業界研究

【損保の就職完全ガイド】業界研究をして仕事内容を知っておこう

損保に就職したい

損保は金融業界に属する分野のひとつで、民間の中では特に安定性が高いことが特徴です。保険の分野は需要が一定しているため、雇用も安定しており、安心を求めて就職したいと考える人は多いでしょう。また、業界全体の給料も高く、好条件で採用してもらいやすいことも、人気の理由のひとつです。

損保は学生人気が高いため、当然倍率も高く、就職するには業界について理解を深めておかなければなりません。「安定しているから」「条件がいいから」などの理由では選考を突破することはできないため、業界や企業を知り、他の業界と差別化した志望理由を考えることが大切です。

損保とは

損保への就職を目指すなら、そもそも「損保」とはどのようなものなのか理解しておくことが大切です。金融業界への就職を考えたとき、損保という言葉自体は頻繁に耳にするものの、実際のどのような業界、分野なのか知らない人は多いのではないでしょうか。何をやっているのか、他の保険業種との違いは何なのかを知ることが、本当の意味での業界理解に繋がります。

損害保険の略

損保は正式名称ではなく、「損害保険」の略称です。就活中に耳にするのは損保という言葉が多いでしょうが、実際に使う際は略さずに損害保険と言わなければなりません。損害保険は何らかの損害、つまり物の故障や自身の怪我などに対する保険を指します。「火災保険」や「自動車保険」などの他に、「傷害保険」「旅行保険」なども損害保険です。

ひとくちに損害保険といっても幅は広く、損害保険というジャンルから、さらに細かく各種保険に分けられると考えましょう。保険の種類が多いだけに、企業ごとに扱う保険、強みのある分野は違います。企業ごとの志望動機を考える際には、その企業が強みを持つ保険や分野に注目するといいでしょう。

生命保険との違い

保険業界でメジャーなものは「損害保険」の他に「生命保険」も挙げられます。損害保険の中の傷害保険は、生命保険とやや重なる部分がありますが、両者は違うものであるため、混同しないよう注意しましょう。生命保険は怪我や病気、死亡などに対する保険です。生命保険の種類には、「死亡保険」や「がん保険」「医療保険」などがあります。

また、働けなくなったときの収入を保障する「収入保障保険」や、将来の経済リスクに備えるための「養老保険」「個人年金保険」など、収入に関する保険も多いです。一部例外はありますが、基本的には損害保険は物に対する保険、生命保険は人に対する保険と覚えておきましょう。

あなたが損保に向いているか、確認してください

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損保の仕事内容

損保への就職を目指すなら、どのような仕事があるのかを知ることも大切です。仕事内容を正しく理解していることで、業界・企業研究ができていることが伝わり、好印象を与えられます。仕事は実際にやってみるまで深く理解することは難しいですが、ある程度なら事前に把握することは可能です。

仕事内容を知ることで本当に適性があるかも考えられるため、ミスマッチを防ぐためにも役立ちます。就活をスムーズに進めるためには、仕事内容の理解が欠かせないため、職種ごとの仕事の違いを正しく把握しておきましょう。

窓口業務

窓口業務は、銀行や代理店で保険の加入受付や説明、給付金の計算などをおこないます。業務の幅は広く、接客から事務作業まで担当するため、仕事量は多くなりやすいでしょう。銀行や代理店と働く場所は複数ありますが、どこで働く場合も自社保険の正しい知識を持っていることが大切です。

お客様に合った保険をすすめ、詳細を説明する必要があるため、保険への高い理解が求められるでしょう。また、お客様から問い合わせがあった際は、その疑問に答えることも窓口業務のひとつです。お客様対応がメインの仕事であるため、コミュニケーション能力が求められ、難しい保険を分かりやすく論理的に説明することが求められます。

営業

営業は、代理店や法人に自社保険商品をすすめることが主な仕事です。保険は保険会社が代理店に売り込み、そこから一般のお客様へと広がるため、営業は重要な仕事と言えます。代理店は損害保険だけと扱う場合もありますが、その他の保険や別の企業の保険を扱うこともあります。

自社保険を優先的に販売してもらえるよう、メリットを提示しなければなりません。法人営業は企業に直接保険商品を販売する業務であり、動くお金も大きくなりやすいことが特徴です。企業の規模によって金額は異なりますが、従業員数が多く、加入者が多いなら一度で多額の利益が得られます。法人営業は損保会社の重要な収入源であるため、営業でも重要視される仕事のひとつです。

