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【推薦書の書き方】説得力のある文に仕上げるポイントを徹底解説
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目次
推薦書とは?
就職活動で選考が進んでくると、企業側から「推薦書」の提出を求められることがあります。この推薦書とはどのようなものなのでしょうか。推薦書とは「この人はこのような人で、このような良い点があるので、あなたの会社に推薦します」と就活生を企業に推薦するものです。企業からしてみれば、就活生がどのような人物なのかということを知ることができ、推薦した人のお墨付きという安心感があります。
また、推薦した人が企業に対して就活生への信用を約束するという側面もあります。推薦書を書いてもらった就活生は、選考に挑むにあたり推薦した人の信用を背負っているのだということを理解しなければいけません。
推薦書の種類
推薦書には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。就職活動で企業から提出を求められる推薦書は「教授推薦書」と「自己推薦書」の2種類があります。同じ推薦書ですが、それぞれ推薦する人が違っているので、推薦書の提出を求められたら推薦書の種類をしっかりと確認しましょう。ここからは、教授推薦書と自己推薦書についてその詳細を具体的に紹介していきます。
教授推薦書
教授推薦書とは、大学の教授が書く推薦書のことです。教授が書く推薦書ですが、就活生本人が書く場合もあります。なぜなら、教授が就活生のことで知っているのは、大学やゼミでの活動に限られてしまうからです。そのため、アルバイトや留学、ボランティア活動といった大学・ゼミ以外の活動については、就活生本人が書いたほうが詳しく書けるでしょう。
教授は就活生本人が書いた内容に、教授が知っている就活生の特徴を加味して推薦書を書きます。ただし、すべての内容を教授が書く場合もあるので、これまでの大学生活で授業やゼミに対していかに真剣に取り組んでいたかが問われると言えます。授業やゼミに真剣に取り組み、教授からの評価が高ければ、就活で有利になる推薦書を書いてもらえるでしょう。
自己推薦書
自己推薦書とは、就活生が自分自身を推薦する推薦書のことです。自分のことを推薦するのは難しいからといって、友達や親に書いてもらってはいけません。面接で自己推薦書の内容について質問されることもあるので、自己推薦書は必ず本人が書く必要があります。自分のことを推薦するのは恥ずかしいという人もいますが、そもそも就職活動自体が、企業に自分という人間を売り込む活動です。
「自分は企業にとってこんなに役に立つ可能性がある人間なんだ」ということが伝わるような自己推薦書を書きましょう。自己推薦書の書き方次第で、企業が就活生を見る印象が変わってきます。企業が興味を持つような自己推薦書を書けるように対策しましょう。
自己推薦書の書き方ポイント3つ
自己推薦書は自分のことを企業に知ってもらえるチャンスです。しかし、自己推薦書の書き方次第では、自分の良いところが企業に伝わらなかったり、反対に悪い印象を与えてしまうこともあります。ただやみくもに自分の良いところを書くのではなく、相手にしっかりと伝わるような書き方をしなければいけません。自己推薦書でうまくアピールするためのポイントを理解して、採用選考を少しでも有利に進められるようにしましょう。
①自分が企業に合っていることをアピールする
自己推薦書を書く際のポイントの1つ目は、「自分が企業に合っていることをアピールする」ことです。この場合の「合っている」とは、「企業の求める能力を発揮して活躍できる」「企業の理念や価値観・方向性、企業風土などが自分の価値観や性格と合っている」というようなものです。
自己推薦は自分をアピールするものですが、つい「合っているかどうか」という視点を外してアピールに走ってしまうこともありえます。しかし、どれだけ自分の能力や経験、性格など長所と思われることをアピールしたとしても、その企業に合っていなければ採用するメリットを感じてもらえないでしょう。
