業界研究

【文具業界徹底研究ガイド】あなたの就活に役立つ情報を一挙大公開!

文具業界の基礎情報

鉛筆・消しゴム・ノートなど、文具はあらゆる場所で使われています。その文具を企画・開発し、流通させているのが文具業界です。文具は、こだわりを持つマニアと言える人も多く、人気のあるグッズの一つでもあります。そんな文具業界を志す人も多い事でしょう。

身の回りに常にあって当然のようなものだからこそ、その業界については知らないことも多いです。まずは動向、そしてこれからの展望など、基本的な情報から知識を付けていきましょう。

文具業界とは

IT化が進む現代では、ペーパーレスなシーンが増えていることもあり、文具の需要は減ってきているかのように感じられます。紙に書いたりプリントをせずに、データでのやりとりや、タブレットなどで済むことも増えてきました。データでそれらを済ませることができれば、低コストであり手間も省けます。しかしそんな時代だからこそ文具メーカー各社は、情報化の波に対応できるような新しい文具を作り出そうと日々商品を開発・研究しているのです。

また、文具一本だけではなくそこから派生した事業を展開したり、逆に一つを突き詰めていくという動きを見せている企業もあります。各社とも、文具業界を衰退させまいと知恵を絞り、努力を続けています。

文具業界の業績推移

  • 業界規模 4,662億円
  • 平均年収 559万円
  • 平均継続年数 15.4年

前出のとおりペーパーレスが進む近年では、文具の需要は低下してきているのではないかと思われています。しかし、平成20年から21年にいったん業界売り上げは下がったものの、その後は毎年微増ながらも毎年堅調に業績を伸ばしているのです。

文具は、実にさまざまな種類のものがあります。その中でヒットするもののキーワードは「個性」と「最先端技術」です。今まで普通に使えてはいたけれども、「もう少しだけこうだったらいいのに」と思うことや、思いもしなかった機能がついた商品が爆発的なヒットとなる傾向にあります。消えるボールペンの「フリクション」はその代表例です。

懐かしさを残しながらも新しい機能をつける、スタイリッシュ、可愛い、など便利さだけではなくおしゃれであるかどうかもヒットの要因となります。今後は、新しい商品の開発とともに海外事業への発展が見込めるでしょう。

文具業界の細かい職種分類

  • 商品企画
  • マーケティング
  • 商品開発
  • 研究
  • 生産
  • 営業

ユーザーの目線で、今ある商品をさらに見直したり、新たな商品の開発を企画するのが企画・リサーチ・マーケティングの仕事です。競合他社の商品や市場規模をリサーチすることも大切な仕事です。商品開発職は、企画された商品の情報をもとに、実際にプロトタイプの製作をし、形に仕上げます。できあがったものは技術的な設計事業部に回されます。そこで開発・生産が可能だと判断され、ようやく生産が始まるのです。

生産事業部は商品の生産の他、機械のメンテナンスも行うことがあります。営業は、商品を小売業者や販売代理店に売り込みます。展示会の出店企画なども行う、商品をPRする職種です。事業部ごとに完全に仕事が分かれているのではなく、ユーザーから情報をもらった営業が企画を持ち込み、開発からすべてに関わることもあります。

この他、通販事業部のある会社ではカタログを作成したり、物流やITシステムの管理を行う部署もあります。

メーカーの業界・企業研究を進めよう

メーカーは、就活生からの人気が高いといえます。難関大学からの志望者も多く競争率が高いため、それだけ真剣に取り組まなければ内定を獲得するのは難しいでしょう。大手メーカーへの就職を志望しているなら、業界研究・企業研究が欠かせません。

そこでおすすめなのが、メーカー大研究Bookです。主要企業12社の特徴、ポイントを比較することができ、業績推移などもまとめて確認することが可能です。無料でダウンロードできるため、メーカーへの就職を目指している人はぜひ参考にしてみてください。

主要企業8選紹介

文具業界は、主要企業という位置づけが実に微妙な業界です。ファイルやバインダーに特化した企業、パステルクレヨン・穴開けパンチでは圧倒的なシェアを誇る企業もあります。同じように、セロハンテープだけ、木工用ボンドだけ、というように単品だけで文具部門内の売り上げ上位に入る企業など、特定分野に特化した企業も多いです。この項目では、扱っている文具が平均的に売り上げの高い企業、その分野で一大シェアを誇る企業、などの基準で5社紹介をします。

①コクヨ株式会社

  • 企業名 コクヨ株式会社
  • 代表取締役社長 黒田 英邦
  • 従業員数 単独1,999名(グループ連結6,596名)
  • 設立年月日 1920年(大正9年)7月10日

コクヨ株式会社は、大学ノートの「キャンパス」で知られる会社です。ノート、手帳、ルーズリーフなどの紙製品文具の他、ハサミ・カッター、のり・テープ、ファイルなど、身の回りの文具をオールマイティにカバーしているのが特徴です。文具の他、椅子をはじめとしたオフィス用品の製作も行っています。グループに通販会社があり、文具やオフィス用品の通販もあります。

