業界研究

証券会社の仕事内容|職種や日本の主要企業3社も紹介

証券会社の仕事が気になる就活生は多い

証券会社は、数ある会社の中でも平均年収が高く、努力に見合った給料を得ることができる会社です。就活サイトなどでも、給料の欄の金額が高く表示されているため、気になっている就活生も多いのではないでしょうか。しかし、給料が高い分、証券を取り扱うための専門知識や、商品を売り込むためのコミュニケーション能力、ノルマを達成するための向上心など、高い能力を必要とされる業種でもあります。

また、証券自体が学生にあまり馴染みがないため、証券会社の仕事内容をあまり知らない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、証券会社の仕事内容や大手証券会社について紹介します。証券会社に応募する前に、まずは証券会社の基礎情報を押さえておきましょう。

証券会社の仕事内容

証券とは、財産上の権利を示す証書のことを指しています。例えば、株式会社に出資した場合、株式と呼ばれる証券を得ることができます。また、国にお金を貸した場合には、国債と呼ばれる証券を得ることができます。

そういった証券の売買を代行したり、会社の資金を使って自分自身で証券を売買したりして収入を得る会社のことを証券会社と呼びます。証券会社の仕事内容は大きく「ブローカー業務」「ディーリング業務」「アンダーライター業務」「セリング業務」の4つに分けることができます。

ブローカー業務

ブローカーとは、英語で「仲買人」という意味であり、日本では特に株式仲買人のことを指します。証券取引所では、一般の方が個人で証券の売買をおこなうことはできません。その証券取引所に加入している証券会社のみ、証券の取引をすることが可能です。

そのため、一般の方は証券会社を仲介して取引をおこないます。その仲介を担う業務がブローカー業務です。また、為替市場において、銀行間での取引仲介もおこなっており、「外国為替ブローカー」と呼ばれています。

証券会社の仕事の中でも特に大きなウエイトを占めており、「証券会社の業務と言えばブローカー業務」と考えている方も多いのではないでしょうか。株の売買を仲介する手数料「株式売買委託手数料」を得ることによって利益を出しており、証券会社の大きな収入源となっています。

ディーリング業務

ディーリング業務とは、自社のお金を使って証券取引をおこなうことを指します。ブローカー業務は個人投資家のお金で証券の売買をおこないますが、ディーリング業務の場合は自社のお金を使うといった違いがあります。ディーリングをおこなうメリットは、大きく分けて2つあります。

ひとつが、単純に利益を増やせることです。証券取引のプロともいえる証券会社独自のノウハウを使い、ブローカー業務やアンダーライター業務などで得た資金をさらに増やすことができます。もうひとつが、売買が活発になることによって取引相手を見つけやすくなることです。

ただし、いくらノウハウがあっても、必ず儲かるとは限りません。ディーリング業務に資金を投入することによって、経営が不安定化する恐れもあります。また、個人投資家と利害の衝突が生まれてしまう恐れもあるのです。

アンダーライター業務

株式会社は、資金調達のために株式を発行します。しかし、発行しただけではお金にはならず、その株式を購入してくれる人を探さなければなりません。もちろん、自社で投資家を探す方法もありますが、株式取引のプロである証券会社に株式を買い取ってもらう方法もあります。株式を買い取り、購入してくれる人を探す業務のことをアンダーライター業務といいます。

証券会社は、買取った金額に手数料を上乗せし、投資家に販売することで利益を得ます。ただし、株式を買い取っているため、もしも売れ残りがあった場合には損をしてしまうリスクがあります。そのリスクを回避するために、複数の証券会社が団結して株式の買い取り・売買を行う引受シンジケート団と呼ばれる集団を作ることもあるのです。

セリング業務

株式会社が発行した株式を預かり、購入してくれる投資家を探す業務をセリング業務といいます。一見アンダーライター業務と似ていますが、その違いは株式を買い取るかどうかです。アンダーライター業務の場合には、株式会社が発行した株式を完全に買取ります。

そのため、もしも売れ残った場合には、損失が出てしまう可能性があるのです。一方セリング業務は、あくまで株式を預かり、投資家を探しているだけなので、売れ残りの株式を引き取る必要がありません。証券会社にとって、リスクの低い業務だといえるでしょう。アンダーライター業務はリスクがあるため、内閣総理大臣からの許可を得た証券会社のみおこなえますが、セリング業務の場合は許可をとる必要がありません。

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証券会社の仕事の種類

「証券会社といえば営業」と思う就活生もいるかもしれません。確かに、証券会社の花形といえば営業のイメージが強いですが、その営業をサポートする役割の事務や、顧客からの質問に答えるコールセンターの人がいなければ、証券会社は成り立たないでしょう。

証券会社に応募するうえで、証券会社の仕事の種類を知っておくことは最低限の知識と言えます。ここでは「営業」「事務」「コールセンター」の3つの仕事について詳しく見ていきましょう。

営業

新たに自社の証券会社口座を作成してくれる顧客の開拓や、既存顧客に新たな商材を紹介するといった仕事です。主に、企業主や大手企業役員の方などを対象に、アポイントを取りながら少しずつ信頼を得て、売り上げに繋げていきます。証券会社は、会社ごとの商品差はほとんどありません。