ではどのようにするのが良いのでしょうか。まずはこの後で説明する「自己推薦書の下準備」を十分におこなってください。その上で、「①自分は企業が求める能力や経験、価値観や性格などを持っている」、「②①を発揮した具体的経験」、「③だから私は①で貴社に貢献していきたい」といった流れでまとめていくのが良いでしょう。
②アピール内容をはっきりさせて一貫性を持つ
自己推薦書を書いていると、自分の良いところをすべてアピールしようと思い、さまざまなポイントをアピールしようとしてしまう人がいます。自己推薦書ではアピールしたいことをありのまま書くことは大切ですが、やみくもに書いてアピールポイントがバラバラになってしまってはダメです。自分がアピールしたことをはっきりさせて、一貫性を持った文章にすることが大切です。
例えば「自分で考えて行動できる」と書いているのに「バイトでは指示されたことをきちんとやった」と書いてしまうと、一貫性がなく何がアピールしたいのかわかりません。自分が一番アピールしたいことをはっきりさせて、そのアピールポイントを軸にして、一貫性を持たせながら自己推薦書を書きましょう。
③論理的に展開する
自己推薦書では論理的に話を展開することが大切です。書いてある内容が支離滅裂では、どんなに良いアピールポイントであっても相手に伝わりません。自分のアピールポイントを相手に伝えるためにも、文章がきちんと道筋を立てて書かれているか確認しましょう。文章を論理的に書けていないと、それだけで「論理的思考ができない人間だ」というマイナスの印象を与えてしまいます。
自分の良い点を伝えるための自己推薦書なのに、マイナスの印象を与えてしまっては本末転倒です。話の筋がきちんと通っているかをしっかりと確認しましょう。自己推薦書では書き出しと終わりは特に大事です。書き出しが悪いとそれだけで興味を持たれない可能性があり、後々にも影響してしまいます。書き出しと終わりは何度も確認しましょう。
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自己推薦書を書くための下準備
ここまで自己推薦書を書くポイントを見てきましたが、それらを確実に踏まえて書くためには、下準備が必要です。せっかく3つのポイントを押さえて書こうと思っても、下準備が十分におこなわれていなければ、内容のブレた推薦書になってしまう可能性があります。
また、ここから説明する下準備は、推薦書を書くためだけに必要なものではありません。就活全体、そしてこれから自分が社会人となって生活していく上でもとても大切なことです。就活で忙しいタイミングでこの記事を読んでいる人もいるかもしれませんが、今一度これらの下準備に向き合ってみてください。
具体的なエピソードを見つけておく
自己推薦書には、具体的なエピソードが必須です。自己推薦書では、自分がその企業に合っていることを伝えるべきだとここまで説明してきました。しかし、「私は貴社に合っています」と伝えるだけであれば、誰にでもできます。採用側は「本当にそうなのか」「なぜそう言えるのか」と思うでしょう。そこで、相手を納得させるのに必要なのが具体的エピソードです。
自分の能力や経験、性格や価値観など、「なぜそれらで貢献できると考えられるのか」分かりやすく伝えられるエピソードを用意しましょう。
しかし、そのエピソードもただ伝えるだけではありません。大切なのは相手が納得することです。そのためには、「アピールしたい内容とはっきり結びついていること」「なぜそのような行動をしたのかプロセスを伝えること」「結果に対してどう考えたのかを盛り込むこと」「数字などを用いて客観的に伝えること」などを意識すると良いでしょう。
自己分析をしておく
推薦書を書く前には、自己分析をしておく必要があります。自己分析が不十分であると、大切なアピールポイントを外してしまう可能性があります。志望企業で活かせる点があるにも関わらず、それを見落としてしまうのはとてももったいないです。そうならないよう、自己分析は十分におこなう必要があります。
自己分析では、自分の過去を振り返っていきます。過去にあった出来事を振り返り、そこから自分の得意なことや苦手なこと、性格や価値観などを探りましょう。自分の過去の考えや行動を振り返りつつ、「なぜそうしたのか」「なぜそう考えたのか」と、自問自答を繰り返して理解を深めていきしょう。