大企業にも関わらず、新しいことにチャレンジする姿勢が強いです。女性は育児休暇などが取りやすく時短制度もありますが、管理職になるということはまだあまりありません。文具・オフィス用品はもちろん手厚く、その他年間数万円の選択式福利厚生があります。男女とも社員寮があり、地方からでも安心して働ける会社です。

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②株式会社パイロットコーポレーション

  • 企業名 株式会社パイロットコーポレーション
  • 代表取締役社長 伊藤 秀
  • 従業員数 単独1,044名(グループ連結2,623名)
  • 設立年月日 2002年(平成14年)1月4日(創業1918年/大正7年 1月27日)

株式会社パイロットコーポレーションは、文具の中でも特に筆記分野において商品を展開しています。ハイテック、握りやすい「ドクターグリップ」、さらに、こすると消えるボールペン「フリクション」の10億本を超える大ヒットにより、同社はその地位を不動のものにしました。その他、さらさらと書きやすいゲルボールペンなども高いシェアを握っています。中でも万年筆は、蒔絵が人気で海外でもシェアを拡大しています。

企業体制は堅実で、ルールを重んじる傾向があります。女性社員は数が少なく、育児休業制度もしっかりしていますが、結婚・出産を機に退職をする人が多いです。大企業らしく福利厚生は手厚いです。選考に際しては、営業以外でも車の免許が必須なので注意しましょう。

③ナカバヤシ株式会社

  • 企業名 ナカバヤシ株式会社
  • 代表取締役社長 辻村 肇
  • 従業員数 単独710名(グループ連結2,028名)
  • 設立年月日 1951年(昭和26年)6月30日

ナカバヤシ株式会社は、アルバム・ファイル類で高いシェアの企業です。特に「フエルアルバム」に代表されるアルバム部門では国内最大手です。アルバムの他はノート、プリンター用紙などの文具も扱っています。直営の通販サイトがあり、小売店・代理店の他、この通販サイトで商品を販売しています。アルバムに関連し、フォトスタンドの製作も行っており、卒業アルバムの印刷製本など、学校とも密接な関係を持つ会社です。近年では、インターネット上で画像を選択するだけでアルバムが作成できるサービスを始めています。

もともと図書館関連の会社のため、現在でも、図書館における資料の修復・整理も行っています。社風は比較的のんびりとした、あたたかい雰囲気です。

④マックス株式会社

  • 企業名 マックス株式会社
  • 代表取締役社長 黒沢 光照
  • 従業員数 単独919名(ウループ連結2,661名)
  • 設立年月日 1942年(昭和17年)11月26日

マックス株式会社は、文具の他にオフィス機器、住宅設備機器などを製作している会社です。代表的な商品は「ホチキス」で、タイムカードのタイムレコーダーとともに国内トップシェアを握っています。他にも穴開けパンチなど、毎年のようにグッドデザイン賞を受賞する商品を生み出しています。

文具だけではない会社なので、一つの事業部の業績が悪くとも他の事業部でカバーすることができ、安定している企業です。業界の中では比較的給料も高めで有給休暇も取りやすく、残業管理もしっかりとしています。社風は堅実ですが、堅苦しくはなく平等な対応です。女性よりも男性の比率が圧倒的に高い会社です。そのため、女性の働きやすさ、育児休業などの制度に関しては詳しい企業研究が必要です。

⑤三菱鉛筆株式会社

  • 企業名 三菱鉛筆株式会社
  • 代表取締役社長 数原 英一郎
  • 従業員数 単独575名(グループ連結3,519名)
  • 設立年月日 1925年(大正14年)4月17日

三菱鉛筆株式会社は、筆記具一筋の会社です。大ヒットロングセラーのゲルインクボールペン「ユニボールシグノ」をはじめ、カラーサインペンの「ポスカ」、鉛筆「ユニ」など、なじみの深い筆記具を生産しています。一度は誰でも手に触れ、使ったことのあるくらいに三菱鉛筆製の商品は、身の回りに昔からある筆記具ばかりです。近年ではその筆記の技術を活かし、アイライナーなどの化粧品分野にも手を広げ始めました。鉛筆の芯技術により、カーボン製品や光ファイバー事業も始めています。

採用は、文系・理系・デザイン系に分かれます。女性社員も多く、育児休業などの制度も整っている企業です。社風は堅実ですが「個」を大事にし、若いころから大きな仕事を任されたりします。研修に関しては、机の上の勉強よりも現場で覚える風土です。

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【⑥プラス株式会社

  • 企業名 プラス株式会社
  • 代表取締役社長 今泉 公二
  • 従業員数 単独1,328名(グループ連結5,427名)
  • 設立年月日 1948年(昭和23年)2月16日

プラス株式会社は、「新しい価値で、新しい満足を。」の理念のもと、文具・事務用品の他にオフィス空間・家具やミーティングツールをはじめとする様々な製品・事業を手がけているメーカーです。軽く開けるクリップ「エアかる」、指サック「メクリッコ キャッチ」、フラットファイル「年組氏名スクールフラットファイル」の3製品が2018年度にグッドデザイン賞を受賞しています。

