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【就活でボランティア経験は本当に有利?】上手なアピールの方法

ボランティア経験をアピールする就活生は多い

就活では大学時代の経験をアピールする必要があり、何をアピールするかによって与えられる印象や評価は異なります。人によってアピール内容は当然違いますが、ボランティアの経験を使ってアピールする人は多いでしょう。

「慈善の心」や「無償での社会貢献」といった印象から、ボランティアに対してよいイメージを持つ人は少なくありません。実際にボランティアは素晴らしいことであり、社会的にも評価や評判を得られても納得できる取り組みです。

しかし、こと就活に関しては、ボランティア経験が必ずしもプラスに働くとは限りません。上手にアピールするには何をすべきか、ポイントを把握して高評価の獲得を目指しましょう。

企業は就活生のボランティア活動をどのように評価するか

ボランティアの経験を就活でアピールしたいなら、まずは企業がボランティアに対してどのような印象を持ち、評価するかを知っておく必要があります。就活生と企業のイメージは違っていることも多く、このギャップを埋めない限り、高評価を獲得するのは難しいです。

お互いの認識のずれをなくすためにも、企業が就活生のボランティア活動に対して、どのような評価を下すのか、見られているポイントも含めて知っておきましょう。

ボランティアをしている=高評価ではない

大前提として知っておきたいのが、ボランティアをしているからといって、それだけで高評価にはならないということです。就活では学生時代に経験したこと、取り組んだことを聞かれますが、これは経験した内容そのものが評価されるわけではありません。

たとえどれだけ素晴らしいことを経験した、取り組んだとしても、そこから一歩進んだアピールができないなら、高評価の獲得は難しいと考えましょう。評価されるためには、経験したことプラスアルファでアピールしなければなりません。

ボランティアを経験しているから、それだけで就活が有利に働くと思っていると、イメージしたように評価が得られず、行き詰ってしまうため注意が必要です。

企業が求めるのは利益を上げられる存在

ボランティアを経験しているからといって、それだけで手放しで評価されないのは、企業の求める人材像が関係しています。業界や企業によって求める人材像は細かく違いますが、大前提の「利益を上げられる存在」、「仕事で活躍できる存在」という点は共通しています。

つまり、ボランティア活動をしているかどうかが重要なわけではなく、企業で活躍し、利益に貢献できるかが重要です。ボランティア活動で素晴らしいことに取り組んでいても、それが就職後の企業の利益に繋がらない場合は、評価の対象にならない可能性があります。

選考で正しく評価してもらうには、自分が企業にとっていかに有用な存在か、企業が求める人材像にどれだけ即しているかをアピールしなければなりません。

ボランティア経験なしでも就活は突破できる

ボランティアの経験が手放しで評価されるわけではないことから分かるように、就活においてボランティア経験は必須ではありません。ボランティア活動を経験したことがないからといって、それだけでマイナス評価にはならず、特別不利になるわけでもないことは覚えておきましょう。

集団面接のように他の就活生のアピールを聞く機会があると、ボランティア経験を軸にしている人の多さに気付かされることがあります。ボランティア経験をアピールする人が多いからといって、それが正解なわけではありません。

むしろ多くの人が同じアピールをして、面接官もうんざりしている場合もあります。他にアピールできることがないなら、ボランティア経験を積んでみるのもひとつの手ですが、やっていないからといって、無理に取り組む必要はありません。

活動を通して何を得たかが重要

就活で過去の経験をアピールする際にもっとも重要なのは、その経験から何を学び、どのように成長できたかです。新卒の就活ではポテンシャル重視で採用が決定することが多く、企業は就活生の成長力、成長意欲の高さを求めています。

過去の経験で成長していることが分かる=就職してからも成長できる見込みがあると期待を持たれ、高評価に繋がることも少なくありません。反対にどれだけインパクトのあるアピール内容でも、活動から何も得られていないと評価の対象にならないことも多いです。

場合によっては向上心がないと判断され、マイナス評価を受けることすらあります。ボランティア経験を軸に据えてアピールするなら、活動を通していかに成長したかを重視して伝えなければなりません。

