業界研究

【専門商社とは】向いている人や売上高ランキングもご紹介

専門商社は人気の就職先

専門商社は就活生に人気の就職先であり、毎年多くの人が応募しています。商社業界は常に人気が高く、挑戦したいと考える人も多いですが、問題は総合商社と専門商社のどちらを狙うかです。

商社=総合商社とイメージされることが多く、専門商社はランクが落ちると考える人もいますが、実はそうではありません。専門商社でも総合商社に負けない企業はたくさんあり、専門商社だからこその魅力もあります。

商社業界を目指すのであれば、専門商社のよさも知っておくべきであり、企業の特徴なども踏まえて理解を深めておくことが大切です。就活を攻略するポイントは、いかに業界、企業への理解を深められるかです。専門商社についての理解を深め、就活をスムーズに進めていきましょう。

専門商社とは

専門商社を目指すのであれば、そもそも専門商社とはどんな業界なのかを理解しておくことが大切です。個々の企業を見ることも大切ですが、理解を深めるためには、まずは業界の知識を身に付けなければなりません。

業界を知ることは、いわば知識の土台を作ることであり、基礎をしっかり学んでおくことで、企業についての理解も深めやすくなります。業界研究も就活を攻略するには欠かせないものであるため、専門商社について基本的な部分から学んでいきましょう。

卸売業をおこなう企業

商社業界には総合商社と専門商社の2つがあり、それぞれ特徴は違いますが、大まかな仕事内容は同じです。商社業界は、業種で言えば卸売業であり、企業と企業の仲介をするのが主な仕事と考えましょう。

たとえばメーカーでもさまざまな種類があり、商品を作るメーカーだけではなく、その商品を作るための原材料の開発・生産しているメーカーもあります。前者をA社、後者をB社とした場合、A社が商品を作るためには、B社から原材料を購入しなければならず、B社が利益を出すには、原材料を売って儲けを出さなければなりません。

このA社とB社の流通パイプを作るのが商社の役割です。企業と企業の橋渡しをすることで、それぞれの企業のニーズを満たし、仲介手数料をもらって利益を出しています。

特定の分野に特化している

商社業界は総合、専門ともに卸売業をおこなう企業という点では共通していますが、それぞれで取り扱う分野は違っています。総合商社は幅広い商材を扱うのが特徴であり、対して専門商社は特定の分野に絞って商材を扱っています。

ビジネスの規模としては総合商社のほうが大きいですが、分野ごとの規模や競争力で比べれば、専門商社も負けていません。専門商社は特定分野に強みがありますので、他社の追随を許さない、高い競争力を持った企業はたくさんあります。

また、企業ごとに分野が異なっているため、どの企業に就職するかによって、扱う商材はがらりと変わることも特徴でしょう。特定の分野といっても、必ずしも1つに限られるわけではなく、2~3の分野など、複数にわたって商材を扱っていることも多いです。

あなたが専門商社に向いているか、確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

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専門商社に向いている人

仕事には向き不向きがあるため、就活ではそれを理解しておくことも大切です。優れた能力、人柄を有していれば、どの業界、企業でも活躍できるわけではなく、志望する業界や企業に合ったポイントをアピールすることが、就活攻略の近道です。

やりたい仕事を目指すのも大切ですが、それ以上に自分に合った、向いている仕事を探すことも意識しましょう。専門商社にはどんな人が向いているのかを知って、どんな能力が求められるかを把握しておくことが大切です。

コミュニケーション能力がある

商社業界ではコミュニケーション能力は非常に重要視されており、選考でも見られるポイントのひとつです。商社の仕事は、企業と企業、人と人との橋渡しをする仕事であるため、他人と関わって仕事をするのは避けられません。

多くの人と会って、コミュニケーションを取りながらする仕事であり、上手に橋渡しをするには、まずは自分自身が信用してもらう必要があります。A社とB社のパイプ役になろうと思えば、両社から信頼を得ていなければならず、どちらか一方だけでは契約は成立しません。

専門商社の場合は、特に特定の分野と仕事の範囲が決められているため、総合商社に比べれば人間関係も狭くなりやすいです。人と近い距離で接し、信頼を勝ち取らなければならないため、コミュニケーション能力は必須と言えます。

コミュニケーション能力を向上させる方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

分析力がある

分析力も専門商社では重要な能力です。市場を分析し、将来性を見据えて行動できる人が専門商社に向いているでしょう。商社は企業間の橋渡しをするのが役目ですが、だれかれ構わず、パイプを繋げばいいわけではありません。

どの企業とどの企業のパイプを繋げばいいのかをしっかり見極める必要があり、それはその時々の状況で異なります。市場のトレンドは変化していくように、消費者の動向や経済の変動によって、世の中で求められるものは変化します。

専門商社は特定の分野ではあるものの、分野内でもトレンドの変化は起こるため、変化の波に対応できることが大切です。市場の流れを読み、売れる商品、売れる企業を見つけてパイプを作ることが大切なため、高い分析力が求められます。