福利厚生では、ワーク・ライフ・バランスの推進にともない、育児や介護を支援する制度の充実を図っています。特に育児面では、出産祝い金の増額、学費融資支援制度の新設、男性社員の育児休職取得、育児短時間勤務の対象期間延長や「子育て支援手当」の支給など、子育てをしながら働く社員を応援する仕組みが整っています。

⑦ゼブラ株式会社

  • 企業名 ゼブラ株式会社
  • 代表取締役社長 石川 真一
  • 従業員数 930名
  • 設立年月日 1897年(明治30年)3月8日

ゼブラ株式会社は、ボールペン・シャープペン・マーカーなど各種筆記具の開発・製造・販売を手がけ、創業から1世紀以上の歴史を持つ、老舗の筆記具専業メーカーです。創業年に国内で初めて製造・販売したのは、ペン先にインクをつけて書く「つけペン」です。現在では主に漫画やイラストを描く道具として、現在も国内の自社工場で職人が1本ずつ手作りしています。

現在も品質向上に取り組み、プロ漫画家の意見も聞きながら新商品の開発が続けられています。他にも、油性マーカーの「マッキー」、ボールペンの「サラサ」、シャープペンとボールペンが一体化した「シャーボ」など、私たちが一度は手にしたことのある筆記具を生産・改良し続けています。

次の1世紀においては、筆記具を「書く道具」から「思い通りに操れ、脳を刺激する道具」へ進化させることを目標にしています。労働面では、女性活躍への取り組みに力を入れていて、労働者の基本情報および会社として今後の課題や目標をホームページ上で見える化しています。

⑧キングジム株式会社

  • 企業名 キングジム株式会社
  • 代表取締役社長 宮本 彰
  • 従業員数 単独380名(グループ連結2,172名)
  • 設立年月日 1948年(昭和23年)8月(創業は1927年4月)

キングジム株式会社は、日本のオフィスや学校でよく使われている大型ファイル「キングファイル」や家庭でも活躍するラベルライター「テプラ」をはじめとする、多数の個性豊かでバラエティに富んだ製品を生産しているメーカーです。近年では、場所を問わずパッと開いてすぐに起動しテキスト入力ができるデジタルメモ「ポメラ」が独創的です。「ポメラ」は今までになかった製品として新ジャンルを確立し、発売から10周年を迎えています。

同社では、様々な働き方についての取り組みがおこなわれています。特に育児支援においては、次世代育成支援対策推進法に基づき、「子育てサポート企業」として厚生労働大臣より「くるみん」認定を受けているほど充実しています。

文具業界研究のおすすめ書籍紹介

文具業界のことを知るためには、実際にそのメーカーの文具を使って実感してみることが大事です。しかしその他に、その文具を作るにはどのような歴史と経緯があったのか、などを知ることも知識として必要です。面接のときの話題の一つにもなり、話を振られた時にもすぐに答えることができます。

そのような時に便利なのが、書籍です。メーカーについて書かれた物、個別の文具について深く掘り下げたものなどさまざまな書籍があります。文具を手に取りながら書籍に目を通し、業界への知識を深めましょう。

仕事にすぐ効く 魔法の文房具

『仕事にすぐ効く 魔法の文房具』という本は、文具をシチュエーション別に選び紹介した本です。いつ、どの文具をどのように使えば仕事の効率があがるのか、製品とそれを使った場合の具体例が書かれています。メモすることくらいだろうと思われがちな付箋の使い方、小学生で使うのをやめてしまうことの多い鉛筆の奥深さ、ビジネスシーンでの文具の効率的で楽しい使い方が、写真付きで載っています。

会社ではとかく「使えればいい」とワンシーン、一つの目的にだけ使用されがちな文具ですが、文具とはそもそも仕事や勉強のサポートをしてくれるものなのだ、と感じさせてくれます。また、文具の紹介だけではなく仕事術についても書かれています。ビジネス書ではありますが、難しい内容ではありません。読んだ後に文具店に足を運び、実践したくなることでしょう。

文具の流儀:ロングセラーとなりえた哲学

『文具の流儀:ロングセラーとなりえた哲学』という本は、各文具メーカーのフラッグシップ、つまり企業を象徴するような代表的な商品について触れた本です。各メーカーにはそれぞれ、大ヒットを飛ばした商品やロングセラーとなっている定番商品があります。このメーカーといえばこれ、というその商品は、どのようにして生まれたのか、物作りにかける思いが伝わってきます。

ロングセラーの商品は、新しい商品が出て来てもすたれることはありません。定番とロングセラーであることの強み、なぜその商品は長く愛されているのか、ロングセラーの秘密に一つ一つ、ぐっと迫っています。どこをどのようにこだわったのか、作られた経緯と、発売されてからも進化を続ける定番商品の、定番商品である理由がよく分かる一冊です。

文具業界を深く知って就活を有利に進めよう!

不景気により、企業は経費削減をどこも迫られています。そして企業が文具を一括して購入するのではなく個人が購入するという機会が増えています。そのため、文具はただの「用品」ではなく自己表現・個性を主張するアイテムにもなっているのです。これからの文具業界にはさらに、新しい視点、新しい考え方が必要になってくるでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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