就活でボランティア経験を上手にアピールする3つのポイント

ボランティア経験を選考で活かしたいなら、どのようにアピールするかを考えなければなりません。単に経験しただけでは高評価の獲得は難しいように、それをどのように伝えるかが重要です。

伝え方が少し変わるだけで印象が大きく変わり、良くも悪くも評価が変動することは少なくありません。ボランティア経験を上手に伝えるポイントは、大きく3つに分けられます。3つのポイントを把握して、ボランティア経験を魅力的に伝える術を身につけましょう。

①活動を始めたきっかけを述べる

まずはなぜボランティアに取り組もうと思ったのか、活動を始めたきっかけを述べることが大切です。就活でのアピールのためと述べるのは当然NGであり、他の理由で伝えなければなりません。

ただ何となくやってみた、あるいはきっかけを述べずにアピールに移ってしまうと、目的意識がないと思われる可能性があります。活動自体は素晴らしいことでも、そこに取り組む意欲や目的が明確でないと、就活では評価の対象にすらならないこともあります。

なぜ取り組んだのか、やろうと思ったのかを伝えることで、物事に対しての問題意識の持ち方、自身で感じた疑問を解決しようとする力がアピールできます。理由を明確に述べると、その後のアピールの説得力も出るため、より評価に繋がりやすくなるでしょう。

②経験から得られたことを提示する

アピールの中心となるのは、経験を通して何を得られたか、どのように成長できたかです。そのため、ボランティア活動を通して得たものは、必ず提示しなければなりません。ここで気をつけなければならないのが、得たものとは実績や成果ではなく、能力や考え方、価値観という点です。

例えばボランティア活動を3年続け、市から表彰されたとします。市から表彰されるというエピソード自体は印象的ですが、それだけでアピールが終わってしまうと、実績を提示しただけで自分らしさが伝わりません。

アピールで重要なのは自分がどのような人間かを、細部まで伝えることです。ボランティア経験によって起きた自身の変化に注目して、どのように成長できたかをアピールしましょう。

③企業での仕事に繋げる

アピールの着地点は、企業での仕事に繋げることが大切です。ボランティア経験を通して何を得たか、それが仕事でどのように活かせるか、いかなる再現性があるかを提示して、アピールを締めくくりましょう。

企業が求めるのは自社で活躍できる人材であり、能力を活かして仕事を進めていける人材です。ただ能力を提示するだけでよいわけではなく、その企業に適した能力や性格的な特徴を示さなければなりません。

ボランティア経験から得たものがあっても、それが企業の仕事にまったく関係しないものだと、高評価が得られないため注意が必要です。最終的には企業でどのように活躍するかが落としどころになると考え、ボランティア経験をいかに工夫して伝えるかを考えましょう。

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ボランティア経験をアピールする際の注意点2つ

アピールの仕方次第で良くも悪くも印象、評価が変わるように、伝え方によってはマイナス評価を招いてしまうこともあります。せっかくボランティア活動をしたのに、その経験がマイナスに働いてしまうのは非常にもったいないです。

もったいない事態を避けるためにも、マイナス評価を受けてしまわないよう、アピール時の注意点を知っておく必要があります。アピール時に注意したい2つのポイントを知り、ボランティア経験をミスなく伝えましょう。

①嘘は絶対NG

ボランティア経験に限ったことではありませんが、就活で嘘の内容をアピールするのはNGです。嘘がバレると一気に評価を下げられ、その場で即不合格になることも少なくありません。

ボランティアの経験は活動の証明書などがないため、嘘をつくこと自体は可能ですが、細部まで深掘りして聞かれるとどうしてもボロが出てしまいます。企業は就活生が嘘をつく可能性があることも念頭に入れているため、疑わしいと思われた時点で評価が下がると考えなければなりません。

また、完全に嘘ではないにしても、誇張し過ぎるのもNGです。見栄を張ってアピールしてもよいことはないため、事実をありのまま伝えて、余計なリスクを負わないようにしましょう。

