業界研究

【重電メーカーとは】ランキングTOP5と動向や今後の展望まで解説

重電メーカーを知ろう

重電メーカーについて知り、就活の幅を広げていきましょう。重電メーカーは就活生にはあまり馴染みのない業界ですが、有名な企業はたくさんありますし、さまざまな分野で広く活躍している企業も多いです。

重電メーカーがどんな仕事をしているのかなどを知らなくても、企業の名前は知っている場合も多く、日本を代表する大きな企業もたくさんあります。重電メーカーを志望するのであれば、業界について正しく理解し、業界研究を進めていかなければなりません。

企業の売上高や平均年収などを知ることも大切ですし、業界の動向や今後の展望を知っておくことも大切です。就活を攻略するためには業界研究を欠かすことはできませんので、重電メーカーについて業界研究を徹底し、就活を成功させましょう。

重電メーカーとは?

重電メーカーの業界研究を進めるためには、そもそも重電メーカーとはどんなことしているのかを知っておく必要があります。基本的な知識がなければ業界を理解するのも難しいですし、何事も基本を疎かにすることはできません。

重電メーカーについて知った上で業界の動向などについても知っていきましょう。社会では日々さまざまな動きがありますし、重電メーカーもそれは同じです。業界がどのように推移しているかを正しく理解して、重電メーカーへの理解を深めていきましょう。

大型の電気機械メーカー

重電メーカーの重電とは重電機器の略称で、特に大型電気機械を意味しています。重電メーカーはそれらの作り手、メーカーとして事業を展開している企業であり、主に発電設備や工業施設用のものを製造している企業です。

重電メーカーによっても分野が違っており、大型の電気機械と一口に言ってもさまざまな種類があります。例えば発電設備一つとっても発電、送電、配電の3つの分野に分けられますし、その中でもさらにさまざまな製品が存在しています。

重電メーカーは発電所や発電機なども手がけている企業が多く、生活インフラとしても欠かすことができない業界です。また工業施設用の電気設備も担っていますので、経済の発展をサポートする業界でもあると言えます。

重電業界の動向

重電業界の動向としては平成19年頃から減少や横ばいの推移でしたが、平成24年頃から回復傾向にあり、現在は国外需要が高まっています。平成19年からの業績不調の要因としてはアメリカでの金融危機が挙げられ、円高が進んだことによって海外事業での利益が停滞していました。現在では景気も回復傾向にあり、円安が続いていることも追い風となっています。

業界全体で見れば好調な企業は多いものの、国内での需要は伸び悩みを見せています。そのため海外に目を向ける企業が多く、特にアジアでの新興国へ事業を広く展開している企業は多いです。新興国の成長によって国外での重電需要は高まっており、今後も海外事業を中心に事業を展開する企業が増えると予想されています。

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日本の重電メーカー売上高・平均年収ランキングTOP5

重電メーカーについてさらに理解を深めるためには、日本の重電メーカーの売上高、平均年収を知っておくことも大切です。売上高を見ることで業界で最も力のある企業がわかりますし、業界をけん引する事業を知ることで業界のトレンドを知ることができます。

また仕事をする上では給料は大切なものであり、就職する企業の平均年収はどれくらいなのかを知っておくことも大切です。売上高、平均年収のランキングTOP5を知って、重電メーカーをさらに知っていきましょう。

1位:株式会社日立製作所

重電メーカーで業界トップの企業は株式会社日立製作所です。売上2兆3,331億円、シェア率36.7%を誇っています。平均年収は868万円と他業界と比べても高い水準であり、業界でもトップクラスの年収です。

日立製作所は重電に関わらず、さまざまな分野で活躍している総合電機産業メーカーです。重電以外ではSIやインフラ、産業機械、家電などの分野で活躍していますし、企業として最も売上比率が高いのはSIになっています。

重電業界でもトップの売上高とシェア率を誇っていますが、重電の売上は企業全体の売上で考えれば5%ほどでしかありません。企業としての売上は非常に高いので、5%でも莫大な売上ではありますが、重電に限らずさまざまな分野で総合的に活躍している企業だと覚えておきましょう。

