目次
金融業界とは
金融業界と一口に言っても色々な業種があります。大まかにいうと、銀行関係・証券会社・ローン会社・リース会社・クレジットカード会社・消費者金融会社・損害保険会社などに分けて考えることができます。金融業界とは、基本的にお金を取り扱うところです。
金融業界内の事業規模を単純比較すると、銀行関係が圧倒的に大きなウエイトを占めています。ところが、全体的な傾向として銀行関係のシェアはここ最近は減少傾向にあります。その最大の原因は、日銀による低金利政策の影響だと考えられるでしょう。銀行に預けてもほとんど利息がつかないために、銀行に市場のお金が回っていないのです。
では、そんな金融業界の動向についてより詳しく見ていきましょう。
業界の基本情報
業界規模:47兆4,829億円
経常利益計:7兆4,817億円
売上高純利益率:+10.2%
過去5年の伸び率:+0.5%
総資産額:1,255兆1,407億円
労働者数:216,871人
平均年齢:40.0歳
平均勤続年数:13.6年
平均年収:656万円
※当グラフは、他の業界との相対的な関係を表しています。
続いて、業界の基本情報を抑えましょう。比較をしたい方はこちらを参照ください。
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金融業界全体の動向
では、金融業界全体の動向はどのようになっているのでしょうか。まず、見逃してはいけないこととして、近年金融業界で急速に導入されてきた、IT技術を活用してインターネットで取り引きする金融商品やサービスがあります。スマホやパソコンで手軽に取引が可能になったことで、金融業界全体の動向に大きな影響を与えてきました。
ここでは、そのあたりの状況を踏まえながら、次にあげた5つの業種について詳しくお話ししていきます。
銀行
金融業界の花形といえば、「銀行」です。いまでこそその勢いは衰え気味ですが、まだまだ金融業界内でのシェアは高く保たれています。
昨今の銀行は、日銀による低金利政策の影響を多大に受けて、収益の低下がかなり発生してしまっています。また、銀行にお金を預けてもほとんど利息がつかないことで、国民の多くがタンス預金や他の金融商品への投資などをおこない、銀行にお金が回りにくくなっていることも業績低下の大きな原因です。
また、地方では人口減に加えて住民の想定をはるかに超える高齢化などの要因で、地方銀行の存続が危ぶまれています。そのため、生き残りをかけた各地銀は合併やグループ会社化などの動きに活路を求めて積極的に行動しています。
証券
証券会社は、日本が歩んできた歴史の中で、時代の流れに大きく翻弄されることが数多くありました。近年の日本の経済状況では、バブル経済が崩壊したことで株価は大きく低迷し、証券業界は長きにわたって冬の時代を経験してきました。
そして、少しずつ業績回復をしてきた矢先に、今度はリーマンショックなる世界経済の影響を受けてしまい、またもや株価低迷に加え業績悪化による不遇の時代を味わってしまいました。ようやく、ここ何年か国が推し進めた経済政策であるアベノミクスや企業業績の好調さで株価の上昇が起きてきました。
しかし円相場や各国の金利政策など、業績に直結する要因で影響を受けやすい業界ですので、常に業界動向を注視する必要があります。
損害保険
損害保険業界は、主に我々が目にするものとして自動車保険があります。高齢ドライバーの増加による事故件数の増加が原因で起こる保険金支払いの負担増や、若者の自動車離れによる自動車人気の低下が原因の保険料収入の減少などが、業績悪化に非常に大きな影響を及ぼしてきました。また、度重なる自然災害等の発生による保険金支払額の増加も業績を抑える結果を招いたりしました。
そこで、損保業界では保険料率の見直しや自動車保険料の値上げなどの対策を講じてきました。ようやくその効果が現れ始めたのか、ここ何年かの業績は大手を中心に収益力が上がって急速に回復しています。また、生き残りをかけて海外企業の買収による企業規模の拡大にも、積極的に取り組んでいます。
消費者金融
消費者金融業界は、数年前から実施された「改正貸金業法」によるグレーゾーン金利の撤廃の影響を大きく受けています。それによってユーザーが支払った返済金の利息に対する過払金返還訴訟等による収益低下が発生し、消費者金融業界全体の収益を圧迫しています。結果、消費者金融業界は大幅な市場規模の縮小を余儀なくされてしまいました。
そこで、業界の生き残りの手段として、近年は大手銀行参加のグループ会社として再建を果たす動きが活発になりました。最近のCMなどで、「〇〇銀行グループの〇〇です。」といった内容のものを見かけることがあるはずです。このように、消費者金融大手は再編を進めています。
クレジットカード
クレジットカード業界は、いま一番波に乗っている業界だといっても過言ではないといえます。その好調要因となっているのは、インターネットを活用した通販市場の大幅な拡大にあるといえます。
通販市場は、現金で商品精算をおこなうことは基本的にありません。商品引き換え時に手数料を支払って現金精算する方法もありますが、余分な費用が発生したり手間もかかるため、ほとんどの方がクレジットカードで購入しています。
