筆記試験

【SPIの計算問題への対策】頻出問題の例と解き方のポイントを解説

SPIの数学分野や計算問題に不安を抱える人は多い

SPIテストは、就活の選考に導入されることが多いです。SPIの非言語分野、簡単にいうと数学の計算問題に苦手意識を持つ就活生は多いでしょう。確かに、数学は得意と不得意がはっきりと分かれる科目です。とくに、文系学部に所属する就活生にとっては難しいと感じる問題も出題されます。

しかし、苦手だからといって非言語分野の範囲から逃げ続けるわけにはいきません。きちんと対策さえしておけば、解けないほど難しい問題ではないでしょう。対策をするためにも、まずはSPIでどんな問題が出題されるのかを把握する必要があります。

SPIの計算問題で出題される問題の特徴や種類、それぞれの解き方のポイントなどを詳しく説明していきます。

SPIの計算問題の特徴

SPIで出題される非言語分野では、計算問題などが出題されます。「数学」や「計算」と聞くと、苦手意識が先立つ就活生も多いでしょう。確かに、センター試験や大学入試などで出題される数学の問題は、使う公式も計算式も、複雑で難しいと感じる方がいます。

また、学部によっては、大学に入ってからさらに難解な数式と格闘しなければなりません。SPIで出題される計算問題も、これらのように難解で複雑な問題が出題されるのか不安に思う就活生は多いです。

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難易度はそんなに高くない

SPIで出題される非言語分野、つまり数学の計算問題に不安をもつ就活生は多いでしょう。しかし、センター試験などで出題される対数や三角関数、微積分のように複雑な問題は、SPIでは出題されません。そのため、必要以上に尻込みしなくても問題ありません。

SPIではむしろ数学というよりも算数に近いような、加減乗除(足し算、引き算、掛け算、割り算)さえできれば解ける問題が、多く出題されます。ただし、一般的な算数や数学で出題される問題とは性質の異なる問題もあり、そういった特殊な問題、SPI特有の問題に関しては、解き方を理解しておく必要があるでしょう。

速さと正確さが求められる

SPIの問題では、速さと正確さが求められます。例えば、1問1点、100問の問題を制限時間内に解くとして、Aさんは100問全て解答して50問正解したとします。対してBさんは100問のうち50問のみ解答し、50問全て正解したとします。

この場合、両者とも50点と得点は同じです。しかし、正解率で比べると、Aさんは100問解いたうちの50問正解、つまり正解率50%ですが、Bさんは50問解いたうちの50問正解、つまり正解率は100%となります。

この問題だけから判断すると、Aさんは仕事が速くてミスが多い、一方Bさんは仕事が遅いがミスが少ないといえます。どちらの方がよりよい評価を受けるかは企業によって異なりますし、実際にはSPIの結果が全てではありません。ただ、速さと正確さの両立が必要であることは頭に入れておきましょう。

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SPIの計算問題で出題される問題と解き方のポイント

SPIの計算問題では様々な問題が出題されます。その中でも、とくに複雑な損益算や仕事算など、いくつかの種類の問題に関して解説をしていきます。解き方のポイントや公式さえ知っておけば、時間をかければどんな問題でも解けるようになるでしょう。

あとは繰り返し問題を解いて慣れていけば、解くのにかかる時間も短くなっていきます。そのため、まずはそれぞれの問題を解くのに必要な公式や解き方のポイントについて、しっかりと学んでおきましょう。

損益算

〈定義と公式〉
原価:商品を仕入れたときの値段で、仕入れ値ともいう
定価:商品を売るときの、割引前の値段
売価:商品を売るときの、割引後の値段(実際に売った値段)
割引率:定価から差し引く額の割合
利益 = 売価 – 原価
定価 = 原価×(1 + 利益の割合)
売価 = 定価×(1 - 割引率)

損益算とは、原価や定価、売価などの計算をおこなう問題の総称です。いくらで仕入れていくらで売れば、どれくらいの利益が出るか、といったことを計算するため「損益残」と呼ばれるようです。まずは使われる用語と公式に関して、押さえておきましょう。

上記のように、公式はさほど複雑ではありません。この問題のポイントは、「原価」や「定価」といった用語をきちんと理解すること、そして問題文から読み取った情報を正しく式に落とし込めるかどうかです。用語の関連性をしっかりと頭に入れておきましょう。

仕事算

〈例題〉
ある仕事を仕上げるのに、Aさんは5日かかり、Bさんは3日かかる、では2人でやれば何日?