また、自己分析をすることと企業研究はセットです。最終的にアピールする内容は、企業が求める資質と一致していなくてはなりません。自分自身について理解を深めると同時に、企業が求める人材像についても理解を深めておきましょう。
他己分析をする
自己分析とともに大事なのが、「他己分析」です。他己分析とは、自分以外の他者から自分がどう見られているのか、それをヒントに自分を分析していく方法です。
人には、「自分自身で把握している自分」と「自分自身では把握できない自分」が存在しています。前者については自己分析で理解を深めることはできても、後者は難しいでしょう。そこで、自分以外の誰かの視点を借りることが必要となるのです。
「自分はどんな人物か」「得意なことや不得意なことはなにか」「第一印象」「深く付き合ってみての印象の変化」「特に心に残っているエピソード」など、さまざまな人に聴いてみましょう。相手が率直に意見を言えるよう、事前に目的を伝えておくのが良いでしょう。
他人の目線ももちろん偏りますので、友人やアルバイト先の同僚、先輩、家族、恋人など、幅広い人の意見を参考にしてみてください。
自己推薦書の例文
ここまでは、主に自己推薦文を書く際のポイントや下準備について説明してきました。方法はつかめたかもしれませんが、それを実際書くとなると、イメージが湧きにくいという人も多いかもしれません。
そこでここからは、これまで説明した内容を踏まえた自己推薦書の例文を紹介していきます。これらを読むことで、どのように自己推薦書を書いたら良いか、イメージをつかむことができるでしょう。例文を参考に、ポイントを押さえた上で書いてみてください。
例文①
私は自分の強みである「相手に共感する力」を活かし、貴社の化粧品販売の仕事で貢献したいと考えております。学生時代は結婚式場で3年間、アルバイトをしました。最初は料理を配るなど、自分の作業にばかり集中しており、顧客満足アンケートの結果も良くありませんでした。しかしある結婚式で、新郎新婦の晴れ姿を見て泣いているゲストに心動かされ、その方の想いを伺ったことをきっかけに、ゲストに積極的に話しかけるようになりました。
ゲストの気持ちを想像し、話しを聴き、一緒に喜んだり笑ったりすることで共感が生まれました。1つ1つのサービスに心がこもるようになり、2年目以降はアンケートでトップクラスの評価をもらい続け、3年目にはアルバイトのリーダーも担当しました。御社でもお客様の気持ちや背景を想像し、共感し、親身になって提案をおこなうことで結果を出していきたいと考えます。
まず最初に強みがストレートに書かれており、わかりやすいです。その後、具体的なエピソードが書かれ、どのように活かしていきたいのかまでまとめられています。エピソードの中で、最初は顧客満足アンケートの結果が良くなかったが、後に良くなり、リーダーを任されたことまで書かれています。このような内容が書かれいていると、自分が確かに成長したこと、その成長が第三者に評価されていることがわかり、説得力が生まれます。
例文②
私は丁寧で迅速な仕事が得意です。この性格を、貴社のプログラミングの仕事でも活かしていきたいと考えております。私は学生時代、データ入力の仕事を3年間経験しました。インターネットで情報を集め、それを種類ごとに分けてエクセルに入力していくという仕事です。淡々と同じ作業を繰り返す仕事でしたが、私は制限時間や入力精度の目標を具体的に決め、楽しんで取り組みました。
結果、3年目には「誰よりも速く・正確に仕事をした」という理由で、アルバイト社員の中で最優秀賞を受賞することができました。貴社でもこの特性を十分に活かし、迅速かつ細部まで正確な仕事で貢献していきたいと考えております。
こちらの例文も、アピールしたい内容が冒頭に書かれているため、わかりやすいです。エピソードはアルバイトの経験ですが、アルバイトでおこなった作業が具体的に説明されています。このように仕事内容をかみ砕くことも、相手の理解の助けになり、説得力が増すでしょう。このケースでも、最優秀賞受賞というわかりやすい具体的な成果が盛り込まれています。
例文③
