業界研究
【ホテルで働くには何が必要?】求められる能力や就職事情をご紹介
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目次
ホテルで働くことに憧れる人は多い
高級感溢れる非日常の空間や華々しいイメージから、ホテルで働くことに興味を持つ人は多いでしょう。近年は新型コロナウイルスの影響で客足は遠のいていますが、私たちの生活になくてはならない存在です。
人気で倍率が高い業界ですので、選考を通過するにはホテル業界全体の理解を深めておく必要があります。ホテルを使用したことがあっても、具体的な仕事内容、業界の特徴を細部まで理解できている人は少ないです。
漠然としたイメージだけでは選考でつまずいたり、就職しても理想と現実のギャップに悩んでしまう恐れもあります。ホテル業界の仕事とはどのようなものなのか理解を深め、就活を有利に進めましょう。
ホテル業界の就職事情とは
まずはホテル業界の就職事情を知り、就職に関する基礎知識を身につけておくことが大切です。ホテル業界の実態を知っておくと、自分のやりたい仕事にマッチするか確認することができます。
また、ホテル業界に対する理解を深めておくと、具体的な志望動機の作成に役立てることも可能です。ホテル業界に関して知っておきたいポイントは、大きく3つに分けられます。就職事情を正しく把握して、選考を受ける企業を決めましょう。
学歴や資格は不問が多い
ホテルの仕事には多様な人材が携わっているのですが、これは応募条件の設定が関係しています。企業による違いはありますが、多くのホテルでは応募条件として学歴や資格の有無は関係ありません。無資格未経験でも挑戦可能で、学歴も高卒から専門卒、大卒まで幅広く採用しています。
新卒採用の場合は、大卒のみで採用枠が分けられていることが多く、基本的には高卒や専門卒の人と直接ライバルになるわけではありません。しかし、その他区分で採用された人も同日に入社するため、選考時に見た人数よりも、同期の数が多いということもあるでしょう。
調理系のスタッフに関しては、専門学校の卒業が必要な場合もあるため注意が必要です。
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就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
強み・弱みを理解し、自分がどんな仕事に適性があるのか診断してみましょう。
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語学力があると有利になりやすい
無資格未経験でもチャレンジできるのがホテルの魅力ですが、能力があるに越したことはありません。多様な能力が求められるホテルの仕事でも、特に重宝されるのは語学力です。
訪日外国人観光客の増加に伴い、ホテル業界全体のインバウンド需要は増大しています。(引用:「訪日外客統計(報道発表資料)JNTO(日本政府観光局)」)そのため、ホテルには国内観光客だけでなく、多種多様な国からの観光客も訪れるでしょう。外国語を使える人は、海外の観光客に対しても接客ができるので、仕事をする上で貴重な人材になることができます。
英語はもちろん、その他言語も操れると評価に繋がりやすいため、選考を有利に進めることができます。少なくとも、日常会話レベルの英語は使えるようにしておくと良いでしょう。
TOEICや英検など、語学力に関する資格を持っているなら定量的にアピールしやすいですが、英語でコミュニケーションが取れるなら問題ありません。資格を持っていない場合は、語学を使った経験をアピールしましょう。
英語力が求められるケースについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
業務内容が多いので職種が豊富
ホテル業界は業務内容が多く、職種が豊富です。そのため、自分に合った働き方を見つけやすいのがホテル業界の特徴と言えます。
ホテルの仕事と聞いてイメージされやすいのが、フロントの仕事です。フロントはホテル業務の中心とも言えますが、他にもさまざまな仕事があることは覚えておきましょう。宿泊関連だけでいっても、フロントからロビースタッフ、ドアマン、客室係、インフォメーション、コンシェルジュまで幅広くあります。