〈答え〉
【仕事量を「1」として考える場合】
Aさんは1日で1/5できて、Bさんは1日で1/3できることになります。
2人でやれば1/5 + 1/3 = 8/15 で、1日で8/15の仕事をこなせます。
全体の仕事量を1日当たりの仕事量で割ればよいため、1 ÷ 8/15 = 15/8

※この例題はSPIパーフェクト問題集から出題しています。
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【仕事量を公倍数で考える方法】
仕事量を5と3の公倍数、この場合は15と考え、わかりやすく「15個の荷物を運ぶ仕事」と仮定しましょう。
Aさんは15個運ぶのに5日かかる、つまり15 ÷ 5 = 3で、1日で3個運びます。
Bさんは15個運ぶのに3日かかる、つまり15 ÷ 3 = 5で、1日で5個運びます。
2人合わせると、3 + 5 = 8 で、1日で8個の荷物を運びます。
あとは仕事にかかる日数を計算します。15 ÷ 8 = 15/8

上記の問題の答えはどちらも15/8日(1日と7/8日)です。仕事算とは、端的にいうと仕事を処理するのにかかる時間や日数を計算する問題の総称です。最もシンプルなパターンだと上記のような問題になります。この問題の解き方として、仕事の全体量を「1」として考える方法と、仕事量を公倍数で考える方法があります。どちらの考え方でも答えは出るため、自分に合った方法を選びましょう。

速度算

〈公式〉
距離 = 速さ×時間
時間 = 距離÷速さ
速さ = 距離÷時間
分 = 時間×60

〈例題〉
外周32kmの池の同じ地点から、Aさんは時速5kmで、Bさんは逆方向に向けて時速7kmで同時にスタートしました。AさんとBさんが最初に出会うのは、スタートしてから何時間何分後でしょうか?

〈答え〉
AさんとBさんは互いに近づいていくため、2人の距離は5 + 7 = 12kmずつ縮まることになります。したがって、2人が出会うまでの時間は32÷12 = 8/3 つまり2と2/3時間後です。2/3時間は2/3×60 = 40分となり、答えは2時間40分後となります。

※この例題はSPIパーフェクト問題集から出題しています。
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速度の計算は、算数などでも馴染みのある問題です。ただ、2人が丸いコース上をそれぞれ逆向きに走っていつ出会うか、同じ方向に走って次に出会うのはいつか、といった問題であるため、位置関係をしっかり把握できるかがカギとなります。使う公式や時間の変換方法などは小学校などで習っていますが、念のため復習しておきましょう。

確率

〈例題1〉
サイコロを1つ振って、5が出る確率

〈答え〉
サイコロは特に指示がなければ1~6の目が出る立方体のものだと解釈しましょう。
この場合は1~6のうち、5が出る確率なので1/6が答えとなります。

〈例題2〉
サイコロを2つ振って、2つとも5が出る確率

〈答え〉
この場合は5が出る確率が2回なので、1/6 × 2 = 2/6ではなく、1/6 × 1/6 = 1/36 となります。

※この例題はSPIパーフェクト問題集から出題しています。
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確率を求める際には、高校の数学で習った組み合わせの式が使えます。単純な問題であれば、サイコロの問題などが有名です。この他にも、2色あるいは3色のボールから特定の色のボールを引き当てる確率や、連続で特定の色を引き当てる確率など、もっと複雑な問題も出題されるでしょう。そういった場合は、組み合わせや順列の公式が必要になります。その公式については、次の「場合の数」で解説していきます。

場合の数

〈公式〉
順列:nPr
n個の中からr個取り出して並べる方法は何通りあるか
nPr = n ×(n - 1)×(n - 2)×…をr回繰り返す

〈例題〉
5枚のカードから3枚取り出して並べるとき組み合わせはは何通りあるか

〈答え〉
5P3 = 5×4×3 = 60通り

〈公式〉
組み合わせ:nCr
n個の中からr個取り出して組み合わせるとき(並べ順は問わない)
nCr = n ×(n - 1)×(n - 2)×…/r×(r - 1)×(r – 2)×…

〈例題〉
5枚のカードから3枚取り出したときのカードの組み合わせは何通りあるか

〈答え〉
5C3 = 5×4×3/3×2×1 = 10通り

※この例題はSPIパーフェクト問題集から出題しています。
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場合の数とは、高校の数学で習った順列と組み合わせのことです。先ほどの確立と同様、場合の数も高校数学の範囲です。とはいえ、それほど複雑な公式ではないため、不安な人も、一度おさらいすれば思い出せるでしょう。

集合

〈例題〉
100人の生徒のうち国語が得意なのは70人、数学が得意なのが35人、どちらも得意でないのが20人であれば、国語だけが得意なのは何人か

〈答え〉
この場合、答えを導くには全体100 = 70 + 35 + 20 – X(どちらも得意な人 = 重なった領域)
これを解くと、X = 25 となり、国語だけが得意なのは70 – 25 = 45人 となります。

