履歴書

【エントリーシートと履歴書の違い】作成する際のポイントと注意点

就活のエントリーシートと履歴書には明確な違いがある

エントリーシートと履歴書は、就活においてよく目にする言葉です。エントリーシートと履歴書をどちらも同じようなものだと考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、その2つを企業へ同時に提出することになった場合、「志望動機や趣味・特技欄などまったく同じ文章を書いてもいいの?」と疑問に思った就活生も多いはずです。

書類選考に使われるという点では共通していますが、実はエントリーシートと履歴書には明確な違いがあります。どちらも同じだと思っていると、記入する際に手間取ることになるでしょう。ここでは、就活におけるエントリーシートと履歴書の違いや、項目の書き分け方を紹介します。エントリーシートと履歴書の役割の違いを知って、それぞれに合った使い方をしましょう。

エントリーシートと履歴書の違い

エントリーシートと履歴書は似ていますが、ちょっとした違いがあります。そのちょっとした違いがどんなものなのかを把握して、書き方に気を付けるようにしましょう。ここでは、エントリーシートと履歴書で異なっている「取得する場所」や「公的文書かどうか」など、4つの違いについて解説していきます。就活において、エントリーシートと履歴書の両方を記入する際にどういった違いがあるのか、より詳しく見ていきましょう。

エントリーシートと履歴書の違い①取得する場所が違う

まず、エントリーシートと履歴書では取得する場所が違います。履歴書には市販のものと学校指定のものがあります。市販の履歴書はスーパーや文房具店など、筆記用具を取り扱っている店舗であれば比較的どこでも販売されています。

また、ネット通販でも購入が可能です。就職用以外にもアルバイト用や転職用など、履歴書は種類やサイズが豊富ですので、購入する際には注意しましょう。ただし、企業側から特に指定が無ければ、どのサイズの履歴書を選ばなければならないという決まりはありません。また、学校指定の履歴書は学校の売店や就職課で手に入れることができます。

エントリーシートは、企業の公式サイトの採用ページからダウンロードすることが可能です。説明会で配布されることもあり、企業から直接入手する必要があります。エントリーシートは企業が作成しているものですので、店舗で購入して手に入れることはできません。

エントリーシートと履歴書の違い②公的文書かどうか

エントリーシートと履歴書はどう違うのでしょうか。新卒であなたが就職活動をする場合には、エントリーシートと履歴書、どちらも必要になってきます。もちろんこれらは質問事項が良く似ていますから、なぜ2つも書かないといけないのだろうと疑問に思うかもしれません。

しかし実はこの2つ、明らかに違うものなのです。この違いを明確にして把握しておけば、エントリーシートと履歴書を混同することなく、それぞれ最適な書き方をすることが可能になります。エントリーシートと履歴書では何が具体的に違うのかというと、履歴書には捺印欄がある点です。エントリーシートは残す必要がありませんが、履歴書は入社した後も捺印を押したものを記録として残す必要がある重要な公的文書となります。エントリーシートは採用時に使うだけで残しておく必要はありません。

エントリーシートと履歴書の違い③過去か未来か

エントリーシートは未来の自分、履歴書では過去の自分について書きます。エントリーシートでは志望動機のほかに、「自己PRしてください・あなたの長所はどういった点ですか・会社に入ってどのような仕事をしたいですか」などの、質問に回答する欄があります。つまり、就職した後どうしていきたいのかという未来について書くことになります。

履歴書は、名前や住所といった基本情報の他、学歴や持っている資格について記載します。志望動機はエントリーシートと共通ですが、それ以外の部分ではこれまでの学歴や資格・免許などについて書くことになるため、過去の自分について書くのが中心です。

エントリーシートでは自分の将来について、履歴書では自分のいままでについて記入すると覚えておきましょう。

エントリーシートと履歴書の違い④項目の内容

具体的に履歴書とエントリーシートとではどのような項目内容の違いがあるのでしょうか。まず、履歴書は市販のものや大学などが指定しているものもあります。これは、企業側は聞きたいことなどを重点的に聞き出すためのものなどというわけではなく、あらかじめ学歴を書く欄があり、志望動機や資格を書く欄があったりと決まっているケースが多いです。

一方エントリーシートは企業側が内容を操作するのが可能です。記述するスペースを多くとっているものなどもあり、より企業は採用試験のために応募者の人物像を見ることが可能となります。エントリーシートと履歴書の違いを見極めておくと、それぞれの書き方も工夫できますので、頭にこの違いを入れておきましょう。

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エントリーシートと履歴書の書き方における注意点2つ

最後に、エントリーシートと履歴書の書き方についてを見ていきましょう。エントリーシートよりも、履歴書の方が記入する欄に限りがあります。ですから、簡潔にわかりやすく、はっきりとわかるように要点を書くことが必要です。

①履歴書は飾らず・エントリーシートは表現を工夫して

履歴書は、エントリーシートに比べて記入する欄のスペースが小さいといえます。したがって、なるべく簡潔かつ飾らない文章を書く必要があるでしょう。わかりやすく内容が伝わるようにシンプルな言葉で文章を書くことが大切です。自分が何を言いたいのかはっきりとさせてから文章を書き始めるようにしましょう。

