筆記試験

【SPIと玉手箱の違い】出題方式や問題の内容をご紹介

SPIと玉手箱の違いが分からない就活生は多い

皆さんは、SPIと玉手箱の違いをご存知でしょうか。採用の選考過程で実施される試験であることに違いはないのですが、実は試験内容や制限時間、開発している企業などに違いがあるのです。他にも、テストのルールなど細かな部分で違いが生じています。

この記事では、意外と知らない人が多いSPIと玉手箱の違いについて解説していきます。SPIと玉手箱の違いが分かると対策も効果的にできますし、事前に知っておくことで心に余裕を持つことができるでしょう。就職活動では焦りは禁物です。事前の対策を念入りにおこない、周りの学生よりも一歩リードしましょう。

SPIはリクルート社の適性検査

まず最初に、SPIについて解説していきます。SPIは、リクルートキャリアが開発した性格適性検査です。正式名称は「Synthetic Personality Inventory」といいます。SPIは多くの企業が採用試験に導入していて、就活生であれば必ず一度は受験するテストといっても過言ではないでしょう。

出題方式は主に3つあります。「テストセンター」と呼ばれる会場に行き、会場内のパソコンで受験する方式と、自宅で受験できるWebテスティング方式、マークシート式で回答する筆記タイプの3つがあります。企業によって出題方式の指示が違うので、3つの出題方式を事前に覚えておくと、臨機応変に対応することができます。

出題方式

・ペーパーテスト
・テストセンター
・Webテスティング

SPIの出題方式について解説していきます。SPIの出題形式は主に上記の3つがあります。先述したように、テストセンターはSPI専用の受験会場に出向いて、テストセンター内のパソコンで受験をします。Webテスティングは、自宅のパソコンで受験する場合と、企業に出向いて企業のパソコンで受験する場合があるので、企業からSPI試験の案内が来たときはよく確認するようにしましょう。

Webテスティングの場合、現在ではほとんどの企業が自宅で受験するように指示していることが多いです。ペーパーテストは、問題が載っている冊子を見ながらマークシートに回答していく筆記形式です。近年ではペーパーテスト形式を採用している企業は減少している傾向にあります。ペーパーテストはテスト開始時に、問題冊子の全体に目を通すことができるので、最初に全問題を把握することができるメリットがあります。

ペーパーテスト

ペーパーテストはマークシートで回答していくタイプの受験方式です。問題が掲載されている冊子が配布され、マークシートに回答しながら問題を解いていきます。主に、選考を受けている企業に訪問して受験します。テストセンターと違い、問題の冊子が配布されるので、最初に全問題を見通すことができ、全体の問題量を確認することができます。

そのため、時間配分を考えながら問題を解き進めることができるのです。ペーパーテスト方式は、面接日と同日に実施することもあります。面接の後に筆記試験を受けてほしい」「待ち時間で試験を受けてほしい」と突然言われることもあります。鉛筆などの筆記用具は常に持ち歩くようにしましょう。

テストセンター

SPI受験で最も主流な方式であるテストセンターについて解説していきます。SPIの開発元であるリクルートキャリアが指定した会場に出向き、テストセンター内のパソコンを使用して受験します。企業が指定する受験期間中に、自分の都合のいい日時と会場を予約して受験することができる方式です。テストセンターは、筆記用具や電卓の持ち込みが禁止されています。

メモ用紙と筆記用具は貸し出し制になっているので、受付時に申し出て借りてください。電卓が使用できないので、数学問題は暗算で解くことになります。出題内容は人によって異なるので、当日同じ空間にいる人が、全員同じ問題を解くということはありません。テストセンターの受験結果は、他社の選考にも使い回しが可能な場合もあります。

Webテスティング

Webテスティングは、自宅のパソコンで受験する場合と、企業に呼ばれて企業内のパソコンで受験する場合があります。テストセンターと違う点は、電卓の使用が許可されていることです。また、自宅のパソコンで受験する場合は、企業が指定した期間中であれば自分の都合の良いタイミングで受験することができるので、多忙な人でも忙しさに一段落ついたタイミングで受験することができます。

注意してほしい点は、電卓の使い方についてです。Webテスティングは電卓の使用が許可されているので、数学問題も取り組みやすいと油断をしていると大変危険です。Webテスティングでは電卓を使いこなさなければなりません。時間内に確実に数学の問題を解くためにも、電卓をフルに使い、問題をスムーズに解いていかなければなりません。メモリー機能や消費税の計算などの便利な機能が付いている電卓を使用するようにしましょう。

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出題内容

SPIは、能力検査と性格検査から構成されています。能力検査では、言語、非言語問題が出題されます。企業によっては英語が出題される場合もあります。能力検査は、社会人になるために必須とされる基礎的な学力を図り、性格検査ではその人の人となりを知るための検査です。多くの企業では、言語、非言語、性格検査の3つの検査が出題されます。

