就活のマナー

【無理なお願いをする時のマナー】相手を不快にさせないためのポイント

企業に無理なお願いをする時のマナーを心得ておこう

就職活動では、ときに日程の都合がつかずに企業側に連絡をしなければならないケースがあります。「ナビサイトでは説明会日程が埋まっているけれどもどうしても参加させてほしい」、「説明会の参加日程を別の日に変更したい」、「面接時間が他社と重複してしまったために時間を変更したい」、などです。

採用担当者に連絡して調整しなければいけないことは分かっていても、ビジネスライクな電話やメールに慣れていない学生にとってはなかなか勇気が必要な状況でしょう。しかし、採用担当者も就職活動生が自社以外の選考を並行して受けていることは十分理解しています。そのため、基本的なマナーを守ることができれば、案外快く変更を受け入れてくれるものです。

面接の日程変更の無理なお願い

就職活動の山場である面接選考の時期は就職活動生にとって最も忙しい時期です。数社の選考を並行して受けていると、一次面接で落ちてしまう企業、最終面接まで進んでいる企業、リクルーター面談を控えている企業、と会社によって進捗もさまざまな上、直近の日程で面接の予定が入ることも多くなります。

このような状況では、複数企業の選考日程が重複してしまうことはよくあることです。何千人もの学生を相手にしている採用担当者に日程変更をお願いすのは気が引けるかもしれませんが、勇気をもって連絡しましょう。

連絡はできるだけ早く

もし複数の企業の面接日程が重複してしまったとき、あるいは重複してしまいそうなときは、分かった時点でなるべく早く採用担当者に一報を入れるようにしましょう。事前に綿密なスケジュールを組んで学生を管理している採用担当者からすれば、直前の変更依頼ほど困る物はありません。こちらの都合で日程を変更をお願いしているということを念頭に、余裕を持って連絡してください。

日程に余裕がある場合はメールで連絡を行えば問題ありません。選考の時期は、採用活動でデスクを離れている採用担当者も多いため、こちらから電話してもすれ違いになることがあります。しかしメールであれば、社会人なら最低でも1日に1回はメールチェックをするため、時間が空いたときに確認して返信をもらえるはずです。

当日や前日は電話連絡

日程が差し迫っているとき、または当日や前日の変更連絡となってしまう場合の連絡手段は、メールではなく直接話ができる電話を選びましょう。メールでのやり取りが直前の連絡に不向きだという理由には、意思疎通に時間を要するという点以外に加え、一方的になりがちで誠実さが伝わりにくいという点があります。

相手の時間を拘束しないということは、メールの大きなメリットです。しかしこのメリットは、裏を返せば相手の顔が見えず一方的な依頼に感じるというデメリットでもあります。日程の調整も採用担当者の仕事とはいえ、さすがに当日や前日の変更を希望されて良い気はしません。直接こちらの声で一言お詫びを添えてお願いすることで、少しでも誠実さを伝えましょう。

無理なお願いメールをする際のポイント3つ

実際に採用担当者に無理なお願いをする際にポイントとなる点を3つ紹介します。相手へのちょっとした気遣いを織り交ぜたり、言葉の使い方を工夫するだけでぐっと印象が良くなります。変更やお願いは社会人になっても必ず起こることですので、学生のうちからきちんとした対応ができることを見せる機会でもあると前向きに考えましょう。対応次第では、むしろ好印象を持ってもらえる可能性もあります。

①変更理由の伝え方

お願いをするときは、必ずその理由を伝え具体的に書きましょう。もし突然理由もなく自分の希望だけ伝えて伝えてくる人がいたら、快く対応したいとは思わないでしょう。いくら仕事とはいえ、それは採用担当者も同じです。例えば学業が理由で日程を変更しなければならない場合は、「ゼミの発表」や「定期試験」などの具体的な理由まで伝えましょう。学生の本分は学業ですので、企業側として最も納得いく理由の一つです。

