業界研究

【カラオケ業界研究ガイド】就活に役立つ情報を一挙大公開!

カラオケ業界とは

「カラオケに行くことが最大の趣味」「歌うことでストレスを発散している」そんな方も、少なくないでしょう。日本独自で作り上げたサービス「カラオケ」は、「karaoke」として、海外でも人気のあるものです。

自身の趣味を仕事にしたい方や、昔から音楽が好きな方は、就職先としてカラオケ業界は視野に入ることでしょう。しかし、業界の動向は、意外と知られていません。本記事では、どの企業が躍進しているのか、トレンドは何かなど、幅広くご紹介していきます。

カラオケ業界

さまざまな領域で、「少子高齢化」の影響が表れています。もちろん、カラオケ業界もそうだと言えるでしょう。カラオケ人口・施設は減少傾向にあり、地方や郊外でも、同じ傾向にあります。

そのため、カラオケ業界は、高齢者向けのサービスを展開しています。具体的には、60歳以上の方を優待するサービスを設けたり、平日利用に特典を設けるなど、さまざまな対応をしているのです。

都市部では、平日の料金を安くするなど、多彩な工夫を施しています。もちろん、飲食にも注力して、集客に余念がありません。とはいえ、業界の努力とは無関係に、市場の原理から見れば、横ばいが持続されてしまう傾向があるでしょう。

カラオケ業界の業績推移について

  • 業界規模:1,368億円
  • 平均年収:622万円
  • 平均継続年数:9.5年

他の業界と比較すると、業界規模は、少し小さいと言えます。とはいえ、平均年収は、高めと判断できます。儲けている人は儲けていると言えるのではないでしょうか。類似したサービス業的な業界と比べと、年収に限っては、アドバンテージがあるはずです。

音楽業界の変遷により、「カラオケ離れ」について耳にすることもあります。しかし、業界的には、新しい機器・システムの導入、それらに加えて、レジャー領域の拡大、飲食の拡充など、他業界との差別化を図ることが大切なのです。いずれにせよ、「どんなサービスを展開するのか」「なにを強調して売り出していくのか」など、今後の動向が気になる業界ではあります。

カラオケ業界の細かい職種分類について

  • 店舗運営
  • 営業
  • 企画
  • バックオフィス
  • 開発

店舗運営に関しては、お客さんに対するレジ受付やドリンク・フードを提供することです。このポジションは、非正規雇用であることが多いのではないでしょうか。歌っている人に対する配慮が必要なスキルになるかもしれません。

営業は、所属している企業のカラオケ機器を売り込むことがメイン業務になるでしょう。企画職に求められることは、芸能界やレコード会社とのコミットメントです。楽曲のプロモ、配信する楽曲の編集など、企画の手腕により、売り上げの上下が決定されるといっても、過言ではありません。

バックオフィスは、もちろん、一般企業の総務・人事・経理的なポジションです。開発業務は、カラオケに関するシステム開発を担う立場です。「カラオケ」には、さまざまな人が関わり、業界を盛り上げているのです。

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カラオケ業界の主要トピック3つ

就活において、志望する企業の業界に関する知識は頭に入れておくべきものです。昨今話題になったニュースやトレンドを調べておけば、面接の際に、「よく知っている」という評価をもらえる可能性が高いと言えるでしょう。

しかし、なかなか「カラオケ業界」について調べることは骨の折れることです。人気のIT・マスコミ系とは異なり、ニュース自体が少ない傾向にあります。そこで、いくつかトピックをまとめましたので、活用してみてください。

①関西最大のカラオケチェーンが描く未来

年間集客数1,800万人を誇る「ジャンカラ」(TOAI GROUP)がグローバル展開を視野に入れ、事業拡大を目論んでいます。「ジャンカラ」は、京阪をメインに140店舗以上を構え、繁華街でもよく目にすることのある人気店です。運営母体の「TOAI GROUP」は、カラオケ以外にも、飲食事業やホテルリゾート事業、温泉施設など、幅広く手掛けています。

「ジャンカラ」の規模が拡大していった要因は、「歌いたい放題」「飲み放題」といった今では当たり前のサービスを、いち早く取り入れたことだと言われています。その他にも、ひとり専門(イチカラ)や女性専用(女子カラ)などさまざまなカラオケ店・サービスを展開し、現状では、時代のニーズにマッチした、すべてセルフサービスのカラオケ店(セルカラ)を拡大していく予定です。

飲食事業では、すでに海外に出店し、現地の人から好評を得ているようです。日本の食事の魅力を広めるために、今後も拡大を目論んでいます。また、ホテル事業「湯快リゾート」では、廃業してしまったホテルや旅館を再建することにより、地域活性化の力になっているのです。目標は「年商1,000億円」で、そこを通過点とし、今後も新しいことに果敢にチャレンジしていくそうです。

②「まねきねこ」の成長の秘訣

「カラオケ本舗まねきねこ」の成長が著しい様子です。全国で400店舗以上を構え、ライバル企業を超えそうな勢いがあります。「まねきねこ」を運営する東証一部上場「コシダカホールディングス」は、居抜き出店することにより、成功を収めました。廃業したお店をそのまま利用し、初期投資を削減して店舗を拡大していったのです。