また、規模の大きいホテルなら宿泊以外の事業も展開しており、レストランのホールスタッフや宴会係という仕事もあります。ホテル運営まで考えると、開発や法人・団体営業、予約の受付や管理と業務は豊富です。
ただし、部署異動により同じホテル内でも業務内容が大幅に変わる仕事であるということを忘れないようにしましょう。
その他、ホテル業界の実態については別の記事で紹介しています。併せて読み、業界研究に役立ててください。
ホテルで働くために必要な4つの能力
ホテルへの就職を目指す上で求められる能力を知り、就活でアピールしましょう。業務内容は多様であるため、求められる能力も多種多様です。就活を始める前に、スキルをしっかり磨いておきましょう。
新卒はポテンシャル採用が基本ですので、最初からすべて完璧にできる必要はありません。その代わり、「成長してくれそうか」といった将来の可能性を感じてもらえる伝え方をしましょう。そのためにも、求められるスキルを知っておくことは重要であると言えます。
ホテルで働くために必要な能力は、「コミュニケーション能力」「マナーや気配りの心」「協調性」「体力」の大きく4つです。それぞれなぜ必要なのか、理由と併せて紹介していきます。
これらを身につけるには何をすれば良いか、考える参考にしてください。
①コミュニケーション能力
ホテルでの仕事は人と関わるのが基本のため、コミュニケーション能力は必須です。ホテルの利用者を快く迎え入れる立場であるスタッフには、より高いコミュニケーション能力が求められます。
コミュニケーション能力は大きく「聞く力」と「話す力」に分けられ、特に重要視されるのは「聞く力」です。お客様が何を求めているのかを聞き、相手が望むものに合わせてサービスを提供するのが、理想的な接客といえます。
その時のポイントは、相手が望むものを引き出すことです。自分の思うままにサービスを提供するだけでは、自分勝手な押しつけになってしまいます。
また、ホテル利用者だけでなく、職場の人と連携する上でもコミュニケーション能力は必要です。ホテルではさまざまな職種の人がいるため、お互いの状況報告や連絡をする際に、確実な情報伝達が求められます。
サービスは求められることに対して提供するのに意味があるため、それを見極めるためにもコミュニケーション能力は必須と言えるでしょう。
コミュニケーション能力を向上させる方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます。
そんな時は「適職診断」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。
適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。
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②マナーや気配りの心
ホテルの利用者に快適に過ごせるよう、ビジネスマナーだけでなく、更に一歩進んだ接客のマナーも身につけておきましょう。
ホテルはゴージャスな雰囲気や、非日常の空間をサービスとして提供しています。利用者が快適に過ごせるようにするためにも、雰囲気を壊さないようマナーを身につけておかなければなりません。どんなに施設が優れたホテルであっても、従業員のマナーが悪いとせっかくの雰囲気も台無しになってしまいます。
また、快適な雰囲気づくりには気配りの心を持つことも重要です。求められたものを提供するだけではなく、求められる前に察して提示することが満足度に繋がります。
たとえば、館内でホテル利用者と会った際に挨拶をするといった些細なことでも構いません。少しの気遣いを積み重ねることで、最終的にはホテル利用者に満足してもらえます。
人をよく観察し、求めているものを見抜く洞察力や、先回りして動ける行動力を磨いておきましょう。
③チームで働ける協調性
ホテルの仕事は多くの場合、チームで動くことを前提とします。フロント係のようにお客様と一対一で向き合うこともありますが、スタッフ同士で情報を管理し、共有する必要もあるでしょう。
ホテルではチームで働くのが基本であるため、お互いに支え合える協調性が必要です。ホテル利用者がチェックアウトしたら部屋を清掃するといったように、常に連絡を取り合って仕事を進めています。同じホテル内でも役割の異なるスタッフが多いので、連絡や報告は必須です。
