職種研究

団体職員の平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう

団体職員とは

団体職員とは、公務員と営利団体以外に所属する人を指します。つまり、農協や社団法人など、非営利団体組織で働く人のことです。簡単にいえば、公務員に準じた待遇を受けていながら、一般企業並みに自由度の高い職業といえます。団体職員の年収の実態は、どのようなものなのでしょうか。

団体職員の種類について

  • NPO法人
  • 農業協同組合
  • 日本相撲協会

団体職員になるためには「非営利団体」であることが求められます。利益の分配をしない組織が非営利団体ということになりますが、この非営利団体はとても数多く存在しており、皆さんの身近にも存在しているのです。では、どのようなものがあるか、少しご紹介します。

NPO法人は、「特定非営利活動法人」と呼ばれ、ここ20年ほどで制度化された組織です。その名の通り、営利を目的とせずもっぱら支援などを中心に行っている団体が多いです。身近ではいこいの家や、保育園などを運営している例が顕著ですね。

農業協同組合とは、相互扶助の精神のもとに、農家の営農と生活を支える組織です。生活資材や農畜産物の共同購入、貯金の受け入れや貸し付けなど、幅広い共同利用施設があり、サービスの種類もとても幅広くなっています。

横綱の暴力問題で揺れている日本相撲協会も非営利法人であり、テレビに出ているのは理事や参事だけですが、職員は団体職員となります。本来は神事であった相撲の正当な伝統を伝えるための組織です。

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団体職員の業務内容

団体職員の業務は、それぞれの所属団体の業務内容によって大きく異なります。漁協や弁護士会も団体職員で運営されていますが、こうした団体はそれぞれが特殊性をもって活動していますので、一概に業務内容をはかることはできません。

しかし、大まかにいえば職員の業務は決まっています。例えば経理などがあげられるでしょう。非営利であるからこそ、経理関係の管理は税金関連も含めて非常にシビアなものになります。役所への提出が必要な場合が多いため、個人事業主レベルの複式簿記をマスターしておけば問題ないでしょう。

加えて、一般事務はどの組織にも存在しています。内容は所属団体によって異なるでしょうが、書類整理や提出、業務を円滑に進めるための様々な業務がこれに当たります。規模にもよりますが、事務専門で業務する場合と、他の業務と兼任で自らも事務をこなさなければならない場合が存在します。

また、特殊なものでいえば、政党事務員というものもあります。政党事務員は政党に所属する団体職員で、各地の政党支部や本部などで勤務しています。なかでも一部の職員は国会と各議員、地方組織をつなぐ役割を持っており、非常な重責を担っています。

団体職員に求められる能力について

  • コミュニケーション能力
  • 行動力
  • PCスキル

団体職員は一般企業と異なり、最小限度の人数で業務をおこなうことが多いでしょう。したがって、個々の職員に求められる能力は、高いに越したことはありません。以下の点に注目すると、団体職員がもっておくべき能力、考え方が見えてくるでしょう。

日頃から円滑なコミュケーションを取っておくことで、課題にスムーズに対処することができるでしょう。また、場合によっては渉外などの業務も発生するかもしれません。その場合にも、コミュニケーション能力は非常に役立つスキルでしょう。

目的を達成するために、自分で考え、行動する力が必要です。そのために自分なりの理想をもってあたると、必然的に組織としてもいい仕事ができるようになるでしょう。一般企業と団体職員の大きな違いは、目的がお金ではないことです。多くの人が必要であると認められれば、実行されていきます。そのためにも、現状の何が不満で、どう改善する余地があるのか。見極める眼力も必要となるでしょう。

また、団体にもよりますが、介護や保育などを除いてほとんどの団体で事務作業が業務のひとつとなります。書類作成に使用するWordやExcelなど、多岐にわたるPCソフトを操作できるスキルがあると歓迎されるでしょう。

