面接対策

一人称が「自分」の人の特徴とは?就活面接で通用する適切な表現

一人称が「自分」の人は意外と多い

「僕」「私」など、自分のことを指す際に使用する言葉を「一人称」といいます。「自分」もそのひとつで、これは一般的には男性的・女性的な一人称の間あたりに位置するイメージを持たれることが多い言葉であるため、使用している人は意外にも少なくありません。

この記事では「自分」という呼び方を中心に「一人称」に焦点を当て、「自分」はもちろんのこと、「俺」「私」などそれぞれの一人称の持つイメージなどをまとめてご紹介していきます。

また、就活において、この一人称についてはある一定のルールがあるのですが、それについても詳しく解説していきます。これを知っていない場合、評価にも関わってくるかもしれないため、必ず確認するようにしてください。

一人称とは

一人称とは自分自身の呼び方です。二人称は「あなた」、三人称は「彼・彼女」が代表的な言い方です。

就活に限らず、人と接するときは自分の呼び方である一人称が大きな役割を果たします。自分をどんな呼び方で呼んでいるかで相手に与える印象が変わります。意識的にしろ無意識的にしろ、自分の性格や態度、さらには考え方までも伝わってしまうのです。つまり、自分のことを「僕」と言うのか「わたし」というのか、「わたくし」というのかで面接官に与える印象が変わり、採用・不採用に影響することもあります。

そのため、自分の一人称の代表である「僕」「わたし」「わたくし」に対して社会人が持っているイメージを踏まえ、適切に使用する必要があると言えるでしょう。

39点以下は要注意!
あなたの面接力を診断してください

面接力診断はもう試しましたでしょうか?就活では、面接での印象が大きなポイントとなります。自信がないまま本番を迎えてしまうと、理由がわからないまま選考に落とされてしまいます。

少しでも不安な人は、「面接力診断」を活用してみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、今すべき面接対策を把握することができます。

今すぐ面接力を測定して、面接本番で失敗する確率をグッと下げましょう。

診断スタート【無料】

あわせて活用したい!

これから就活を始める人に!たった30秒であなたの就活偏差値がわかります。

一人称で「自分」を使う人の特徴

ひとくちに「一人称」と言っても、英語では「I」くらいしかありませんが、日本においては、「僕」「私」「俺」など複数の呼び方があります。なかでも「自分」を使う人はどのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、一人称で「自分」を使う人にどのような特徴がみられるのか、一般的にいわれていることを4つご紹介いたします。あくまでも「いわれていること」ですので、情報はすべて鵜呑みにするのではなく、参考程度に留めておくようにしてください。

①硬派

一人称に「自分」を使う人の特徴として1つ目に挙げるのが、「硬派」だということです。真面目で上下関係や礼儀を重んじており、自分という軸をしっかりと持っているというイメージを持っている方が多いようです。

なぜ多くの人は、「自分=硬派」というイメージを持っているのでしょうか。これは、テレビやメディアによるイメージの先行が大きいでしょう。「自分は○○であります!」などという言葉を軍人役の人が言うことが多いため、このような印象を抱く人が多いといわれています。

硬派なイメージを逆にいえば、「不器用」で「自分を曲げられない」ということにもなるでしょう。こちらの側面が強いという方は、就職活動においてはデメリットになりかねませんので、一度自分の性格を見つめ直すようにしてください。

②体育会系

一人称に「自分」を使う人の特徴として2つ目に挙げるのが、「体育会系」の部活などに属していたことがあるということです。これは、1つ目の「硬派」、3つ目の「自分に自信がある」のイメージと被る部分が多くなっています。

体育会系の部活動のなかには、まるで軍隊と言わんばかりの厳しいところも少なくありません。直接的な関係があるのかは定かでありませんが、そのような環境で体のみならず精神面まで鍛えられることによって、自分の呼び方までもそのように形成されていくのでしょう。これもイメージの話でしかありませんが、そのような中では「自分」という一人称を使っておいたほうが、「より力強く見える自分」を演出できるようになる効果が期待されているのです。

③自分に自信がある

一人称に「自分」を使う人の特徴として3つ目に挙げるのが、「自分に自信がある」ということです。「自己主張をし、いつでも堂々としていて、多少のことではメンタルがぶれない」といったイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

ただしこれに関して、「自分」という一人称を使っている方のなかには、「自分に自信があるように見せたい」という方も含まれているでしょう。「堂々としていて硬派である」というイメージを持たれたいという心理から、自分を演出するという方も少なくはありません。とはいえ、最初は演じている認識だったとしても、思い込みや意識の刷り込みで人は簡単に変わることができるため、良い効果を感じているならこのまま続けておくようにしましょう。

④誰とでも対等でいたい

一人称に「自分」を使う人の特徴として4つ目に挙げるのが、「誰とでも対等でいたい」ということです。これは、男性が日常的に用いている一人称の「僕」と「俺」を引き合いに出して例えると分かりやすいでしょう。

