面接対策

集団面接の入室から退室までのマナー|スムーズに行動するポイント

集団面接は入室する順番でマナーが変わる

ビジネスシーンでは、学生生活では体験しないようなマナーがたくさんあります。例えば、身にまとうスーツひとつ見ても、ボタンのかけ方やポケットのしまい方など、日常生活では気にしないようなルールがいくつもあるのです。

面接は、人事担当者に自分をアピールする場所ですが、きちんとマナーが守られているのかも、内定に大きく関わります。そこで本記事では、新卒の場合に受けることが多い「集団面接」のマナーを見ていきます。入室時のポジションや退室の仕方など、一対一のケースとは異なる対応を求められますので、きちんと理解しておきましょう。

集団面接の入室の順番別マナー

まずは、入室の時のマナーを紹介します。個別での面接とは異なり、複数人での面接になりますので、自分の順番によって別の対応が求められることを覚えておいてください。先頭で入室する時、中盤や最後尾で入室する時などで相違点があります。ドアノックの回数、立ち位置など、個別面接でも対応できる内容になっていますので、ぜひ参考にしてください。

先頭の場合

先頭で入室する時はどうすればよいでしょうか。面接時ではなく、例えば大学の教授室に入るとき、たいていの場合は軽くドアをノックするでしょう。もちろん、面接時も同じ対応をしなければなりません。ベターなノック数は、3回と言われています。ノック後は、部屋の中から合図があるまで入室してはいけません。

「お入りください」のような言葉を聞く前に入室することは、マナー違反です。もし仮に、ドアが開いている状態だとしても、必ずノックはするようにしましょう。そして入室する時は、挨拶をします。その際は、次の人に引き継ぐようにしてドアノブを持ったまま対応することになるでしょう。入室したら、一番奥の席まで足を進めてください。

中盤の場合

先頭の人とは異なり、中盤のポジションの場合は、ノックをする必要はありません。前の人がドアノブを持ったまま挨拶をするので、ドアノブを受け取って入室します。ドアノブは後ろの人に渡すことになりますので、きちんと渡せたのかチェックしておきましょう。

先頭の人から席の奥に座っていくので、入室したら自分の前の人に続いてください。もちろん、人事担当者からの合図があるまで座ってはいけません。最後尾の人が入室するまで着席の許可はないはずなので、周りの状況を確認してください。

最後尾の場合

最後尾の人はドアを閉めることがミッションになります。前の人からドアノブを受け取り、ドアを閉めてください。その際の注意点としては、前の人達を待たせているからといって、勢いよくドアを閉める必要はありません。極度に緊張しているときは、慌てて対応してしまことがあるでしょう。

ドアは静かに閉めて、なるべく人事担当者にお尻を向けないように気をつけてください。閉める際は、片手ではなく両手で行いましょう。ドアを閉め終わった後は、挨拶をして自分の席まで進みます。最後尾の場合は、ドア側に一番近い席になるでしょう。

全員が入室した後のマナー

集団面接会場に、面接を受ける人が全て入室した際にすべきマナーについて、3つのポイントをあげてお話しします。自分が入った順番に関わらず、面接官や司会担当の方が指示を出すまでは、その場に立ったまま状況を伺うようにしましょう。

間違っても勝手に行動してはいけません。面接官に見られているのは、あなたが集団行動を取る際にどのような対応が出来ているかです。ここで個人行動が目立つと、その後の面接に大きく響いてしまいます。

面接官の指示を受けて着席する

指示があるまでは、その場で待機しておきましょう。入室して椅子までたどり着いたら、椅子の横に立って待ちます。勝手に着席することはNGです。面接官が全員入室できたことを確認したら、「お座りください」と声を掛けられます。このような声かけがあってから着席するのがマナーです。座るときは、落ち着いた態度ですっと座りましょう。

カバンは利き手側の床に置く

座る姿勢については、椅子になるべく深めに腰掛けて背筋をまっすぐ伸ばします。背もたれには寄りかからないようにしてください。また、手の位置は男性は拳を軽く握った状態に、女性は手のひらを重ねるようにして太ももの上に軽く置きます。

気を付けたいのが、カバンを持っていた場合の対応です。隣が空席で荷物置き場にできたとしても、カバンを置かないようにしましょう。カバンは、自分の利き手側の床にそっと立てて置きます。季節によってはコートなど持っていれば、カバンの上にたたんで置いてください。

入室した順番で自己紹介をする

集団面接での自己紹介は、基本的に入室した順番で進められます。ただし、例外もあるため度の順番になってもいいように用意しておきましょう。面接の時間は限られているため、必要以上に長い自己紹介はNGです。自己紹介では、次のような内容を話しましょう。

①大学名
②学部
③氏名
④簡単な意気込み

上記のような内容をはっきりと聞き取りやすい声で伝えてください。また、締めのあいさつとして最後に「よろしくお願いいたします。」の一言を添えましょう。

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集団面接中のマナー

着席後、集団面接のスタートです。イスに腰をかけるときは、あまり深くならず、背筋をしゃんと伸ばしてください。いくら面接での受け答えが良くても、変な座り方や態度をしている場合、面接官にわるい印象を与えてしまうので注意が必要です。

