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理系の学生や院生は就活で研究概要を問われることがある
就活で企業を選ぶ際に、大学で学んだ専門知識を活かせる分野の企業や研究職を選ぶ就活生は多いでしょう。その中でもとくに、理系の学生や院生は、大学でおこなっている研究の概要を問われることがあります。それは就活生自身が理系学生や院生だからという場合もありますし、志望する先が研究職だからという場合もあるでしょう。
就活で研究概要について問われた場合、どのように答えればよいのかを理解しておく必要があります。専門用語はどの程度使ってよいのか、重視されるのは研究の中身なのか、それとも説明の仕方なのかなど、疑問は尽きないでしょう。
そこで、研究概要の答え方や、押さえておくべきポイントなどをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
就活のエントリーシートなどで研究概要を問う目的
そもそも、採用担当者はなぜ就活生の研究概要について問うのでしょうか。「なぜこの質問をするのか」の根本について考えるのは、とても大切なことです。しっかりと質問の意図を汲んで答えなければ、「知りたいのはそこじゃない」と思われるような、的外れな回答になってしまいます。
まずは、「なぜ研究概要について問われるのか」をしっかりと把握しましょう。意図を把握した上で答えを組み立てると、より説得力のある主張になります。
文章能力やわかりやすく伝える力をみるため
社会人としてまず必要とされる能力は、「文章能力」と「伝える力」です。機械化の進んだ現代で文章能力なんて、と思う人もいるでしょうが、文章能力、あるいは日本語能力が必要ない職場は、日本にはありません。
研究論文を作成する、成果発表のプレゼンをする、会社の上司や同僚とコミュニケーションをとるなど、どんなときにも文章力は必要です。物事を順序立てて説明すること、「いつ・だれが・なぜ・どこで」などを明確に伝えること、相手に応じてわかりやすい言葉を使い分けること、このどれもが必要となります。読みやすい文章をつくることと、伝わりやすい表現をすることを心がけて、研究概要を伝えられるようにしましょう。
トラブルへの対応力をみるため
研究を進めていくと、思わしい成果が得られなかったり、何らかのトラブルが起きたりすることは珍しくありません。そういったときにどのように考えて対応し、行動したのかを伝えましょう。そこから、就活生が問題に取り組む際の思考や姿勢を、採用担当者は読み取ろうとしています。
仕事を進めるうえでも、壁やトラブルはいくらでも発生するでしょう。顧客の求める品質になかなか届かなかったり、プロジェクトの方向性が急に変わったりなど、そういったアクシデントが起こり得ます。そのようなときに発想の転換ができたり、臨機応変に対応できたりする人材、あるいは、企業や研究チームの方針に沿った考え方ができる人材が、求められています。
研究内容そのものに企業側が興味を持っているため
植物や野菜の品種改良、エネルギーシステムの効率化、病気やホルモンに関する研究などの、研究の内容そのものに企業が興味を持つこともあります。もしくは、研究のテーマではなくサンプリングの方法や実験方法などに興味を持つこともあるでしょう。
例えば、器具や薬品を扱った経験があるのとないのでは、教える側の負担も教わる側の負担も段違いです。とくに、面接で研究概要について尋ねられるときは、面接官が興味を持った部分についてグイグイと質問してくることもあります。そこでしどろもどろになってしまってはもったいないです。
自分のおこなった研究のテーマや結果だけでなく、研究の過程や、そのテーマの背景、今後の展望などについてもしっかりと説明できるようにしておきましょう。
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就活で研究概要を書く際のポイント
ここまでで、就活で研究概要について尋ねられる理由や、そこから企業や採用担当者が何を知りたがっているかがわかったでしょう。これらを踏まえて、自分なりに研究概要をまとめていきます。
エントリーシートや履歴書に書く場合は、枠に合わせて要約する必要があるため、一度下書きをしましょう。面接で聞かれた場合に備えて、おおよそ1分程度で話せるように要点をまとめ、質問に応じて補足できるようにしておくとよいです。それでは、研究概要をまとめる際に押さえておくべきポイントをご紹介します。
わかりやすい言葉で書く