他社の選考が重複している場合は、正直にすべてを伝える必要はありません。しかしただ「変更したい」と伝えるだけではなく、「別件」や「都合が悪い」などとぼかした理由を伝えましょう。ぼかした理由で他社の選考だと分かってしまっても、採用担当者も就職活動生が複数の企業の選考を受けていることは百も承知ですから、著しく評価を下げられてしまう心配はありません。

②面接日時の候補を提示する

2つ目のポイントは、こちらから具体的な日程の希望を伝えることです。お願いする側としては少し図々しいような気がしてしまいますが、複数の候補日を書きましょう。一つの企業の採用試験を受けている就職活動生は何百~何万人もいるため、空いている日時や予備日時には限りがあります。

変更のお願いをして企業側から提示された日時がこちらの希望と会わなかった場合はさらに調整を重ねることになり、数往復余分にメールをやり取りしなければなりません。日程が合わなかったときに余分な労力をかけなければならないことを考えると、最初からこちらの希望を伝えたほうが効率が良く、受け手としても助かるというわけです。

③クッション言葉を使う

もし人から「掃除をしておいてください」と言われたら一方的で命令のように感じますが、「申し訳ないけれども掃除をしておいてください」と言われたら、こちらにも気を遣っているように感じられ、掃除をしてあげようという気分になりやすいでしょう。

このようにお願いする言葉の前に「あいにく~」「誠に勝手なお願いで恐縮なのですが」などのクッション言葉を使うだけで、言葉の印象がガラリと変わります。ビジネスメールだからと難しく考えず、いくつかの言葉のパターンを用意しておき、変更のお願いをする時点で少なからず感じている申し訳ないという思いを素直に表現すれば良いだけです。少し相手の立場に立って、こちらの気遣いが伝わるような文章を心がけましょう。

クッション言葉の例

「ご面倒をおかけしますが」
「お忙しいところ、誠に申し訳ございませんが」
「よろしければ」
「お差し支えなければ」
「ご都合がよろしければ」
「こちらの都合で申し訳ございませんが」
「ご無理を申し上げまして恐縮ですが」
「どうか事情をお汲み取りいただきたく」
「なにとぞ事情ご了察のうえ」

クッション言葉をどのように使うか、いくつか例文を紹介します。相手に負担をかけてしまう時には「ご面倒をおかけしますが」、相手の都合を聞く時には「ご都合がよろしければ」、こちらの都合でお願いをする時には「ご無理を申し上げまして恐縮ですが」などを文頭に付けます。

また、こちらの事情を理解してほしいという場合には「どうか事情をお汲み取りいただきたく」などもクッション言葉として有効です。無理なお願いをする時にも、どんな状況なのかによって適切なクッション言葉が変わってきますので、シチュエーションに合わせて使えるようにしておきましょう。

就活のメールマナーを確認しておこう

就活中は、企業にメールを送る機会が多くあります。就活で送るメールは、ビジネスマナーをきちんと守ることが大切です。メールのマナーは社会人として必要なスキルでもあるため、就活中から身に付けておくといいでしょう。

メールのマナーを身に付けるために目を通しておきたいのが「就活マナーマニュアル」です。就活に必要なマナーが網羅されており、メールのマナーについても詳しく掲載されています。無料でダウンロードでき、日程調整などのメール例も紹介しているため、確認しておくと役立ちます。

面接日変更のお願いメール例文

ここまで見てきたポイントを活かして、具体的なシチュエーション別のメール例文を紹介します。提示された面接日程の変更をお願いする場合と、一度決定した日程をこちらの都合で変更をお願いする場合の例文です。

どちらのシチュエーションにおいても、謙虚な姿勢で相手の立場に立った言葉を選ぶことが大切です。失礼のないよう、適切なマナーを踏まえてメールを送るように気をつけましょう。

①相手の提示した日時が都合が悪く変更したい場合

件名:面接日程変更のお願い

〇〇株式会社
採用担当 〇〇様

お世話になっております。
〇〇大学の〇〇です。

この度は面接日程のご案内をいただき誠にありがとうございます。
ぜひ御社の次回選考に参加させていただきたいと存じますが、
ご指定いただいたは都合が悪いため、
日程変更をご相談したくご連絡させていただいた次第です。
以下の日程でしたら終日お伺いすることが可能です。

