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【社宅とは】制度の仕組みとメリット・デメリットを徹底解説!

社宅制度を導入している企業は多い

志望する企業の資料の中で、待遇・福利厚生に「社宅制度」と見かけたことはないでしょうか。または、会社の説明会で「社宅があるので〜」という話を耳にしたことのある人も多いと思われます。この記事では、「そもそも『社宅』がわからない」という方に向けて、「社宅」について幅広くご紹介していきます。

実際、社宅制度を採用している企業は数多くあり、メリットを感じて利用している社員も大勢います。とはいえ、人によってはデメリットに思うこともありますし、社宅にはさまざまな種類・名称があって、複雑といえば複雑かもしれません。まずは、「社宅」をきちんと定義した上で、社員寮との相違点をみていきましょう。

社宅とは

そもそも社宅とは、読んで字のごとく「会社が所有している住宅」のことです。とはいえ、「学生寮」という言葉があるように、多くの就活生にとっては「社員寮」の方が耳馴染みのある言葉かもしれません。

「社宅」と「社員寮」を区別している企業もありますが、両方とも同じ意味として使用しているケースもあるので、まずこのことは頭に入れておきましょう。それでは、もっと深掘りして「社宅」を見ていきます。その後、社員寮に関するさまざまなことをお伝えしていきましょう。

会社が社員のために用意した会社所有の住宅

「社宅」に関して、「世帯持ちのための住宅」という印象があるかもしれません。しかし、厳密にはファミリー向けということでもなく、先ほどご紹介した通り、「会社が所有している住宅」のことを指しています。

個人でマンション・住宅を借りるよりも、会社が保有のため低い家賃であることが特徴でしょう。このことも社宅の定義のひとつです。実際、「会社保有」「低賃料」の住宅を「社宅」と呼んでいる企業が多いのです。

だからこそ、家族持ちだけでなく、独身・単身世帯向けの住宅も「社宅」という名称で定着している場合があります。詳しく知りたい際は、会社の総務部に問い合わせることで解決できるでしょう。いずれにせよ、低賃料は魅力のひとつです。

家賃は会社規定による

社宅の家賃は低い傾向にありますが、会社規定によってそれぞれ金額が異なるため、平均していくらかは厳密にはいえないでしょう。その社宅の場所や企業の状況によっても、社宅の家賃は異なってきます。また、職員に無償で社宅を提供している場合もあり、企業ごとにどのくらいの家賃が設定されているかはよく調べておく必要があります。

社宅の家賃が無料または安く設定されている企業に就職できた場合、遠方から入社により引っ越してきた社員は大変助かるでしょう。社宅は、就職して地元以外の場所で働きたいと思っている方にとっては企業選択の重要なポイントであり、福利厚生のひとつとして判断材料になることも多いです。

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企業が社宅を導入する目的

企業が社宅を導入するのは、福利厚生の一環と転勤に対応するためです。就職先を決めるときに重視する条件として、福利厚生があげられます。福利厚生の中で住居に関わるメリットがあると、企業に就職したいと思う可能性が高くなります。

家賃を一部会社が負担してくれ、安く住めるのは非常に魅力的です。また、社宅が綺麗だったり、住みやすかったりすると、社員の仕事のモチベーションを維持できます。会社が社宅を導入するのは、会社にとっても社員にとってもメリットが多いのです。

福利厚生の一環

企業が社宅を導入し、一定額の家賃を支払うことで福利厚生の経費として計上することができます。その結果、節税になります。住宅手当を支給した場合は給与にプラスされるため、保険料の課税の対象になってしまうのです。給与が上がるにつれて課税の金額も上がるので、企業も社員も両方の社会保険料の負担額は大きくなります。

社宅の家賃は福利厚生費として扱われるので、企業と社員の給与に影響を与えません。また、地方や遠方から就職する人にとって、すでに住む場所が決まっていて、自分で物件探しをしなくてもよいのは非常に助かる点でしょう。

転勤に対応するため

業務上、転勤の多い企業もあります。転勤をすると、新しい環境や職場に慣れるのも大変な上に、新しい場所で物件探しをするのはひと苦労です。新しく入居する場合、敷金、礼金などの経済的な負担がかかりますし、書類の手続きなどもあります。