基礎的な学力を調べるためでもあるので、基礎学力をしっかり身に付ければ対策は十分です。しかしながら、あくまでも採用試験の一環なので、対策を重ねて問題に強くならなければ高得点は取れません。しっかり対策をして、高得点を取得できるように勉強をしましょう。

言語

それでは、出題内容について解説していきます。まずは言語問題について説明します。言語とはいわゆる国語です。長文読解をはじめ、熟語や慣用句について出題されます。普段聞きなれない熟語や慣用句が出ることも多いです。

例えば、二語関係といって、提示された2つの単語の関係性を選択肢の中から選ぶ問題があります。他にも、語句の意味や、語句の用法、文章の入れ替え問題などがあります。特に難解なのが長文読解です。時間内に問題を解くためにも、長文を素早く理解して、問題に的確に回答していく力が必要といえるでしょう。

非言語

非言語問題は数学に当たります。数学の対策は、問題を解いて慣れていくことが重要です。公式を覚えておくことで問題をスムーズに解くことができます。推論、速度計算、確率などの問題は公式を覚えておくだけで、あらゆる問題に応用できます。

また、テストセンターでは電卓の使用が禁止されているので、暗算や筆算で問題を解かなくてはなりません。数学は練習問題を繰り返し解くことで、解き方を頭の中に刻むことができます。いざ本番で難しい問題が出ても、公式を使って何度も解いた経験があると、自然とコツが身についているので、速やかに解くことができます。

言語や非言語の対策について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

性格検査

性格検査は、約300問の問題から構成されます。回答方法は、質問文を読み「あてはまる」「どちらかというとあてはまる」「どちらかというとあてはまらない」「あてはまらない」という選択肢から回答を選びます。性格検査には正解がありませんので、質問文を読んで感じた、率直な感情に基づいて回答するようにしてください。

企業は、業務の適正や企業との相性を把握するためのひとつの指標として性格検査の結果を使用します。自分をよく見せようとして嘘をついて回答してしまうと、入社後のミスマッチにつながる可能性が高くなります。しかし企業は、求める人物像に近い人材を探し出すために採用試験をおこなっています。企業がどのような人物を欲しているのかを考えて回答することも、性格検査では重要なカギとなります。

SPI性格検査の対策について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

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玉手箱は日本SHL社の適性検査

ここからは、玉手箱の出題方式の説明や出題内容について解説していきます。玉手箱は日本SHL社が開発した適性検査です。SPIの次に導入している企業が多く、就活生であればSPIと玉手箱の2種の対策は必須といわれています。Webテストとテストセンター型の「C-GAB」と呼ばれる出題方式があります。

玉手箱は、制限時間内に正確に素早く解くことが求められるテストです。銀行や証券会社、コンサルティング業界などの採用試験として導入されていることが多いです。このような業界を志望している人は、玉手箱について事前に覚えておき、準備万端な状態で受験できるようにしてください。

出題方式

玉手箱には自宅で受験できるWebテストと、「C-GAB」と呼ばれるテストセンター方式の受験タイプがあります。自宅でできるWebテストは、電卓が使用可能で、企業から指定された期間内であれば自分の好きなタイミングで受験できるメリットがあります。

一方C-GABは、SPIのテストセンターと同様に、指定された会場に出向いて受験する必要があります。電卓の使用が禁止されているので、計数問題は暗算で問題を解かなければなりません。このように同じ試験であっても、出題方式によってルールが大幅に違います。2つの出題方式を覚えておくと、企業からどちらかを指定されても落ち着いて対応できるので備えておきましょう。

Webテスト

玉手箱は、Webテスト方式が主流の出題方式です。自宅のパソコンで受験できるので、企業が指定する受験期間内であれば、自分が一番集中しやすいタイミングが選べます。玉手箱はSPIと比較すると時間制限が短く設定されているので、問題を素早く解いていかなければなりません。

なるべくリラックスした状態で、集中しやすい環境で受験するようにしてください。玉手箱は銀行や証券会社、コンサルティング業界などの正確性を求める業界でよく採用されています。そのため、電卓を使用して素早く回答していくことが要求されているのです。SPI同様に、電卓の使い方を覚えてから受験すると、数学問題では有利に回答していくことができます。

テストセンター型のC-GAB

玉手箱は、前の項目で説明したようにWebテストが主流の方式でした。しかし2013年、「C-GAB」と呼ばれるテストセンター型の方式もリリースされました。それまでは、SPIでしかテストセンター方式は知られていなかったのですが、C-GABの登場で多くの企業が注目するようになり、採用試験でC-GABを導入する企業が増えました。

テストセンター方式はカンニング防止に特化していて、持ち物の制限だけではなく、受験者全員が同じ問題を解くことがないようにシステム化されています。Webテストでは電卓が使用許可されているのですが、C-GABは電卓が使用不可なので注意してください。電卓を持ち込みすることができないので、数学問題では時間内に素早く暗算しなければなりません。

