業界研究

重工業業界徹底研究ガイド|ニュースや主要企業についてご紹介

重工業業界とは

重工業業界は、そのスケールの大きさが魅力の業界です。船舶から宇宙産業関連、さらには防衛関連まで、さまざまな巨大な製品を開発し、製造しています。日本が世界と互角に渡り合えるだけではなく、リードしている業界のひとつと言ってもいいでしょう。

そんな重工業業界は、就活生に人気です。就活でライバルに一歩リードするためには、重工業業界の基本や動きを知る必要があります。重工業業界について解説するので参考にしてください。

重工業業界

重工業業界が取り扱う分野は、非常に幅広いです。船舶から鉄道車両、旅客機、原発や火力などの発電や、送電機械などのエネルギーに関連する設備まで製造しています。さらに、宇宙産業品から防衛関連までの製品を手がけているのが特徴です。

設備や機械の製造だけではなく、運用や情報システムも含めて開発し、提供しているのも特徴でしょう。平成20年に勃発した世界同時不況の影響により、船舶の分野が長年苦戦していました。しかし昨今では、少し回復傾向にあります。同時に改革の動きも出て来ました。また、新興国のインフラ設備に関し、他国との競争が激化している状態となっています。

重工業業界の業績推移について

  • 業界規模重工業:9兆2,503億円
  • 平均年収重工業:674万円
  • 平均継続年数:約16.3年

重工業業界の中でも船舶重機に絞り、業界規模の推移を見ていきます。平成17年から20年にかけ、業界規模は増加傾向にありました。これは日本だけではなく、造船業界に限って言えば、世界的に拡大傾向にあったためです。

しかし平成20年に起きたリーマン・ショックによる世界同時不況の影響で、需要が減少しました。他にも、燃料価格が高騰したことの影響もあり、24年まで低迷期が続いたのです。ただ、この低迷も平成25年から徐々に回復傾向に入りました。

そのため業界規模は増加し、円安にも後押しされ、回復という流れになっているのです。船舶に限らず重工業全体で言えるのですが、ちょっとしたトラブルだけでも業績が大きく変化しますので、回復傾向にあっても油断できない状況と言えるのです。

重工業業界の細かい職種分類について

  • 設計
  • 製造
  • 品質保証関係
  • 人事
  • 経理
  • 総務
  • 営業
  • 出荷
  • 管理

重工業業界はそのジャンルも豊富にあるのですが、職種もさまざまあります。職種に関し大きく分けると、技術系と事務系に分けられるでしょう。ただ、技術者と一概に言っても、そこからまだ細分化できます。

例えば、研究職や設計、製造から品質に関するものまで、それぞれに専門家がいます。例えば川崎重工などは、基本設計だけではなく、設計されたものをどのように実際の形にしていくかを担当する詳細設計というプロフェッショナルも存在しているのです。

プロフェッショナルな仕事は、他の部門にもあります。資材調達だけの部門、生産工程や工作技術の開発を行う部門など細かく分けられ、それぞれが連携し、ひとつの製品を作り上げているのです。

主要企業5選紹介

そびえたつビル

重工業業界は、三菱重工、川崎重工、IHIが大きな存在感を持って君臨しています。もちろん、それ以外の重工メーカーも世界的に名前の知られている企業ばかりです。どの重工メーカーでも、取り扱う商品に対し情熱が高く、それぞれの部門が高いプライドを持っている専門家の集まりとも言えます。

そんな重工業界の主要企業はどこか、社風を含めて理解することで、重工業界を目指す就活生は就活をよりスムーズに行えるでしょう。

三菱重工業株式会社

企業名:三菱重工業株式会社
代表者名:宮永 俊一
従業員数連結:82,728人(2017年3月31日現在)
設立年月日:1950年(昭和25年)1月11日(創立は1884年7月7日)

三菱重工株式会社は、原動機、船舶、海洋、航空、宇宙、汎用機や特殊車両、冷熱機器や工作機械など幅広く行っています。社風としては、まず三菱グループという安心感が挙げられるでしょう。フレックスタイムや育児休暇や在宅勤務などが導入されており、働きやすい環境が整っていると言えます。

ただ、基本的に年功序列で給料がアップするため、仕事に対する個人個人の考え方が異なり、それがモチベーションの差になっているという声もあります。別部門の担当者との連携も重要ですから、違う部門でも関係する業務に関しては勉強が必要でしょう。

また、他社ではなかなか取り扱わない製品、公共性が高い製品が多いためやりがいは大きいと言えます。ただ、全般的に堅実経営な社風と言えるでしょう。

川崎重工業株式会社

  • 企業名:川崎重工業株式会社
  • 代表者名:金花 芳則
  • 従業員数:35,127人(2017年3月31日現在)
  • 設立年月日:1896年(明治29年)10月15日

川崎重工は百年以上の歴史で培った技術により鉄道車両から航空機、人工衛星まで、陸、海、空、さまざまな場所で必要な重機を取り扱っています。各種プラントと言った環境関連設備から産業機械、ロボット、さらにエンジニアリングまで開発し、バイクについては国内外で高い評価を受けている企業です。

