就活のマナー

内定後に質問しておくべき3つのこと|メールや電話の例文で解説

内定後の質問で就活の「成功」を確かめることができる

志望していた企業から内定をもらった後は、実際に働くことをイメージするようになり、いくつか気になることも出てくるでしょう。また、内定をもらったら、就活中には聞きにくかったことを質問したいと考えている人も多いです。

内定をもらった後に気になることがある場合、質問をしてもかまいません。不安なまま入社するのではなく、積極的に質問をして、この会社に内定して良かったと思えることが、社会人として良いスタートを切るためには必要です。

しかし、質問の仕方によっては相手を不快にさせたり、ビジネスマナーがわかっていないと判断されたりする可能性もあります。この記事で、内定後に気になることを質問するときのマナーや、入社前に知っておきたい事柄について確認してみましょう。

内定後、入社までにしておきたいことについて以下の記事でも解説しています。

就活生に聞いた! 内定後に質問した経験

内定後に質問をしていいのか迷うという方もいるかもしれません。そこでまず、実際のところどれだけの就活生が、内定獲得後、企業に質問をしたことがあるのかを紹介します。就活生の皆さんの回答結果がこちらです。

内定後に質問した経験

回答した就活生の58.3%が質問したことがあるとのことで、内定後に質問する就活生が多数派だということがわかりました。やはり入社前に不安を解消しておきたいと考える就活生が多いのかもしれません。

ぜひこの記事で、質問すべき内容や質問方法を確認していってください。

内定後に質問をするメリット

ここからは、内定後に質問をすることのメリットをいくつか紹介していきます。なぜ、内定後に質問をする就活生が多いのか、その理由を紐解いていきましょう。

選考中には聞きにくいことが聞ける

勿論内容には気を配る必要がありますが、選考中には聞きにくかったことを確認できるというメリットが挙げられます。

選考中にも質問する機会はありますが、特に面接の逆質問など、質問内容も評価の対象となっている場合、本当に聞きたいことをそのまま聞くのは難しいということもあるでしょう。

しかし、内定後であれば比較的聞きにくいことも聞ける状況であるといえます。内定を出した企業にとっては、「選考基準をクリアした来てほしい人材」であり、なるべく不安や疑問を解消して入社してほしいと考えている場合がほとんどだからです

内定後の質問でイメージとギャップがないか確認できる

就活を進め、志望していた企業から内定をもらえば一安心です。しかし、内定をもらったからといって雇用条件についての確認を怠ると、入社後にギャップを感じて後悔する可能性があります。

たとえば、残業が想像よりも多かったり、給料が予想よりも少なかったりすると、人生プランにかかわります。入社後にこのようなギャップを感じて後悔するのは避けたいものです。

気になっていたことをそのままにしてしまうと、就職後に想像と異なっていると感じながらもそのまま働くか、内定を手に入れた企業を短期間で退職することになってしまいます

そうならないためには、気になる点について入社前に質問し確認しておく必要があります。

内定後の流れについては、以下の記事でも解説しています。

入社に向けた前向きな姿勢をアピールできる

質問の内容によっては入社に向けた前向きな姿勢をアピールできます。入社に向けてどのような準備をしておくべきかや、入社後の心構えなどが例として挙げられます。

仕事への意欲を感じさせる質問をすることで、入社前に前向きなイメージを残すことが期待でき、場合によっては配属や勤務先の決定にも影響するかもしれません

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「めんどくさいな」と思われがちな就活マナーですが、いざという時にできないとそれが原因で選考に落ちてしまう可能性があります。

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またメール例文や電話での模範回答例などもついているので、そのまま就活に役立てることができます。

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内定後に確認しておくべき5つのこと

入社前から社会人になる準備をして入社後のギャップを小さくするためには、入社前後にやるべきことや給与、残業などについて詳しく確認しなればなりません。

しかし、これらに関する質問は方法を間違えると印象が悪くなったり、働く気がないとみなされたりする可能性もあります。

それでは、内定後に確認しておくべきことはどのように質問すればよいのでしょうか。入社する前に確認しておきたい質問例について詳しく確認してみましょう。

①入社前の準備や心構え

  • 入社前に準備しておくこと
  • 働き始める時の心構え

学生の多くは入社前の過ごし方に不安を感じています。不安を和らげるためにも、内定をもらったら、入社前の過ごし方について質問するとよいでしょう。

持っていると役立つ資格や勉強しておくべきことを教えてもらえれば、社会人になったときに同期と差をつけられます

さらに、入社するときの心構えも教えてもらいましょう。入社する前から、社会人としての意識を持っておくことは大切です。以下の記事を参考にして、入社への準備を進めましょう。

②配属部署や勤務地

  • 配属部署はどのように決まるのか
  • 勤務地はどのように決まるのか
  • 部署や勤務地はいつまでに通達されるのか

配属や勤務地などについても気になる方が多いのではないでしょうか。配属や勤務地によって生活環境なども大きく変わるため、事前に確認し、心構えを持っておいた方が良いでしょう。