2位:株式会社東芝

重電メーカーで業界2位の位置づけを誇っているのが、株式会社東芝です。東芝は売上2兆0,484億円、業界のシェア率32.2%であり、平均年収は827万円とかなりの高水準です。東芝も重電だけではなく、さまざまな分野で活躍する総合電機産業メーカーであり、一般的には家電のメーカーとして知られています。

しかし家電は企業全体売上の15%ほどであり、重電は売上の比率で最も多く、約30%です。家電メーカーのイメージが強い東芝ですが、企業の主力の事業としては重電の分野であり、発電から送電、配電、変電まですべての分野で活躍しています。重電などのエネルギーの分野で活躍しているだけではなく、インフラや電子デバイス、デジタルソリューションなどさまざまな事業を展開している企業です。

3位:三菱電機株式会社

重電メーカー第3位の企業は三菱電機株式会社です。売上1兆2,550億円、シェア率19.73%を誇り、平均年収は798万円です。三菱電機も重電だけに限らず、さまざまな分野で活躍している総合電機産業メーカーであり、家電で有名でもあります。

主な事業分野としては重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器が挙げられ、その他の分野でも幅広く事業が展開されています。企業全体の売上比率としては重電が約25%と高く、企業の主力の分野です。

水車発電や原子力機器などにも強みがありますが、他に業務用モニターにも強みがあります。業務用モニターはさまざまな場所で設置されており、高い評判を獲得している主力商品です。

4位:富士電機株式会社

第4位の富士電機は1923年に古河電気工業とドイツのシーメンス社が資本・技術提携をして設立した会社です。その設立の経緯から、現在でも古河グループの中核企業のひとつです。神奈川県川崎市に本社があり、明電舎・ダイヘンとともに準大手重電3社の一角を担っています。売上高は8,377億円、業界シェア率5.9%、平均年収は749万円です。

富士電機ではかつて家電を販売していた時期もありますが、現在では家電分野から退いています。現在では自動販売機でシェアNo1を誇る他、コンビニ用のコーヒードリップマシンの提供など私たちの生活に根ざした商品を提供しています。また、発電関連設備に強く、中でも地熱発電は世界で4割のシェアを誇り世界一となっています。

5位:株式会社明電舎   

第5位の明電舎は、東京都品川区に本社を置き、住友グループ広報委員会に参加している会社です。1917年に設立され、2017年には創立120年を迎えた老舗企業といえます。売上高は2,201億円、業界シェア率は3.7%、平均年収は741万円です。重電業界では大手3社の業界シェア率が非常に高いことがわかります。また、それにともなって平均年収にも100万円以上の差がでるようです。

明電舎の主力商品には電力エネルギーシステムや物流関連システム、水インフラシステムや発電機などがあります。特に自動車開発用試験装置では国内首位となっています。再生可能エネルギーを利用した発電システムなども手がけており、これからも社会に貢献していくことを期待できる会社です。

重電メーカー大手5社の今後の展望

就活を成功させるためには業界の現在を知るだけではなく、今後の展望なども知っておく必要があります。企業ではただ漠然と事業を展開しているのではなく、今後の展望をしっかりと持ち、その実現を見据えながら事業を進めています。

企業の展望を知ることで、今後業界がどのように動くのか、変わっていくのかを知ることもできますし、業界研究には欠かせません。重電メーカー大手3社の今後の展望を知り、重電メーカーの未来について考えていきましょう。

株式会社日立製作所

日立製作所の今後の展望としては国内事業ではなく、海外事業をさらに積極的に進めていくことが予想されています。重電の国外需要が高まっていることで、海外に目を向けている企業は多いですが、日立製作所が考えているのはアジアなどの新興国への重電の供給だけではありません。

