業界研究

【非鉄金属業界の現状を徹底研究】特徴と主要企業5選を紹介

非鉄金属業界について研究することが大切

非鉄金属業界についてよく知らないという就活生は多いですが、私たちの生活にとって身近な存在で、業界の規模も大きいです。銅や金、ニッケル、アルミなど非鉄と呼ばれる金属を扱っている業界で、非鉄金属は自動車や電車、家電など非常に多岐にわたる製品に使用されています。

私たちの生活や世界のテクノロジーを支える非鉄金属業界について、志望するにはまず基本情報やトピック、主要な企業などを把握しておきましょう。

非鉄金属業界とは

非鉄金属業界は、非鉄と呼ばれる鉄以外の金属を取り扱う業界です。銅やニッケル、アルミなどの非鉄金属の資源開発、金属製錬、電材加工や環境リサイクルなど、世の中の製品を作る上で上流に位置しています。

加工した電材などが化学メーカーや電子部品メーカーなどの顧客に渡り、私たちの身の回りにある家電や製品となっています。資源を扱う業界なので、原料の価格の変動による影響を避けられないことや、自動車や電化製品などの世界的な需要によって業績に影響が出る業界です。しかし、市場の成長としてはところどころで成長率が凹んでいるものの長期トレンドでは確実に需要が伸びています。

非鉄金属業界の業績推移について

  • 業界規模:12兆6,228億円
  • 平均年収:635万円
  • 平均勤続年数:15.3年

非鉄金属業界の業績推移をみると、2005年から2007年までは増加傾向にあり、2007年から2009年までは減少傾向にありました。2009年から2013年までは横ばいでしたが、2013年からは増加に転じています。

業績には、資源価格の高騰や世界的な景気、為替などさまざまな要因が影響します。2005年からの業界全体の業績の落ち込みは、資源価格の高騰、金融危機の影響で電子機器や自動車関連部品の需要が減少、銅・アルミの地金相場の急落も加わったことでより一層大きくなりました。さらに、2016年には、円高の影響も加わり業界全体で大きな落ち込みを見せました。2013年以降の業績の増加要因は、海外市場の自動車関連需要が牽引しています。

非鉄金属業界の細かい職種分類について

  • 営業
  • 経営企画
  • 品質保証
  • 製造
  • 総務

非鉄金属業界にはさまざまなな職種があり、職種ごとに業務内容も大きく異なります。営業は顧客のヒアリングや提案を行う際に、提案力だけでなく非鉄金属についての知識や自社製品の特徴などについて幅広い知識を持っておく必要があります。

経営企画では、社内外での状況や数字を確認しながら、今後営業や製造などの部門がどのような戦略で進めていくのか決定する責任が大きい職種になります。会社の将来に関わる重要な部署なので、業界や世界の流れを把握する必要があり、非鉄金属の知識だけでなく、マーケティングやマネジメントなどの勉強も欠かせません。

品質保証部では、神戸製鋼のような事件を起こさないためにも、責任感と正確性を持ち合わせていることが重要になります。このほか、実際の製造にあたる職務や総務職もあります。

あなたが非鉄金属業界に向いているか、確認してください

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主要企業5選紹介

非鉄金属業界は、私たち消費者と直接接点を持つことは少ないですが、生活に欠かせず、大手企業から中小企業までさまざまな規模の企業が存在します。

業界研究をする際には、主要企業について知っておく必要があります。業界を牽引する主要企業の事業内容や、今後の方針を複数社知ることで、業界の理解に繋がります。

住友電気工業株式会社

  • 企業名 住友電気工業株式会社
  • 代表取締役社長 井上 治
  • 従業員数 5,034名(単独)・248,330名(連結)
  • 設立年月日 1897年(明治30年)4月

住友電気工業株式会社住友電工の略称でも知られる有名企業です。主な事業内容としては、自動車や鉄道、家電、携帯などさまざまな製品に使用される電子部品や配線剤などを製造している会社です。ここ5年間で毎年業績を伸ばしており、平均年収もゆるやかに増加傾向にあります。