社風としてはチームワークを大切にしており協調性が求められますが、若手でも発言しやすい雰囲気があります。また、若手でもある程度、新しい仕事を任せられるだけのチャレンジを歓迎する雰囲気もあるのです。同時に、周囲の人もそのチャレンジに対してサポートをおこなう体制も整っています。

株式会社IHI

  • 企業名:株式会社IHI
  • 代表者名:代表取締役社長 満岡 次郎
  • 従業員数:8,630名 連結対象人員:29,659名(2017年3月末)
  • 設立年月日:1889年(明治22年)1月17日(創業は1853年12月5日)

IHIは、資源やエネルギー産業機械や、海洋、航空、宇宙、社会インフラなど、さまざまな事業を幅広く行っている総合重工業メーカーです。社風についてですが、個人の成果について評価されにくいという声もあります。

基本的に年功序列のため、ただ働いていれば給料は上がっていくという部分は、生活の面から見ると安心があると言えるでしょう。教育の面でも力を入れているのですが、技術職は人員不足によって残業が多い傾向にあります。しかし土日はきちんと休め、休日出勤でも振替休日を得られるのが特徴です。

基本的には自由な風土はあるのですが、大きな仕事を任せられることも多く、プロジェクトによってはその金額の巨大さから、大きなプレッシャーがかかるという声もあります。

三井造船株式会社

  • 企業名:三井造船株式会社
  • 代表者名:代表取締役社長 田中 孝雄
  • 従業員数連結:13,171人 (平成29年3月31日現在)
  • 設立年月日:1937年(昭和12年)7月31日(創立は1917年11月14日)

三井造船は、船舶、海洋事業や、機械、システム事業、世界各地のプラント、発電所や橋梁など、幅広く事業を行っています。特に船舶用ディーゼルエンジンは国内トップシェアで、大型コンテナクレーンは世界シェア第二位です。

社風としては年功序列が非常に強い傾向にあります。そのため個人が頑張っても、なかなか評価されづらく、入社してからすぐ課長などになるのは困難です。しかし、チャレンジに対しては歓迎される雰囲気もあります。ただ、飛び抜けた個人が活躍するより、協調性が大切にされる社風と言えるでしょう。

休みに関しては充実しており、有給休暇が取りやすいと言えます。専門知識や現場で経験を積んでいくと、大きなポジションを任せられるようになるでしょう。

住友重機械工業株式会社

  • 企業名:住友重機械工業株式会社
  • 代表者名:別川 俊介
  • 従業員数連結:19,321名(平成29年3月31日現在)
  • 設立年月日:1934年(昭和9年)11月1日(創業は1888年11月20日)

住友重機械工業は、精密機械、建設機械、産業機械、船舶、環境やプラントまで幅広い事業を取り扱っています。社風は、福利厚生が非常に充実しており、給与面以外も、家賃や休暇制度について他社と比べても遜色がありません。特に正社員に関しては待遇面で非常に良いです。

巨大なプロジェクトに関しても、すべて任せられるだけの度量の広さがあります。さらに会社内だけではなく、外からの人とも一緒にプロジェクトを行っていくので様々な経験ができる雰囲気です。

残業についても厳しく管理されており、原則として休日出勤は禁止されています。ある程度、自分のペースで仕事を行えるのですが、会社全体で言うと年配者が多く協調性が求められ、年功序列という空気も根強いです。

業界研究を効率的に進めよう

就職先を決めるには、自分自身に合った業界を知ることも大切です。そのためには、まず業界について知っておく必要があります。そこでおすすめなのが「人気21業界丸わかりマップ」です。こちらでは、就活生に人気の21業界をピックアップしています。

21の業界ごとに主要企業の売上高や年収も掲載しているため、この1冊でたくさんの情報を収集することができます。就活は、時間との戦いでもあります。就活を効率よく進めるためにも、無料でダウンロードしておきましょう。

主要企業5社への入社は難関

重工業業界でトップを走っている5社への入社はもちろん簡単なものではなく、非常に難易度が高いと言えるでしょう。まず一般的に言われる大企業で年収も高く、福利厚生も安定していることから就活生からの応募が殺到し、倍率が高いのです。

それだけではなく、企業側が求めるスキルも非常に高いため、難易度が上昇するといえるでしょう。実際にどのような社員が働いているのか、またどのくらいの倍率であるのかを見ていきましょう。

インターンシップ選考の倍率さえも相当高い

入社をする前に、インターンシップを経験したいと考える方も多いでしょう。インターンシップは実際に会社の内部に入ることができ、先輩社員との交流の場や職場体験もあるため、入社したい方は応募する方がよいでしょう。

しかし、企業によって募集人数や応募条件は異なりますが、重工業業界は特殊な知識や専門性が必要なため、募集人数、応募条件ともにハードルが高くなっています。重工業業界に入社したいと考えている方は、まずインターンシップの参加を検討し、参加の切符を勝ち抜いた経験を持って、就職採用試験に取り組むことをおすすめします。

