目次
プラント業界とは
プラント業界とは、私たちの生活に欠かすことのできない様々なものを制作する工場を、メンテナンスしたり設計したり、品質管理をしたりする業界です。高い専門性が必要になる業界であると同時に、日本の技術力を世界に向けて発信していくことができる業界でもあるため、幅広い需要があり安定度が高い業界になります。
プラント業界
プラント業界は、プラント、つまり工場を設計したりメンテナンスをしたりするのが主な仕事になりますが、現状では新規のプラント設計するという企業は決して多くはなくなってきています。ただ、新規の設計がなくとも、既存のプラントは存在し続けるので、そのメンテナンスをしていかないとなりません。結果、現状プラント業界ではメンテナンスの仕事が増えてきているという傾向があります。
国内では、既存プラントの数も多くあり、その分新たなプラントは設計しづらいところがありますが、海外ではその限りではありません。プラント業界で仕事をする上では、海外での仕事に視野に入れておくべきです。
プラント業界の業績推移について
- 業界規模:2兆8,308億円
- 平均年収:735万円
- 平均勤続年数:16年
プラント業界の業界規模は、拡大したり縮小したりを繰り返しています。現在は5年連続で業界規模を拡大していますが、その前はやや縮小傾向にありました。プラント業界は、景気に左右されやすい業界になります。景気が悪くなればプラントも縮小したりあるいは廃止になったりし、
逆に景気が良くなればそれにより新規プラントができていくこともあります。また景気だけではなく、エネルギー関連等の開発が進んでいくとそれに伴いプラントが増えることに、業界規模も拡大していくのです。
年収は高いところでは1,000万円近くなるものの、低いところでは500万円を下回ることになり、格差の大きい業界だといえます。ただ平均してみてみると比較的に年収が高い業界ではあります。勤続年数は平均16年と決して長いとは言えません。
プラント業界の細かい職種分類について
- 施工管理
- 設計
- メンテナンス
- 製造
プラント業界での職種は、設計から施工、メンテナンスというプラント運営の流れの中で分類されます。製造担当として実際にプラント製造していく工事を担当していく職種もあれば、施工管理としてそのプラントが完成するまでの工程管理を担当する職種もあり、ささまざまです
。
メンテナンスを主に担当して、プラントを保持する職種もあれば、どういうプラントを作っていくのかという設計をしていく職種もあります。
最初から最後まで細かく分けられているのがプラント業界なので、その中でこれが自分に一番合っているという職種を探す必要があります。実際プラント業界に入って担当することになることが多い職種は、製造です。
プラント業界だけに決めかねていると就活生も少なくないでしょう。就活の選択肢は最後は絞る必要がありますが、初めから選択肢を狭めていると、就活の後半にさしかかり後悔しかねません。そのため、就活初期段階は視野を広く持ちいろんな業界を見てみましょう。
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主要企業5社紹介
プラント業界の企業は、日常の中ではあまり目にすることもなければ耳にすることもない企業が多いです。実際プラント業界にはどのような企業があるのかということは、あまりよくわからないものです。
しかし、プラント業界を知っていく上で、あるいはこれからプラント業界を目指していく上では、一つ一つの企業に目を向けていくことは欠かせません。実際にどんな企業があるのか、以下で見ていきます。
日揮株式会社
- 企業名 日揮株式会社
- 代表者名 石塚忠
- 従業員数 7,554名
- 設立年月日 1928年10月25日
日揮株式会社は、プラント業界最大手として知られている企業になります。日揮は、オイルやガスのプラント事業からインフラ系のプラント事業、さらには事業投資やビッグデータソリューションまで、幅広く事業を展開している企業になります。
日本国内だけではなく世界に向けて事業を展開している企業になるので、世界を舞台に仕事をしていきたいと考える方にピッタリな企業です。また、トップが高専出身であることが証明しているとおり、学歴がないと出世できないような閉鎖的な社風ではないということも特徴の一つです。
千代田化工建設株式会社
- 企業名 千代田化工建設株式会社
- 代表者名 山東 理二
- 従業員数 5,367名
