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はじめまして。
杉山佳範です。
今は、Vulcanus in Europeというプログラムでドイツのミュンヘンで一年間過ごしています。
4月から7月はドイツ語の語学学校、
8月から来年の3月まではミュンヘンのソフトウェア会社でインターンシップ生として働いています。
今年度は大学院を休学してギャップイヤー中です。
今は会社から自転車で7分のところにドイツ人二人とインド人と僕でフラットシェアしてワイワイしながら暮らしています。
今回は、
「日本では学べない。海外インターンに行って得た5つの経験」を紹介したいと思います。
1. 外国人に囲まれた職場
2. 言葉に出すということ
3. 海外の生活に溶け込めること
4. 社会人×外国人という価値観
5. 同世代と出会えること
1.外国人に囲まれ
海外インターンシップですので、日系企業に行かない限りは、
その国(うちならドイツ)の人が大半を占め、その国の文化に従った企業になっていると思います。
そういった、日本とは違う企業文化を持ったところで働くというのは、とてもハッとさせられることがあります。
例えば、ここドイツではフレックスタイムが結構認められているらしく、
朝7時に出社して15時ぐらいに退社するという人も居るそうです。
僕の会社では、エンジニアがカスタマーサポートに回ることもあるので、
会社に絶対に居ないといけないコアタイムが9時から16時となっています。
多くのエンジニアは8時に出勤して16時に退社しています。
残業もほとんどせず、6時ごろになると会社の中に残っている人はとても少なくなり、
19時になると誰も残っていません。
また、ドイツの有給休暇はだいたい25~35日ほどです。
そして、その有給休暇は全部消化して当たり前です。
むしろ、従業員に有給休暇をきちんと消化させないと企業が国に罰せられるらしいです。
仕事が出来なければ残業すればいいや、
じゃなくて、そもそも残業という選択肢がほぼない。
長期の有給(3週間)を取るために意地でもプロジェクトを終わらせにかかる。
効率的に集中して仕事をこなすためには、
30分のコーヒーブレイクも辞さない。
その他にもたくさん違いはあるのですが、
こういった企業文化の中で過ごしてみると、同僚から色々な姿勢の違いに気づきました。
2.言葉に出すということ
海外インターンシップだと使う言語は、基本的にその国の言葉です。
ここドイツではドイツ語だし、フィリピン、シンガポールだと英語でした。
現在、ドイツ語ではさすがに仕事が進まないということで、仕事関連のことは英語で話しています。
しかし、この英語でも言語としてではなく、仕事として難しいところがあります。
僕はそれほど英語がとても流暢というわけでもないので、
まだまだ自分の伝えたいことのニュアンスまでは伝えられないことが多々あります。
そういったときに起こるのは、上司と自分の認識のギャップです。
上司「ノリ、あの仕事もう出来た?」
自分「いや、まだです。多分週末には終わります。」
上司「あ、そうなの?翻訳だけだからもっと早く終わると思ってたわ。」
自分「今は、翻訳しているのは法律のとこです。
法律はニュアンスの違いを理解するのが日本語でも難しいので、色々調べて比較して翻訳しています。」
上司「あ、そうなの?もっと早く言ってくれたらよかったのにー。もう違う仕事もってきちゃったよーハハー」
こういったことが起こったりします。
上司は何を翻訳しているかは知らなかったのですが、
「少し時間がかかりそうだ」ということは事前に伝えていました。
内容を伝えていなかったのがあまりよくなかったんですね。
「少し時間がかかりそう」で合意を取れたと思い、
英語でその先の詳細を伝えるのが少し億劫になって、怠ったがゆえに起こったすれ違いです。
もしかしたら日本語なら起こっていなかったのかもしれません。
言葉として出さないと相手には伝わりません。
その仕事の過程も結果も、
きちんと自分の言葉として周りに伝えないと、
その難しさや成果は実際よりも低く評価されてしまいます。
3.海外の生活に溶け込めること
やはりある程度の期間、海外で暮らしているとそこの日本人コミュニティにも顔を出すようになります。