大学院まで行くことが必須という企業も多い

企業は採用するにあたり、将来を担う重要な人材を必要としているわけですから、さまざまな条件を提示することでしょう。重工業業界では、高校卒や短大専門学校卒、4年制大学卒では留まらず、大学院まで行くことが必須とされる企業が、多く存在しています。

その上、成績が優秀でなければいけないという条件の企業も多数存在しているため、難易度がさらに上昇する状態となっています。また、業界最大手企業である三菱重工業などでは、大学院生で成績が優秀な学生をスカウトしたという実績もあります。企業にとっては将来性をかけた人事採用であり、誰でも簡単に応募、採用となるわけではないのです。

重工業業界は今後も魅力的な業界

重工業業界といっても1つの事業内容だけを指すのではなく、企業はさまざまな事業内容をかかえており、世界をまたにかけて展開している企業も多くあります。船舶や鉄道車両に始まり、航空機や宇宙機器、ジェットエンジンなど今後もさらなる進化が期待されています。需要も多いことから、今後も魅力的な業界であると言えるでしょう。その他、働く人にとっても魅力的なことが多い業界です。離職率や福利厚生などを見ていきましょう。

離職率が低い

重工業業界では新卒者の定着率が高いことが有名です。企画や構成から始まり、実際にプロジェクトを展開して出来上がるまでの工程は、数か月で終わるものもあれば、長いものであれば年単位、また何十年とかかる特大プロジェクトも多いです。

そのような業務にやりがいを持って働いている人が多くいます。また責任を持って取り組むことのできる環境が整っていることから、離職をすることなく、長く会社に貢献し、ものづくりをおこないたいというバイタリティーにあふれている方も多くなっています。

これらから、辞めずに長く続ける人が多い傾向の業界だといえるでしょう。つまり、魅力的な業界であると感じ、誇りを持って仕事をしている人が多いため、離職率が低い業界になっているのです。

福利厚生が手厚い

どれだけやりがいがあっても、福利厚生が整っていないようでは生活が苦しくなってしまうため、仕事を続けるのが難しいというケースもあり得ます。重工業業界の場合、他の業界に比べて大企業が多いため、福利厚生がしっかり整っている企業が多いです。フレックスタイムを導入している会社や、育児休暇の環境が整っている会社は魅力的でしょう。

在宅勤務制度を導入している企業まであることから、社員にとって働きやすい環境が整っているといえます。忙しい時期には休日出勤を命じられる企業も多数ありますが、振替休日を導入している企業もあることから、福利厚生や働きやすい環境が整っていることが見受けられます。

重工業業界研究のおすすめ書籍紹介

重工業業界をより深く知るには、インターネットやニュースで調べるだけでは足りません。他にも書籍などが、情報媒体として非常に参考となります。何故かと言うと、実際に働いていた人の生の声や、有名な経営者が紹介されている書籍もたくさんあるからです。

そのような声は、重工業業界だけではなく特定の企業を知るためにも大切な情報源となります。重工業業界を少しでも知る上で読んで損がない書籍をご紹介しますので、チェックしてみてください。

IHIに今も息づくシントーイズム ―日本の「モノづくり」を元気にするために

IHIに今も息づくシントーイズム ―日本の「モノづくり」を元気にするために』は、元IHI社長の真藤恒氏の薫陶や思想をまとめた書籍です。この真藤恒氏は、IHIだけではなく、電電公社の最後の総裁、NTTでは初代社長、会長を務めた人物でもあります。大学を卒業後に播磨造船所(現IHI)に入社をし、常識外れなタンカーを考案したり、それまでオーダーメイドで受注していた船舶をカタログ化して販売をおこない、現IHIを造船業界のトップにまで引き上げた人物としても知られています。

IHIだけではなく日本の造船業の発展にも大きく貢献した人物とも言われているのです。同時にIHIで社長だった時、大規模な人員削減を行って「ドクター合理化」とも呼ばれました。IHIだけではなく重工業会に入りたい就活生にとっては、役に立つ情報が含まれているでしょう。

純国産ガスタービンの開発―川崎重工が挑んだ産業用ガスタービン事業の軌跡

純国産ガスタービンの開発―川崎重工が挑んだ産業用ガスタービン事業の軌跡』は、コージェネレーションシステムを作り上げた川崎重工の技術者達の足跡が書かれた書籍です。著者の大槻幸雄氏は昭和5年に生まれ、昭和30年に川崎航空機工業に入社した人物です。昭和46年に川崎重工業の単車事業部設計部長兼ジェットエンジン事業部長付という立場で純国産ガスタービンの設計開発に従事しました。

ガスタービンに携わる技術者にとっては貴重な資料となり、同時に他の技術者にとっても新しい分野にチャレンジした著者がどうやって結果を出したのか、その考えを知る上で重要なことが書かれています。重工業業界で、技術者を志す就活生にとって、先輩技術者の苦労や挫折や成功体験まで参考になるでしょう。

重工業業界を深く知って就活を有利に進めよう!

重工業業界は大規模なプロジェクトに携われ、やりがいのある業界と言えます。技術職だけではなく、営業についても世界中で仕事をすることができるでしょう。就職するためには、重工業業界を深く知る必要があるので、ぜひニュースや書籍などに興味を持って情報収集してみてください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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