※この例題はSPIパーフェクト問題集から出題しています。
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集合の問題は、慣れた人にとってはさほど難しくはありませんが、解き方がわからなければ難しく感じてしまうでしょう。まずは「ベン図」と呼ばれる、円と長方形の図を描いて、問題文を図に落とし込んでみるのがおすすめです。

集合の問題では、多くは

・Aに当てはまる人(円を1つ描く)
・Bに当てはまる人(Aの円に一部重なるようにしてもう1つ円を描く)
・AとBの両方に当てはまる人(AとBの重なった領域に斜線などで印をつける)
・AでもBでもない人(AとBの円を全て囲んだ長方形を描き、2つの円の外側であり長方形の内側である部分)

の4通りに分けられ、その領域のいずれかを問う問題が多いです。上記の例題であれば「AであるがBでない人」となり、言葉だけを聞くと複雑に感じますが、図解すればわかりやすくなります。図でいうと「Aの円の内側であるが、Bの円には重なっていない、月型の部分」となります。

SPI対策でおすすめの問題集3冊

SPIの対策では、より多くの問題に取り組むことが大切です。たくさんの問題を解くことで、解き方のパターンや出題傾向が分かってきます。それにより、スピーディーに解けるようになってくるでしょう。

たくさんの問題を解くために、問題集を活用するとよいです。問題集では、過去のテストを分析して問題が作られているため、効率的な対策ができます。ここでは、とくにおすすめの問題集を3冊ご紹介します。問題集を選ぶ参考にしてみてください。

これが本当のSPI3だ!

SPI対策におすすめの問題集の1冊めは、「これが本当のSPI3だ!」です。就活生からの人気も高い1冊といえます。この問題集は、解説が丁寧で分かりやすいことが特徴です。中学や高校で習った基本的なことを忘れてしまっていても、解説を読めば解き方を理解することができます。また、難易度が高めの問題も掲載されているため、これ1冊でSPIへの対策を完了させることができるでしょう。

この問題集では、テストセンター方式とペーパー方式、webテスティング方式の3つの実施方式に対応していることも特徴に挙げられます。3つの方式ごとの出題範囲も分かりやすく掲載していあるため、特徴を把握しやすいでしょう。

史上最強SPI&テストセンター 超実戦問題集

SPI対策におすすめの問題集の2冊めは、「史上最強SPI&テストセンター超実戦問題集」です。この問題集では、問題を早く解く方法が解説されていることが大きな特徴です。掲載されている問題数も多いため、学力に自信のある人におすすめの1冊といえます。

しかし、あまり自信のない人や、じっくりと進めていきたいという人には不向きともいえるでしょう。SPIの問題集は、自分に合ったタイプのものを選ぶことも大切です。

この問題集では、能力検査や性格検査だけでなく、オプション検査に対応していることも大きな特徴です。オプション検査を受検することになっても、問題集を買い足すことなく対策することができます。

SPIの対策本について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

ドリル式 SPI問題集

SPI対策におすすめの問題集の3冊めは、「ドリル式SPI問題集」です。この問題集は、直接書き込んで進めていくドリル式になっています。そのため、どこまで進められたのかという進捗が分かりやすいです。対策を進めるにつれて達成感も得られるでしょう。対策に取り組みたい気持ちがあってもなかなか手につかない、はかどらない、という人でも継続して取り組みやすいのが特徴です。

また、短時間で効率よく勉強できる工夫も施されています。非言語問題では、解説に図やイラストが盛り込まれているため、苦手な人でも理解しやすいでしょう。SPIへの苦手意識が強く、対策に気が進まない人におすすめの1冊といえます。

SPIの計算問題は繰り返し練習問題を解いて備えよう

SPIで出題される問題は、小・中学校の算数~高校数学レベルの難易度の問題であり、サイン、コサイン、タンジェントなどは出てきません。しかし、計算自体は簡単でも、問題文が多少複雑なために、初見では難しいと感じる人もいるでしょう。

しかし、公式や解き方さえ知っていれば解ける問題が多いため、いかに時間をかけずに解くかがカギとなります。そのためには、解き方を知り、そして問題に慣れておくことが重要です。問題に慣れるには、繰り返し解いてみるのが一番といえます。SPI対策用の本を購入してもよいですし、今はインターネットで調べれば、対策用の問題や解説を紹介しているページはいくらでも出てきます。繰り返し問題を解くことで対策をしっかりとしてから、SPIのテストに臨みましょう。

SPIの勉強法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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