多くの場合は、企業から早い段階で告知されますが、今の住まいのままでは通えない場所に勤務地の候補がある場合は、引っ越しの準備もあるために早めに知っておくべき情報だといえるでしょう

③入社後の研修内容や具体的な働き方

  • 入社後の研修内容
  • 入社後のスケジュール
  • 初めのころに想定される具体的な働き方

入社後の研修内容を確認しておくことで、どんなことが学べるのかイメージがつくとともに、入社前に自身でどれだけの準備をしておくべきなのかの確認もできるでしょう

また、入社後のスケジュールに関しても確認しておくべきです。入社後に長期間の研修などがあっても準備する時間を確保できない可能性があるため、あらかじめ入社後のスケジュールを知っておくと安心です。

④給与などのお金関係

  • 手取りでの給与はいくらになるか
  • 賞与はあるか
  • どのような評価基準で昇給が決まるのか

給与は人生プランに大きくかかわるものです。就活中に予想していた給料よりも実際に受け取れる金額が大幅に少なければ、生活が大変になったり、結婚などの計画が崩れたりすることもあります。

しかし、給与やお金に関しては就活中に聞きづらい質問です。そのため、お金に関して気になることがあれば、内定後に必ず確認しておきましょう。お金に関しては手取り額や賞与、昇給などについて把握しておくと安心です。

しかしながら、給与などに関する質問は相手を不快にさせる可能性もあります。失礼のないように、知りたい理由を述べながら丁寧な言葉で質問することが大切です

いずれも人生プランにかかわる大切なことですが、企業や個人によって差があるため、不明な点は明らかにしておくことが大切です。

初任給と基本給の違いについて、理解していない人は多いです。働く前に、給与に関する基礎知識を身に付けておきましょう。

⑤残業や忙しい時期

  • 月に何時間残業があるか
  • みなし残業は給料に含まれるか
  • 特に忙しい時期はいつか

学生の多くは入社前には残業時間を把握し、生活リズムをイメージしたいと考えています。残業に関しては質問をためらう学生も多いですが、気になることがあれば入社前に確認しておきましょう。

残業に関して質問するときは、聞きたいことをオブラートに包むことが大切です。たとえば、「一日何時間残業がありますか」ではなく、「繁忙期の平均残業時間はどれくらいですか」と尋ねると悪い印象にはなりません。

加えて、みなし残業に関しても確認が必要です。みなし残業が給料に含まれているなら、あらかじめ決められた時間内で残業をしても手取りは増えません。入社後に戸惑わないように、わからないことは聞いておきましょう。

企業で残業が発生するのは、単に仕事が終わらないという理由だけではありません。以下の記事で、残業の概要について理解しておきましょう。

質問をするときの2つのポイント

内定後に確認しておきたいことについて紹介してきましたが、質問の内容によっては、失礼にあたる可能性のあるものもありました。そこでここでは、どのような質問をするうえでもいえる、気をつけるべきポイントについて紹介していきます。

内定後でもビジネスマナーを守った言葉遣いをする

内定後であっても選考中と同様に、ビジネスマナーを守った言葉遣いをすることは徹底しましょう。失礼な言葉遣いで失礼な内容の質問をすると、入社後への期待や印象もマイナスになりかねません

選考中ほど緊張感のあるやり取りではないにせよ、敬意を忘れずに丁寧な言葉遣いで質問をしましょう。

なぜ聞きたいのか理由も併せて伝える

質問をする際、なぜ聞きたいのか理由もあわせて伝えることで丁寧な印象になったり、本来答えにくい内容でも、納得感を持って回答してくれることにつながります

たとえばどれだけ残業があるのかについて質問する際に、「生活リズムを整えるために知りたい」などと理由を付け加えると印象は悪くなりにくくなります。条件面など、本来聞きにくい内容でも理由が前向きな場合は企業も喜んで教えてくれるかもしれません。

就活生に聞いた! 内定後に質問した内容

内定後に質問した内容

入社前に確認しておくべきことはいくつもありますが、そのなかでも就活生の皆さんが特に気になっていることとはどのようなものなのでしょうか。ここでは就活生の皆さんが実際に質問した内容について、質問した理由とあわせて紹介していきます。

勤務地や配属について質問する就活生が多数

集まった回答の中で特に多かったのが、勤務地や配属について質問したというものでした。

勤務地や配属については、内定者が固まってきてから決定することも多いため、内定後に質問する就活生が多いようです。入社直前に知って、急な準備に追われることは望ましくありませんよね。

入社後の働く環境をより具体的にイメージするためには、入社前の内定先とのコミュニケーションが重要です

入社までのスケジュールを確認したという回答も多数

内定式など入社までのスケジュールを確認するために質問したという回答も多数寄せられました。

選考のスケジュールは公開されていても内定後のスケジュールは公開されていない場合がほとんどでしょう。また、採用活動の期間も企業によってさまざまであるため、確認する必要があるケースは少なくないといえます