他にも、業界で初となるドリンクバーを設置したり、一都三県では全面禁煙など、オリジナルなサービスを展開しています。高校生のグループには部屋代無料など、将来を見据えた顧客の囲い込みも実現するなど、「今」だけでなく、「未来」にもコミットしているようです。

他の企業に比べると、料金も安めです。さらに、お酒や食事での儲けは見込めない中、企業側にも利用者にもメリットしかない食べ物・飲み物の持ち込み自由化を実施し、人気を獲得してきました。現状では、若者の「地方離れ」を考慮し、首都圏への進出に力を入れています。

また、国内だけでなく海外展開も視野に入れ、すでに韓国・シンガポールには出店しています。「コシダカホールディングス」では、フィットネス事業「カーブス」も運営し、この事業はカラオケ以上に急成長です。

③脱・カラオケ宣言した「シダックス」

もっとも知名度が高いと言われるカラオケチェーン「シダックス」が大幅に店舗数を削減し、新しい舵を切るそうです。そもそも「シダックス」は、食の領域で活躍している会社で、その食をカラオケに取り入れることにより、「レストランカラオケ」として、人気を獲得してきました。

しかし、消費者のニーズが変遷し、カラオケにおいて「飲むこと」「食べること」よりも、シダックスのような大きな室内でパーティー気分を味わうよりも、「安さ」「使いやすさ」に重きが置かれるようになりました。そのため、「シダックス」は年々縮小していったのです。今後は、「カラオケもある複合業態」を目指すと言われています。給食事業をしている関係から、児童支援施設や運転代行の人材派遣にも力を入れ、カラオケ以外を事業の柱にするそうです。

「コシダカホールディングス」のように、さまざまなサービスを展開して躍進している企業もあるので、カラオケ業界自体は、低迷しているとは言えません。カラオケのバトルを行うテレビ番組も、人気のあるコンテンツです。今後、業界のパイオニアである「シダックス」がどのような動きをみせるのか、注目しておきましょう。

カラオケ業界の売上高ランキングTOP5

      カラオケ業界の売上高ランキング

  1. 第一興商 567億円
  2. シダックス 301億円
  3. コシダカHD 237億円
  4. AOKIホールディングス            182億円
  5. 鉄人化計画                 81億円

上記は業界動向リサーチを参考にした売上高のランキングです。これらの結果もふまえつつ、企業選びの参考にしてください。

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主要企業5選

カラオケ事業を展開している「コシダカホールディングス」や「シダックス」について少し触れてきましたが、他にも、さまざまな企業が存在しています。業界を詳しく知っておくためには、各々の会社の特徴などをおさえておくべきでしょう。

他業界と比較すると、カラオケ業界に参入している企業数は、それほど多いとは言えません。そのため、各社の動向や社風などについて、追いやすいのではないでしょうか。それでは、具体的にみていきましょう。

①株式会社第一興商

  • 企業名 株式会社第一興商
  • 代表者名 保志忠郊
  • 従業員数 当社 1,829名 / グループ 3,462名(2017年9月30日現在)
  • 設立年月日 1973年4月16日

株式会社第一興商は、おなじみの「通信カラオケDAM」やカラオケ店舗「ビックエコー」を運営をしている業界最大手の会社です。他にも、Web配信・音楽ソフト・BGM放送事業など幅広く展開し、日本のエンターテインメントを支えている会社といっても過言ではありません。さまざまなコンセプトを持った飲食事業も取り扱っています。

設立以来培ってきたのは、やる気さえあれば、責任のある仕事を任せてもらえる企業風土です。「エンターテインメントを盛り上げたい」「大好きな音楽に携わりたい」という方こそ、もっとも輝く職場かもしれません。また、「年功序列」ではなく「実力主義」であることもポイントです。年齢に関係なく能力次第でキャリアを築ける環境でしょう。

②シダックス株式会社

  • 企業名 シダックス株式会社
  • 代表者名  志太勤一
  • 従業員数 9,215名(連結)
  • 設立年月日 2001年4月2日

シダックス株式会社は、カラオケ店のイメージが強いですが、給食・食堂運営受託が柱となる事業です。厳密に言えば、レストランカラオケ「シダックス」は、子会社のシダックス・コミュニティー株式会社が運営しています。シダックスグループでは、レストラン・コンビニエンスストア・エステ・ホテルなど、多岐にわたる事業を展開しているほど、大きな基盤を持っているのです。

人財育成に注力していることもポイントのひとつです。「食」を扱うことが多い企業のため、定期的に衛生講習を実施したり、従業員のスキル向上のためにさまざまなコンテストを行ったり、「シダックス栄養士会/調理師会」を発足したり、独自の研修・講習を提供しています。

