうちに素早く利用者を増加させていきましたが、特に増えたのが「Suica」「nanaco」「WAON」などのプリペイド式(前払い式)電子マネーでした。しかし一方で「ポストペイド式(後払い式)電子マネー」はあまり重要視されてはいなかったものの、いざ「ApplePay」のサービスが始まると、瞬く間に広がり、多くのクレジット会社がApplePayに対応するようになりました。
このように、Suica決済の定着に加え、ApplePayブームによって多種多様なクレジットカードが登録可能となり、今後ますますクレジット業界は盛り上がっていくことが予想されています。
動向:不正利用や借金のイメージの払拭が必要
アメリカや中国に比べ、日本ではまだまだクレジット普及率は低いと言われています。その理由の一つに、近年の不正利用の増大が挙げられます。気づかないうちにカード番号が盗まれたり、カードが偽造されたり、不正利用は様々な犯罪に悪用されるリスクがあります。テレビニュースでも取り上げられている不正利用による被害は、誰にでも起こり得ることでしょう。これにより、クレジットカードにそのような悪いイメージを抱いている人も多いのも事実です。
また、現金を持たなくてもショッピングを楽しむことができると便利のクレジットカードですが、それゆえに「借金みたいで怖い」という意識を持っている人も少なくはありません。便利である一方、クレジットカードの良さよりも後払いであることへの罪悪感や悪いイメージがまだまだ払拭しきれていないことも、クレジット普及の大きな妨げになっている一因であると言えます。
クレジットカード業界とは
クレジットカードの発行、管理、利用者へのサポートなどを行っているのが、クレジットカード業界です。日本でのクレジットカード普及率は、成人一人あたり2枚を超えますが、実際の利用率は海外と比べるとかなり低い現状です。しかし利用金額、利用件数ともに年々増えており、今まさに成長期の業界と言えるでしょう。
現金決済よりも、クレジットカードを利用したほうが得をするサービスなど、クレジットカード業界自体の営業努力があります。さらに、訪日外国人の増加に伴い、実店舗でのクレジットカード決済が増えていることや、スマホアプリを利用した電子マネー決済、ネット通販の利用など、市場は今、キャッシュレス化に向けて加速しています。今後急成長の可能性がある業界です。
クレジットカード業界の業績推移について
- 業界規模 1兆9700億円
- 平均年収 623万円
- 平均継続年数 14年
クレジットカード業界の業績推移を見てみると、平成22年6月に改正貸金業法が施行されるなど、決して好調とは言えない状態が続いていました。しかし25年からは増加が続いており、昨年度の伸び率は10%を超えるなど、消費回復だけでなく、確実に成長している分野であることがわかります。近年は業界再編が進んでおり、メガバンクの系列となる企業が増加しています。この流れは今後も続く見込みです。
平均年収は他の業界よりも高めです。平均勤続年数は短く、転職も多いですが、企業によって大きく差があり、20年近いところもあります。新規参入して間もない企業もあり、結果的に平均勤続年数を押し下げています。
クレジットカード業界の細かい職種分類について
- 営業
- 商品開発
- システム
- 信用調査
クレジットカード業界では営業が最もメインとなる職種であり、カード会員や加盟店の新規開拓をします。中でも法人営業や海外市場専門の職種、コールセンターなど、細かく分けていくと大変多岐にわたります。商品開発は、マーケティングや営業戦略などを企画・開発していく頭脳チームで、キャッシュレス化に伴うシステムの立案等も行っています。
システムは、クレジットカード業界を裏から支えるシステムを整えていきます。信用調査は、カード新規入会時の審査、債権管理などを行う職種です。
大きく分けると以上ですが、営業の中でも法人営業や海外専門の職種、コールセンターなど、細かく分けていくと大変多岐にわたります。異動も多いため、たくさんの職種を経験できます。
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主要企業5社
クレジットカード業界では、業務を分割して系列会社が行っていることも多く、非常に多くの企業が存在しています。そのため、企業研究をよくしておかないと、希望する職種に就けない場合もあるでしょう。
また、銀行系、信販系、流通系、メーカー系、交通系、石油系…というように、系列によって社風や業風にも違いがあります。業界再編によって企業形態が変わることも多く、各社の歴史を知っておくことも必要です。
①株式会社ジェーシービー
- 企業名 株式会社ジェーシービー
- 代表取締役兼執行役員社長 浜川一郎
- 従業員数 4,420名(2017年3月末現在)※時給制契約社員含む
- 設立 1961年(昭和36年)1月25日
株式会社ジェーシービー(以下、JCBと表記)は、国内の他のクレジットカード会社と大きく異なり、自身で国際ブランド展開を行っています。そのため業界売上高ランキングなどには入れられません。単純に営業利益だけを見ると国内3位の位置に入りますが、年間取扱高は26兆5000億円と突出しています。
JCBは創立当初の経緯から銀行系と言われることもありますが、特定の銀行と強固な関係を築くわけでなく、大株主の比率を調整するなど、バランス外交を行っています。国内でクレジットカードと言えばJCBですが、世界シェアは第5位です。今後は海外シェアの拡大に取り組むことを課題としており、特にアジア市場に注力しています。