取り扱っている証券自体は多少異なりますが、基本的には他の証券会社で取引してもほとんど変わらないものばかりです。そのため、営業マンの力が特に試される業種だといってもいいでしょう。顧客へのアポイントを取ったり、飛び込み営業をしたりと、地道な作業が続く仕事ですが、証券会社の花形ともいえる仕事であり、1人1人の努力が収益を大きく左右するやりがいのある仕事です。

事務

証券事務は、主に株式の受注伝票整理や、書類のファイリング、データ入力などをおこなう仕事です。また、顧客に金融商品の紹介をおこなうこともあります。顧客の元へ契約を取りに行く営業をサポートする役目であり、裏方の仕事です。また、会社に窓口を持つ証券会社の場合には、窓口対応も事務がおこないます。

企業によっては電話対応をすることもあるでしょう。業務が幅広く、専門知識が必要な場面も多く出てきます。営業同様、常日頃から情報を収集し、知識を蓄えていくとともに、積極的に学んでいく姿勢も必要となるでしょう。あくまで営業のサポートですが、事務の働きが無ければ営業は力を発揮できません。営業をいかにサポートできるかが事務の力の見せ所といえるでしょう。

コールセンター

「口座開設に関する問い合わせ」「株価の照会」「取引画面の操作説明」など、顧客の質問に対して電話で答える仕事です。また、クレームなどの対応もおこないます。電話対応となるため、ジェスチャーや実物を確認しながらの説明ができません。そのため、言葉だけでわかりやすく伝える技術も必要となるでしょう。

基本的には、比較的簡単でテンプレのような問い合わせばかりとなります。しかし、中には証券に関する専門的な質問が来る場合もあります。知識がなければ、すぐに返答することができず、顧客に不快な思いをさせてしまうこともあるでしょう。そうなってしまうと、売り上げにも響いてしまうこともあります。特に覚えることが多く、忙しい仕事です。

証券会社の主要企業

世の中には、数多くの証券会社があります。「証券」という特殊なものを取り扱っているため、商品自体の差は出にくい業界ですが、それぞれの企業には特徴やポリシーがあり、それを押さえたうえで就活を行うことが重要です。

ここでは、特に有名な「野村ホールディングス株式会社」「大和証券グループ本社」「三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社」の3社についてまとめました。これから紹介する情報を踏まえた上で、自分にあった会社選択をおこないましょう。

野村ホールディングス株式会社

野村ホールディングス株式会社は1925年設立に設立された、世界の投資銀行ベスト50にもランクインしている日本最大手の証券会社です。スローガンとして「目指すのは今以上の未来」を掲げ、金融の面から豊かな社会の創造を目指しています。中でも、グローバル化に力を入れており、実際にアジアだけでなくアメリカやヨーロッパにも活動の手を広げている企業です。

また、「存在意義」「顧客第一の精神」「サービスの心構え」といった創業の精神十カ条をもとに、企業の発展を進めています。また、女性の管理職採用にも力を入れている会社であり、男性にも女性にもチャンスのある会社だといえるでしょう。

大和証券グループ本社

大和証券グループ本社は1999年に設立された、比較的新しい証券会社です。SMFG(三井住友フィナンシャルグループ)との合併契約をおこなっていましたが、2009年には経営哲学の相違により、合併契約を解消しました。現在では、不景気や年金システムの不安からニーズの高まっている「貯蓄から投資の時代」に合わせた成長戦略をおこなうと発表しています。

実際に、証券会社と個人との契約で、資産運用・管理・アドバイスなどをすべておこなう「ラップ口座」の国内シェアNo.1を誇っています。「お客様からの信頼が大和証券グループの基盤」の考え方をもとに、顧客第一の考え方で強い支持を得ています。また、企業理念として「人材の重視」を掲げており、特に離職率の高い証券業界の中でも、人材への配慮を忘れない経営をおこなっている企業です。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社は1948年に創業され、2009年に会社分割によって現法人が設立された証券会社です。「お客様の期待を超えるクオリティ」「企業価値の上昇」「株主の信頼に答える」といった経営ビジョンをもとに、成長を続けている会社です。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社の一番の特徴は、世界を股にかける金融機関であるMUFGグループと、モルガン・スタンレーの双方のネットワークやノウハウがあることです。多角的な視野と情報により、金融関連のニーズに答え、より顧客の満足度を上げることができます。また、三菱UFJ信託銀行などのグループ会社と協働することにより、他社と比べて多くの金融商品、多くのサービスを提供できることも強みだといえるでしょう。

証券会社の仕事内容をおさえて就活に役立てよう

証券会社の仕事は、決して楽なものではありません。「営業」にはノルマがあり、「事務」「コールセンター」には高い専門知識が必要であり、日々情報収集や勉強を行う必要があります。離職率が高く、平均勤務年数も短めと、シビアな業界のうちのひとつです。

しかし、平均年収は他の業界と比べて非常に高く、その努力に見合った給料を得ることができる業界だといえるでしょう。仕事にやりがいを求める人や、向上心がある人、コミュニケーション能力の高い人には特におすすめできる業界です。

証券会社に応募する際には、ここでご紹介した業務内容や仕事内容をチェックし、証券会社で自分のしたいことを突き詰めておくことが重要です。また、会社にはそれぞれ特徴があるため、その特徴を押さえた上で、自分にあった会社を見つけ、後悔しない就活をおこないましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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