- 設立年月日 1948年1月20日
千代田化工建設株式会社は、プラント業界2位の売上高を誇る企業です。売上高こそプラント業界2位ながら、上記のように生涯給料では業界最大手の日揮を上回り、人気の高い企業になります。
エネルギー関係から科学、医療分野におけるまで幅広いジャンルのプラントの設計、調達、建設、メンテナンスに取り組んでいます。
水素エネルギー事業へのチャレンジや、パプアニューギニアでのプロジェクト、カタールでのプロジェクト等チャレンジ精神あふれる事業も展開しており、チャレンジ精神のある人材を求めているのが、千代田化工建設です。色々なことにチャレンジしていきたい気持ちが強い方におすすめです。
東洋エンジニアリング株式会社
- 企業名 東洋エンジニアリング株式会社
- 代表者名 中尾清
- 従業員数 4,397名
- 設立年月日 1961年5月1日
先の日揮株式会社、千代田化工建設株式会社と合わせて御三家と呼ばれる東洋エンジニアリング株式会社。業界第三位の売上高を誇ります。基本的な事業内容はほかのプラント業界の企業と同じく、日本国内外問わず幅広いジャンルでのプラントの設計やメンテナンスになります。
東洋エンジニアリングでは、その豊富な海外経験を企業として活かして、企業の海外進出のサポートもしています。日本国内の企業の国外進出をサポートしているだけではなく、欧米の企業の日本を始めとした海外進出のサポートもしているというところが特徴です。
そういう企業だけあってチームプレイができる人材、適応力の高い人材を求めています。
誰かと働くことが好きな方や、海外の文化や自分と違う考え方の方を受けいれることが得意な方に向いている企業になります。
栗田工業株式会社
- 企業名 栗田工業株式会社
- 代表者名 門田道也
- 従業員数 1949年7月13日
- 設立年月日 5,654名
栗田工業株式会社は、水と環境というところから事業を展開してきた企業になります。プラント業界の様々な企業が幅広いジャンルでプラント事業を展開しているのに対して、栗田工業株式会社は水に関係したプラント事業を展開しています。
たとえば水処理施設の販売であったり、水処理施設のメンテナンスであったり。
社員ひとりひとりが環境に対して高い意識を持ち、環境改善活動に取り組むことを求めている企業のため、環境に興味があり、環境改善に少しでも力を活かしていきたいと考えている方にピッタリです。
そういう方であれば、仕事をしながら環境にも貢献できるという、自分が理想とする形で働いていけるでしょう。
株式会社タクマ
- 企業名 株式会社タクマ
- 代表者名 加藤隆昭
- 従業員数 3,447名
- 設立年月日 1938年6月10日
日本で初めて全連続機械式ごみ焼却プラントを完成させた株式会社タクマ。以降、廃棄物処理プラントや水処理プラント、ボイラプラントや産業廃棄物処理プラントの設計、メンテナンスを事業としています。
再生可能エネルギーの活用と環境保全の分野を中心にリーディングカンパニーとして社会に必須の存在であり続けるということをモットーにして2020年に経済利益100億円を目指している企業になります。
たとえばゴミ問題等、水だけではなくもっと幅広く環境に興味があり、少しでも世の中に役に立ちたいと思っている方には、すごくあっています。企業理念も、世の中に価値があると認められるものを生み出すことで貢献していきたいというものなので、ぴったりです。
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プラント業界に必要なスキル
就活では、漠然と自分を売り込んでいても、採用担当者に評価されるような内容には繋がりません。業界に応じて、求められるスキルが違うことを理解し、それに合わせることで、魅力的な人材と認識してもらえるようになります。
これは、プラント業界でも同様です。プラント業界で活かせるスキルをアピールしなければ、選考でも評価されません。自分のスキルをアピールする前に、プラント業界で求められるスキルを知っておきましょう。
コミュニケーション能力
プラント業界の仕事は、どれも個人で簡潔するような業務ではありません。大規模な作業を多くの人と協力し合い、業務を成功させることが求められる業界であると言えるでしょう。そのような業務の性質上、コミュニケーション能力は必須で求められることになります。特に、プラント業界で求められるコミュニケーション能力として、伝える力と聞く力を意識しましょう。