残りの学生生活を楽しむことと、入社に向けた準備を進めるうえでもスケジュールを確認しておくことは大切です。もしも不明点がある場合は積極的に質問しましょう。

内定後に質問をするときのメールと電話の例文

内定後、質問をするこ自体は問題ありませんが、質問の方法がマナー違反であったり、内容が失礼だったりすると、相手を不快にしてまう可能性があります。

入社後に相手と気まずくなることもあるため、質問をする際はマナーを押さえて丁寧に尋ねることが大切です。

では、具体的にはどのように質問すればよいのでしょうか。内定先に気になることを質問する方法について、電話とメールの例をみながら確認していきましょう。

内定をもらったあとにしておくべきことについて、以下の記事で解説しています。参考にしましょう。

①メールで質問する方法ときの例

件名:社宅に関するご質問

株式会社○○
人事部 人事課 ○○様
○○大学の〇〇です。

先日の内定者研修ではお世話になりました。
社宅に関して2点質問がございますので、
差し支えのない範囲で教えていただければ幸いです。

1.社宅はございますでしょうか。
この段階で恐縮ですが、引っ越しをするか決めるために伺います。

2.社宅の家賃はどのくらいでしょうか。
社宅がある場合、引っ越し先を決めるときに参考にしたいので教えてください。

ご多忙のところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

内定先に質問をする場合、手段はメールでも電話でも問題ありません。事前に内容を十分に確認して質問をしたい人は、メールを選ぶとよいでしょう。内定先にメールをするときは2つのポイントに注意しましょう。

1つ目のポイントは、わかりやすく件名を書くことです。企業で働いている人は一日に多数のメールを受け取るため、わかりづらい件名で送ってしまうと探し出すのに手間がかかります。そのため、質問をするときは一目で内容がわかる件名をつけましょう。

2つ目のポイントは相手の名前や会社の名前を省略せずに書くことです。省略すると失礼なため、メールには正式な会社名や氏名を書きましょう。相手が所属している部署などがわかる場合は、それも会社名の下に書きます。

内定後は、企業へメールを送る機会が何度かあります。返信する際のマナーを確認しておきましょう。

②電話で質問する方法ときの例

○○大学の○○です。配属先について質問があり、お電話いたしました。ただいまお時間よろしいでしょうか。

はい、大丈夫です。

ありがとうございます。差し支えがなければ、入社後の配属先はどのように決まるのか教えていただけないでしょうか。

入社後の配属先は能力をみて、こちらで決定します。希望は聞きますが、はじめは希望が通ることは少ないです。

かしこまりました。お忙しいところ、誠にありがとうございます。では、失礼いたします。

失礼いたします。

内定先に質問する際は、14~17時頃に電話をしましょう。あらかじめ聞きたいことをまとめておき、回答を書くためのメモを用意しておくと便利です。質問のために電話をしたら、大学名と氏名を名乗ることを心がけましょう。

例文のように「お忙しいところ、恐れ入ります」などと挨拶すると好印象を残します。

名乗った後は、要件を伝えてから相手に時間があるか確認すると迷惑がかかりません。相手が忙しい場合は、予定が空いている時間を聞き折り返し電話をしましょう。質問は、なるべく簡潔に聞きます。相手が答えてくれたら丁寧にお礼を伝え、電話を切りましょう。

以下の記事では、内定先への電話のかけ方について解説しています。

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回答に対するお礼のメールも必要

質問に対する回答が返ってきたらお礼のメールを送りましょう。メールの場合はそのまま返信でも構いません。電話で質問した場合でも後からメールでお礼することで丁寧な印象になります。

仕事の合間を縫って回答してくれているので、お礼のメールは必須のマナーと言えます。入社後の良好な関係を築くためにも丁寧な対応を心がけてください。

お礼のメールの例文

お礼メールの例文を紹介します。この例文はメールで質問した場合の、回答に対する返信をしているケースです。

メールのやりとりの履歴が読み取れるよう、メールを新規作成するのではなく、もらったメールに返信して件名が「Re:」となり、本文が残るようにしましょう

Re:社宅に関するご質問

株式会社○○
人事部 人事課 ○○様

お世話になっております。
○○大学の〇〇です。

お忙しいところご返信ありがとうございます。
社宅をご用意いただける旨と、家賃について承知いたしました。

引き続きよろしくお願いいたします。

コロナ自粛中に、自己分析をやり直そう

コロナウイルスで就活も自粛の傾向になり、選考が進まず、不安になっていませんか?

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内定後の質問で不安を解消してから入社しよう

入社後に感じるギャップを少なくするためには、内定後でも気になることを質問する必要があります。質問をすることはマナー違反や失礼にはあたりませんが、給与や残業などが気になるときはできるだけ丁寧に質問しましょう。

なお、給与やスケジュールに関しては企業のホームページや渡された書類に記載されていることも多いです。質問をする前にはできる限り自分の力で気になることを調べ、どうしてもわからないことだけを尋ねましょう

内定後の質問は多くの就活生もしていることなので、不安を解消してから入社できるようにしましょう。

内定後に関する調査

  • 調査方法:ポート株式会社が運営する企業口コミサイト「就活会議」会員へのダイレクトメール
  • 調査日:2022年9月7日~12日
  • 調査元:「就活の未来」を運営するポート株式会社
  • 調査対象者:23卒・24卒の就活会議会員の106人

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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