目次
懇親会後にお礼メールを忘れる就活生が多い
内定者懇親会は内定後、初めての正式な顔合わせの場です。非常に緊張して参加する学生が多いでしょう。しかし懇親会が終わった後、安心して肝心のお礼メールを忘れてしまう学生は多いものです。礼儀としてのお礼メールを忘れてしまうことは、その後の人間関係に響いてしまう可能性もあります。
最近では、上司と部下の間で関係が悪化する事例が、多くメディアで取り上げられています。人間関係はあるいは賃金や労働環境よりも、自分のパフォーマンスを左右しかねない要素です。お礼メールが無いことで第一印象を悪くすれば、人間関係は大きくマイナスの状態でスタートするでしょう。
今後長ければ40年近く勤める会社です。この1通のメールでまずは良好な関係を築く第一歩を踏み出してみましょう。
懇親会後のお礼のメールはなぜ必要なのか
ここまで読んでくださった方の中には、「メール1通で面倒だな」と思われる方もいるかもしれません。しかし、多くの場でお礼メールはもはや当たり前のものとして考えられています。
まず何をするにしても、その必要性と目的は理解して、意識しなければなりません。いやいやでお礼メールを送っても、そういった気持ちはメールの文だけでなく、送るタイミングなどから不思議と相手に伝わってしまうものです。
そもそもお礼メールがなぜ多くの方に重要視されるのか、考えてみましょう。
挨拶と同じくマナーの一つ
職種によって多少の量の差はありますが、社内では基本的にメールで連絡を取り合うことが多くなります。業務の進行具合、外部からの伝言など、口頭での伝達に加えてメールでのやり取りをしているわけです。
社内の人からすれば、メールの送受信は普段常に行っていることであり、特別なことがあったり感謝を伝えるべきことがあれば、当然のようにメールで連絡し合っています。
したがって、懇親会後のお礼メールは一種の挨拶のようなマナーの一部になっています。マナーの重要性は就活をする中で痛感してきたのではないでしょうか。お礼メールが来ないということは、挨拶をせずに立ち去るような悪い印象を相手に与えます。
今後のためにも積極的にお礼メールを送ろう
ここまではマナーを守るというお話でしたが、お礼メールはそれだけのために送るものではありません。最初に、これは良い人間関係を築く第一歩ですと書きました。懇親会は先輩方もみなさんも多くの方が初めて会う場になるため、学生に限らず先輩方でさえ緊張している方は多いはずです。
そんな中、「どんな学生が来るのだろう?」と楽しみに思ったり期待している上司・先輩方も多いでしょう。懇親会の時点で既に人間関係作りは始まっています。お互いの壁を取り払うという意味でも、まずはお礼メールで積極的なコミュニケーションを図ることが非常に大切なのです。
懇親会後に送るお礼メールの書き方
ここまでは、お礼メールの意味や必要性を紹介してきました。それでは実際に、どのようなお礼メールが相手に良い印象を与えることができるのか考えてみましょう。ここでは、とにかく相手の立場に立って、どのようなメールをもらえたら嬉しいかを意識してください。お礼メールの目的は相手に喜んでもらうことです。
それを念頭に置いたう上で、メールの書き方を順番に見ていきましょう。
①簡潔で分かりやすい件名
メールを受信した際に、最初に目に入るのがその件名です。お礼メールに限りませんが、相手の立場に立つならば、件名はぱっと見てメールの要点がわかる文言にするのがいいでしょう。「懇親会について」や「懇親会の御礼」などの文言であれば、見た相手もすぐに懇親会のお礼メールだと察することができます。
ただし、注意点があります。これはあくまで件名です。文章ではなく、言葉を入れるようにしてください。分かりやすさを求めるのは良いですが、「本日はありがとうございました。」というように件名に文章を入れるのは場合によっては、相手が違和感を感じてしまうことがあるかもしれません。
②書くべきなのは懇親会のお礼と感想
次に本文です。本文に書くべき要点は、懇親会の「お礼」と「感想」です。お礼だけでは量は短く、非常に味気ない文章になってしまいます。せっかく送ったお礼メールを無駄にしないためにも、ボリューム感のあるメールにしましょう。
お礼の部分に関しては良いと思います。敬語に注意して1~2文程度書きます。
大事なのは感想の部分です。やはり相手の立場に立つならば、一言以上はオリジナリティのある文章を盛り込みましょう。多くの内定者がいれば、届くお礼メールは増えます。全てのお礼メールが同じような文章で送られてきたら、嬉しいとはいえ少しげんなりすることは想像に難くありません。例えば、実際に懇親会で聞いたお話などを盛り込み、具体性のある文章を作ることで読み手側も共感しやすくなります。
お礼メールは早めに送る