この2つの呼び方ですが、「僕」という一人称のイメージは「下の立場」、「俺」は「上から目線」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。これらがある一方で、「自分」という一人称は、この2つのちょうど間あたりに入るようなイメージなので、「よりフラットな立場でものを言っている」という印象が強まります。よって、「必要以上の上下関係を作らずに、対等な立場でいたい」というイメージにつながっていくのです。

「自分」の一般的な印象

一般的に、「自分」という一人称は女性よりも男性が使っている印象が強いようです。ですが、一人称に「自分」を使っている女性も少なからず存在します。

また、一人称に「自分」を使う人は体育会系で硬派な印象がある反面、内気なタイプという印象を持たれることも多いようです。「自分」を使う人は、あまり発言しない寡黙な人という場合があるため、そのような印象を持たれています。

また、「自分」は仕事でもプライベートでも共通して使える一人称でもあります。男性の場合、「俺」という一人称はビジネスシーンで使うことができず、使い分けが必要です。そうした使い分けをせずに一人称を統一したい人が、「自分」を使っているのではないかというイメージも強いです。

「自分」以外の一人称の印象

ここまでの見出しでは、一人称に「自分」を使っている人の特徴をまとめてご紹介してきました。ただ、先述したように、「僕」や「俺」、「私」など、自分を呼ぶときの名称は「自分」以外にもさまざまなものがあります。当然、それらにもイメージというものが付いているので、ここで併せて知っておきましょう。

ここでは、「自分」以外の一人称が持つ印象をまとめてご紹介いたします。なお、あくまでイメージですので、参考程度に留めておくようにしてください。

「僕」の一般的な印象は「幼さ・柔らかさ」

「僕」は男性が使う一人称で、自分と対等か自分の部下や年下といった自分より目下の人間に対して使われる言葉です。友人関係など仲の良い仲間に対して使う言葉と考えるのが一般的です。ですから、「僕」を使うと面接や履歴書では採用する側には幼さや子供っぽい印象を与えてしまいます。人によっては「偉そうだ」と感じる人もいます。

中には男性の多くが使う「俺」よりは柔らかい印象を与えるので、就活やビジネスシーンでも使う人がいます。「僕」には育ちの良さそうなイメージを持っている人もいるようです。

このように、一人称の「僕」には人によってイメージが異なっています。ですから、面接や履歴書で「僕」を使うのは危険です。避けたほうがよい表現と言えるでしょう。

「わたし」の一般的な印象は「カジュアル」

「わたし」は「あたし」とともに女性が日常的によく使う一人称です。この「わたし」と「あたし」では印象が少し違ってきます。

「わたし」は、どちらかというと清楚でカジュアルな印象を与えます。一方、「あたし」は「わたし」をさらに砕けた言い方として受け取られています。「あたし」は若い女性のちょっと甘えたような言い方という印象があります。

また、大学生や社会人の男性で「わたし」を使う人も多くいます。ですから、「わたし」はビジネスシーンでもよく耳にする言葉といえるでしょう。

しかし、面接の際に自分のことを「わたし」と言ったつもりでも、面接官には「あたし」と伝わってしまう危険性があります。ですから、フォーマルな場での面接で自分のことを呼ぶときは「わたし」という表現は避けたほうがよいでしょう。

「わたくし」の一般的な印象は「フォーマル」

「わたくし」は最も一般的なビジネスマナーとして使われている言葉です。「わたし」が普段着であるのに対し、「わたくし」はスーツといった感じでしょうか。

女性の場合は「わたし」が「あたし」にも聞こえてしまうので、「わたくし」が好まれているようです。

この「わたくし」という一人称は、社会に出てからも大いに活用できます。職場内の会話や取引先の担当者との会話では必ず「わたくし」と言うことがマナーとされています。

ですから、面接はもちろん、履歴書やエントリーシートに書く際にも記入は「私」ですが、発音は「わたくし」のつもりでいるのがおすすめです。

男女とも一人称は「わたくし」が一般的

自分の一人称の代表である「僕」「わたし」「わたくし」に対する受け取る側のイメージを知ると、就活の面接や履歴書・エントリーシートでは、どの一人称を使えば良いのかが見えてきます。

面接や履歴書での適切な一人称は「わたくし」です。それは、最もフォーマルな一人称とされているからです。つまり、「わたくし」という一人称を使うことが社会人としては一般常識とされています。性別に関係なく、女性であっても男性であっても「わたくし」を使うことが最もふさわしい表現です。

就活とは、これまでの自由な大学生活からビジネスマナーを守ることが求められる社会人への移行期と考えられるでしょう。ですから、就活を機会に自分の呼び方を「僕・わたし・俺」から「わたくし」に変えてみてはいかがでしょうか。

履歴書も面接も「わたくし」で統一

履歴書を書くときや面接を受けるときでの一人称は「僕」「わたし」ではなく、「わたくし」で統一した方がよいでしょう。

それは面接官や人事担当者が、履歴書や面接での言葉の使い方によって、就活生の一般常識や協調性、人柄を知ろうとしているからです。ですから、社会人のマナーに従い、「わたくし」を使った方が無難です。

