職種研究
【理系に人気の職業一覧】理系学生におすすめの業界や人気企業
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目次
理系学生の人気の業界は「メーカー」
【調査概要】
調査日:2020年10月2日
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:2021年に大学を卒業予定の理系の就活生
有効回答数:108名
2021年卒業予定の理系の就活生を対象にしたアンケート調査の結果、「メーカー」と回答した人が最も多く38.0%でした。ついで「ソフトウェア・通信」の10.2%。メーカーであれば商品を作るための技術職、ソフトウェア・通信であれば、プログラマーやSEを志望する理系学生が多いと推測できます。
この記事では理系の学生が進路として選ぶ職業の一覧を紹介します。理系と言っても人によって専門分野が全く違いますし、それぞれで就職の選択肢も違ってきます。
理系で専門職に就職しようと思えば、学生時代から研究分野を就職に合わせて考えなければなりませんし、理系の仕事は専門性が高いものも多いです。仕事の分野は細かく分けられており、同じ業界内でも分野が違えば仕事内容なども全く違っています。理系の仕事にはどんなものがあるかイメージがしづらいですが、人気の職業もたくさんありますので、それらを知って就活の選択肢を増やしていきましょう。
学部別の理系学生が多い職業一覧
理系の学生に人気の職業は何かを知るために、理系学生が多く働いている職業について知っていきましょう。理系にはさまざまな学部があり、学部が違えば就職する人が多い職業も違っています。理系の場合は専門性が高く、他の分野から就職するのは難しい場合も多いです。
まずは、自身の所属している学部ではどんな仕事についている人が多いのかを知りましょう。職業によっては学部をまたいで就職できる場合もありますので、それぞれの仕事について理解を深めることも大切です。
【理学部】出身者の職業一覧
- ITエンジニア
- 保険・金融の専門職
- 光学設計
- 製薬・食品系・化学系メーカーの研究開発職
理学部の中でもさまざまな分野があり、情報通信系の学科出身の場合は、ITエンジニアになることが多いです。ITエンジニアとしてはプログラマーやシステムエンジニアなどの仕事が該当します。保険、金融の専門職には高い数学能力が必要とされますので、これも理系出身者が多い傾向にあります。光学設計もITに関わる仕事の一つであり、主な仕事内容はレンズを使った製品の設計、技術などです。
製薬、食品系、化学系メーカーの研究開発職は一般に理系でイメージされやすい仕事であり、それぞれメーカーの研究員として商品開発などに携わる仕事です。同じ研究職でも基礎研究を担当するチーム、応用研究を担当するチームで分けられていることも多く、企業の中でも仕事が細分化されています。
【工学部】出身者の職業一覧
- 機械設計
- 品質管理
- 航空整備士
- 電子回路技術者
- サービスエンジニア
工学部の学生で最も人気が高いのが機械設計の仕事です。機械設計は機械の製図や開発などをおこない、新しい機械を作り上げていきます。品質管理は製品の品質チェックをおこなう仕事であり、品質の管理、向上が主な仕事です。工場などで責任者として働くことが多いでしょう。航空整備士は飛行機を整備する仕事です。
電子回路技術者は電子回路、ICチップなどの製品の設計や開発をおこないます。電気・電子の分野では欠かせない仕事であり、ニーズの高い職業でもあります。サービスエンジニアは自社製品のメンテナンスが主な業務です。故障品として企業で回収したものの修理、メンテナンスをおこなうこともありますし、顧客の要求があれば現場でメンテナンスをおこなうこともあります。
【農学部】出身者の職業一覧
- 品質管理
- ファーム
- 飼育員
- JA
農学部出身者でも品質管理の仕事をしている人は多く、農学部の場合は基本的には食品などの商品に対する品質の管理、チェック、向上をおこないます。工学部の場合は電子製品の品質管理ですが、農学部の場合は食品ですのでその違いも覚えておきましょう。ファームは企業が管理している農園や牧場などで働く仕事です。実際に現場で農業などに従事する場合もありますし、生産管理や販売などの仕事をおこなう場合もあります。
飼育員は動物園や水族館の飼育員として働く仕事です。動物の世話をおこなうだけではなく、ショーに向けてのトレーニングなどをおこなう場合もあります。JAは金融のイメージも強いですが、農学部出身者も多いです。主に農畜産物の運搬や加工、販売などの分野で働くことが多いです。
