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文系大学院生の就活を徹底解説|不利な理由や人気の就職先とは

文系の大学院卒は就活に不利なのか?

文系の大学院に進学しようか、それとも就活をしようか迷っている学生は多いです。大学院に進学すれば、より専門的な知識を身に付けることができますし、自分自身のやりたい学問をとことんまで追求することができます。しかし大学院にも卒業はありますし、大学院を卒業すれば就活をしなければなりません。

理系の場合は大学院に進めば、より高いレベルで研究ができますので、それが就活で有利になることも多いです。一方で文系の場合は、より高いレベルの学問にチャレンジできるものの、それが就活で活かせるかと問われれば、なかなか難しいものがあります。文系の大学院卒は就活に不利と言われることも多いですが、その理由を知って進学か就活かを決めていきましょう。

企業が文系大学院生を積極的に採用しない理由3つ

文系大学院生は就活に不利と言われることも多いですが、それにはさまざまな理由があります。大学院を卒業していれば、より高いレベルでさまざまなことが身に付いているはずなのに、なぜ就活では不利になってしまうのでしょうか。

企業が文系大学院生を積極的に採用しようとしない理由は大きくわけて3つあります。まずは、それらの理由を正しく知っておくことが大切です。企業が採用に積極的ではない理由を知り、それについての対応策を考えていきましょう。

①専門知識を活かせる機会が少ない

企業が文系大学院生を積極的に採用しない理由としては、専門知識を活かせる機会が少ないことが挙げられます。理系に比べると、文系は企業の仕事で専門知識を活かせる機会が少ないため、採用では不利になってしまいます。理系であれば研究職などで専門知識を存分に活かすことができますが、文系の場合は専門知識が活かせる場が多く用意されていません。

もちろん一部には文系大学院卒を条件とした仕事などもありますが、それほど多くはありません。それら以外の仕事に就く場合は大学院で学んだことが、ほとんど企業の仕事で活かせないことが多いです。院卒は大卒よりも初任給から給与水準が高いですし、企業としては採用コストも多くかかります。専門知識が活かせず、コストの高さに見合わないことも積極的に採用しない理由のひとつです。

②コミュニケーションの問題

コミュニケーションの問題も企業が積極的に採用しない理由のひとつです。仕事を進める上でコミュニケーション能力は必須ですが、文系大学院卒だとコミュニケーションが苦手な人が多いというイメージを持たれやすいです。文系大学院でも分野によって研究内容は違いますが、歴史や文学などであれば、ただひたすら書籍を読む、文字を読み解くなど人と接しない研究も少なくありません。

高度な勉強になりますので介入できる人も少なく、自ずと1人の世界にこもりがちになるため、日頃コミュニケーションをとる機会があまりないと言えます。もともと文系の強みとしてはコミュニケーション能力の高さも挙げられますし、それがないのは大きな弱点になります。コミュニケーション能力はどんな仕事でも欠かせない能力ですので、身に付いていないと就活を成功させることは難しいです。

③新卒者の年齢バランスが崩れる

企業が文系大学院卒を積極的に採用しないのは、新卒者の年齢バランスが崩れることも理由です。大学院出身者は一般大学生に比べて採用時の年齢が高いので、構成社員の年齢バランスが崩れてしまいます。年齢のバランスは非常に重要であり、同期であっても年齢が違えばお互いに遠慮してしまうこともありますし、チームとしてまとまりに欠ける場合もあるでしょう。

理系の大学院卒でも年齢のバランスについては同じことが言えますが、理系の場合はそもそも大学院進学者が多いです。院卒の学生も多いため、バランスも取りやすいですが、文系の場合は大学院進学者がそれほど多くはありませんので、バランスを取るのが難しくなります。そもそも進学者数が理系に比べて少ないのでどうしようもありませんが、年齢も採用に積極的ではない理由のひとつです。

文系の学生が大学院に進学するメリット

企業が文系大学院卒を積極的に採用しない理由はさまざまありますし、就活で不利になってしまうことは確かです。しかし、大学院に進学することはデメリットだけではありません。文系の学生が大学院に進学するメリットもありますので、それも踏まえて進学するかどうかを決めることが大切です。就活で不利になりやすいデメリットはありますが、それを上回ってメリットを得ることができるのであれば、何の問題もありません。大学院進学のメリットを知って、自身の進路を決めていきましょう。

