面接対策

面接で家族構成について質問された場合の回答方法【テンプレート付】

面接で家族構成について聞かれる理由

基本的に面接で質問をする内容は、就職に必要な情報である場合が多くあります。ですが偶に、面接の際に家族の構成について尋ねられる場合が出てきます。

なかなか話しにくい内容ではないかと思いますが、質問をする場合は基本的に何かしらの意図があることだけは確かです。勿論聞かれた内容によっては、答えなくてもいい理由というものもあるので、見極めて答えることが必要になります。ここでは採用担当者が家族について面接で聞く場合の目的について、詳しく解説していきます。

①緊張をほぐすための雑談

面接で緊張したままの解答だと、採用担当者からすれば望むような内容にならないということもあります。そのため、緊張をほぐすために本筋とは関係ない雑談や質問を軽くおこなう、ということが面接の場ではよくあります。

これを「アイスブレイク」といいますが、このアイスブレイクとして、家族について質問をする場合があります。アイスブレイクとしての家族についての質問は、当然ながら面接に大きな影響を与えるものではありません。内容も簡単に終わり本題に入れるような雑談で済ませます。そのため、緊張をほぐす意味で家族について質問をされた場合は、深く考えすぎず答えられる範囲で気軽に答えるといいでしょう。この場合はその後の質問からが重要になってきます。

②何らかの目的を持っての質問

アイスブレイクのような軽い質問ではなく、本格的に家族構成を聞いてくる場合も、場合によってはあります。こういった場合は、採用担当者側に何らかの目的があって質問をすることになります。

一般的な理由としては、親が同業者であるかや、健康状態に問題がないかなどが質問の目的です。後者については、介護などで仕事ができなくなる場合を避けたいという意図もあります。勿論そういった具体的な理由だけではなく、面接の際の慣習として家族について質問するという企業もあるようです。この場合は慣習ではありますが、無理に答えなくてはいけない理由もありません。

家族構成の質問は配慮すべき事項として挙げられる

実は、そもそも厚生労働省は採用選考にあたって、基本的人権の尊重とともに応募者の適正や能力のみを基準にすることを示しています。つまり、家族構成のような採用に無関係なことを基準にしてはいけないと発表しているのです。その上、個人情報保護の観点から、応募者の適正や能力に関係ない個人情報の収集については原則認められないとまで言っています。実のところ、家族構成について聞かれることが珍しくなったのはこれが理由でもあります。つまり、この質問自体があまり好ましいとされていないのです。

参考:厚生労働省 公正な採用選考の基本

就職差別に繋がる可能性を示唆

なぜ厚生労働省がこのようなことを示したかといえば、家族構成が採用基準となるようでは、就職差別につながるおそれがあるからです。つまり、本来採用選考というものは本人の仕事に対する適正や能力を測るものであるのに、それ以外の面で判断されてしまい不平等かつ公正ではないということです。

本人の適正や能力によって判断されないとすれば、それは本人の努力や資質などが無関係となり、選考自体に価値がなくなってしまいます。だからこそ、本人の適性や能力以外の面を採用において評価するのは公正ではなく、差別になる可能性すらあるとしているのです。これがまかり通ると採用活動自体が無用の長物となるおそれもあり、厳しく見られているとい言えるでしょう。

労働法の規制はないので聞くこと自体は禁止ではない

個人情報保護の観点において、職業安定法の定めに抵触する可能性があるとはいえ、企業が面接時に家族構成について聞くこと自体が禁止されているわけではありません。しかし、ここまで伝えたように、就職差別につながることから家族構成について聞くことは、遠回しに制限されています。

企業側もこのことは最低限のルールと知っていますが、それでも家族構成について聞かれることはゼロになっていません。この理由として最も大きいのは、面接時のコミュニケーションの一環として扱われているからです。つまり初対面同士の場を和ませるための質問と捉えられているのです。だからこそ、家族構成について聞かれた場合は、あまり難しく考えず気軽に対応するのが良いと言えます。

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家族構成の質問への答え方

就活生からすれば困惑するばかりの家族構成に関する質問ですが、この質問自体は昨今されること自体減っています。しかし、先述したように何かの拍子に聞かれる可能性がゼロとは言い切れません。そこで、ここからは実際に家族構成について聞かれた場合の対応の仕方について解説していきましょう。

そもそも「答える必要はない」という意見も囁かれるのが家族構成についての質問です。回答の内容で内定や採用の可否が決定されるということはそうそうありませんが、それでも対応の仕方が見られることもないとはいえません。ここではより効果的な対応方法を知っておきましょう。

ざっくりと回答する

家族に関する質問に答えたくはないが、かといって答えないままでいるのも嫌という人もいるでしょう。そういう場合は、家族についてざっくりと回答してしまってもいいでしょう。雑談であればそれで終わるでしょうし、その後更に質問をしてきた場合は、内容次第では答えなくても大丈夫な場合もあります。

ざっくりとした回答というのは、質問に対して「5人家族です」「父、母、兄、弟の5人家族です」「両親と私の3人に、祖父母が同居しています」といった回答でも、質問内容には答えたことになっているので問題はありません。また、この程度の回答であれば、プライバシーも守ることができます。

年齢や職業・収入は答える必要はない

家族についての質問に、例えば年齢についてや職業・収入について聞いてくる場合は、答えなくても問題ありません。こういった内容は、家族構成の質問の中でも特に配慮すべき項目であるため、答えたくない場合は無理に全てを明かす必要はないのです。

特に年齢や職業、収入についてなどは、自分と家族のプライバシーに大きく関わってくる情報になります。就活生とその家族のプライバシーは、面接の場においても当然保護されるべきものであるのです。実際に質問された際に答えたくないときは、どのような状況であれ、やんわりとスマートに対応することで乗り切りましょう。勿論、回答して差し支えない程度の意図であるなら、ある程度は回答に応じてしまっても問題はありません。

答えたくない場合はやんわりと回答を防ぐ

答えたくない質問の場合は、無理に回答しなくていいとは言いました。しかし、だからといって「答えられません」と返すのは、かえって印象を悪くしてしまうことになってしまいかねません。答えたくない場合は、やんわりと防ぐ方が印象は良いままで面接を続けられます。

具体的には、家族構成の質問に「家族構成を聞く目的はなんでしょうか?」と尋ね返してみるといいでしょう。その内容次第では、どこまでなら答えられるかを就活生でも判断することができるかもしれません。その場合は「回答できる範囲内での回答とさせていただきたく存じます」と一言付け加えてもいいでしょう。

絶対に答えたくない場合でも「家族のプライバシーに関することですので、私の一存では回答することはできません」と断ると、ただ答えられないと言うよりも印象はよくなります。

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家族構成を面接で聞かれた場合は回答できる範囲で対応する

ここまで伝えたことをまとめれば、家族構成について聞かれた場合、「答えたくないことまで答えなくて良いが、嘘をついてはいけない」ということが大切です。つまり、最低限を答えれば問題ありません。そもそも家族構成については採用の指標として使えませんので、答える側も考えすぎなくて良いと言えるでしょう。

答えるのが嫌であれば、「何人家族です」程度に軽く対応しても良いでしょう。常識のある会社であれば、採用に無関係なこの質問を掘り下げることはありません。一見困る家族構成についての質問ですが、この記事で紹介したように、背景を知れば困ることはありません。ぜひこれを参考に採用選考を乗り切ってください。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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