②慈善事業であるボランティアと仕事をイコールで結ばない

アピールの方法次第でボランティア経験も評価されますが、完全に仕事とイコールで結んで考えるのはNGです。これは、「ボランティア」と「企業の仕事」の根本的な性質の違いが関係しています。

ボランティアは慈善事業であり、誰かのために無償で活動することが前提です。企業での仕事も誰かのため、世の中のためという点は共通していますが、根底にあるのは自社の利益を上げるという営利目的です。

簡単に分けるなら、ボランティアは非営利の活動、仕事は営利活動と仮に同じ取り組みをしたとしても、目指すべきゴールは異なります。ただ「社会貢献したい」と述べるだけでは、仕事とボランティアの区別がついていないと思われかねないため、必ずビジネス的な視野を含めて伝えなければなりません。

ボランティア経験をアピールする例文

実際にボランティア経験を選考でアピールする場合、どのように伝えるのか、例文を参考に考えていきましょう。例文はOKとNGの2パターンがあるため、それぞれチェックしておくことが大切です。

OK例文では上手にアピールするポイント、NG例文ではアピールで失敗しやすいポイントや注意点を学びましょう。両方の観点から理解を深めることで、より完成度の高いアピール内容を考えやすくなります。

OK例文

大学時代はボランティア活動に励み、被災地の支援をおこないました。現在はこちらに住んでいますが、地元は○○県です。3年前○○県が豪雨によって被災したのをきっかけにボランティア活動に取り組みました。取り組みはガレキをどかしたり、ゴミを片付けたりの力仕事で大変でしたが、周囲の人から頂く「ありがとう」の言葉を励みに頑張りました。
ボランティア活動を通じて他人に感謝する気持ちの大切さ、大変な時こそ手を取り合うことの重要性を学びました。御社では営業職として働きたいと思っています。ボランティア活動から学んだ感謝の気持ちやチームワークを意識し、全員で大きな力を出して、より高い目標の達成を目指します。

OK例文では、冒頭でどのような取り組みをしたのか、なぜそれをやったのか、その理由が明確に語られています。また、活動を通して得たものも提示できており、経験が成長に繋がっていることが分かります。

最後に仕事でどのように活躍するか、再現性がきちんと示されているのも評価されるポイントです。経験から得たものと、仕事での活躍の方法がリンクできており、上手くアピールできているでしょう。

NG例文

大学時代はボランティア活動に精を出しました。活動は多岐にわたり、街灯での募金活動から被災地支援、発展途上国での教育活動までおこないました。どれも大変でしたが、その分やりがいがあり、活動を終えると得られる達成感の虜になりました。
また、ボランティア活動を通じて得た仲間もおり、人の輪が広がったのも大きな収穫といえます。御社でも社会貢献を重視して些細なことでも真摯に向き合って取り組みます。多くの人の幸福のため、そして豊かな社会の実現のために、惜しまず努力していきたいと考えています。

NG例文では、ボランティア活動をしたことは述べられているものの、取り組みのきっかけが明かされていません。また、活動から何が得られたのか、明確にされていない点もNGでしょう。

就職や仕事への意欲は提示されているものの、ただやる気を見せているだけでアピールとしては曖昧です。さらにボランティアとビジネスを混同している点が、マイナス評価になりかねないでしょう。

ポイントを押さえて就活でボランティア経験をアピール

就活でボランティア経験をアピールするなら、どのように伝えるかが重要です。ボランティアをしていたというだけでは評価の対象にならないため、アピール方法を工夫しなければなりません。

企業が重要視するのは、「自社で活躍できる人材であること」、「過去の経験から成長できていること」です。ボランティア経験をアピールする場合も、この2点に注目することが大切です。活動から何を得てどのように成長したのか、それが企業にいかなるメリットをもたらすかを提示することが、高評価を獲得するカギといえます。

工夫次第で高評価の獲得は可能なため、貴重な経験を無駄にしないためにも、細部まで工夫したアピールをし、ボランティア経験を就活に役立てましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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