業界研究

【部品メーカーへの就職】業務内容や求められる人材・志望動機の例文

部品メーカーは就活生に人気の就職先!

自動車部品メーカーを始め、部品メーカーへの就職を考えている就活生は多いのではないでしょうか。日本の高品質なものづくりを支えるのが部品メーカーであり、その製品の需要は世界中にあります。そのため比較的高待遇が見込めるほか、長く働き続けることも期待できるでしょう。従業員が多く労働組合が結成されているため、従業員の生活の安定と向上が図られているからです。

部品メーカーにはどのようなジャンルがあり、どんな業務を行っていて、どのような人材が求められるのか、「なんとなくいいとは思うけど、詳しくは知らない……」、そんな就活生に、基本的な情報をご紹介します。志望動機の例文も挙げますので、ぜひ参考になさってください。

部品メーカーとは

部品メーカーは、自動車メーカーや家電メーカーなどの完成品メーカーの部品を開発・生産し納品するサプライヤーです。下請けというイメージがありますが、部品メーカーでも世界中に拠点を持つ大企業が存在します。

また、会社の規模は小さくても世界シェアトップを誇ることも珍しくありません。自動車メーカーや家電メーカーなどの完成品メーカーが発売する新商品の技術の中には、部品メーカーが開発をおこない採用される場合が多く、部品メーカーは商品開発の重要な役割を担っているといえます。

また、部品の納入先である完成品メーカーから求められる仕様・コスト・品質などに対応することも重要です。部品メーカーの中には「二次サプライヤー」「三次サプライヤー」と言って、部品メーカーに部品を収めている企業もあります。

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自動車部品メーカーが特に人気

部品メーカーの中でも特に人気なのが自動車部品メーカーです。自動車部品メーカーでは、電装やブレーキ、エンジンなどを主に作っています。自動車部品メーカーの中で年収が多く規模も大きいのはトヨタ系部品メーカーで、従業員が1万名を超える企業も多くあります。

部品メーカーは自動車メーカーの売上に大きく左右され、納入先と契約を切られてしまうと仕事ができません。自動車メーカーの工場は24時間3交代制で製造をおこなっていて、常にフル稼働です。

それに合わせてすぐに部品を納入できるように、部品メーカーは自動車メーカーのすぐ近くに工場を建てることも多くなっています。自動車メーカーと部品工場ができて、そこへ労働者が集まることで街ができることもあります。

自動車部品メーカーとは

自動車にはエンジンやランプ、計器、エアバッグ、ブレーキ、シートベルトなど数多くの部品が使われています。部品メーカーには大手自動車メーカー系列のものが多く、それらの部品メーカーでは親会社の業績の影響を強く受けます。つまり親会社がリコールや問題隠蔽などの不祥事を起こして業績を悪化させれば、煽りを食う可能性が高いということです。

しかし昨今の自動車業界を見れば、リスクよりも将来性を感じることのほうが多いでしょう。自動車業界は今、燃料の転換、自動運転への転換といった転換期にあります。それを新しい部品の開発から支える部品メーカーは、自動車メーカーにとってなくてはならない存在です。自動車は日本だけでなく世界からの需要が尽きないため、安定して成長を続ける可能性の高い分野だといえるでしょう。

自動車部品メーカーの現状

自動車部品メーカーの売上ではエンジン・ブレーキを製造している企業「ボッシュ」が1位となっています。その後にはエンジン・ブレーキのデンソー、トランスミッションのアイシン精機、エンジン・コンプレッサの豊田自動織機と続きます。

売上上位にはトヨタの系列部品メーカーが多くなっていますが、各社にはそれぞれ得意分野があります。2位のデンソーはトヨタだけでなく、ホンダ、ダイハツ、スズキ、マツダ、三菱などいくつもの国産自動車メーカーと取引をおこなっています。

自動車メーカーは世界各国に生産工場を持つため、部品メーカーにもグローバル化が求められる傾向にあります。輸入コストや関税を節約するためにも、現地で部品を調達できる方が効率がよいといえます。また、近年では環境に配慮した排気ガスが少ない車や、自動運転技術を搭載した車などが求められています。時代のニーズに合わせた開発が鍵になるでしょう。

自動車部品メーカーの競争率は高い

自動車部品メーカーは就活生からの人気が高く、毎年多くの人が応募しています。そのため、有名大学を卒業している高学歴の持ち主でないと受かることは難しいともいわれています。自動車部品メーカーが人気の理由のひとつとしてホワイト企業が多いことが挙げられます。