専門商社のメリットとデメリット

商社は、総合商社と専門商社の2つの事業内容にカテゴリーが分かれています。総合商社ととの違いは主に取り扱う製品の違いにあります。それぞれ専門商社が総合商社に比べてどのようなメリット・デメリットがあるのか把握しておくことはとても大切です。以下にわかりやすく内容をまとめましたので、参考にしてみてください。

メリット:総合商社より競争が厳しくない

総合商社は知名度も高く、就活生からの人気が大変高いです。そのため、志望者も多く競争率が高いため、内定を勝ち取るのは難しいといえるでしょう。

しかし、専門商社に限ってみてみると、同じ商社業界ではあるものの総合商社より比較的内定を得やすいという傾向にあることがわかります。その理由は、総合商社と比較すると専門商社の方が競争が厳しくないためです。

商社業界で人気のある企業を順にみていくと、その上位のほとんどが総合商社であり、その後に専門商社の名前が挙がってきます。専門商社を希望する就活生が少ないというわけではありませんが、総合商社よりも内定を狙いやすいといえるでしょう。

デメリット:激務であることが多い

専門商社の仕事は大変な激務であることがほとんどです。商社業界全体の傾向として海外の顧客も多く、相手先との交渉等で海外出張に行かなくてはならないこともよくあります。その場合、出張を終えるまでは日本に帰ることができないため、プライベートな時間にも仕事の影響が及ぶことになるといえるでしょう。仕事とプライベートの時間をきっちりと分けて自分の時間を大切にする人にとっては、商社業界はあまりおすすめできません。

さらに、商社マンは企業間の橋渡しをするという役目を果たす仕事です。したがって、仕事は常時どちらからも依頼や問い合わせ等があるため、常に忙しく働くような状況になりやすいです。

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専門商社の売上ランキング

専門商社について理解を深めれば、実際の企業をチェックしながら、さらに理解を深めていきましょう。専門商社は企業ごとに扱う商材が違うため、どんな商材に興味があるかから探すことが大切です。

興味を持てる分野であれば、仕事への意気込みなどもアピールしやすく、選考もスムーズに進めやすいでしょう。特に志望先が決まっていないなら、売上ランキングを参考にし、どんな企業があるのかを知ることも大切です。

①メディパルHD

メディパルHDは、売上約3兆281億円を誇る大企業であり、専門商社ではトップの売上高を持っています。専門商社は企業数が多く、特定の分野に特化しているため、シェアは7.2%とやや低めの数値ですが、これも専門商社業界においてはトップです。

メディパルHDは、主に医療用医薬品や日用品、化粧品などの分野で活躍しており、数多くのグループ会社を持っています。メディパルHDは、それぞれの企業の親会社であり、基本的にはグループ運営が役割となっているため、実際の就職先としてはグループ会社に目を向けるといいでしょう。

医療用医薬品の企業が4社、日用品や化粧品を扱った企業が1社あり、他にもさまざまな分野の企業がありますので、グループ内だけでも就職の選択肢は広いと言えます。

②アルフレッサHD

アルフレッサHDは、売上高2兆5,764億円を誇る企業であり、シェア率は6.2%と業界トップクラスです。医療用医薬品やセルフメディケーションの卸売など、主に医療の分野で活躍している企業であり、全国に数多くのグループ会社を有しています。

また、専門商社でありながら、医薬品の製造や情報システムの開発をおこなうなど、卸売業だけに留まらない、幅広い事業展開も大きな特徴です。医療や医薬品などの分野は、高齢化社会を迎えるにあたって注目されている分野でもあり、今後もさらなる成長が期待されています。

アルフレッサHDも順調に成長を続けている企業であり、売上高を順調に伸ばし続けています。分野の特徴を踏まえても、将来性の高い企業と言えるでしょう。

③三菱食品

三菱食品は専門商社業界で第3位の売上高を持つ企業であり、売上高は約3兆3,830億円です。業界シェア率は5.7%とトップクラスであり、食品の卸売・流通・販売をおこなう企業として専門商社業界を支えています。

大きな特徴は、卸売だけではなく、流通や販売などもおこなっていることです。幅広い事業を展開によって利益を拡大し、単独の企業でありながら、業界でもトップ3に入る売上高を誇っています。

本社を東京に持ち、全国に事業所を持つなど、国内のいたるところに拠点を持っているのも特徴でしょう。卸売業に留まらない事業展開によって専門商社業界内でも高い地位を占めており、自社生産品にも定評があります。多くの顔を持つ企業であり、さまざまな仕事にチャレンジしたい人におすすめです。

専門商社ならではの魅力を知っておこう

商社業界と言えば、総合商社をイメージする人が多いですが、専門商社にも魅力はたくさんあります。特定の分野に限ってみれば、専門商社も負けておらず、場合によっては大手総合商社に勝っていることあります。

分野が限られているのは決してマイナスのポイントではなく、むしろ特定分野でプロフェッショナルとして活躍できるというメリットです。専門商社にしかないメリットや魅力を知り、業界や企業への理解を深めることが、就活攻略の第一歩です。

商社業界では、なぜ総合商社なのか、なぜ専門商社なのかと聞かれることも多いため、それぞれの違いは明確に把握しておかなければなりません。専門商社ならではの魅力を知り、業界への理解を深めて就活に役立てましょう。

専門商社の志望動機の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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