人手も時間も多く掛かるからこそ、連携が何よりも不可欠なのがプラント業界です。そして、そのためにも、自分の置かれている状況を伝え、相手の置かれている状況を聞くことが大前提になります。多くの人が関わる業務だからこそ、いかに細かな工程をスムーズに進めるのかが鍵になります。それを満たしていることをコミュニケーション能力というスキルとしてアピールしましょう。
マネジメントスキル
プラント業界で行う業務は、工場の設営や管理などです。しかし、全ての業務をプラント業界に属する1企業が担当する訳ではありません。業務として多くの工程がある中で、必要な技術を持っている専門的な企業に外注する場合もあります。このようなことからも、プラント業界で働くためには、全体の業務を管理するためのマネジメントスキルを求められることもあります。
具体的に、マネジメントスキルとして求められるのは、計画の立案から稼働確認、稼働中のメンテナンスに至るまでを滞りなく進めることです。業務として大規模なものになるからこそ、一括で全体を管理する役割を担う必要があります。そうした全体の流れを意識することをマネジメントスキルとして要求されると覚えておきましょう。
向上心
プラント業界で行っている業務は、人々の生活を預かっていると言っても大げさではないものばかりです。そのため、専門的な知識を要していて、確固とした信頼をおけるような状態でなければ、仕事を任せてもらえない業界と言えるでしょう。そして、信頼を得るためには、資格という形での証明が求められます。プラント業界では、入社後も資格を取らなければ、新しい業務を担当させてもらえません。
また、資格手当も多く、資格取得により給与が上がるケースも少なくありません。プラント業界に入社後は、絶えず新しく資格を習得しなければいけないので、向上心もスキルとして要求されることになります。日々、仕事をしながらの、資格取得は簡単ではありません。しかし、新しい仕事を任されるような、期待できる新人になるためにも、向上心を示さなければなりません。
プラント業界研究のおすすめ書籍紹介
プラント業界についてより詳しく知るためには、書籍を見て学んでいくということも必要になります。ネットで検索をしたり、ニュースや新聞を調べたりすることとはまた違った視点の情報が入ってくるので、よりコアな情報が手に入ります。
就活ではそうしたよりコアな情報を仕入れていた方が、後悔のない進路選択につながったり、あるいはよりその業界に入りやすくなったり、有利になることは確実です。しっかりと書籍を通してからも、業界研究をしていきましょう。
プラントビジネス2017 石油・ガス EnB Mook
プラントビジネス2017石油・ガスEnB Mookという本は、石油・ガス関連プラントの市場動向をまとめた書籍になります。そもそもEnBという雑誌があり、これが、エンジニアリングビジネスという、プラント業界のビジネス雑誌になります。当然それを読むことでも、現在のプラント業界のコアな情報は手に入りますが、ムック本になっている本誌は、アジアやアメリカでのプラントの動きを解説してくれています。
新しい本であるために、最新の情報が手に入るという利点もあります。プラント業界の本は、決して数が多くなく、売られているプラント業界関連の本はすごく古いものであることも多いです。その中で最新の情報を手に入れることができるというのは、すごく貴重です。
プラント・エンジニアリング業界
プラント・エンジニアリング業界という本は、プラント業界の本としてはすごく古い本になります。しかしそれゆえに、当時のプラント業界と今のプラント業界の動きを比べていくことができます。
そういう歴史資料的な観点から業界研究をしていけば、他と差をつけることができる可能性は高いです。今現在のプラント業界を知ることができる手段はありますが、当時のプラント業界について知ることができる資料はあまりありません。
また、既存の企業である、千代田化工建設の活動内容なども触れているので、業界研究のみならず、千代田化工建設の企業研究資料としても役立つ一冊になっています。
プラント業界を深く知って就活を有利に進めよう!
プラント業界は、インフラやエネルギー関連等、日常生活とは切っても切れないところにあります。決して就活生にすごく人気の業界であるというわけではありませんが、給料も比較的に高く、やりがいのある仕事であることは間違いありませんので、しっかりと理解を深めて、是非プラント業界に入れるように努めていってください。