また、インターネットを利用してサービス提供をおこなうほとんどの会社で、利用料の支払いをクレジットカードのみに限定していることあります。インターネットでの利用者が増えたことが、クレジットカード業界の市場が拡大している要因の一つです。
また、近年の外国人観光客の増加によるキャッシュレス精算の拡大も見逃せない要因となっています。
金融業界の将来性
今後の金融業界の将来性はどうなのでしょう。現在、金融業界にはセブンイレブンやイオンなど他業種からの参入が連続しています。決済分野での他業種参入は、楽天なども含めて今後も活発になる状況です。特に、楽天は売上の半分を金融事業であげるなどの実績を残しています。
そして、資金調達に関するサービスも以前に比べて新しく増えてきています。最近話題によく上がり人気芸能人なども活用しているクラウドファンディングや、お金を借りたい会社と個人投資家をマッチングするソーシャルレンディングなどです。このサービス分野は、今後も増加していくといえます。
また、取引履歴を記録するブロックチェーン技術も注目を集めており、金融業界において業務効率をよくするための研究が進められています。
金融業界ランキング
①三菱UFJフィナンシャルグループ
②第一生命保険
③かんぽ生命保険
④三井住友フィナンシャルグループ
⑤東京海上ホールディングス
現状の金融業界のランキングについて、業界動向サーチ.comの記事を参考にベスト5を簡単にご紹介します。
やはり大手銀行系グループが強いです。大手銀行は規模の拡大をずっと図ってきたことで、収益力の強化を見事に図ってきました。そして、大手生命保険会社も実績はあります。特にかんぽ生命保険は郵政民営化後、元々顧客数が多いことも背景に力を発揮しています。損害保険大手の東京海上ホールディングスも5番目にランクされるほど、損保会社では相変わらず収益力が高い会社です。
かんたん3分!受けない方がいい職種がわかる適職診断
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業界分析・企業分析の方法
ここまでお話しした内容は、金融業界のほんの基本的なところばかりです。もっと業界分析や企業分析をおこなわないと、具体的な内容が見えずに表面だけの理解となってしまいます。就職活動で大切なことは、その業界を志す人間として少しでも見識を深める努力を怠らないことです。
そこで、その方法を次のような内容でご紹介いたします。これを参考にしていただき、より深く理解をして、その業界でプロの一員として就職できる力を身につけていただきたいです。
IR情報を参考にする
1.企業が重視する中期的なビジョンがわかる
2.事業ごとの好調・不調やその原因、対策がわかる
3.経営TOPのビジネスへの考えがよくわかる
4.他社との比較をすることで理解を深められる
5.学生向け情報より具体的で深い情報を得られる
IR情報を見ることによって、上記の項目について知ることができるというメリットがあります。
IR情報とは、インベスター・リレーションズ(Investor Relations)のことであり、投資家に対する広報活動のことです。対外向け(経営に携わっていない経営初心者の投資家にもわかりやすいレベル)に作られているため、比較的理解しやすい説明がなされています。
業界研究本を活用する
金融業界は、専門性が比較的高い業界だといえます。お金にまつわる部分については、法律のことも含めてある程度知識を持っておく必要があります。
そこで、いくつかの業界研究本をご紹介いたします。
①図解入門業界研究最新銀行業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第4版]
銀行業界のシステムや仕組みについて、わかりやすく書いてあります。入門編としては最適な書籍です。
②就職ジャーナル金融ビジネス読本
主に就活生を意識して書かれた書籍になります。業界向けの具体的な最新動向や専門用語を取り上げて解説しています。
③これだけは知っておきたい「金融」の基本と常識
銀行業界だけでなく、金融業界全体について書いてある書籍です。業界の仕組みについて知るにはおすすめです。
facebook採用ページ一覧
最後に、金融業界でfacebookの採用ページを持っている企業を掲載しておきます。
興味がある場所を覗いてみてはいかがでしょうか。facebookでしか掲載していない情報も多数あります。
金融業界の動向や将来性について事前に知っておこう
以上のように、金融業界について現状や今後の動向、業界の将来性などについてお話ししました。金融業界は専門性が比較的高い業界だということもおわかりいただけたはずです。業界を大きく5つに分けて紹介しましたが、自身が目指す企業がどの業界に属しているのか把握し、より深く業界研究を進めていきましょう。
就活において、就職を希望している企業の分析をきっちりしておくことが大切です。この準備がおろそかになると、今後の就職活動で厳しい状況に身を置くこととなります。事前にしっかり準備をして、面接などで質問された場合に焦ることがないように対策しておきましょう。