履歴書
履歴書での「同上」の正しい使い方と注意点5つ
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目次
履歴書に「同上」と書くのはありなのか
就職活動の中で履歴書やエントリーシートなどの応募書類を作成しなければならない機会は非常に多いです。国内企業では手書きの履歴書の提出しか認めていないところも少なくありません。書き入れる項目が複数あり、また一文字でも間違えると最初から書き直しというのが鉄則なので、大変な作業に感じている人もいるはずです。
そのような中、「同上」と書くことで記述する量を減らす工夫をしている人も多いのではないでしょうか。ですがこの言葉、使いどころを間違えないように注意が必要です。
この記事では「同上」という言葉に焦点を当て、その意味から使用の際に守ってほしいポイントまでをまとめてご紹介していきます。併せて、「同上」が使える場所・使うべきでない場所も分けて解説していくので、参考にしてください。
同上の意味とは
同上の使いかたを解説する前に、まずはその言葉のちゃんとした意味を知っておきましょう。「同上」とは、「前と同じである」という意味を持つ言葉です。履歴書などの記述の際にこれを用いることによって、同一内容を重ねて書くのを省略することができます。
この同上ですが、厳密にいうと「上記の内容と同じ」というニュアンスを含んでいます。そのため、左枠内との同一内容を省略したい場合には「同左」と書き入れてください。
履歴書は基本的に空欄はNG
履歴書は基本的に空欄はNGであり、内容が同じ場合でも必ず同上と書かなければなりません。履歴書では同じ内容を何度も記入しなければならないことも多く、面倒に感じてしまうこともあります。書き間違えれば最初から書き直しをしなければなりませんし、少しでもリスクを減らすためにも見ればわかる内容は空欄にしておきたいと考える人も多いです。
しかし履歴書に空欄を作ってしまうと、書き忘れと判断されてマイナスの印象を与えてしまう可能性が高いです。またきちんと最後まで記入する意思がないとみなされ、志望度が低いと思われてしまうこともあります。空欄は絶対にNGですので、同じ内容でも面倒くさがらずに同上と書き、すべての項目を埋めてから提出するようにしましょう。
エントリーシートと履歴書の違いについて、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。
同上は様々な場面で多用できる
同上は履歴書だけではなく様々な書類に使える表現ですので、覚えておいて損はありません。履歴書ではもちろん使えますが、その他契約書などでも使用することができますし、日常の中でも使用することが多くあります。社会人になれば公的な書類を書くこともあるので、同上はそれらの場合でも使用することができます。
また身近なところで言えば、ポイントカードを作成する際に住所や連絡先などを書かなければならないこともありますが、同じ項目があれば同上と書くことができます。就活の履歴書だけで使用する表現ではありませんので、覚えておけば日常のさまざまなところで役立つものです。社会人としての常識でもありますので、意味と使い方はきちんと把握しておきましょう。
履歴書マニュアルを確認してください
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同上を使うときの注意点5つ
ここまでの見出しでは、同上の意味やそれを使うことのメリット・デメリットをご紹介しました。それぞれの面を踏まえたうえで、自分の履歴書では使用できるのかどうかというのは熟考する必要があります。
同上と書き入れる場合ですが、何でもかんでも省略できるというわけではありません。また、また書ける場所とそうでない場所があるなど、使う場合にも一定のルールがあります。
その点に関して、ここでは同上を使うときの注意点を5つご紹介します。同上はあくまで効果的に使うようにしてください。
①上記の内容はしっかり書く
1点目ですが、同上を使う直前の内容は省略せずに書く必要があります。というのも、先述の通り「同上」は「前の内容と同じ」という意味を持つ言葉だからです。
同上を使用する場所の代表格ともいえる項目は「住所欄」ですが、どれだけ長かったとしても、最初から最後まで丁寧に書きましょう。マンションやアパートに住んでいるのであればその部屋番号までしっかりと書き切ることが大切です。
ちなみに住所ですが、住民票に記載されている通りに書く必要があります。アルバイトに応募するときに書いた住所など、普段覚えている住所が実は略称だったという可能性もあります。そのため、枠を埋める前に正しい住所を一度確認するようにしてください。
②同上を使いすぎない
2点目は、「同上を使いすぎないこと」です。同上をあまりに多用してしまうと、マイナスポイントになってしまいます。というのも、使う場合には枠内が2文字で完結してしまいますので、やればやるほど紙面上の白紙部分が増えてしまうことになるのです。
そのため、あまりに空白が目立ったものになってしまうと、採用担当者に「手抜き」という印象を与えることにもなりかねません。そのような悪いイメージを読み手に抱かせないためにも、同上を「バランスよく使う」ということを意識しましょう。同じ内容だからと言って、何でもかんでも省略してよいというわけではないのです。
③同じという意味で使われる「〃」は書かない
同上と同じ効果を持つ文字(記号)として「〃」があります。普段大学の授業で書いているノートなどで使用している方も多いのではないでしょうか。しかし、これを履歴書に使うのは好ましくありません。絶対に書かないようにしてください。
「同上」と「〃」を比較すると、「〃」はカジュアルな記載のしかたとされています。そのため、履歴書のような正式な書類で「〃」を使ってしまうと「手を抜いたんだな」と読み手に悪いイメージを与えることにもなりかねません。
一方で、同上は比較的堅いイメージを持っているため、履歴書のような正式な書類でも用いることができるのです。
④書く位置は中央ではなく左端
4点目ですが、同上を書く位置には決まりがあります。それは「枠の左端」です。