②イオンフィナンシャルサービス株式会社
- 企業名 イオンフィナンシャルサービス株式会社
- 代表取締役会長 鈴木正規
- 代表取締役社長 河原健次
- 従業員数 17,340名(2017年3月末時点)
- 設立 1981年(昭和56年)6月20日
イオンフィナンシャルサービス株式会社は、ショッピングモール大手のイオン株式会社が母体の金融系投資会社であり、柱となる4社での合同採用を行っています。イオンフィナンシャルサービスでのデータがランキング等に使われていることがありますが、4社を総合したものなので、クレジットカード業務だけの成績ではありません。
クレジットカード業へは2009年に参入しており、2013年にイオンフィナンシャルサービスとして、金融系統11社を傘下とした持株会社制へ移行しました。近年はアジア圏への業務拡大に取り組み、歴史は浅いもののイオンの販売網を生かして急成長しています。
③三菱UFJニコス株式会社
- 企業名 三菱UFJニコス株式会社
- 代表取締役社長 井上治夫
- 従業員数 3,331名(2016年3月31日現在)
- 設立 1951年(昭和26年)6月7日(旧日本信販)
三菱UFJニコス株式会社は、旧三和カード(UFJカード)、旧日本信販、旧DCカードなど業界大手各社が業界再編を行い、2007年から現在の社名になりました。日本全国で築いてきた業務ネットワーク、三菱東京UFJ銀行や地方銀行、JAグループなどとの連携を基盤に、多くのカード発行会社から業務受託しています。
ITと金融の融合をフィンテックと呼びますが、三菱UFJニコスの強みはシステム開発です。成長分野であるキャッシュレス化で業界をけん引する存在となることを目指しています。キャッシュレス化は地方への外国人観光客誘致にもつながりますので、地方での強い存在感を活かすことができます。
④三井住友カード株式会社
- 企業名 三井住友カード株式会社
- 代表取締役社長 久保武
- 従業員数 2,460名(2017年3月末日現在)
- 設立 1967年(昭和42年)12月26日
三井住友カード株式会社は、国内では初めてVISAブランドを導入した企業であり、三井住友VISAカードが有名です。Master、銀聯ブランドの取り扱いもあり、特に銀聯ブランドの取り扱いがあるのは国内では三井住友カード株式会社のみです。
NTTドコモやゆうちょ銀行、鉄道各社との提携も行っており、国内インフラ関連でも大きなシェアを持っています。このように、業界の先駆けとなるようなブランド戦略に強みがあります。
クレジットカードの取扱高はJCBを除くと国内1位の実績です。採用ではインターンシップに力を入れています。
⑤株式会社クレディセゾン
- 企業名 株式会社クレディセゾン
- 代表取締役社長 林野宏
- 従業員数 2,289名(2017年3月31日現在)
- 設立 1951年(昭和26年)5月1日
株式会社クレディセゾンは、設立当初流通系で、旧西武カードなどと統合して誕生した経緯があります。国際ブランドを続々と取り入れながらも、他社と一線を画す独特のブランド戦略を持つ企業です。国内では先駆けて永久不滅ポイントを導入したことで知られます。
業界再編でりそな銀行、みずほ銀行と提携しUCカードとの合併を果たすなど、業務拡大にも力を入れています。流通系で培ったノウハウを生かして、百貨店、家電量販店、コンビニ、スーパーマーケット等、幅広い分野で実績があるのが特徴です。
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クレジットカード業界の売上ランキング
クレジットカード業界は、全体的に企業数はまだまだ少ないのが現状です。クレジット業界はこれからの新しい産業であるため、業界そのものの成長が大きな鍵になってくでしょう。そんなクレジットカード業界の、気になる最新の売り上げ高ランキングを見ていきましょう。
売上ランキングTOP5
- クレディセゾン 2,789億4,400万円
- 三菱UFJニコス株式会社 2,750億3,100万円
- 三井住友カード株式会社 2,234億円
- 株式会社オリエントコーポレーション 2,136億9,300万円
- 楽天カード株式会社 2,107億3,500万円
それでは上位3社を詳しく見ていきましょう。
業界動向リサーチのランキングによると、クレジットカード業界の売上高第1位に輝いたのは「クレディセゾン」です。前年2590億円(第3位)からするとわずかに増加傾向にありますが、ほぼ横ばいです。クレディセゾンはセゾンカードなどを軸に旅行など幅広い事業を展開しており、今後の動向にも注目が集まっています。
続いて第2位は、「三菱UFJニコス株式会社」です。前回の2660億円(第2位)と比較してもほぼ横ばい状態となっています。三菱UFJニコスは2007年にDCカードと合併、さらにジャックスと提携などもしており、今後も安定性が高い企業の一つと言えるでしょう。
そして第3位は「三井住友カード株式会社」です。ここ数年上向き傾向にある三井住友カードは、「三井住友フィナンシャルグループ」の傘下の一つとして、日本のクレジット業界でも歴史が古くステータス性が高い会社です。審査も厳しめなことで有名で、こちらも長く続く安定の企業と言って良いでしょう。
シェアランキング
クレジットカードのシェア率は非常に気になる部分でもあります。シェアの高さによって世界でどのくらい利便性が高いのかの指標にもなりますので、チェックしていきましょう。