私はコミュニケーション力を使い、貴社に貢献したいと考えております。私の考えるコミュニケーション力とは、人と人との間に入り、上手にコミュケーションをとりながら課題を解決する力のことです。学生時代は文化祭実行委員会に所属し、3年次には委員長を務めました。1年、2年の頃は、各部活動・サークルの展示場所や発表時間、予算など、さまざまな利害が対立し、なかなか話しがまとまらない状況を見てきました。
3年次は何とかこの状況を変えたいと思い、準備期間中は週に1回「目標共有ミーティング」を開催しました。その後、各代表からの意見を再度聞いて微調整し、全体目標を達成するための小目標を部活動・サークルごとに設定、進捗管理することで文化祭をスムーズに迎えることができました。
この方法は画期的ということで、次の実行委員長も取り入れることになりました。貴社においても、社内外のさまざまな立場の要望などを幅広くくみ取り、課題解決のために動くことで貢献したいと考えております。
この例文ではコミュニケーション力がアピールされています。コミュニケーション力を重視する企業は多く、同様にコミュニケーション力をアピールする学生ももちろん多いです。しかし、コミュニケーション力は範囲が広く、具体的にどんな能力を指すのかわかりにくいケースもあります。この例文では、自分の考えるコミュニケーション力について明確に定義された後、それを裏付けるエピソードが語られているため、とてもわかりやすいです。
例文④
私の取り柄は、何事もコツコツと続けることです。この特性を活かし、貴社に入社後も継続的な努力でスキルを磨き、貢献したいと考えています。私は高校に入るまで、得意だと言えるものは特にありませんでした。高校時代は体を鍛えようと思って陸上競技部に所属し、ひたすら毎日走っていました。そんな中、少しずつですが記録が縮まり、3年生の最後の駅伝では個人・チーム共に県大会で入賞を果たしました。
大学ではさらにいろいろなことで結果を出したいと思い、英語の勉強やプログラミングなどにも手を出し、毎日時間を決めて取り組みました。結果、英語は1年次のTOEIC600点から現在の800点まで200点もスコアが伸び、プログラミングは全くの初心者でしたが簡単なスマホアプリを自作できるまでになりました。「継続は力なり」を実感した学生生活でした。貴社に入社後も努力を継続して貪欲にスキルを伸ばし、貢献していきたい所存です。
ものごとに継続して取り組むというのも大切な資質です。ビジネスで役立つスキルは、一朝一夕では身につかないものが多いでしょう。また、うまくいくとき・いかないときもあります。そんな中、継続的に努力を続け、結果を出せるということは、とても有利です。努力の結果スコアがどれだけ上がったか、何ができるようになったかなど、第三者が読んで一目でわかるように書かれており、好印象です。
例文⑤
私はポジティブな性格を活かし、貴社に貢献していきたいと思います。私は「少しでも可能性があれば、それを活かしたい」と常に考えています。そして可能性を活かすためには、ポジティブであることが最も大切だと考えているのです。学生時代は女子バレーボール部で主将を務めました。
インターハイ予選の最終試合、自信を持っていたはずの試合で相手に押され、メンバーみんながやる気をなくしていました。しかし私は、試合の時間が残されている限り、勝てる前提で全力でプレイするのが最善だと考え、メンバーにその想いを共有し、積極的に声を出すようにしていきました。
結果、逆転して優勝し、目標にしていた関東大会まで進むことができました。私はピンチこそ自分の実力が試されていると考えます。どのような状況であっても可能性があることをポジティブに捉え、最善を尽くして貴社でも成果を出していきたいです。
この例文でアピールされているのはポジティブな性格です。「ポジティブな性格」というと具体性のない曖昧な印象を持たれる場合もありますが、「少しでも可能性があれば、それを活かしたい」と具体的に自分の言葉で説明されています。実体験で自分がどう考え・どう行動したかが書かれ、入社後にどう仕事をしたいのかまで書かれています。仕事はチームで進めることが多いので、ポジティブ思考を周囲に広めて結果を出していることも評価されるでしょう。