商品開発・企画

商品開発・企画は、自社で扱う保険商品の企画、開発をおこなう仕事です。保険の需要自体は一定してあるものの、時代の変化によって求められる保険は異なります。同じ内容の保険がいつまでも求められるとは限らないため、市場の需要や景気の変動に応じて、その時代に合った保険商品を考えることが主な仕事です。

また、新規保険商品の開発だけではなく、従来の商品の内容を見直すことも重要な仕事です。保険に関する法律は変更されることが多いため、法改正に伴い、従来の保険商品の内容も見直さなければなりません。市場の需要を読む力だけではなく、保険や法律に関する高い知識が必要な仕事と言えます。

損保に就職するために必要なこと

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損保は人気の就職先のため、必要な条件を満たしていないと選考を突破するどころか、応募すらできない可能性もあるため注意が必要です。また、反対にハードルが高いだけに厳しい条件が求められるとイメージされることも多いですが、実はそうとも限りません。損保は就職ハードルが高いですが、新卒なら挑戦しやすく、求められることもそれほど多くはないでしょう。

学歴は大卒以上

損保に就職するには、大卒以上の学歴が必要なことがほとんどです。これは高専卒では選考で不利になるという意味ではなく、そもそも求人すら出ていないことも多いです。企業からの求人があり、応募資格を満たすのは大卒以上が基本になるため、損保を目指すなら大学を卒業しなければなりません。

もちろん、これは正社員に限ったことであるため、派遣で働く場合は、大卒以上でなくてもOKな場合もあります。しかし、派遣から正社員になるには、やはり大卒以上の学歴が求められることがほとんどであり、派遣で働く場合でも大卒が優遇されることが多いです。大学卒業がスタートラインになるため、新卒で就職するならしっかり単位を取得し、確実な卒業を目指しましょう。

学部・学科は関係ない

損保では大卒以上の学歴が求められますが、学部や学科はほとんど関係ありません。損保は金融業界に属するため、経済や経営、商学部などが有利になるとイメージされがちですが、学部・学科による優遇はほとんどないと考えましょう。これは文系・理系でも同じことで、どちらであっても同様に就職のチャンスはあります。

もちろん、保険や保険に関する法律の勉強をしている場合は有利になることが多く、就職後のキャリアに関係することも少なくありません。損保の中でも専門職にキャリアアップしたいなら、保険や金融関係の専門的な知識を学ぶ必要があります。選考に影響するのは何を学んだかであり、学部や学科は関係しないことは知っておきましょう。

必須資格はない

損保は就職のハードルが高いものの、必須の資格があるわけではありません。新卒なら無資格未経験でも挑戦は可能で、就職の門戸は広く開かれているでしょう。転職の場合は能力や資格、キャリアが求められることも多いため、損保に就職するなら新卒が有利ともいえます。

もちろん、必須の資格がない=資格が評価されないわけではありません。保険関係や金融関係の資格は、持っているとプラスに働くことが多いです。必須資格がないのは、あくまで応募条件になる資格がないだけで、有資格者のほうが優遇されやすいことは理解しておきましょう。資格を持っていると必ずしも合格するとは限りませんが、仕事で活かせるものなら高く評価されやすく、就職できる可能性も上がります。

損保就職で知るべきこと

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損保に就職するなら、知っておくべきこともいくつかあります。損保は「安定している」「学生に人気」などのイメージがありますが、実際に就職するなら現実を知ることが大切です。理想と現実にギャップがあると、就職してから後悔する可能性があります。長く続けられない場合もあるため、注意しなければなりません。

3メガ損保は超難関

業界大手の企業は、どこでも就職の難易度が高いですが、損保の場合は特に就職のハードルが高いため、注意しなければなりません。損保の大手企業は「東京海上ホールディングス」「MS&ADホールディングス」「SOMPOホールディングス(旧:損保ジャパン日本興亜ホールディングス)」の3つが挙げられます。これらは3メガ損保と呼ばれ、就職ハードルの高い損保業界の中でも、超難関であることは理解しておきましょう。

大手なだけに就職の条件もよく毎年学生人気が高いですが、就職できるのはほんの一握りの人たちです。3メガ損保すべてに応募しても、全落ちする可能性が非常に高いため、別の選択肢を持つことも大切です。損保は他にも数多くあるため、全落ちのリスクを回避するためにも、3メガ損保以外にも目を向けましょう。