大手企業は規模が大きく労働組合が存在していて、労働環境を良くするために力を入れています。残業時間や休日出勤なども無理のない範囲に収められていて、待遇面でも満足できることがほとんどでしょう。

自動車部品メーカーの多くはインターンシップをおこなっています。インターンシップに参加すると本選考で有利になる可能性もあるため、部品メーカーでの就職を希望している場合は必ず参加するようにしましょう。

その他の部品メーカー

一口に部品メーカーと言っても、企業によって扱っている製品は多種多様です。また「2次サプライヤー」、「3次サプライヤー」と呼ばれる、部品メーカーに部品を納入する企業もあります。ここでは自動車・医療・家電の3ジャンルに焦点を合わせて、1次サプライヤーについて見ていきましょう。1次サプライヤーの特徴は、その企業がなくては大手メーカーが困るほどの高い技術力を持っている点にあります。

医療分野

医療機器にはMRIやCTなどの大型の装置から、内視鏡やX線フィルム、人工血管や注射針などさまざまあり、大きさや素材も種々雑多です。日進月歩の医療の世界で、唯一の技術あるいは新しい技術の開発・提供を行える企業なら、将来性は抜群でしょう。それだけに専門技術に特化した学部や大学院の出身者でなければ、技術系部門への就職は難しいと言えます。

しかしどの企業でも営業や事務系の人員は必要です。文系出身でも諦めるのではなく、まずはインターンシップや説明会に参加するなどして、その企業への理解と縁を深めましょう。メーカーでは具体的な目標を掲げて特定の製品を開発しているはずです。面接では、その理念と製品の必要性について、いかに共感したかを強調することが効果的です。

家電分野

家電部品メーカーには、プラスチックの成形や鉄の加工など、ひとつの素材に特化した企業が多く見られます。素材はひとつでも汎用性の高い素材のため、家電のほかに自動車部品、信号機、ATM、仮設トイレ、農業機械、レジャー用品、工業用ロボットなどなど、用途は広大です。

それだけに自動車部品メーカーと違って、主要取引先である企業が不祥事を起こしたとしても、煽りを受けにくい点が強みと言えるでしょう。また新規顧客開拓や新しい製品の開発に熱心で、社員にもチャレンジ精神を求める企業が多く見受けられます。「新しいものを作り出したい」というクリエイティブ精神旺盛な就活生に向いているでしょう。

部品メーカーにおける業務


およそ理系の大学生に向いていると思われがちな部品メーカーですが、その業務はさまざまです。開発部門であれば、確かに理系向きでしょう。しかし営業なら人とのコミュニケーション能力も求められますし、製造の現場では品質を守りながら日々着実に作業することが求められます。部品メーカーの営業部門、製造部門ではどのような業務が行われているのかを見ていきましょう。

営業

営業と聞くと、新しい取引先を見つけるためにセールスの電話をする、相手先へ出向いて売り込みのトークをする、そんなイメージではないでしょうか。すでにできあがっている製品を売るのであれば、確かにそうかもしれません。しかし部品メーカーは、顧客のニーズに応じた製品を作って売るのが仕事です。単にセールストークがうまいだけでは通用しません。

セールスをかける前に、まず相手が何を求めているのかをリサーチをすることが必要です。そのうえで自社なら何ができるかを提案し、何をどう作るのかを、相手と複数回の会議を経たうえで決定します。契約が成立したら営業の仕事は終わり――ではありません。納期と品質を守って納品する責任がありますし、継続して契約してもらうためのフォローも行います。

製造

製造と聞くと、生産ラインで単純作業に従事する姿が思い浮かぶかもしれません。実際には、ライン作業にあたるのはパートや派遣社員など非正規社員がほとんどです。正社員は製造オペレーターのほか、事務的な仕事である生産管理や品質保証などを任されることになるでしょう。

生産ラインが24時間稼働の工場なら、オペレーターは夜勤を含めた交替勤務を求められます。土日祝日が休みともかぎりません。4勤2休体制なら、休みの曜日が毎週変わります。休日を家族や友人と過ごしたい人にとっては、やや不便な条件と言えるでしょう。ただし交替勤務なら交替要員が必ず来るため、残業が少ないという長所があります。