◯月◯日
◯月◯日
◯月◯日

私ごとで大変恐縮ですが、
何卒ご検討くださいますようよろしくお願いいたします。
______________
署名

まずは、わざわざ個別の面接日程の案内をもらったことに対してのお礼を忘れずに入れましょう。そして、どうしても都合がつかず変更を希望することを伝えます。

変更を希望する日程についても複数提示していますので、うまく日程がかみ合えば、相手からの承諾の返信とこちらからのお礼のメールで調整を終えることができるでしょう。そうすれば、採用担当者に調整の手間をかけさせなくて済みます。また、クッション言葉を要所要所に入れることによって全体的にソフトな印象になっています。

②一度決まった面接日を変更したい場合

件名:〇月〇日面接日程変更のお願い

〇〇株式会社
採用担当 〇〇様

お世話になっております。
〇〇大学の〇〇です。

首題の件について変更をご相談したくご連絡させていただきました。
面接を受けさせていただく予定の〇月〇日に
卒業論文の中間発表が行われることとなりました。
一度承諾したにも関わらず大変申し訳ありませんが、
以下の日程の変更にご対応いただけないでしょうか。

◯月◯日
◯月◯日
◯月◯日

ご連絡お待ちしております。
______________
署名

採用担当者はたくさんの就職活動生と面接官のスケジュールを管理しているため、一度決まった日程を変更する場合は、題名や本文の中に分かりやすく変更前の日時を忘れずに入れましょう。

この例文の場合、予定変更の理由を具体的に伝えています。学業が理由で、かつ卒業の可否にかかわる内容ですので、採用担当者も快く変更を受け入れてくれる可能性が高いです。また、ポイントで紹介した代替日時とクッション言葉もしっかりと取り入れています。

無理なお願いをした後はお礼を忘れない

無事に変更やお願いを受け入れてもらえたら、すぐに採用担当者にお礼のメールを送りましょう。採用担当者はこちらのために時間を割いて他の受験者の日程や面接官の日程も調整してくれています。どんなに忙しくても返信が来たらすぐにお礼のメールを返してください。

顔が見えないコミュニケーションを行っているときは、やり取りの内容がこちらの印象全てを決めてしまいます。些細なことにも思えますが、情報の少ない状況ではすぐに返信が来るだけで十分に誠意が伝わります。返信するタイミングなど、一つ一つのアクションを誠意を持って積み重ねていくことが就活では特に重要です。

お礼の言葉の例

「無理なお願いを聞いて頂き、誠にありがとうございました。」
「無理なお願いを快く引き受けてくれた皆さまに感謝しております。」
「無理なお願いをして、失礼しました。ありがとうございました。」
「急な依頼にも関わらず対応頂き、ありがとうございます。」
「先日は、こちらの無理なお願いを聞き入れて頂き、本当に有難う御座いました。」

無理なお願いをした後に、お礼として参考になる例文です。相手に感謝を伝える際には、例文をそのまま使うのではなく、参考にしながら自分なりの言葉に代えることが重要です。無理なお願いを聞いてもらったことに対する感謝が、相手にすぐに分るようにシンプルな言葉でいいでしょう。感謝の気持ちを込めて、助かったという思いを伝えましょう。

社会人になってからも使える「仕事での無理なお願い」

社会人として、実際に働くようになってからも、仕事上で無理なお願いをする場面は多くあります。納期を遅くしてほしい時や、こちらの都合で約束の日時を変更する時など、申し訳ないと分かっていながらもお願いをする時に、どのように伝えれば相手に聞いてもらえるかを考えて行動しましょう。

単にお願いしますというだけでは、相手に不快感を与えてしまい、今後の仕事に影響が出てきてしまう可能性もあります。無理なお願いをする場合には、謝罪と感謝の気持ちがうまく伝わるように、いくつかのポイントをしっかりとおさえておきましょう。