【建築系の学部】出身者の職業一覧
- 意匠設計
- 構造設計
- 内装設計
- インテリアデザイナー
- 建築施工管理
- 土木設計技術者
- 土木施工管理
- 測量士
建築系出身の学生は設計士として働くことも多く、意匠設計、構造設計、内装設計の分野に分けられています。意匠設計は建物の外観、構造設計は建物の強度や構造、内装設計は建物の内装を手がける仕事です。内装設計の中にはインテリアデザイナーと呼ばれる職種もあります。建築施工管理は建築現場の現場監督として働く仕事です。作業員に指示を出したり、安全・品質管理、作業工程の確認などをおこないます。
土木設計技術者は道路、トンネル、ダムなど土木建造物と呼ばれる建造物の設計をおこなう仕事です。土木施工管理はそれらの工事における現場監督として活躍します。測量士は工事予定地の測量をおこない、現時点での工事予定地の状態を図面に起こしていく仕事です。
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理系学生に人気の企業ランキング一覧
理系学生に人気の企業を知って、さらに選択肢を広げていきましょう。職業の種類もたくさんありますが、そこからさらに数多くの企業が存在しています。同じ職業であっても、企業によって仕事の内容や進め方が少しずつ違っている場合も多いので、企業ごとの特徴を理解しておくことが大切です。人気の企業はどんなものがあるのか、特徴や動向などを知って、就活の選択肢をさらに広げていきましょう。
1位は味の素
理系学生に人気の企業ランキングの1位は味の素株式会社です。味の素は調味料や加工食品、飲料、アミノ酸、医薬品、化成品などの製造、販売をおこなっている企業です。研究開発の領域は大きくコンシューマー食品とアミノサイエンスの2つに分かれており、幅広い分野で活躍しています。1,700人以上の研究開発要員が在籍しており、大規模な体制で研究、開発の仕事に携わることができます。
また国内だけではなく、海外にも広く事業を展開しているグローバルな企業です。独自技術の開発に強みがあり、新たな商品、技術が開発され続けていますが、「うま味」の開発が常に事業の根幹にあります。研究開発職の中でも、食や健康に携わりたい人におすすめの企業です。
2位は東日本旅客鉄道(JR東日本)
理系学生に人気の企業ランキング2位は東日本旅客鉄道(JR東日本)です。JR東日本は鉄道、生活サービス、IT・Suica、鉄道車両製造などの事業をおこなう企業であり、幅広い事業展開によって旅行業界や鉄道業界でも活躍しています。理系の場合はITや鉄道車両製造などの分野で働くことが多いです。
ITではSuicaの事業、鉄道車両製造では鉄道の整備や新技術の開発までさまざまな分野があります。鉄道車両製造では国内だけではなく、海外への事業進出もおこなわれていますし、新たな鉄道車両の製造なども進められており、挑戦しやすい環境です。鉄道業界は国内旅行需要の増加や訪日外国人の増加によって好調であり、JR東日本も勢いのある企業です。
3位は資生堂
理系学生に人気の企業ランキング3位は資生堂です。資生堂は化粧品事業を中心に展開している企業であり、国内外で広く活躍しているグローバルな企業でもあります。化粧品の開発や研究は理系学生の職種であり、特に女子学生から人気の高い企業です。資生堂では化粧品事業が中心ではありますが、他にもさまざまな事業が展開されています。
デジタルやフロンティアサイエンスなどの事業は理系学生が活躍できる分野ですし、社内でも活躍できる分野がたくさんあることも特徴です。化粧品業界は消費者のニーズによって商品展開が大きく変わる業界ですし、それに合わせて研究、開発の内容も変わってきます。時代に合わせてさまざまな研究ができる企業であり、活躍の幅は広いです。
理系学生が就職に有利な点
就職活動をしていくなかで、応募可能な対象者として学部不問という企業もありますが、研究職や技術職など専門性の高い職業の場合は、理系学生が就職活動において有利であるケースが多いといえるでしょう。理系学生が文系企業への就職を考える際、不利になるケースは少ないですが、逆は難しいことも多いのが現状です。また、理系学生の中では、大学教授からの推薦等で就職が決まるケースや、企業側からのスカウトがあるケースもあります。
教授からの推薦