非鉄金属業界で最大手で国内でも最大級の規模を誇っています。国内に支社や製作所を構え、国内外に多くの関連会社やグループ会社を設立しています。さらに近年注目されている太陽光発電装置などの環境エネルギーに関する製品も扱っており、私たちの暮らしをさまざまな面から支えています。

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三菱マテリアル株式会社

  • 企業名 三菱マテリアル株式会社
  • 代表取締役社長 竹内 章
  • 従業員数 4,580名(単体 連結 24,859名)
  • 設立年月日 1871年(明治4年)

三菱マテリアル株式会社は東京都の千代田区に本社を置く、非鉄金属業界の売上シェア2位を誇る大規模の企業です。事業は複数展開していて、セメント事業は加工事業、電子材料事業など多岐にわたっています。多様なビジネスインフラを活用した環境リサイクル事業にも積極的に取り組んでおり、持続可能な循環型社会への貢献を果たしています。

「人と社会と地球のために」を企業理念とし、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために当たらなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」をビジョンとしています。目指す方向を循環型社会に貢献するということを定めている企業です。

JX金属株式会社

  • 企業名 JX金属株式会社
  • 代表取締役社長 大井 
  • 従業員数 4,704名(連結)
  • 設立年月日 1905年(明治38年)

JX金属株式会社は東京都千代田区に本社を置いている企業で、銅を中心とした上流の資源開発、中流の金属製錬、下流の電材加工や環境リサイクルまでを一貫した事業を展開しています。アジア有数の総合エネルギー・資源・素材企業グループであるJXTGグループの中核を担う非鉄金属企業であり、グローバル資源・素材カンパニーを目指しています。

技術的合理性や効率性、品質・特性の向上を追求する一方で、ゼロエミッションを目指したリサイクルを促進することによって資源と素材の生産性の革新に今後も継続して取り組みをしています。

古河電気工業株式会社

  • 企業名 古河電気工業株式会社
  • 代表取締役社長 小林 敬一
  • 従業員数 3,657名(単体)・52,254名(連結)
  • 設立年月日 1896年(明治29年)6月25日

古河電気工業株式会社は古河電工と呼ばれる東京都千代田区にある企業で、「世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献すること」を基本理念にしています。

得意とするメタル、フォトニクス、ポリマーの3つの素材力を生かし、情報通信やエネルギーなどのインフラ分野や自動車部品分野、エレクトロニクス分野など多岐にわたる製品を世界中に展開しています。「情熱、執念、誇り」をスローガンに古河ブランドを一層強化していく方針です。

住友金属鉱山株式会社

  • 企業名 住友金属鉱山株式会社
  • 代表取締役社長 中里 佳明
  • 従業員数 7,384名(連結)
  • 設立年月日 1950年(昭和25年)

住友金属鉱山株式会社は東京都港区に本社があり、南蛮吹きと呼ばれる銅の精錬技術を開発した蘇我理右衛門にルーツがあり、銅製練業、鉱山業などの事業を通して発展を遂げてきた企業です。女性を含む多様な人材が活躍する職場環境の整備や社員教育にも力を入れています。

低品位鉱の有効活用にも取り組んでおり、従来活用できていなかった低品位酸化鉱を資源化をHPAL技術で世界に先駆けて商業化生産に成功し、資源の有効活用という観点で大きな功績をあげています。このような資源の有効活用以外にも、環境保全や地域貢献・社会貢献などにもさらに力を入れて取り組んでいく方針です。

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非鉄金属業界は今後も魅力的な業界

非鉄金属業界にはどんな魅力があるのか知りたいという人は多いのではないでしょうか。ここでは、非鉄業界の将来性や現状などについてみていきます。非鉄業界の魅力をしっかり分析しておけば、自身の企業選択にも活かすことができ、面接などでも業界研究がしっかりできている学生だと印象付けることができます。非鉄業界の特徴について要点を抑えておきましょう。