研究概要をエントリーシートや履歴書などに書く際にまず気を付けるべきは、わかりやすい言葉で書くことです。とくに、研究概要のような専門性の高いことを説明する際には、専門用語を多用しがちになります。
もちろんその道の専門家が相手であれば、専門用語を使った方が、専門知識や理解度を証明しやすいでしょう。しかし、必ずしも採用担当者や面接官が専門知識をもった人だとは限りません。
そのため、誰が読んでも伝わるような文章をこころがけましょう。可能であれば、自分と同じゼミや学部の友人ではなく、その道の専門知識のない、他の学部の友人や家族などにまとめた内容をみてもらうとよいです。あまり稚拙な言い回しにならないように気を付けながら、わかりやすい言葉でまとめるようにしましょう。
記述する項目と構成
①表題
②研究の背景
③研究内容やアクシデント、その対応など
④成果、結果
⑤考察、学んだこと、今後の展望など
研究概要を実際に書こうとしても、何から書いていけばよいのかが分からずに困る人もいるでしょう。そのような人は、書き始める前に、記述するべき項目と構成を確認しておく必要があります。スムーズに書き進めるために、各項目のポイントも把握しておきましょう。
研究概要の構成は、大まかには一般的な論文と同様の構成で構いません。まずは研究のテーマから書き始め、研究の背景と内容、得られた成果、考察や今後の展望といった流れで書き進めていきます。どれかひとつでも抜けてしまうと、研究の内容がうまく伝わらずに低評価を受けてしまう可能性もあります。
研究の当事者からすれば当たり前に感じることでも、第三者からすれば分かりづらいこともあるため、書き終えたら客観的な視点から読み直すようにしましょう。
①表題
研究概要を書き始めるときは、まずは研究のテーマを述べます。「~の研究をしています」のように、簡潔な1文でまとめたほうが分かりやすいです。
表題で詳細を書いた方が分かりやすいのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、詳しい内容は、研究の背景と内容に分けて記載した方が、読みやすく感じられます。ここでは、だらだらと詳細を書き連ねないように注意しましょう。
また、難しい専門用語等も極力使用しないように気をつけなければなりません。最初から難しく理解できないような言葉が並べられていると、読み手が読む気力を失ってしまいます。その研究に関する知識のない人が読んでも分かるような表現で書くことを意識しましょう。
②研究の背景
研究の背景について、記載し忘れてしまう就活生が非常に多いです。背景を述べることで、なぜそのテーマを選んだのか、研究する意義や目的を明確に伝えることができるため、忘れずに記載するようにしましょう。
背景が記載されていない研究概要では、読み手はその研究のどこに意義があるのかが分からないため、全体像を把握しづらくなってしまいます。ここでも専門用語は避けて分かりやすい表現を使うことで、読み手がイメージしやすいように配慮しましょう。
もし先輩や教授から引き継いだ研究であるなら、研究の背景をしっかりと学んでおく必要があります。引き継いだものを漠然と続けていると思われないために、自分自身がどこに問題意識をもっているのかを伝えられることが大切です。
③研究内容やアクシデント、その対応など
背景を述べたあとで、いよいよ具体的な研究内容を記載していきます。ここでは、研究方法を提示するだけにならないように、注意が必要です。研究方法を記載するときは、なぜその手段をとったのか、それをすることで何が得られると考えたのかを明確にしましょう。そうすることで、問題に取り組む姿勢をアピールできます。
また、研究で起こったアクシデントがあれば、積極的に記載していきましょう。アクシデントを記載しても評価につながらないのでは、と考える就活生もいるでしょう。しかし、企業からすると、研究中のトラブル関連はマイナスポイントにはなりません。むしろ、トラブルに対してどのように対処し克服したのかを述べることで、問題解決能力があると評価されます。アクシデントと対応策は、セットで記載して高評価を狙いましょう。
④成果、結果
研究内容を述べたら、研究の成果や結果を記載します。研究内容で述べた調査や実験をすることで、どのような結果が得られたのかを明記しましょう。ここでは、具体的な数値を用いて述べることで、説得力をもたせることができます。数的な結果を記載したあとで、そこから何が明らかになったのかを補足説明するようにしましょう。多少専門的な内容になってしまっても、できる限り分かりやすい表現を心がけることが大切です。