「6W3H」で詳細を伝える

仕事の場面では、6W3Hがとても重要となります。中学の英語の授業でも習った5W1Hですが、そこへ数量や関係者などの、ビジネスの要素を加えたものが、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Whom(誰に)、Why(どうして)の6Wと、How(どのように)、How much(いくらで)、How many(いくつ)の3Hです。

無理なお願いをする時にも、この6W3Hが全て内容に入っているかを事前に確認しておきましょう。なにが、どうしたら、どうしたいのか、という情報が全て相手に伝わるようにすることが、ビジネスではとても大切です。必要な情報が抜けていては、相手にも二度手間になってしまい、時間を無駄に取らせてしまうことにもなります。

断られたら「気にしないでください」と伝える

無理なお願いの場合、相手の都合によって対応できない場合もあります。お願いしたことを断られてしまう可能性も、考えておきましょう。もし、断られてしまった時にも、お願いを聞いてくれたことに対しての、感謝の言葉を忘れずに伝えるようにします。今後も仕事を円滑に進めるためにも、相手の立場を考え気遣うことが大切です。相手も、お願いを断ったことで申し訳ないと思っているかもしれません。

「気にしないでください」とひと言添えることで、相手を気遣う気持ちが伝わります。「無理を承知でお願いしたのですから」と、こちらが悪かったと分かるような文があれば、さらに相手の負担を軽くすることができます。お互いに、わだかまりが残らないような工夫をすることが、ポイントとなります。

納期が短い仕事を依頼するときの例文

件名:お仕事をお願い致します

〇〇〇株式会社 〇〇様
いつもお世話になっております。〇〇社の〇〇です。

突然ですが、弊社新商品のホームページを制作することになりました。
このサイトのデザイン制作を〇〇様にお願いしたいのですが、いかがでしょうか?

詳細は以下の通りです。

スケジュール
〇〇月〇〇日:構成案、素材提出
〇〇月〇〇日:△△△社内でのチェック、修正依頼
〇〇月〇〇日:最終確認、納品
〇〇月〇〇日:サイト公開

料金
〇〇円

今回の案件は急遽決まったもので、納期が通常より短くなっております。
少しばかりですが、特急料金として、上乗せさせて頂きます。

条件につきましては以上となります。
ご不明な点等ございましたら、ご遠慮なく連絡ください。
お忙しいところ、大変恐縮ですが、〇〇様に是非お願いしたく、無理を承知でご連絡させていただきました。

なお、日程の都合により、〇〇日までにお返事を頂きたく存じます。

以上、ご検討のほど何とぞよろしくお願い申し上げます。

平成〇年〇月〇日
〇〇社〇〇部 氏名

納期が短い仕事を依頼するときも、相手にとっては無理なお願いとなります。不快に思われずに仕事をしてもらいたい時に、どのように伝えれば良いのか例文を紹介します。

上記の例文では、無理なお願いをして申し訳ないという謝罪の気持ちと、ぜひその人に仕事をして欲しいということが述べられています。頼りにしている、信頼しているという思いが伝われば、期待にこたえようと思うはずです。誰でも良いから仕事をして欲しいわけではない、ということを強調しましょう。また、料金の上乗せなど、無理なお願いを引き受けた時のメリットも提示します。相手の立場になって、お願いをすることが重要です。

無理なお願いをする場合は誠意をもっておこなおう

就職活動を行う上で、選考の日程が重なってしまったり、どうしても外すことができない予定が入ってしまうことはよくあることです。企業側も、就職活動生が自社に対する就職活動だけを行っているわけでないことは重々理解しているため、どうしても変更が必要な場合は思い切って連絡してみましょう。

ただし、こちらの都合で変更や再調整をしてもらうことになり相手の時間を使わせてしまうため、無理なお願いをするときにはくれぐれも誠意を持った対応を心がけましょう。
また、変更をお願いする、日程を調整する、お礼を言うという一連の流れがスムーズにできることで、企業側が学生に求めるコミュニケーション能力をアピールするチャンスにもなります。前向きにとらえましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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