例えばノートなどで「〃」を使用する際、枠の中央に書いている方も多いのでないでしょうか。しかし、履歴書は上から左→右へと目を通していくものです。その枠を見たときに左端に何も書かれていなければ、「空欄で出したのだな」と思われかねません。採用担当者が就活生の履歴書に目を通す時間をあまり設けられないのであれば、それはなおのこと危険なこととなるでしょう。
また、「同 上」のように間に空白を設けるのも好ましくありません。そうしてしまうと読みにくくなってしまうので、きちんと詰めて書くようにしてください。
⑤同上にはフリガナをうたない
最後の5つ目ですが、同上にはフリガナは打たないようにしてください。
当然のことでしょうが、履歴書上でのフリガナは氏名または住所の正しい読みを教えるものです。そのため、同上にフリガナを打ってしまうと、まるで「同上」という名前や場所に関係があるとでもいうような内容になってしまいます。これでは、同一の内容を省略するという意味をまったくもちません(ちなみに「同上」という地名は現在の日本にはないようです)。
フリガナに関連してですが、住所と同様にその正しい読みかたも確認するようにしてください。実は自分の思っていたものと地名の読みかたが違っていたということは多くあり、その間違いに気づかないまま書いてしまっている就活生が毎年少なくないようです。
記載時の注意点について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
同上を使ってOKな項目・NGな項目とは
ここまでで、同上を履歴書に書く際の注意点までをまとめてご紹介していきました。そのなかで、使い過ぎはよくないということをご紹介しましたが、節度を守って書き入れる必要があります。
ここではさらに踏み込んで、履歴上で同上を使ってもよい項目と好ましくない項目それぞれをご紹介していきます。良い履歴書を作成するためには、使う場所にも注意を払わなければなりません。これを参考にして、とくに使ってはならない場所を把握するようにしましょう。
使ってOKな項目
- 住所欄
- (緊急)連絡先
- 帰省先欄
- 電話番号欄
同上という表現を使っても問題ないと一般に解釈されている項目は上記の通りです。住所欄ほかに関しては、実家から通学しているという就活生であれば使用できます。ただし使う場合には、先の見出しでもご紹介したように、同上を利用する上の項目を都道府県名から一字も省略せずに書かなければならないという点には注意してください。不安であれば、住民票などを確認するようにしましょう。
電話番号に関しては、スマートフォンをはじめとした携帯電話のみを保有しており、家に固定電話機がないという就活生であれば使用可能です。この場合は、どちらにも携帯電話の番号を当てはめるのですが、上部を省略せずに埋めた後、下部に「同上」と書けばOKです。
使ってNGな項目
一方で、就職活動の履歴書で同上を使うのが好ましくないとされているのが、「学歴・職歴」欄です。とくに「学歴」の項目は、高等学校以上の学歴に関しては「入学」「卒業(見込みを含む)」の2回記載する必要があります。そのため、省略できたらいいのにと考えている就活生も少なくないことでしょう。
しかし、そこも採用担当者によっては関心を持って読むところのひとつだといわれています。学歴はすべて正式名称かつ同上で省略せずに書くようにしてください。
ちなみに、「学歴・職歴」欄の「職歴」の部分ですが、学生であれば社会人経験はないので「なし」と書くのが一般的です。これを書いていない就活生は毎年一定数いるので、記載するのを忘れないようにしてください。
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同上を使わずに履歴書を書くとどうなるのか
履歴書では同上などの省略表現を使って記入することもできますが、あえてそれを使わずに省略せずに書いた場合はどうなるのでしょうか。履歴書は見やすく簡潔にまとめることが大切なため、見やすさを意識するのであれば適宜同上とするなどして、読みやすくなる工夫をすることが大切です。
しかし履歴書では基本的にはすべて正式名称で書かなければなりませんし、省略した表現は好ましくないとされています。同上を使用せずに履歴書を作成した場合、採用担当者にはどのような印象を与えるのかを知っておきましょう。
マイナスの印象を与えることはない
まず知っておきたいのが、履歴書で同上を使わなかったからといって、マイナスの印象にはならないということです。同上と記すのはあくまで省略したい場合であり、省略が必要ないと感じれば通常通りに記入して構いません。同上などの省略表現は絶対に使わなければならないものであるわけではなく、あくまで使いたい人だけが使うものです。
そのため同上と書いてマイナスの印象を与えることはあっても、書かないことでマイナスになることはありません。省略表現を使う際にはさまざまなポイントがありますし、守らなければならないルールもたくさんあります。少しでも使用に不安が残る場合は、同上と記さずにすべてきちんと記入した方が無難だと言えます。
場合によっては見づらくなる可能性も
履歴書は同上を使用しないからといってマイナスの印象を与えることはありませんが、省略しないことで見づらくなってしまうことはあります。すべての項目にぎっしりと記入されていると、全体に詰まった印象を与えてしまう可能性があるので注意が必要です。同上を使用しないことでマイナスの印象にはならなくても、履歴書全体が見づらいことで印象が悪くなってしまうことはあります。
省略表現は使用しなくても問題ないケースも多いですが、全体を見直したときに見づらいと感じるのであれば適宜使用することが大切です。履歴書は記入する内容はもちろん、全体的な読みやすさも大切ですので、詰まった印象を与えるようであれば同上なども上手に使用していきましょう。
同上を上手に使えばキレイで読みやすい履歴書になる
この記事では、同一内容の重なりを避ける際に使う言葉である「同上」をキーワードにして、その意味をはじめ使うときの注意点や使ってもよい項目・使うべきでない項目などをまとめてご紹介してきました。
同上は、上手に使えば紙面がすっきりとまとまるうえに就活生自身の負担も減らせるという、まさに魔法のワードです。しかし、あまり使いすぎてしまうと手抜きだと読み手に抱かせかねない言葉でもあります。また、使うためには条件があるため、使用できないこともあります。同上を用いることができるのであればぜひ利用し、すっきりとした美しい履歴書を作成するようにしてください。