また、就活中にはまだ結果が出ていないということもあるでしょう。そんなときは、現時点までの成果や、自分の仮説について述べれば問題ありません。今後の研究でどのようなことが明らかにできるのかを記載していきましょう。
⑤考察、学んだこと、今後の展望など
考察や学んだこと、今後の展望などを記載することも大切です。ここでは、研究で得られた結果に対する自分の考えを述べましょう。企業は、研究で得られた結果そのものよりも、就活生がそこから何を考えたのかを知りたがっています。企業の事業内容に関連する研究内容であれば、より自分の思考を詳しく記載することで、読み手の興味を引きつけることができるでしょう。
まだ研究が完結していない場合は、現時点までの気づきを述べましょう。また、残りの研究期間で何を明らかにしていきたいのかを具体的に述べることで、研究への熱意をアピールできます。このとき、実現不可能なことを述べてしまっては逆にマイナスの評価を受けてしまうこともあるため、注意しましょう。
ですます調とだである調のどちらでもよい
研究概要をまとめて書くときは、「ですます調」と「だである調」のどちらがいいのか、迷う人もいるでしょう。結論からいうと、どちらでも構いません。論文やレポートは、基本的にだである調で書くため、だである調で違和感はありません。
一方で、あくまでも就活用の書類であるため、ですます調で書いた方が丁寧に感じるという見方もあります。どちらも間違いではありませんが、研究概要を書くのがエントリーシートや履歴書の一部分であった場合は、書類としての体裁を考えると、ですます調で書いた方が統一感があるでしょう。
A4用紙などに研究概要だけをまとめる場合などは、どちらの文体で書いても構いません。強いていえば、だである調で書く方が、ですます調よりも語尾の文字数が押さえられるため、より多くの情報を盛り込めるというメリットがあります。
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研究概要をA4用紙にまとめるときは図やグラフを使ってもよい
研究概要を問われる際、エントリーシートや履歴書に設けられた記入欄に書くだけとは限りません。場合によってはA4用紙1枚、あるいは複数枚にまとめるように指示されることもあります。
研究職や専門知識の必要な業務に応募した場合に、研究概要を詳しく問われることが多いです。その場合は、専門用語を使用しても問題ないでしょう。また、表現できる枠が広いため、図やグラフを使用してより伝わりやすくしましょう。図やグラフの使用が禁止されている場合は、もちろん文章だけで表現する必要がありますが、とくに禁止事項がなければ問題ないです。
ただし、図やグラフの多用と大きさの調節には注意が必要です。図やグラフを多用してしまうと、肝心の文章が少なくなってしまいます。バランスを考えて使用しましょう。また、図の画質やグラフの文字の大きさなど、細かいところにも気を配るようにしましょう。
面接でされる質問を想定しておく
エントリーシートで研究概要を問われていた場合、面接で研究に対する何かしらの質問をされると想定しておきましょう。実際、面接はエントリーシートを基に質疑応答をすることが多いため、研究概要について記載する項目があったのであれば、高い確率で研究への質問をされます。
研究が仕事にどのように活かされるのかを質問されたり、研究内容についての深掘りをするための質問を受けたりするでしょう。ある程度どのような質問がされるのかを想定し、回答を考えておくことで、面接中に慌てて頭が真っ白になってしまうという事態を防げます。完璧に質問を予測することは難しいですが、心構えをしておくだけでも冷静さを保つことに役立つでしょう。
就活で研究成果を書くときは読み手のことを考えて書こう
就活で理系学生や院生が研究概要について問われるのは、そうめずらしいことではありません。そして、研究概要を問う理由は、研究内容に対する興味だけでないことがわかったでしょう。文章能力や語彙力、わかりやすい言葉で書く気遣い、問題解決の能力や思考力など、さまざまな要素が問われています。それに応えるには、ただ淡々と、それこそ論文のように書いた研究概要では不十分です。
作成した研究概要を読むのが現場の研究者や技術者とは限りません。採用や面接を担当する人事課や重役は、専門知識に関して詳しい可能性も、逆に疎い可能性もあります。企業の意図や研究概要を書く際のポイントなどを踏まえて、誰にでも分かりやすく読みやすい、読み手のことを考えた文章を作るようにしましょう。