エントリーシートは前述したとおり記入欄が広く、履歴書より自由にスペースを使うことができます。その企業の社風や雰囲気にもよりますが、写真や絵を貼り付けるなどして、表現を工夫するようにしましょう。そうすれば相手により強い印象を残すことができます。ただし、結局何を伝えたいのかわからない内容になってしまわないように注意が必要です。

②一貫性を持ちつつ内容が重複しないように

エントリーシートと履歴書には共通した記入項目が多くあります。ただし、内容がなるべく重複しないように注意が必要です。また、重複を避けるだけではなく、一貫性のある内容を書く必要があります。どういうことかというと、例えばエントリーシートの自己PRで自分の体育会系な性格についてアピールしていたのに、履歴書の趣味・特技の欄に「読書・映画鑑賞」などど書いていると、一貫性がなくどういった人物なのかあやふやになってしまいまいます。エントリーシートで体育会系さをアピールしたのなら、履歴書の趣味・特技でスポーツやアウトドアについて触れているほうが自然といえるでしょう。

誰しも性格や趣味においてはいろんな側面を持っているといえますが、あまりにかけ離れた内容を書いてしまうと相手が混乱します。企業が求める人物像を把握したうえで、自分がどういった人柄なのかわかりやすい記述を心がけましょう。

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エントリーシートを作成する際のポイント

エントリーシートを作成する際のポイント

エントリーシートは、「自分をアピールする内容」を書く書類です。そのため、1つ1つの回答で、しっかりと自分をアピールすることがポイントとなります。効果的な文章を書くためには、「分かりやすい構成」と「魅力的なエピソード」を意識しましょう。エントリーシートで使うならば、「PREP法」という構成がおすすめです。

エピソードは、自己分析をすると見つけることができます。過去の自分を振り返って、どんな出来事があり、そこからどんなことを学んだのか、分析してみてください。分かりやすい構成で、魅力的なエピソードをアピールできれば、エントリーシートの質がグッと上がるでしょう。

趣味や特技など細部までアピールすることが大切

エントリーシートは自分自身のことをより深くまで知ってもらうためのものですので、趣味や特技なども、細部まで徹底的にアピールすることが大切です。履歴書に比べればエントリーシートはアピールの自由度も高いですし、より詳細なアピールをすることができます。採用担当者は趣味や特技などからも、さまざまな情報を読み取っています。細かい項目でも詳しくアピールをすることが大切です。

できるだけ細かくアピールすることで、評価もされやすくなり、判断材料が多くなることで、より正確に自分のことを分かってもらうことができます。エントリーシートは履歴書よりも細かい情報を書けるのが特徴ですので、履歴書に書ききれなかった内容まで記すことを意識しましょう。

自由記述欄がある場合は工夫が必要

エントリーシートの設問は企業によって異なりますが、自由記述欄を設けている企業は多いです。自由記述欄は文字通り自由に使っていい項目であり、自分のことを自由にアピールすることができます。自由記述欄は他の項目と比べてもさらに自由度が高く、より個性が発揮できる部分ですので、記入する際はしっかり工夫することが大切です。文字だけでアピールするのではなく、イラストや図などを書いてもいいですし、企業によっては色ペンなどを使用して良いケースもあります。

自分のことを自由に表現することができますが、ここで平凡なアピールになってしまうと、採用担当者の目に留まりません。印象に残るように工夫して作成し、自分らしさをアピールしていきましょう。

自己紹介書としての意味合いを理解しておく

エントリーシートは自分のことをより深くまで知ってもらうためのものであり、自己紹介書としての意味合いがあることも覚えておきましょう。履歴書でも自分自身についての情報は記載しますが、それはあくまで基本的な情報のみです。履歴書は記入する項目がどの企業でも決まっていて、基本的なことしかアピールできませんが、エントリーシートは違います。エントリーシートは企業ごとに項目が違い、履歴書よりも高い自由度でアピールすることができます。

自由度が高いからといって、奇抜すぎる内容を記入するのはNGですが、履歴書ほど堅く考える必要はありません。エントリーシートの自己紹介書という側面を理解し、自分のことを知ってもらうにはどうすればいいかを考えながら作成していきましょう。

履歴書を作成するときのポイント

履歴書には、住所や学歴、資格などの「自分に関する情報」を書く欄が多くあります。履歴書を作成する際には、誤字脱字や略称に気を付けるようにしましょう。履歴書を完成させたら、誤字脱字がないかどうか、しっかりとチェックしてください。学歴などで略称を使うのはNGなので、「高校」は「高等学校」と書くようにすると良いです。

エントリーシートの設問にもある志望動機や自己PRが履歴書にある場合は、同じ内容を書いても問題ありません。ただし、全く同じだと2回書く意味がなくなってしまうので、履歴書では簡潔に書いて、エントリーシートでは少し詳しく書くと、差別化ができて良いでしょう。

