職種研究

建設コンサルタントの平均年収・ボーナス事情|比較シミュレーションで比べてみよう

建設コンサルタントとは

建設コンサルタントとはITコンサルタントや会計コンサルタントのように、あまり知られていない職種かもしれません。しかし、私たちの生活に大きく関わる大変重要な職種のひとつであるのが建設コンサルタントなのです。では、建設コンサルタントとは、一体どのような職種なのでしょうか。

また、建設コンサルタントの平均年収や賞与などは、どのようになっているのでしょうか。詳しい情報を調べてみました。

建設コンサルタントの業務内容

建設コンサルタントは、国や地方自治体など行政から事業の発注を受ける建設企業に所属します。

例えば、「新しい道路を通す」ことになった場合、建設コンサルタントは企画構想、事業計画、施工全体のマネジメントを担います。この場所に道路を通すことによってどんな影響が出るのか、交通量はどのくらいになるのか以上の仮説は、建設コンサルタントが調査のうえ事業所に提出するのです。また、施工業者に対しては、設計や施工の発注、施工時のマネジメントを建設コンサルタントがおこないます。

これらの業務内容から分かるように、建設コンサルタントは現場で建設物を自らが作業していくわけではありません。しかしそれまでの調査業務や、実際の施工業者のマネジメントや工程管理など、建設コンサルタントの業務は多岐に渡るのです。

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建設コンサルタントに求められる能力について

  • コミュニケーション能力
  • プロジェクト管理・推進能力
  • 危機管理能力

建設コンサルタントに一番必要と言えるのが、コミュニケーション能力です。業務内容から分かるように、建設コンサルタントが請け負った事業は一人で進めるものではなく、完了するまでには非常に多くの人が関わります。また、事業完了までには長い期間を要するため、マネジメントも担う建設コンサルタントはコミュニケーション能力が必要不可欠となるのです。

建設コンサルタントに必要な能力としては、プロジェクト管理・推進能力も必要だといえます。事業に必要な日数や人材の管理が出来ていない状態では、決められた期日までに完了できません。携わる事業は道路だけでなく、エネルギー管理や駅周辺の環境整備などがあります。期日が間に合わないからといって、雑な仕事をしてしまうと、多くの人に影響がでるのです。

最後が危機管理能力です。任務を無事に終わらせるためには、調査の段階や施工中の安全管理が必要です。調査の段階で、本当にここに道路を建設できるのか、土砂崩れの影響や、ほかの交通機関への影響はないかといった危機管理から、作業員一人ひとりの安全を確保するためにも、危機管理能力が求められるのです。

建設コンサルタントの平均年収と他職種との比較

建設コンサルタントの平均年収について

転職会議調べによれば、建設コンサルタントの平均年収は466万円となっています。特に建設コンサルタントの平均年収は、20代後半以降がそれ以前と比べて高くなる傾向があるようです。

他の職種・平均との比較

  • 日本の平均年収:422万円
  • 測量:343万円
  • 施工管理:454万円

建設コンサルタントの平均年収は、日本の平均年収422万円と比較して、44万円高くなっています。また類似職の測量で343万円、施工管理454万円であることから考えても、建設コンサルタントの平均年収は若干ですが高いものであることがうかがえます。

建設コンサルタントのボーナス・昇給事情

ボーナスについて

建設コンサルタントのボーナスの有無については、企業によって異なりますが、多くの企業では年2回の賞与があるようです。バブルのときほど羽振りはよくありませんが、それでも建設業界のボーナスは金額的にもいいものでしょう。

昇給について

建設コンサルタントの昇給についても、企業によって事情が異なってきます。定期的な昇給のための制度を整備している企業も多いですが、年齢よりも、経験年数に応じた昇給のケースが多くあります。

建設コンサルタントの年齢別平均年収推移シミュレーション

建設コンサルタントの年齢別の平均年収を5歳刻みで算出をしました。年齢別の月給と年収の推定値はどのようになっているでしょうか。

年齢 年収 月給 ボーナス
20~24歳 281.6万円 19.3万円 49.8万円
25~29歳 366.9万円 25.2万円 64.8万円
30~34歳 422.6万円 29.0万円 74.7万円
35~39歳 463.2万円 31.8万円 81.8万円
40~44歳 499.2万円 34.2万円 88.2万円
45~49歳 527.7万円 36.2万円 93.2万円
50~54歳 549.8万円 37.7万円 97.1万円
55~59歳 541.8万円 37.2万円 95.7万円
60~64歳 406.2万円 27.9万円 71.8万円

年齢別の平均年収を5歳刻みで算出すると、30~34歳での平均年収は422.6万円、うちボーナスは74.7万円になると予測されます。40~44歳では平均年収が499.2万円、うちボーナスは88.2万円になると予測されます。年収は全体的に高いものの、ボーナスや月給自体はずば抜けて高いということではありません。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

建設コンサルタントと日本の平均年収との年齢別比較シミュレーション

年齢 建設コンサルタントの平均年収 日本の平均年収
20~24歳 281.6万円 263.5万円
25~29歳 366.9万円 343.3万円
30~34歳 422.6万円 395.5万円
35~39歳 463.2万円 433.4万円
40~44歳 499.2万円 467.1万円
45~49歳 527.7万円 493.8万円
50~54歳 549.8万円 514.4万円
55~59歳 541.8万円 507.0万円
60~64歳 406.2万円 380.1万円

建設コンサルタントの平均年収は、日本の企業全体の平均年収と比較すると年齢を問わず若干ではありますが高くなると予測されています。20代からはっきりと差が出ており、30~34歳の平均年収は422.6万円で、日本の平均と比較すると27.1万円ほど高くなると推測されます。40~44歳では499.2万円の予測です。

※編集部で規定したアルゴリズムに基づいた算出であるため、あくまでも予測シミュレーション数値となります。

建設コンサルタントの生涯賃金シミュレーション

  建設コンサルタントの平均年収 日本の平均年収
生涯賃金 2.03億円 1.90億円

日本の平均的な生涯賃金と、建設コンサルタントの生涯賃金を比較してみましょう。建設コンサルタントの平均年収は466万円であることがわかりました。一方、日本の平均年収は422万円です。20~65歳まで勤めたと仮定した場合、生涯で得られる賃金はどれくらいになるのでしょうか。その結果が、上記の表です。

建設コンサルタントと日本の平均的な生涯賃金をシュミレーションした場合、建設コンサルタントの生涯賃金の方が若干ですが高くなると予測されています。金額にして、1,300万円ほど、日本の平均より高くなると推測できます。

まとめ

建設コンサルタントの平均年収は、日本の平均より高いことがわかりました。実際に施工する工事現場の人や、道路で見かける測量士と比べると表に出る職種ではないため、建設コンサルタントは知らない人の多い職種です。新設だけでなく、今では老朽化の多いインフラ設備の維持管理などにも建設コンサルタントは必要とされる、とても重要な職種です。

重要度の高い職種である分、建設コンサルタントには十二分なキャリアをもった人材が求められますが、新卒からでも企業に就職することは可能です。入社後に必要な資格を取得したり、研修を受けたりすることで一人前になることができます。

※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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