③株式会社コシダカホールディングス

  • 企業名 株式会社コシダカホールディングス
  • 代表者名 腰高博
  • 従業員数 3,800名(グループ全体)
  • 設立年月日 1967年3月31日

株式会社コシダカホールディングスは、先にもご紹介した通り、海外に進出している「カラオケ本舗 まねきねこ」やフィットネスクラブ「カーブス」を運営している企業です。他にも「まねきの湯」という温泉事業も手掛け、カラオケ業界の中でもっとも伸びている会社と言えるでしょう。

未来ある若者をキャリアアップさせる「執行役員制度」、年に5日間連続で休暇を取れる「リフレッシュ5」など、社内でさまざまな独自の制度を設けていることも特徴です。カラオケボックスの現場では、接客を重視し、万全のサポート体制を整えています。

非喫煙者に対して賞与を優遇する制度は話題になり、ほとんど社員は禁煙に成功しているそうです。こうした時代を読んだ待遇があるのは、コシダカホールディングスならではかもしれません。

④株式会社AOKIホールディングス

  • 企業名 株式会社AOKIホールディングス
  • 代表者名 青木 彰宏
  • 従業員数 5,914名(連結)
  • 設立年月日 1976年8月21日

株式会社AOKIホールディングスは、紳士服の企画・販売をしている「AOKI」を主軸に、カラオケ店「コート・ダジュール」、複合カフェ「快活CLUB」、ウェディング会場「アニヴェルセル」を運営している企業です。「コート・ダジュール」は、全国的に店舗を展開し、ラグジュアリーな雰囲気が特徴と言えるでしょう。

入社した際、店舗を異動する可能性も考えられますが、引越し費用は全額会社負担で、住む場所の家賃は、なんと8,000円という破格の値段です。女性の働きやすさも自慢のひとつで、時短・産休・育休制度を整えています。

また、どんな提案・相談も、気兼ねなく発言できる自由さがあり、のびのびと活躍できる職場と言えるでしょう。

⑤株式会社鉄人化計画

  • 企業名 株式会社鉄人化計画
  • 代表者名 岡﨑 太輔
  • 従業員数 正社員131名(※連結) /アルバイト従業員1,872名
  • 設立年月日 1999年12月14日

株式会社鉄人化計画は、東京・神奈川などで60店舗以上を展開している「カラオケの鉄人」の運営会社です。さまざまなイベント・コラボ企画を催し、他社のカラオケ店舗とは、一線を画する存在だと言えるでしょう。カラオケ以外にも、ダーツ・ビリヤード店、ネットカフェを手掛け、若者たちの間で評判です。

他の企業ではあまりやられていない企画やイベントに携われることは、鉄人化計画で働く魅力のひとつと言えるでしょう。「アニメ・ゲーム」などのサブカル好きな方にとって、うってつけの職場かもしれません。

また、首都圏以外で店舗を展開していませんので、店長など現場で働くことを志望している場合、遠い異動などがないことはメリットのひとつです。

カラオケ業界研究のおすすめ書籍

インターネットでカラオケ業界を調べることも大切ですが、書籍に目を通すことも同様に重要なことです。本1冊には、ネットにはない濃密な情報がある可能性を秘めています。できるだけ詳しく業界を知りたい方は、お金をかけて書籍を購入することをオススメします。

とはいえ、「カラオケでうまく歌える方法」のような類の書籍は本屋さんに行けば必ず目にするものですが、業界に関する本は滅多にお目にかかれないでしょう。ですので、以下で何冊か取り上げてみました。ぜひお役立てください。

カラオケ進化論~カラオケはなぜ流行り続けるのか~

カラオケ進化論~カラオケはなぜ流行り続けるのか~』という本は、カラオケの歴史から将来性まで、業界にいる人には欠かせない情報が満載の書籍です。カラオケについて分析している本はなかなか珍しく、著者は、カラオケ博士として知られている存在で、カラオケに関する執筆やインタビューなど、さまざまな活動をしています。

およそ10年前の書籍になりますので、業界に関する最新の情報や流行について見識を深めるためには、ネットニュースなどを閲覧した方が良いかもしれません。カラオケボックスの現場に行って、店内やサービスをチェックすることも有効でしょう。しかし「より深く知りたい」「カラオケについて分析したい」という方は、必読の書だと言えます。

図解入門業界研究 最新コンテンツ業界の動向とカラクリがよくわかる本[第3版]

図解入門業界研究 最新コンテンツ業界の動向とカラクリがよくわかる本[第3版]』という本は、コンテンツ業界を幅広く理解するために、最適の書籍です。カラオケ業界に身を置きたい方にとって、音楽・アニメ・ゲームなどの最新動向や実態を把握することは、必要不可欠といっても過言ではありません。

この本は、左のページに絵や図、右のページに解説している文章があり、見やすさが重視されています。昨今話題のモバイルコンテンツや、著作権についての説明もあり、エンターテインメントについてさまざまな角度から見識を深められるでしょう。カラオケ業界に入社後、「新しい企画をやってほしい」と企業から指示があった際にも、参考になる書物です。

カラオケ業界を深く知って就活を有利に進めよう!

大手が退き、他企業が躍進しているこの業界は、今後の動向がとても気になるところです。事業の方向性やサービスの展開により、カラオケ業界で働くことは、存分にやりがいを感じられることでしょう。興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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