ただし、「わたくし」の多用は禁物です。それは相手にくどい印象を与えてしまうからです。ときにはあえて主語を省略して表現することも必要でしょう。例えば「わたくしは陸上部の部長として…」を「わたくし」を省いて「陸上部の部長として…」といったように表現します。そして特に強調したいときに「わたくし」を使うと効果的です。

会社によっては気にしない

しかし、会社によっては「わたし」でも「僕」でも採用には影響しないところもあります。自分のことをどのように表現するかは評価せず、人柄やコミュニケーション能力を重視している会社です。

確かに、自分のことを「わたくし」と呼ぶことに気をとられすぎて話の内容がおろそかになってしまうより、「僕」「わたし」でも良いという考え方もあります。しかし、そのような会社であっても履歴書や面接では「わたくし」と表現した方が無難です。「わたくし」という表現をしてマイナスになることはないからです。

就活では「わたくし」を使い、入社してから周りを見て「わたし」と呼ぶのか「僕」と呼ぶのか、そのまま「わたくし」と呼ぶのかを判断しても遅くはないでしょう。

男性が使う「僕」や「俺」はマナー違反

ビジネスの世界では、初対面の方や公の場での「僕」「俺」は明らかなマナー違反です。面接はもちろん、就活中に企業担当者と話す機会であっても、企業からすれば「ビジネスの場」ですから、「わたくし」に統一すべきでしょう。「僕」「俺」を使うと、個人としての自分と社会人としての自分が区別できない人間だと受け取られてしまいます。

ですから、就活に突入した段階から意識して「わたくし」を使い、しっかりと身につけておくことが大切です。日頃から意識して「わたくし」という一人称を使うことにより「わたくし」に慣れ、自然と口から出るようになります。そうなれば、面接の際には話の内容や流れを考えながら話せるようになります。

「僕」がおすすめできない理由

面接の際、「僕」がおすすめできない理由は4つあります。1つ目の理由は、面接のときは、ほとんどの就活生が「わたくし」を使います。そのような中で自分だけが「僕」を使うと浮いた存在になってしまうからです。2つ目の理由としては、「僕」を使うと面接官に「この就活生は言葉の使い分けができない人」というイメージを与えてしまう点が挙げられます。

さらに3つ目の理由として、「僕」だと面接官に偉そうな印象を与えてしまう危険性があります。最後に4つ目の理由は、「僕」は本来、仲間内や目下の相手に対して用いる言葉だからです。例えて言えば、チノパンとTシャツ・スニーカーで面接会場に行くようなものです。

「俺」がおすすめできない理由

面接の際、「俺」がおすすめできない理由も4つあります。1つ目の理由は、「俺」は男性が同僚もしくは目下の相手に対して用いる言葉だからです。続いて2つ目の理由としては、「俺」は面接官に対して「気安すぎる」「配慮や遠慮に欠ける「強引な性格だ」等の印象を与えてしまうことが挙げられます。

3つ目の理由は、「俺」は面接官に対して「子供っぽさ」や「気まぐれさ」を与えてしまう点です。最後に4つ目の理由として、「俺」は面接官に対して乱暴で自信過剰なイメージを与えてしまうことが挙げられるでしょう。

ですから、「俺」はビジネスシーンでは使うべきでない表現です。カジュアルどころか乱暴に聞こえてしまうため、うっかり使わないように気を付けたほうがよいでしょう。

一人称で名前を使うのはNG

一人称で自分の名前を使う人は特に女性に多くいます。恐らく、両親や周りの人間から愛情を込めて名前を呼ばれてきたからでしょう。

自分のことを名前で呼ぶのは学生の頃まではまだ許されることでしょうが、社会人としては自分のことを名前で言うことは明らかなNGです。

なぜなら、一人称で自分の名前を使うと、相手に「少しわがままなところがあって自分のことしか考えられない人」と受け取られてしまう危険があるからです。つまり幼く、大人になりきれていないという印象を与えてしまう可能性があります。

どんなに力のある就活生であっても、一人称で自分の名前を使うと面接官には「感情をすぐに表に出してしまったり、辛いことや努力すべきことから避け、楽な道を選んでしまう人間」と受け取られかねないのです。

一人称の自分の表現次第で第一印象が決まる

就活に限らず、人と接するときに自分のことをどのように呼ぶのかで第一印象が決まってしまいます。

「就活は、一人称をうまく使いこなせる社会人になる絶好のチャンスだ」ととらえ、学生時代に使っていた「僕」「俺」「わたし」だけでなく、フォーマルな「わたくし」という一人称の言葉を身につけていきたいものです。

そして、面接を受けるときや履歴書・エントリーシートを作成するときには自分に染みついた言葉として「わたくし」を使い、自分らしさを存分にアピールしてください。就活の期間で身に付けた「わたくし」というフォーマルな一人称は、その後の社会人生活においても人間関係を円滑にしていくのに役立つでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

記事についてのお問い合わせ