もし、自分勝手に行動するとスタッフ同士の輪を乱すだけでなく、場合によってはお客様にも迷惑をかけてしまう恐れがあります。周りに気を配りつつ、自分にできることを考えて行動できるようにしておきましょう。
ホテルとしての看板を背負っていることも忘れず、スタッフ同士協力してミスなく確実に仕事をすることが大切です。
④立ち仕事も多いため体力も必要
ホテルでの業務は立ち仕事も多く、肉体的にハードなことも少なくありません。そのため、体力があることも求められるスキルと言えるでしょう。これもどの部署でも共通して言えることです。
たとえばフロント業務なら、8時間勤務のうち8時間ずっと立ちっぱなしということも少なくありません。お客様第一で働くためにも、常に動ける体力があると良いでしょう。
夜勤の場合は慣れない生活環境となり、体調を崩してしまう恐れもあります。その他ベッドメイキングや厨房になると、立ち仕事に加えて力仕事も多くなるでしょう。元気に働き続けるためにも、基礎体力を鍛えておくことが大切です。
ホテルで働くために必要なスキルについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。
ホテルの実情を知って就職することが大切
ホテルの仕事は一見すると華やかで、憧れる人も多いです。おもてなしの心を大切にし、お客様に喜んでもらうために働く姿はかっこよくみえるものです。しかし、ホテル業界を志望して就職したのにも関わらず、すぐに退職してしまう人が多いのも事実です。
2019年に厚生労働省が公表した雇用動向調査の結果から、2019年における「宿泊業、飲食サービス業」の離職率は33.6%と他の職業と比べて圧倒的に多いことがわかりました。
出典:「-2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概況-|厚生労働省」
ホテル業界に限らず、離職の原因になりやすいのが「入社前のイメージと実際の仕事内容におけるギャップ」です。ホテルでの仕事内容を知る機会は限られているため、実際に働いてから「思っていたのと違う」と感じてしまう恐れがあります。
入社後のギャップを減らすためにも、事前に業界・企業研究、自己分析は徹底して取り組みましょう。
シティホテルやビジネスホテル、高級ホテルなど種類によって仕事内容は大きく異なります。また、就職したホテルが自分のイメージとは違うこともあるでしょう。志望するホテルはどのような場所なのか、詳しい仕事内容なども合わせて理解しておくことが大切です。
ホテルで働く上で覚えておきたい注意点3つ
ホテルでの仕事は魅力的に映りやすく、華やかなイメージから就職を希望する人は少なくありません。実際にイメージ通りに魅力的な部分もありますが、理想とは違った現実もあるため注意が必要です。
漠然としたイメージだけで就職して失敗しないためにも、ホテルの仕事に関する注意点を把握しておきましょう。覚えておきたい3つの注意点を知り、ホテル業務の実態を正しく理解してください。
①希望する仕事ができるとは限らない
ホテルでの仕事は多岐にわたりますが、募集時は総合職のみとなっていることが多いです。つまり、採用が決定してから個人の適性によって部署の振り分けとなり、必ずしも希望する仕事ができるとは限りません。
フロント業務を希望していても、レストランに適性があると判断されればキッチンに配属されることがあります。また、フロント業務がある宿泊部に配属されても、ロビーや客室係といったフロントには立たない仕事を任されることもあるでしょう。
仕事の範囲が広いため、異動によってやったことのない新鮮さを味わいやすい反面、本当にやりたいことが実現するまで時間がかかりやすい点には注意が必要です。
もちろん、意思を伝えていればいずれ希望する仕事に携われる可能性はあります。自分の役割をこなし、ホテル全体に貢献する意識を忘れないようにしましょう。
②優雅なイメージとは異なり地道な仕事が多い
ホテルは外観から内装まで豪華であり、一歩踏み入れるだけで非日常の世界が広がっています。多くの人がイメージする通り、空間自体は優雅である反面、仕事内容は地味であることが一般的です。
たとえばフロント業務で見ると、お客様の予約状況を確認したり、代金の精算をおこなったり、鍵を渡したりします。決まった仕事を繰り返すことを地味に感じる人もいるでしょう。