お礼メールを送信する際、基本的には早ければ早いほど良いです。次の日よりは当日中に、できるなら終わって間もなくくらいでもいいです。早く届く分には受け手は不快に感じません。特に、「家に着いてほっとすると忘れてしまうことが多い!」という方は、帰りの駅のホームなど空き時間でささっと作ってしまうのもおすすめです。
しかし、いくら早い方がよいといっても、深夜に送るのは避けた方がいいでしょう。それでプライベートを邪魔してしまっては本末転倒になります。懇親会は夜遅くなることも多くなると思います。その場合は、解散した直後に相手が家に着くまでの間に送信するか、次の日の朝一番に送信するのが無難です。
内定者懇親会後に送るお礼メールの例文
それでは実際に例文を見ていきます。今回は内定懇親会の当日にお礼メールを送ったとします。①幹事である人事の方や上司に向けたお礼メールと、②比較的年齢の近い先輩方に向けたお礼メールの2パターンについて解説していきます。
このように、立場の違う方によってお礼メールも柔軟に対応できると、より相手も受け取りやすくなるでしょう。例文を見て、より具体的なイメージを持ってお礼メールの作成に取り組んでみてください。
例文①
件名:本日の懇親会への御礼
本文:
〇〇会社 〇〇部〇〇課 〇〇様
お世話になっております。〇〇大学 〇〇学部〇〇学科 〇〇です。
本日は素晴らしい懇親会にお招き頂いたこと、心より御礼申し上げます。
〇〇様から業務に関する体験談をお話頂いたことで、
より具体的に仕事に対するイメージを持つことができました。
また、多くの同期や先輩方との交流の機会を得ることができ、
非常に有意義な時間となったと感じております。
お話の中にもありました、マナーやITに関する専門性など御社のご意向に
少しでも添えるよう、日々学んで参りたいと思います。
今後ともご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。
重ねて、感謝申し上げます。
略儀ながら、まずはメールでの御礼とさせて頂きます。
_____________________________
〇〇大学 〇〇学部〇〇学科 〇〇
住所:
電話番号:
初めに相手の会社名や肩書、名前を入れ、次に自分の大学名や学科名、名前を名乗ります。これもマナーの1つです。お礼は上司や人事の方ですので、「ありがとうございます。」よりは「御礼申し上げます」や「感謝申し上げます」という敬語を用いるとよいでしょう。
また、形式的な文章になりますので、和製英語を含め、横文字は多用しない方が無難です。最後に、今後の展望や意気込みまでお話できれば、やる気も伝えることができます。必須ではありませんが、今後もともに仕事をしますので、「今後も宜しくお願い致します」という旨は加えた方が自然です。
例文②
件名:懇親会についての御礼
本文:
〇〇会社 〇〇部〇〇課 〇〇様
お疲れ様です。〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 〇〇です。
本日は素晴らしい懇親会をしていただき、誠にありがとうございます。
〇〇様のお話を伺ったことで、職場の雰囲気をより具体的に
感じることができました。
また、先輩方のお声掛けから、私自身も緊張が解け、
非常に多くの方と関わることができました。
先輩から伺った成功体験や失敗談など、
多くの経験を今後の業務に活かし、日々学び続けて参ります。
今後ともご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。
重ねて、感謝申し上げます。
略儀ながら、まずはメールでの御礼とさせて頂きます。
_____________________________
〇〇大学 〇〇学部 〇〇学科 〇〇
住所:
電話番号:
今回は、「先輩」という立場が少し近い相手に対する文章です。年齢の近い方であれば、上司よりも近い立場でともに業務をこなす時間が多くなるでしょう。そういった意味で、多少砕けた言い回しに変えてあります。
ただし、砕けた文章を使うときは度を越えないように注意してください。あくまでメールを送る上での基本的なマナーや正しい敬語を使うことを前提として、上司との差異を付けることができればより伝わりやすい文章になります。
懇親会後のお礼メールをマスターしよう!
懇親会後のお礼メールについて紹介してきました。メールのマナーや知識の必要性は、懇親会だけに留まりません。最初にも述べた通り、社内での業務連絡や、場合によっては取引先など外部の方とメールのやり取りをしなければならないことも多くあるでしょう。
信頼は日々の積み重ねからできています。「何気なく送った1通のメールが場合によっては、会社が長年掛けて積み重ねた信頼を一挙に失ってしまった!」などということにも繋がるかもしれません。メール1通が人間関係を良好にすることもあれば、人間関係に亀裂が入ってしまうこともあります。ぜひ、社内の人と良好な人間関係が作れるメールを懇親会後からスタートさせてみてください。