研究している内容を直接活かせる場で働けることが多い理系学生は、研究中の科目教授や、選考しているゼミの教授、またOBからの推薦で就職先が決まるケースが文系に比べて圧倒的に多いといわれています。また、理系の大学教授は研究内容などにより、研究費などが影響することから、特定の企業との関りが密になり、そのため企業に対しての影響力が非常に強いといわれています。
学生によっては入りたい企業によって、あらかじめゼミや研究の内容を考えて志望するといった人も多くいるようで、このような就職活動の方法が一般的となってきています。しかし、同じような志をもっている学生も非常に多いことから、どのような研究に興味を持っているかを普段から明確にし、教授にアピールすることも必要となるでしょう。
企業からのスカウト
理系学生は専門性の高い研究をしていたり、特定の製品や研究に非常にたけている学生が多いという状況となっています。このことから、文系学生ではあまり考えられませんが、研究内容や研究の成果によっては、企業側からのスカウトや一本釣りがおこなわれることがあります。学部や研究室と企業との連携による内定であることから、自分の専門性、知識、スキルを十分に活かすことができ、理系分野の企業に就職できる可能性は非常に高くなります。
しかし、学部や研究室と連携しているということで、内定を蹴るということが研究室や教授に傷をつけてしまうことから、非常に難しいケースが多いため、就職内定の前に十分に企業を知ることが重要となるでしょう。
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理系院生を求める業界とは?
理系院生を求める業界として、主に大手メーカーの研究職採用、金融業界、コンサルティング業界を挙げることができます。まず大手メーカーの研究職は修士以上の学位を必須条件とする企業がほとんどですので、理系院生には圧倒的に有利な就職先といえます。
次に多いのが金融業界とコンサルティング業界です。専門分野の研究に携わった経験を、そのまま活かすことのできる研究業界、もしくはひとつのことを極める能力を活かすことのできる業界、という2つの方向性で理系院生を求める業界を考えることができるでしょう。
金融やコンサルティングに活躍の場がある
理系院生からすると意外に感じるかもしれませんが、文系の就職先だと思われがちな金融業界やコンサルティング業界にも活躍の場があります。金融業界もコンサルティング業界も、共に与えられた業務をこなす能力だけでは務まらない業種のため、求める人材にも特徴があるといえます。
必要とされる論理的思考や問題発見・解決能力は、理系院生が研究や実験で身につけてきた基礎的な力であり、文系との差がない上に評価される能力です。特に外資系企業は、院卒である修士の学位を積極評価する傾向がありますし、基本給も学部卒より高い条件からスタートすることができます。プロジェクトリーダーや管理職候補として採用されることもありますので、活躍の場として可能性を見出すには、良い選択肢であるといえるでしょう。
ロジカルな思考を期待される
理系は数字や数値を扱うことに慣れているため、客観的な観察力や合理的な思考力といったロジカルな思考の資質があると期待されます。クライアントやプロジェクトの課題を整理し問題を発見する能力、そこから論理的に課題を抽出する能力、解決策の提案力などといった金融業界やコンサルティング業界に不可欠な能力があるとみられているのです。
また、ロジカルな思考には、一定の時間をかけて粘り強く課題に取り組む集中力や精神力も必要とされます。ここで理系院生が研究で培ったであろう、ひとつのテーマに向かって継続し掘り下げる力も期待されます。こうした強みを生かして自己アピールに成功すれば、理系院生を求める業界とのマッチングに成功する可能性が高いのです。
理系学生の志望者が増える職業は多数ある
理系学生が働くとなれば、漠然と研究職・技術職とイメージされがちですが、活躍できるのはそれらだけではありません。他にもさまざまな職業がありますし、研究職や技術職の中でも幅広い分野にわけられています。理系の場合は専門性が高いことが特徴であり、仕事の選択肢も専門分野内で細分化されているため、選択肢は非常に幅広いです。
また文系と同じように、営業や総合職としても応募することができますし、視野を広く持って就活を進めることが大切です。理系学生の志望者が増える職業は多数あり、理系学生に人気の企業もたくさんあります。理系学生に人気の職業や企業について理解を深め、理系が活躍できる幅の広さを知って就活を進めていきましょう。