集団面接では、他の面接者がいるので、質問に対してひとりでしゃべり続けることはありません。他の人が話しているとき、自分には関係ないからとボーッとしていると、大きな過ちを犯してしまうこともあるかもしれません。

他の就活生の話も聞く

集団面接の場合も、個別面接時のように自己紹介などをしていきます。基本的には、入室順などで答えていくものですが、企業によっては挙手を求められることもありますので、「入社したい」という強い意欲が伝わるように率先して手を挙げましょう。面接では、自分をアピールしたり、志望する動機なども答えていきます。

人事担当者から聞かれるお決まりの質問もありますので、事前にしっかりチェックしておきましょう。面接中にもっとも注意すべきポイントは、他の面接者が話しているときに、その内容をきちんと聞いておくことです。興味がないような態度は、他の就活生に対して失礼になります。また、そのような態度は面接官に見られていると思ったほうがいいでしょう。

質問に対応できるようにしておく

集団面接の場合は、他の就活生が受け答えをしている時、ボーッとしてしまう人もいるでしょう。とはいえ、それは絶対にNGです。自分の番でなくても、他の就活生や面接官の話をきちんと聞いておきましょう。すべての質問を終えて、最後に質問を求められることがあります。その際、ボーッとしていたら、聞きたかったことや確認しておきたいことなどを質問できずに面接が終了してしまうでしょう。いずれにせよ、面接時に常に気を抜かないことを心がけてください。

他の就活生と話す内容が被っても慌てない

集団面接では、想定していない状況が起こるものです。例えば、他の就活生も自分と全く同じような考え方を持ち、話す場合もあるでしょう。そうした場合、慌ててしまって話す内容がしどろもどろになってしまう可能性があります。

そのような場面に遭遇したら、まずは落ち着くことです。そして、同じような内容であっても自信を持って話しましょう。余裕があれば他の方の意見に賛同しつつ、視点を少し変えて意見を述べられるのが理想的です。

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集団面接の退室時のマナー

面接での受け答えが終わった後は、退室するのみです。もちろんこの時も、入室の時のようにマナーがあります。終わったからといって、部屋の中で伸びをしたり、あくびすることはNGです。寒いからといって、その場でコートやマフラーを身につけてもいけません。さっさとひとりで退室することもマナー違反となります。面接室以外での言動も、すべて見られているという認識を持つことが大切です。

挨拶は椅子の横に立つ

面接終了の合図があったら、イスの横に起立して「ありがとうございました」とお礼します。その際、ドアに近い方に立ってください。また、お礼する際に頭を下げることになりますが、お礼の言葉とお辞儀を同時にしてしまうと、発声しにくくなります。そのため、お礼の言葉を告げてから、一礼するようにしましょう。

「ありがとうございました」と言うときには、人事担当者の目を見るようにしてください。その後は、カバンなどの荷物を持ち、退室することになります。入室するとき、コートは腕にかけておきますが、退室時も同様です。慣れないうちは手際よくできないかもしれませんので、練習しておくといいかもしれません。

ドアに近い人から退室する

退室するときには決まった順番があります。先に入室した人から退室するのではなく、ドアに最も近い人から退出するため、入室時で最後尾だった人が最初に退室することになるでしょう。「この後に予定がある」などの理由で、順番を抜かしたり、挨拶を省くことはもちろんマナー違反です。入室時も同様に、順番を飛ばしたりしてはいけません。

面接に手応えを感じて気分が高揚しているときや、うまく受け答えできなくて気分が滅入っているときもあるかもしれません。しかし、どんな心理的状況であっても、ビジネスマナーは守るものです。「どうせ受からないから」と横柄な態度をとってしまい、それが習慣化されてしまっては、今後の就活にも影響が出てしまうでしょう。

退室する前にもう一度挨拶する

最初に退室する人が、ドアを開けることになります。その時の注意点としては、ドアを開ける前に、お礼の言葉を告げてお辞儀することです。ドアを先に開けてから一礼したり、なにもせずに退室することはNGなので注意してください。もちろん、先頭の人だけではなく、中盤でも最後尾でもドアの前であいさつしてから退室します。最後尾の人は、ドアを丁寧に閉めることを怠ってはいけません。

面接室を出てからも、まだビジネスシーンは続いています。会社の中で、コートやマフラーを身につけてはいけません。男性であれば「苦しいから」といって、ネクタイを緩めることもNGです。会社の外に出るまで、きちんとビジネスマナーを守ることにしましょう。

集団面接では入室や退室を含めたマナーが重要

集団面接の際は、一番先に入る人がドアを3回ノックして入室します。座る位置は、奥の席です。中盤の人はそれに続き、最後尾の人は、ドアを閉めることを忘れないようにしてください。面接の最中は、他の就活生の話も聞くようにしましょう。ボーッとしていたり、別のことを考えていたりすると、表情などに出てしまいます。もちろんそうした様子を、面接官は必ずチェックしているので、常に気を抜かないようにしましょう。

退室時のマナーとしては、挨拶するときはイスの横に立ってください。退室の順番は、ドアに近い人からなので、入室する順番とは逆になります。そして、退室する前にもう一度挨拶することを怠らないでください。最後尾の人は、ドアを静かに閉めましょう。これらのマナーを踏まえ、自信を持って集団面接をクリアしていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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