基本的な書き方のルールを守る

履歴書にはさまざまなマナーやルールがありますので、まずはそれらをしっかりと守って作成することが大切です。いかに内容が良くても、基本的なマナーが守れていなければ印象が悪く、魅力も半減してしまいます。基本的なマナーが守れていないと、マナーを守る気がない、覚える気がないと判断され、就活そのものにもやる気がないと評価される危険性があるので注意が必要です。

しっかりとマナーを守っていれば、誠実な印象を与えることができますし、履歴書の内容もきちんと評価してもらうことができます。内容をしっかり考えることは大切ですが、書き方のマナーを守ることも大切ですので、基本的なマナーについてはしっかり押さえて作成しましょう。

内容は簡潔に読みやすくまとめる

履歴書でも自分自身のことを伝えるためにさまざまなことを記入しますが、内容はすべて簡潔にまとめることが大切です。自己PRや志望動機は長くアピールすればそれだけ評価されるわけではなく、ボリュームが増えることでむしろ印象が悪くなる可能性もあります。採用担当者は1日に何十枚、何百枚と履歴書を確認します。長々と書かれていて読みづらいと、最後まできちんと読んでもらえない可能性が高いです。

どれだけ念入りに作成しても、読んでもらえなければ意味はありませんし、まずは読んでもらえる履歴書を意識して作成しましょう。読んでもらうためには、短く簡潔にまとめ、読みやすいように適度に改行するなどの工夫も必要です。読みやすく、わかりやすくするためにもシンプルにまとめるのがポイントです。

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エントリーシート作成時に参考にすべき例文

ここで、エントリーシートで非常によく聞かれる・志望動機・自己PR・学生時代に力を入れたことの3つの例文とポイントを紹介します。ここでは1枚のエントリーシートに書くことを想定し、同じ企業宛てに同じ人物が書いたものを載せます。重なる所、変わる所に注意して読んでみてください。

志望動機

私は、貴社の〇〇商品の独創性と利便性に感銘を受け、ぜひこの商品に関わりたいと思い志望致しました。私は学生時代は〇〇細胞の〇〇性を証明するという研究に打ち込んでいました。〇〇細胞は扱いがデリケートで実験は失敗の連続でしたが、温度や手順などを変えて工夫し、成功することができました。貴社の新商品開発は、私の想像以上に困難が伴うと思いますが、実験で培った忍耐力とひらめきで、ぜひ貢献させて頂きたいです。

志望動機は「その会社に入りたい理由」ということを忘れずに書くようにしましょう。できるだけ、この会社ならでは、という他の会社でない理由があった方が良いです。見つけるには行きたい企業を絞り、できるだけ詳しく企業研究をするようにしましょう。

自己PR

私の長所は向上心があることです。学生時代打ち込んでいた実験など、新しいことを始める時はまず周りの意見を聞き、その通り行います。しかし一通り経験すると、より良くするにはどうしたら良いかと考えずにいられません。例えば、研究に選んだ〇〇細胞は元々ゼミ担当教授から推薦されたものでした。実験方法についても提案を頂き、もちろんその通り行いました。しかしそれでもうまくいかない時、問題点を見つけるために、仮説検証をします。物事をより良くするのは簡単ではありません。向上心に加えて我慢強さも必要です。この私の資質を、貴社の商品が更なる飛躍をする為に活かして貢献したいです。

自己PRしたいことが色々あっても、エピソードは企業研究に合致するものを一つ選ぶようにしましょう。この場合は向上心をアピールする為、実験が上手くいかない時=困難な状況で向上心を持って解決したというエピソードを挙げています。エピソードを通して「向上心」と「我慢強さ」が効果的にアピールできています。

学生時代に力を入れたこと

私は学生時代、ゼミでの研究に最も力を入れてきました。最初に想定した結果が思うように得られず先が見えない時、ふと読んだ本からひらめきを得て思いがけない結果にたどり着くことができました。最終的には独創性を認められ学内表彰を受けることができました。私はこの経験を通じ物事をやり遂げる力を身に付けることができました。貴社の商品が今後益々世の中で役立つ為に開発、販売等様々な部署で仕事をやり遂げるのはそれぞれ大変なことだと思いますが、ぜひやり遂げたいです。

学生時代に力を入れたことは色々あるでしょうが、自分の力で困難を乗り越えた、とわかる経験を書くようにしましょう。結果が〇位だった、というようにわかりやすい数字などで表せる時は入れましょう。この例の場合、エピソードを通して得たもの=やり遂げる力ということも、無理なくアピールできています。結びでは志望部署が一つに定まっていませんが、無理に一つにする必要はありません。

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エントリーシートと履歴書は違いを意識しよう

履歴書とエントリーシートの違いについてみていきました。エントリーシートも履歴書も一見同じようなものに見えますが、違う面も多いことが分かりました。この違いを意識しながら記入すると、より効果的にあなたをアピールできるようになるはずです。エントリーシートと履歴書のそれぞれの違いに注意して作成するようにしましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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