団体職員の平均年収と他職種との比較

団体職員の平均年収について

厚生労働省の「非営利セクター・社会的企業の雇用等について」によると、団体職員の中でもNPO法人に関していえば、平均年収は約200~300万円ほどです。ただ、これには構成員が10人未満などの小さなNPO法人も含まれているため、全体の統計としてはもう少し高くなって、概ね約386万円程度が平均となります。

団体職員の給与事情は上から下まで様々で、独立行政法人国際協力機構(JICA)などの海外勤務がある団体に関しては年収が約1200万円になったり、小さな林業団体では年収約200万円程度というところも存在します。

他の職種・平均との比較

  • 日本の平均年収:422万円
  • 日本郵便株式会社:762万円

団体職員の平均は年386万円、日本平均が422万円ですから、団体職員の平均年収は高いとはいえません。団体職員に似た職業として、公社から民営化された日本郵便株式会社の平均年収は、約762万円となっています。

団体職員のボーナス・昇給事情

ボーナスについて

ボーナスがあった場合、一般的な企業と同額程度が見込めます。あくまで参考ですが、夏冬併せて5ヶ月分程度である所が多いようです。しかし、団体によっては全く出ないこともありますので、あくまでその団体によって大きく異なるものだと思って下さい。

昇給について

昇給がある場合、それぞれの団体の体系に応じた金額が上乗せされることになります。これもボーナスと同様、一般企業と変わらないようですが、業績によってボーナスや昇給がカットされる企業に比べれば比較的安定しています。前述の政党職員の場合、昇給は年一回であり、その水準は一般企業を勘案しておこなわれるようです。

団体職員の年齢別平均年収推移シミュレーション

事務職の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 241.0万円 16.5万円 42.6万円
25~29歳 314.0万円 21.5万円 55.5万円
30~34歳 361.7万円 24.8万円 63.9万円
35~39歳 396.4万円 27.2万円 70.0万円
40~44歳 427.2万円 29.3万円 75.5万円
45~49歳 451.7万円 31.0万円 79.8万円
50~54歳 470.6万円 32.3万円 83.1万円
55~59歳 463.7万円 31.8万円 81.9万円
60~64歳 347.6万円 23.9万円 61.4万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は約361万円、うちボーナスは約63万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が約427万円、うちボーナスは約75万円になると予測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

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団体職員と日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

事務職の年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 団体職員の平均年収 日本の平均年収
20~24歳 241.0万円 263.5万円
25~29歳 314.0万円 343.3万円
30~34歳 361.7万円 395.5万円
35~39歳 396.4万円 433.4万円
40~44歳 427.2万円 467.1万円
45~49歳 451.7万円 493.8万円
50~54歳 470.6万円 514.4万円
55~59歳 463.7万円 507.0万円
60~64歳 347.6万円 380.1万円

団体職員の平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると低いといえるでしょう。30~34歳の平均年収は361.7万円で、日本の平均と比較すると34万円ほど低くなると推測されます。40~44歳では約427万円の予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

団体職員の生涯賃金シミュレーション

最後に、生涯年収のシミュレーションです。

  団体職員の平均年収 日本の平均年収
生涯賃金 1.74億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と事務職の生涯賃金を比較してみましょう。団体職員の平均年収は約200~300万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。

団体職員の生涯賃金は、1億7,400万円と予想されます。団体職員の生涯賃金は、日本の生涯賃金より1,600万円ほど少ないと推測されます。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

まとめ

団体職員は非常に大きな「くくり」なので、年収に関しては正確な数値を出すことが非常に困難です。とある団体ではボーナス5ヶ月分、昇給年一回で年収500万円を超えるような団体も存在します。

いずれにしても、年収はもちろんですが、自分の理想のために、公益を重視して働きたいという願いを実行できるのは、公務員よりも団体職員ではないでしょうか。しがらみがなく、公務員並みのダイナミックな仕事で人を支えられるやりがいは、経験しておいて損はないものです。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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