将来性のある施策に取り組んでいる

自動車や精密機器といった需要が高まることで非鉄金属業界の需要も高くなっていますが、国内での売り上げは減少傾向です。そこで、海外市場へ輸出するなどグローバル化に取り組む動きがあります。

非鉄金属業界が進出していない国への輸出をおこなうことに対する評価が高くなっていくといえるでしょう。新しい市場を開拓し、業界全体の規模の拡大に取り組むなどの事業展開が求められています。各メーカーは、国外からの需要に対応するため輸出強化に力を入れています。

また、アルミが鉄製品に次ぐ金属材料としての地位を確立しつつあります。軽量化への貢献から商品開発ニーズが高まる見通しです。再生資源としてリサイクル技術も発展しエコロジーへの貢献にも取り組むなど、将来を見据えた施策をおこなう魅力のある業界といえます。

平均勤続年数は15年

就活の際には、平均勤続年数も業界や企業の現状を読み解く目安として役立ちます。非鉄金属業界の平均勤続年数は約15年となっており、比較的長い年数だといえます。平均勤続年数が長いということは、新卒者の定着率が高く辞めずに長く働く傾向が非常に強いといえるでしょう。

近年は新入社員の早期退職などの問題も多く聞かれますので、それだけ非鉄金属業界は働きやすく魅力的な業界だといえます。業績が安定している企業が非鉄金属業界に多いことも、離職率が低い理由と考えられるでしょう。

その時の景気に左右されることはありますが、自動車や家電などの製品が売れ続けている限り非鉄金属の需要は無くならないため、業績は今後も安定し続ける可能性が高いです。

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非鉄金属業界検収おすすめ書籍紹介

非鉄金属業界研究をより詳しく理解するためには、書籍など体系的にまとめられたものに触れるのが効果的です。主要企業の今後の動向なども重要ですが、非鉄金属業界の全体像を把握することができます。日本国内だけでなく、海外の採掘場なども知っているかどうかで業界のニュースにも敏感になることができますので、より深い知識を身につけましょう。

非鉄金属業界大研究

『非鉄金属業界大研究』という本は、非鉄金属業界を知りたい人や目指す人のための情報が充実しています。基礎知識から最新の業界動向まで業界研究に向いていますが、この本では「住友金属鉱山」や「住友電気工業」「古川電気工業」「三菱マテリアル」など主要企業10社の動向を把握しやすいように1社4ページを基本に説明されています。

非鉄金属業界の職種や採用動向なども確認できます。幅広い職種・業務があり、技術系や営業系の協力の重要さなどを説明してくれています。また、現場の第一線で働いている人の仕事の紹介や、活躍する人たちが熱く語ってくれているので、就職活動で非鉄金属業界に少しでも興味がある人は読んでおいた方が良い1冊となっています。

絵で見る金属ビジネスの仕組み

『絵でみる金属ビジネスのしくみ』という本は、鉄も含めた金属に関わるビジネスについて広く理解するのに向いています。一般読者には見えにくい海外に関する情報や資源開発・採掘などが過不足なく記述されていて、それぞれの論点についてイラストを含めて見開き2ページで解説しており読みやすい構成になっています。

企業や業界の研究だけでなく、金属のビジネスについて、基礎知識から各金属の取引形態、業界のプレーヤー、各国の戦略、最新の金属技術まで解説があるのも特徴です。面接の際により深い話題についていく一助になるでしょう。入社した後にも自分がどのような役割で働いているのか客観的に見れるので読んでおいて損をしない1冊となっています。

非鉄金属業界を深く知って就活を有利に進めよう

非鉄金属業界について紹介してきました。非鉄金属業界は、非鉄と呼ばれる鉄以外の金属を取り扱う業界です。非鉄金属の資源開発、金属製錬、電材加工や環境リサイクルなど、世の中の製品を作る上で重要な役割を担っています。

非鉄金属業界は、私たちの生活に大きく関わりのある業界といえるでしょう。世界を支えている業界ですので、自社の製品をたくさん世の中にみることができます。まずは業界について深く知って非鉄金属業界の選考を有利に進めていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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