北米地域のエネルギー分野の市場規模の拡大を受けて、北米への注目度も高まっており、本格的な事業参入も予定されています。エネルギー分野で最も注目されているのは再生可能エネルギーであり、再生可能エネルギーの導入によって世界のエネルギー分野も拡大傾向です。日立製作所でも再生可能エネルギーが注目されており、また今後は原子力発電の分野にも注力すると考えられます。

株式会社東芝

東芝の展望としては海外事業への注力が予想されており、積極的な事業展開が考えられています。これまでも平成18年にイギリスのウエスチングハウスの買収や平成19年にレジェンコ・エルエルシーの出資持ち分の過半数を取得するなど海外事業は進められています。

重電の分野では原子力事業で大きな負債を抱えており、注目されているのは火力や水力などの分野です。火力、水力それぞれの発電設備や送配電設備への注力が考えられており、さらに次世代エネルギーの技術開発も予定されています。

次世代エネルギーとしては水素が注目されており、開発に向けて準備が進められています。東芝の重電の分野は不調ですが、他の分野からの補填による再生が考えられており、今後も海外事業が精力的におこなわれる予定です。

三菱電機株式会社

三菱電機の今後の展望としては、他の2社と同様に海外事業への注力が考えられています。これまでも平成25年にインドの重電メーカーを買収するなど海外戦略は進められていましたが、今後もさらに規模が拡大する予定です。

また売上高だけではなく、営業利益率の上昇も目指されており、新しい技術への投資を積極的に行うことも発表されています。注目されているのはIoTやファクトリーオートメーションの分野であり、それらの分野への注力が考えられています。

特にファクトリーオートメーションは需要の拡大が予想されているため注目されており、製造現場でのデジタル化をいかに進めることができるかが課題です。重電の分野に限らず、さまざまな分野での挑戦が予想されており、海外事業を含め、多角的な事業展開が考えられています。

富士電機株式会社

富士電機では、2017年に関連事業の組織改編に乗り出しています。その中で新しく開設されたのがパワエレシステム事業本部です。エネルギーソリューションとインダストソリューションを柱として、「エネルギーの安定供給、最適化、安定化に貢献」「工場の自動化や見える化により生産性の向上と省エネに貢献」することを目指しています。

また、富士電機では売上高1兆円を目指しており、複数製品を組み合わせて利益拡大を図っています。中国の工場における設備投資が活発なため、産業機器向けの商品が好調に伸びていることや、工場の自動化に使われるパワーエレクトロニクス機器関連も堅調なことから、今後も伸びていくことが予想されます。

株式会社明電舎  

国内向けのインフラ市場は、人口の減少や財政難等によって規模が縮小する傾向にあります。しかし一方で、既存インフラの老朽化や省エネルギー需要の高まりといった一部のニーズは拡大するなど、重電市場は大きな変化の中にあると明電舎はとらえているようです。

その中で明電舎は、中期経営計画2020をスタートしました。これは成長事業・収益基盤事業・新たな成長事業の3つに事業を振り分け、それぞれに戦略的な投資をおこなうものです。それにより、更なる企業価値の向上と収益力の強化をすすめることを目的としています。

アジアを中心とした新興国の中長期的発展によるインフラ需要も見込まれるため、今後も安定的に推移していくことが予想されるでしょう。

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基礎情報を把握して重電メーカーに就職しよう

重電メーカーは業績も回復傾向で推移している業界であり、海外への事業展開も盛んにおこなわれている業界です。業界規模も大きく、発電設備や工業施設用の電気機械は社会に欠かせないものですので、注目度の高い業界でもあります。

重電の分野は一般にはあまり馴染みはありませんが、就活を成功させたいのであれば、しっかりと業界研究をおこない、重電メーカーの理解を深めることが大切です。業界についての理解度の高さが選考でも合否をわけるポイントですので、業界研究は徹底しておこなわなければなりません。

業界研究をスムーズに進めるためにも、業界の基礎情報を把握することが大切です。重電メーカーの基礎情報を正しく把握してさらに業界研究を進め、就活を攻略していきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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