出題内容

玉手箱の出題内容は、能力テストと性格テストの2つから成り立っています。能力テストは、計数、言語、英語の問題が出題されます。計数、言語問題は各3種類、英語は2種類の問題があり、全部で8種類の問題があります。企業は、この8種類から組み合わせて出題します。つまり、企業によって出題される内容が異なるのです。

企業独自の構成で出題するため、企業ごとに出題される分野がわからないということが最大の特徴です。また、スピード感をもって問題を解くことが求められます。じっくり考えてしまう癖がある人は、あっという間に制限時間になってしまうので要注意です。

計数

・四則逆算
空欄に数字を入れて方程式を完成させていきます。制限時間は9分です。計50問の問題が出ます。
 
・図表の読み取り
図表にまつわる問題が出題されます。制限時間は15分です。計29問出題されます。
 
・表の空欄の類推
空欄のある図表を見て、正解を導き出します。制限時間は20分です。計20問出題されます。単純計算ですが、1問を1分で解いていく必要があります。

計数の問題では、四則逆算、図表の読み取り、表の空欄の類推が出題されます。Webテストでは電卓を使用しても大丈夫なので、試験を受ける際は必ず電卓を使って問題を解くようにしてください。

言語

・GAB形式
長文問題です。問題に対して「正しい」「間違っている」「どちらでもない」の3つの選択肢から回答します。制限時間は15分です。1つの長文問題に対して4問の設問があります。計8つの長文問題があり、全部で32問出題されます。
 
・IMAGES形式
長文問題と論旨把握問題が出ます。長文問題は「筆者が一番訴えたいこと」「筆者が一番訴えたいことではない」「本文には関係ない」といった3つの選択肢から回答を選びます。制限時間は10分です。1つの長文問題に対して4問の設問があります。

玉手箱の言語問題は、IMAGES形式、GAB形式という2つの形式があります。IMAGES形式、GAB形式ともに長文問題であることは一緒ですが、選択肢の候補と制限時間数が異なります。そして、SPIと決定的に違うのは、語彙力を試す問題があまり出題されないことです。玉手箱の言語問題では、文章を論理的に理解して判断する力が試されます。

計8つの長文問題があり、全部で32問出題されます。論旨把握は長文を読み、選択肢の中から筆者の訴えに最も近いものを選択します。論旨把握の制限時間は12分で、10問の問題が出題されます。

英語

玉手箱では英語の問題も出題されます。こちらもIMAGES形式とGAB形式の2つの形式が存在しますが、どちらも同じ長文問題です。8つの長文から3問ずつ出題され、計24問の出題となります。制限時間はIMAGES形式、GAB形式ともに10分しかありません。

素早く文章を読み解いて解答していかなければなりません。長文読解は、長文を読み解く力が必要になります。単語力はもちろんのこと、文法や慣用句の勉強もしてください。そして、物語の順序を予測しながら読んで理解する力もつけておきましょう。

英語の長文は単語を知らなければ理解が難しく、スムーズに把握することが極めて難しいので、なるべく単語の勉強に注力して対策をしましょう。また、素早く問題を読んで内容を理解することも重要なスキルです。英語の速読力を鍛える特訓も欠かさずしておきましょう。

性格テスト

玉手箱の性格テストは、約200問程度の質問が出題されます。「人に対してどのように接する人物であるのか」「問題に対してどのように判断して行動するのか」「感情をコントロールする力はあるのか」といった人柄を診断する内容が出題されます。

あくまでも性格適性検査なので、素直な心情で取り組むことが求められます。しかし、SPIと同様に、質問によっては業務の適正配置を踏まえて好まれやすい回答の傾向は存在します。例を挙げると、営業職を希望しているのに、内気で人と話すのが苦手だと判断されてしまうような回答は避けるべきといえるでしょう。

営業職であれば、コミュニケーション力が高く、新規開拓をしていけるような行動力を持っている人の方が好まれます。回答する際は、希望する職種をイメージしながら回答しましょう。

玉手箱対策について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

SPIと玉手箱の出題方式や内容をおさえて対策しよう

世界中に企業が何万、何千と存在するように、採用試験の種類も多様に存在しています。書類選考を通過してやっと面接に進めると思ったら、筆記試験やWeb試験が待ち構えていることは多いです。面接だけのつもりで訪問した企業先で、突然SPIや玉手箱のような試験を受験をさせられることもあるかもしれません。

試験を受けることを想定していなかったとしても、焦ることはありません。今からきちんと対策を重ね、SPIや玉手箱はどのような問題が出題傾向にあるのか事前に把握しておくことで、落ち着いて対応することができます。

多忙な就活生にとって、試験対策は時間がかかって面倒かもしれませんが、毎日少しずつやることで、知識を積み重ねることができます。明日からでも構いませんので、SPIと玉手箱の違いをしっかり把握した上で基礎力を身につけ、応用力がつくような対策をしていきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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