家族で転勤だったり、今住んでいる場所から遠い場所へ転勤する場合、社員にストレスがかかります。社宅があると、転勤になってもすぐに住むことができます。会社が家賃を何割か負担するので、経済的な負担も軽減できますし、転勤による社員のストレスを減らすことができます。

社員寮との違い

「社員寮」については、「学生寮」のように単身向けの住宅という認識で良いでしょう。そして、福利厚生が充実している企業では、お風呂が整備され、食事の提供もあることが多いようです。

食事は、家賃と同じように低い価格に設定されているケースがあります。200円程度で朝食がとれ、夕食も500円程度など、コンビニや外食などと比較するとかなり安めではないでしょうか。時間を指定されている可能性もありますので、要チェックです。

他にも、相部屋制度などがあり、ひとつの部屋を数人でシェアするケースがあります。1人1部屋とは限りませんので、「仕事以外ではなるべく1人でいたい」という方は、事前に確認しておくと良いでしょう。

社員寮には入寮制限がある場合も

企業によっては、社員寮を「独身向け」と定めていることもあります。その場合、結婚後には退室しなければなりません。また、「〇〇歳まで」と年齢による制限を設けている可能性もありますので、「安いから」「便利だから」と懇願しても、退去せざるえないケースも考えられるでしょう。ビジネスマナー同様、入寮のルールもきちんと把握しておくべきです。

その他の規則としては、門限が決められていることもあります。門限外の時間に帰宅した場合、自分の部屋に入れない可能性が高いので、注意が必要です。お風呂やトレイが共同である場合は、清潔に使用するよう心がけてください。洗濯機も複数人で1台のみのケースが考えられます。共同使用・利用のものは、細心の注意を払いましょう。

借り上げ社宅とは

社宅には、2つの種類があります。それは、「社有社宅」と「借り上げ社宅」です。「社有社宅」とは、社宅自体が会社の資産となっている状態で、具体的には、土地も住宅もすべて会社が保有しているケースを指します。

一方「借り上げ社宅」とは、「社有社宅」とは真逆で、土地・住宅を保有していない社宅のことです。企業としては、管理費を抑え節税できるなどのメリットがあり、こちらの方が主流とも言えます。では、入居者としてはどのような利点があるのでしょうか。

会社が法人契約を結んだ住宅を貸し出す制度

企業が民間のマンション・アパートを借りて、それを社員に貸し出すことが「借り上げ社宅」の制度です。その物件を所有しているオーナーは、個人契約よりも家賃滞納をされる可能性が低くなり、メリットは少なくありません。

社宅制度を利用する社員は、低賃料で借りられることが多く、個人でマンション・アパートなどを探すよりも、得することが多いでしょう。とはいえ、すべての家賃を負担してくれるかといえば、決してそうとは言い切れません。家賃の一部だけ負担することの方が多いでしょう。また、部屋の大きさや実家から通える場合は適用されないなど、ある程度の条件は定められていますので、入社する企業に諸々確認しておくべきです。

家賃上限金額が設定されているケースが多い

借り上げ社宅の場合、社有社宅とは異なり、自分で住む場所を選択できることもあります。その際、「隣の部屋に同僚がいる」、「同じ部屋に先輩が住んでいる」といったことはなくなりますので、一人暮らしを満喫できるでしょう。

もちろん、好きな住宅を選択できるからといっても、ある程度の条件があります。「家賃の上限額が定められ、超過分は自己負担」、「家賃上限額の中で、自由に選べる」、「家賃の上限額に加え、地域も限定される」、「基本的には会社が探した物件から選ぶ」など、所属する企業によって、ルールは異なるでしょう。これらに加え、年齢や役職などで家賃負担の金額が変わる可能性もあります。入社前に確認しておきたい場合は、面接の際に聞いてみても良いかもしれません。

多くの場合社宅への入居は必須ではない

では、社宅や社員寮がある場合、入居しなければいけないのでしょうか。先に正解を述べると、必須ではありません。入社する会社の就業規則に記載が見当たらない場合は、人事担当者に確認しておいた方が確実でしょう。

とはいえ、「早く雰囲気に慣れてほしい」「先輩後輩の関係性をわかって欲しい」などの思いから、できるだけ社員寮を利用してほしいという企業も中には存在しているでしょう。