お客様への接客はもちろんありますが、それだけではなく黙々とこなす仕事も多いことは理解しておきましょう。
③ホテルによって求められるスキルが異なる
ホテルで働くと考えると、「優雅な空間でサービスを提供する」とイメージする人が多いでしょう。非日常な空間で質の高いサービスを提供するのは大切なことですが、どの程度のサービスが求められるかはホテルのグレードによって異なります。
一般的なビジネスホテルと比べて、高級ホテル、ラグジュアリーホテル、リゾートホテルではより高度な接客スキルが求められます。
また、ビジネスホテルでは接客の質よりも作業の速さが求められ、「いかに素早く必要最低限のサービスを提供できるか」が重要になります。理想と現実のギャップが出やすいポイントといえるため、就職先選びの際にはホテルのグレードも把握しておきましょう。
ホテルの主な種類
・シティホテル:一人でも複数人でも対応でき、都心部に多く立地する
・ビジネスホテル:出張で訪れるサラリーマンを対象に、比較的安価で宿泊できる
・リゾートホテル:観光地の近くに立地し、館内は広く豪華な作りとなっている
ホテルの主なグレード
- ラグジュアリー(最高級、豪華)
- ハイエンド(高級)
- ミドル(中級)
- エコノミー(普通)
- バジェット(低料金)
ホテルで働くなら知っておきたい専門用語
ホテルで働くことを志望するのであれば、業界で使われている専門用語をチェックしておきましょう。ホテル業界にも、独自の言い方や表現があります。
専門用語を知っていると、企業説明会やOB・OG訪問の時に話を理解しやすくなります。要するに、ホテル業界を理解しやすくなるのです。
基本的に選考で専門用語について質問されることはありませんが、業界研究の一環として事前に知っておくと役立つでしょう。
もちろん、ホテルのグレードや職種によってもよく使われる専門用語は異なります。どのホテルでも使われる専門用語を、例として以下より2つ紹介します。
ホテリエ
ホテリエとは、ホテルで働く人のことを指す言葉です。これまでホテルで働く男性を「ホテルマン」、女性を「ホテルウーマン」と呼ぶことがありましたが、近年では男女どちらにも使える言葉として「ホテリエ」が使われています。
従来のホテルマンという言葉は英語で、ホテルの支配人や管理人という意味合いが強いものでしたが、日本ではホテルで働く人全般を指す言葉としてよく使われていました。しかし、「ホテルマン」は男性を表す言葉になるため、女性は「ホテルウーマン」と呼ばれていたのです。
一方の「ホテリエ」はフランス語でホテルで働く人を指す「オテリエ」から来ています。近年では、主に男性を表す「ホテルマン」よりも、男女関係なく使える「ホテリエ」がメジャーになっています。
コンシェルジュ
コンシェルジュは、宿泊客に対する接客をおこなう職種を表す言葉です。フロントも同じく接客が主な仕事となりますが、チェックイン・チェックアウトなど受付業務をおこなうフロントに対して、コンシェルジュはホテル内外の情報やサービスについて案内するのがメインとなります。
ホテル近辺の飲食店を紹介したりタクシーを呼んだりと、お客様のリクエストに答えるのが仕事です。日本ではコンシェルジュサービスがあまり知られていませんが、欧米などではとてもメジャーなサービスです。
外国人観光客は、コンシェルジュを利用することも多く、柔軟な対応が求められるでしょう。特に海外のホテルで就職を考えている場合には、コンシェルジュの役割をしっかりと理解しておく必要があります。
志望先のことを正しく理解しよう
優雅な空間で高品質のサービスを提供するホテルは、華々しいイメージから憧れを持つ人が多いです。実際にイメージ通りな場合もありますが、ホテルによってどこまで該当するかは違うため注意しなければなりません。
多くの人がイメージするように高級ホテルから、もっとカジュアルなホテル、より事務的になったビジネスホテルまで、業界内でも幅は広いです。どのホテルに就職するかによっても仕事の内容や求められるものの違いは大きく、就職先はじっくり吟味しなければなりません。
志望先のことを正しく理解し、しっかり情報を得てから就職を目指すことが大切です。理想と現実のギャップを埋め、就職後に後悔することのないよう徹底した準備をして、ホテルで働く第一歩を踏み出しましょう。