部品メーカーに求められる人材

配属される部署によって求められる能力が大きく異なります。裏を返せば、いろんな人材が採用されるといえるでしょう。そのため一概に理系が有利、文系が不利ともかぎりません。ただしメーカーの特性上、責任感が強く真面目であることは求められるでしょう。勝手な判断で、決められた品質の基準を満たさない製品を出荷してしまっては、企業の存続にも関わるからです。

また、粘り強さも必要です。時代の変化にともなって新技術の開発を行う部門ではもちろんのこと、部品メーカーはそのほかの企業と取引をすることによって成り立っています。取引をするには、お互いの都合をすり合わせる交渉をしなければなりません。場合によっては納品先のメーカーと納入業者との板挟みで胃の痛い思いをすることもあるでしょう。そんな状況でも投げ出さないタフさが必要です。

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就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

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部品メーカーへの志望動機例文

応募する部品メーカーが決まったら、企業理念と作っているものをよく調べて、自分の動機と照らし合わせてください。世界トップシェアを誇る製品を作っている企業なら、その製品に魅了された旨を語ることができます。反対に競合他社の多い企業なら、理念に深く共感した旨を語る方向性になるでしょう。いずれにしても、「他社ではなくこの企業で働きたい」理由を見つけ出さなくてはなりません。以下に自動車部品メーカー、家電部品メーカーそれぞれの志望動機例文をご紹介します。

例文①

私は物心ついたときから車が大好きで、大きくなったら車を作る仕事がしたいとずっと思っていました。ですが高校生のとき、祖母が車で事故を起こしました。アクセルとブレーキを踏み間違えて、スーパーの立体駐車場の2階から落ちたのです。私は助手席に乗っていました。幸い私の怪我は大したことがなく、骨折をした祖母も数か月後には回復しましたが、あのときの恐怖は忘れられません。同じ過ちを犯す高齢者がいるのをニュースで見聞きするたび、踏み間違えをしない車の登場を強く願うようになりました。そこで安全運転システムの技術開発に力を入れている御社でなら、夢を実現することができると思い、志望しました。

注意点は「車が好きだから志望した」というだけの内容にはしないことです。相手は部品メーカーです。「車が好きなら自動車メーカーかディーラーに応募するべきでは」と思われない理由を考えてください。自分自身の経験から強い問題意識を持っていて、その企業に就職すればそれを解決できると思った、という流れなら説得力が増します。

例文②

私が御社を志望したのは、御社が理念に掲げるプラスチック加工に対する自信と誇りと、チャレンジ精神に魅力を感じたからです。家のなかでも外でもプラスチック製品はあふれています。生活に欠かせない素材であると同時に、これまで木や金属で作ってきた家具や家電をプラスチックで作ることができれば、軽量化や低価格化が図れます。そういった挑戦ができる御社であれば、やりがいを持って長く働き続けられるのではと思いました。またインターンシップに参加させていただきましたが、雰囲気がとてもよく、ぜひここで働きたいと思いました。入社できた暁には、持ち前の勤勉さを活かして、早く一人前の仕事を任せてもらえるよう努力したいです。

「企業理念や社風に惹かれた」という内容で書くなら、どの部分に惹かれたのか、自分は何をしたいのかを具体的に挙げる必要があります。「家から近いから」、「福利厚生がしっかりしているから」など、事業に関係のない理由を挙げるのは、よほどそうでないと困る事情がないかぎりはやめておきましょう。

「ものづくりで人の幸せに貢献したい」といった抽象的な書き方もいけません。そう思うようになったきっかけや、具体的に取りたい行動のほうを語ってください。

部品メーカーは企業規模に左右されない将来有望な企業が多い!

大手メーカーの系列会社として存在することの多い部品メーカーですが、決して「ただの下請け業者」ではありません。大手メーカーが作れない独自の製品を扱っている場合が多く、大手メーカーにとっては必要不可欠なビジネスパートナーとなっています。また特定の大手メーカーだけが取引先ともかぎりません。海外の顧客開拓に成功して、いくつも海外支店や工場を持っている大企業もあります。

一方で、オンリーワンの技術で世界から注目される町工場もあります。同じ業種なら規模の大きな企業のほうが将来性がある――とはかぎらないのが部品メーカです。今は小さな町工場でも、10年後には売り上げが10倍になっている、あるいは海外展開を果たしているかもしれません。将来有望な、注目株の業界といえるでしょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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