こうした場合、「自由がなくなる」「会社に通いづらい」など、会社側に本音を伝えてはいけません。入居することは強制なのか、過去に入居しなかった事例はあるのかなど、事前に聞いたり調べておく必要があります。いずれにせよ、入社する企業の顔色を伺い、適切な対応を心がけてください。

社宅に入居するメリット・デメリット

比較的家賃が安いことなど、社宅におけるメリットについて前半でも少し触れてきましたが、ここでは社宅におけるより具体的なメリット・デメリットをご紹介していきます。何事にも表裏があるように、社宅だってメリットしかない制度とは言えません。

デメリットについてもきちんと理解して、入居するのか否か判断すべきでしょう。もちろん、一般的な感覚でのメリット・デメリットについてご紹介していきますので、人によってはまったく気にしないことも考えられます。

メリットはコスパが良く孤独を感じにくいこと

低家賃・食事付き以外のお金に関することで言えば、水道代や電気代などが家賃に含まれている可能性も考えられます。洗濯機・エアコンなど社宅にあれば、その分の負担もなくなりコストパフォーマンス的にはかなり良いでしょう。そうした設備の購入・手続きも、個人で行うと面倒くさいことではありますので、手間を省くことができます。会社によっては、引っ越しする際の金額を負担してくれるケースもあり、さまざまな費用に関してはメリットが多いようです。

また、はじめて一人暮らしする際、不安も多く孤独な状態は辛いものです。社宅であれば、近くに先輩や同僚などがいて寂しさを感じないでしょう。一人暮らしに慣れている場合でも、常に話し相手のいる環境は心地よいはずです。

職場から近い場合も多い

社宅は会社から徒歩圏内だったり、数駅だったりと近くて便利な場所にあることも多いです。家と会社が近いと電車で長時間かけて家と会社を往復しなくてよくなります。社員は通勤ラッシュなどのストレスが少なくなるので、仕事にもプラスの影響を与えます。

また、家で過ごせる時間が長くなることで、プライベートの時間を確保できリフレッシュできます。会社側は社員の交通費がかからないので、交通費の支給を最低限に抑えることができ、コスト軽減にもなります。

デメリットは職場とプライベートを分けづらいこと

一方デメリットとしては、社宅や社員寮がとても古くて汚い可能性が考えられます。民間から借りている物件でない場合、なるべく維持費・管理費などを節約するために、汚くて古い家屋になってしまうのでしょう。そして、共同で使用するものやルールが多く、なにかと面倒くさいことがあるかもしれません。寮内での振る舞いが噂になってしまうなど、プライベートに関する情報が社内に流出してしまうことも考えられます。

その他には、同じ職場の人間が近くに住んでいる場合、オン・オフを切り替えることが難しいかもしれません。仕事・プライベートをきっちり分けたいタイプの人は、少し前にご紹介した「社有社宅」「借り上げ社宅」も気になるところでしょう。

希望する物件でない場合もある

会社は、社宅を会社から近いことを最優先に考えて所有していることもあります。そのため、社宅によっては場所や間取りがすでに決まっており、社員は住みたい場所や住みたい物件を選べない場合もあります。

社宅のセキュリティ設備はしっかりしているのか、社宅のある場所の周りに病院やスーパー、コンビニなどはあるのか、といった自分の住みたい場所として条件に合うのかを調べておきましょう。こんな物件に住みたいという希望があるならば、社宅に入る前に一度考えることも必要です。

社宅とは何かを理解しておこう!

住む場所についてデリケートな方やこだわりを持っている方は、入社前にしっかりヒアリングしておくと良いでしょう。入社後に想定外のことが発覚したら、働く気も失せてしまうかもしれません。今までご紹介してきたように、企業による「社宅」・「社員寮」の区別の仕方、「社有社宅」・「借り上げ社宅」といった社宅の種類、社宅のメリット・デメリットなどを頭に入れ、各企業の人事担当者に質問してみてください。

各企業の福利厚生のひとつである「社宅」だけでも、大変奥深いものです。他の待遇・福利厚生も深堀していけば、さまざまな規則やメリットが発見できるでしょう。そうしたひとつひとつを理解して就活に臨むことも、志望する企業選びにおいて大切なことと言えるでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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