東京海上ホールディングス

東京海上ホールディングスは様々な形の保険会社を運用するグループ企業であり、純利益だけでも国内最大の損保グループとしても有名です。

傘下企業には損害保険以外にも、生命保険や国外を中心とした海外保険事業、金融や不動産などに関わりのある事業をおこなう企業が複数存在します。特に近年加入者が増えつつある少額短期保険事業のイーデザイン損害保険もその傘下にあり、損害保険業界内でも多角的な保険売買をおこなっているのが特徴といえます。

東京海上は他のメガ損保や損害保険企業と比較しても抜きん出ている部分があり、また保健事業もグローバルに事業展開をしている点からも、今後さらに事業展開の伸びしろがあると考えられる企業でもあります。

MS&ADインシュアランスホールディングス

MS&ADインシュアランスホールディングスは一見すると名称で分かりにくいですが、こちらも日本発祥のメガ損保企業のひとつにあたります。特徴としては、損害保険業以外に生命保険や不動産事業、人材派遣事業やリスクコンサルティング事業などをおこなう傘下の子会社が存在していることです。傘下企業が保険業以外の業務をおこなう企業が全体の6割ほどを占めているのも、MS&ADの特徴といえるでしょう。

また、損害保険においてはインターネットと電話でのみ契約を受け付ける形の三井ダイレクト損害保険を子会社としており、インターネットを頻繁に使う世代に対して優位な事業展開をしているというのも特徴になります。

このようにMS&ADは一般の顧客だけでなく、企業を顧客とした事業にも大きなつながりを持っているメガ損保であるということです。

SOMPOホールディングス

SOMPOホールディングスはメガ損保の中でも珍しく、子会社が住宅リフォームや介護事業などの一般顧客の目に入りやすい事業にも、多く参入しているのが特徴の企業です。また子会社である損害保険ジャパン日本興亜の傘下にも損害保険会社が存在しているなど、子会社や孫会社に至るまで損害保険を扱っているのが、SOMPOのもうひとつの特徴と言えます。

こちらも海外保険事業を展開している企業でもあり、元々の子会社の事業展開と合わせても幅広い業務に携わっていることになります。そういった認知度の高さもあってか、他の同業種の企業と比較しても、損害保険業では国内マーケットのシェアでトップクラスを誇っています。

またヘルスケア関連の事業もあわせておこなっていることから、損害保険とヘルスケア事業をかけ合わせた業務なども展開しているようです。

あなたが損保に向いているか、適性を確認してください

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給料は高い

金融業界は安定と高給が強みですが、損保も例外ではありません。損保は金融業界の中でも特に給料が高い企業が多く、働き次第で若いうちから高い年収を目指すことも可能です。特に給料が高くなりやすいのが営業であり、これはインセンティブ報酬を採用している企業が多いことが理由です。

固定給自体も高水準で設定されていますが、これにプラスしてインセンティブ報酬が入ることで、さらに高い給料を得ることができます。もちろん、インセンティブ報酬は実績に影響するため、すべての人が該当するわけではありません。より多くの顧客を獲得し、実績を積んだ人が、若年層でも高い給料を手にできると考えましょう。

仕事量は多め

安定と高給が損保業界の魅力ですが、反面仕事量が多くハードになりやすいことは理解しておきましょう。損保は基本的に顧客相手の仕事になるため、相手の都合に合わせて動かなければならないことも多いです。そのため、就業時間が不規則になることも多く、1日中歩き回るということも少なくありません。

また、自社保険を理解するための勉強も必要であり、仕事をしながら常に質の高いインプットが求められます。自社保険を理解するには、商品の特徴や性質を知るだけではなく、保険関係の法律の知識も身につけなければならず、法改正のタイミングでさらに勉強量は増えます。純粋な仕事量はもちろん、仕事を円滑に進めるための勉強量が多く、ハードな仕事であることは理解しておきましょう。

損保業界を正しく理解して就職しよう

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損保業界は学生に人気の就職先ですが、イメージだけで就職を目指す人が多いのも事実です。損保業界は有名な企業も多く、安定や高給などのイメージもありますが、実際には大変なことも数多くあります。理想だけを見て就職すると、実際に働いてから後悔することも多く、長く続けられない場合もあるため、注意しなければなりません。

また、業界や企業への理解が深められていないと、そもそも選考を突破することすら難しいです。損保業界は倍率が高いため、大手になるほど難関になります。選考を有利に進めるには、業界・企業研究を徹底しておこなわなければなりません。イメージだけではなく、業界や企業に関する正しい知識を身につけ就職を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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