シェアランキングTOP10
- Visa 58%
- MasterCard 26%
- 中国銀聯 10%
- アメックス 3%
- JCB 1%
第1位はVisaカードです。シェアは約6割を占め、世界的に見ても圧倒的な地位を占めています。Visaさえ持っていれば世界各地に出向いても高確率で利用できるということになるので、この1枚あれば困ることはないといえるほどでしょう。
そして第2位がMasterCardの約3割で、Visaには及ばないものの、こちらもシェア率が高いカードだと言えます。世界シェアの高いブランドは、使い勝手にも優れており、Visaは世界200ヶ国以上、約4000万店の地域で利用することができます。そして、VisaとMasterCardは販促路線が同じということもあって、利用可能な店舗がほぼ同数となっています。
また、中国銀聯はシェア率は高いものの、ほとんどデビットカード形式のため、5大国際ブランドと言われるものには入っていません。さらにアメックス・JCBは意外とシェア率が低いといことも分かりました。
アメックス・JCBがVisa・MasterCardに比べてシェア率が低い要因として挙げられるのは「どこに主眼を置いているか」ということです。
アメックス・JCBはトラベル・エンターテインメントを楽しむために発足したカードということもあり、一般市民よりも一部の富裕層の会員が多く、浸透するのに時間がかかったのが実情です。それに比べてVisa・MasterCardはスーパーでの買い物やガソリン給油など、日常生活で利用すると便利な特典があります。身近なところで利用することに主眼を置いていることがシェア拡大につながる要因のひとつでしょう。
クレジット業界の内定をもらうために覚えるべき用語
ここでは、クレジットカード業界の内定をもらうために覚えておくべき用語について解説していきます。クレジットカードは、CM等メディアへの露出も多く行われており、社会的に大きく普及しています。学生の間でもクレジットカードを保有している人は多く存在します。
その分、基本的な用語に関しては、理解しているものと採用担当者も判断している場合があります。面接において基本的な用語を聞かれた際、それに対して明確な回答を出来ないと、評価を落としてしまう恐れがあるのです。以下を参考に、基本的な用語については理解しておくようにしましょう。
PCI DSS
クレジットカード業界の内定をもらうために覚えておくべき用語の1つ目は、PCI DSSです。これはクレジットカード会員の情報を安全に取り扱うことを目的に、国際カードブランド5社が共同で設立したセキュリティ基準のことです。(参照:PCI DSSとは|日本カード情報セキュリティ協会)元々は各国際カードブランドが独自にセキュリティプログラムを運用していました。
しかし1つの加盟店で複数のカードが使えるようになっている今日において、カードごとに異なるプログラムを利用しなければならないことは加盟店への大きな負荷となっていました。またクレジットカード被害が世界規模で発生するようになり、それまでのセキュリティプログでは対策が不十分となっていきました。これらの背景から、国際カードブランド5社が手を合わせ、統一されたセキュリティ対策フレームワークが出来たのです。
アクワイアリング
クレジットカード業界の内定をもらうために覚えておくべき用語の2つ目は、アクワイアリングです。アクワイアリングとは、クレジットカードを受け付ける加盟店を開拓して契約を結ぶことを意味します。このような業務に取り組む人のことをアクワイアラーと呼びます。ひとつひとつの店舗を地道にまわり、クレジットカード決済が出来るシステムの導入を勧誘し、加盟店の開拓の新規開拓を行うことが求められます。
またクレジットカード所有者が、クレジットカードで利用した代金を生産し、それをそれぞれの加盟店に支払うことも、アクワイアラーの業務の一つとなっています。クレジットカード会社の収益を支える一方、加盟店からの信用にも関わる仕事であり、非常に重要な役割を占めていると言えます。
リボルビング払い
クレジットカード業界の内定をもらうために覚えておくべき用語の3つ目は、リボルビング払いです。「リボ払い」という略称で馴染みのあるものでしょう。リボ払いとはカード利用に伴う毎月の支払いを一定にする支払い方式のことです。月々によって支払金額に大きな上下動があると、計画的な支払いが行えません。
リボ払いを利用し、月々の支払を一定にすることで、計画的な支払の計画が立てやすくなるのです。一方、リボ払いには注意しなければならない面もあります。それは元本に対して支払わなければならない手数料が高く、また無計画にどんどん利用すると元本がなかなか減らず、結果支払期間が間延びしてしまう点です。リボ払いは自分のライフプランと照らし合わせ、本当に必要なのかを考えた上で利用する必要のあるものなのです。
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2010年に出版されており、情報は幾分古いものではありますが、金融業界の歴史を知るには最適の書です。業界地図や、各社の特徴をつかめるデータも掲載しています。
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クレジットカード業界は他の業界との関わりが多く、幅広い業界知識が必要になってきます。職種が同じでも、業界によって業務内容が大きく異なることもあるので、他業界との関連性も研究していきましょう。