そこで、同世代の留学をしている大学生と仲良くなり話すこともたくさんあります。
その中で海外インターンシップと海外留学の大きな違いとして、
今生活スタイルの違いを感じています。
海外留学だと、基本的に大学に通うことになります。
日本での学生生活と同じように、
受講している授業によって朝だけ授業だったり夕方まで授業だったりします。
空いている時間に図書館で勉強したり、
家に帰ったり、遊びに出かけたりすると思います。僕も語学学校時代はそんな感じでした。
その一方、インターンシップが始まってからはとても規則正しい生活です。
朝9時までに出勤をしてだいたい18時ごろに帰る。
日によって帰る時間が大きくずれることもなくとても予定を組みやすいです。
これは社会人と同じような時間に同じような行動(出勤、昼食、帰宅、買い物)をしているということです。
子供、学生、社会人、高齢者と見れば、人口の分布としては社会人がとても多いです。
そんな社会人と同じような生活スタイルを海外で出来るのはインターンシップです。
現地の人とそのスタイルがあるからこそ、文化差を考えたり、気づきを得たりする素地も出来るのではないでしょうか。
適した服装について悩んでいる人は、こちらの記事もおすすめです。
4.社会人×外国人という価値観
就職活動を始めると、説明会に来る企業の方、大学のOB、面接の時の人事、
そして両親と一気にたくさんの社会人と話す機会を持つことになります。
そして、学生である自分と社会人との物の見方、取り組み方などさまざまな違いを感じると思います。
海外インターンシップでは、周りで働いている同僚は一部を除き社会人です。
しかし、外国人です。
きっと違う答えが返ってくるだろうと思い、ここでも日本の就職活動の時にしていた様々な質問をしました。
様々な話を聞いていると、
「大学での専門にしたがって仕事を決めるのが当たり前」であること、
「家族が大事」であること、
「概ねお金よりも時間が大事」であることなど面白い話を聞くことが出来ました。
特に結婚してからは、
ある程度の賃金を得ながら出来る限り長く家族と過ごせる職を探した、と言っていました。
なんとなく「ヨーロッパは家族を大事にするらしいよ!」と話は聞いていましたが、
上司と話している間に実感として腑に落ちました。
こうして、日本とはまた違った価値基準で「仕事」というもの、
「家族」というものを「社会人」として見ているのだなと思うと非常に面白くもあり、
貴重な話を聞けているんだな、と思います。
5.同世代と出会えること
日本人をインターンシップとして取る会社というのは、
割と他にもその国のインターンシップ生を取っているのではないかな、と思います。
うちの会社でも僕のほかに5人ほどインターンシップ生が居ます。
彼らはミュンヘン大学の学生で、かなりのエリートです。
同世代ということで、たまに昼食を共有スペースで食べることもあり、色々話したりします。
また、同じような分野を勉強しているので、
将来の方向性も割りと似ていて話が盛り上がったりします。
これからグローバルな時代になっていく中で、
海外の同世代のエリートたちが何を考え、これからどう生きていくのかを知るにはとても良い機会です。
留学生として大学に通う中ではなかなか出会えない同世代の学生と
ピンポイントで出会えるのはインターンシップならではなのかなと思います。
最後に
IT技術が発展した今、日本と海外の距離はとても近くなっています。
情報という側面では、言語的な側面を除けばほぼ0です。
「地球の歩き方」のような本だけでなく、
TwitterでもFacebookでもBlogといったソーシャルメディアで現地の人から生の情報を簡単に取り入れられるようになりました。
僕らみたいな海外に出ている人がいくらソーシャルメディアで詳細にアウトプットしていて、
それを目にして、画像や映像を見てみて、どれだけ考えてみたとしても、
実際に行動して感じることはここでしか出来ません。
「百聞は一見にしかず 百見は一考にしかず 百考は一行にしかず」
ひとつの道として海外インターンシップはいかがでしょうか。
参加するメリットについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。