専門分野について詳しく勉強できる

文系の大学院に進学するメリットとしては、専門分野について、自分の持てる時間を最大限使って勉強できることが挙げられます。大学院に進学する理由の多くは、専門分野をより深くまで勉強することです。大学進学のように、ただ何となく進学するものではなく、明確な目的を持って進学する人がほとんどですので、自身のやりたいことを目一杯やることができます。

大学院の場合は学生として勉強するより研究者として研究するイメージが近いですし、やりたいことだけを集中して学ぶことができます。人生の中で思う存分やりたいことができ、学びたいことが学べる機会は意外に多くはありません。大学院はそのような貴重な時間でもありますので、研究に没頭した充実した日々を過ごすことができます。

他の大学の教授との関りが持てる可能性が高い

他の大学の教授との関りが持てる可能性が高いことも、文系の大学院に進学するメリットのひとつです。大学院では学生と教授との距離が近いため、幅広い人脈を持つことができます。所属している大学の教授に限らず、同じ分野で研究を進めている他大学の教授と関わる機会もありますし、場合によっては就職先を紹介してもらえる可能性もあります。

思わぬところに就職のチャンスが眠っていることも少なくありません。就職先を紹介してもらえるだけではなく、さまざまな教授と関わることで、研究者としての道が開ける場合もあります。どちらも確実なものではありませんが、人脈が広がることでさまざまなメリットを享受できる可能性は高いです。

大学院進学か就活か迷った時に考えたいこと

文系の大学院に進学することはメリットもありますが、就活が不利になりやすいデメリットもあります。両方を考えた上で決断に迷ってしまう学生は多く、結局どうすべきかがわからなくなってしまう人も多いです。進学か就活か迷ったときにはどちらが本当に自分のためになるのか、自分はどちらを求めているのかをしっかりと考える必要があります。迷ったときこそ冷静に考える必要がありますので、何を考えればいいかを知って、将来の選択に役立てましょう。

大学院の先輩に話を聞く

進学か就活か迷ったときには、大学院の先輩に話を聞いてみるのがおすすめです。大学院に進学して、実際に就活はどうか聞きに行くといいでしょう。大学院に進学するメリット、デメリットはあるものの、どちらを強く感じるかは人によって違いますし、経験してみなければ分かりません。世間で言われているほど大変ではない場合もありますし、反対にイメージ通りに大変である可能性もあります。

先輩の実体験をもとに実際はどうなのかを聞き、リアルな情報を知っておくことで将来の選択にも役立ちます。もちろん先輩の話だけで決めるのではなく、それに対して自分がどう感じたかも大切です。先輩がどれだけ大変だと言っても、自分の気持ちが進学で変わらなければ進学がおすすめですし、最終的な判断は自分自身で決めましょう。

研究室の見学に行ってみる

研究室の見学に行ってみることも、進学か就活か迷ったときにしておくべきことのひとつです。大学院=研究をしているとイメージする人は多いですが、実際の研究室の様子や研究の進め方などは知らない人が多いです。研究室がどんなことをしているのか、自分が知りたいことを知れる環境にあるかなどを確認しておきましょう。

研究室にはさまざまな種類がありますし、同じ分野であっても研究室ごとに研究の進め方が違っていることも多いです。自分が知りたい分野の研究室に入ったものの、研究の方針に納得がいかず、本当に知りたいことが知れない場合もありますし、事前の確認は必須です。事前に研究室を見学し、自分が求める環境が整っているかを確認しておきましょう。

進学には費用が必要なことも忘れてはいけない

就職するか進学するかを考えたときに、考える時間を作るためにとりあえず進学するという方法もあります。進学すれば数年間は決断を先延ばしにすることができますし、自分の好きな研究も続けることができます。しかし時間的な猶予は延長されるものの、進学にはお金がかかることを忘れてはいけません。

大学によって費用は違いますが、それでも数十万、場合によっては数百万必要になることもあります。就職すれば費用がかかるどころか給料をもらうことができますし、金銭面だけで言えば大きな差が生まれます。進学は気軽に決められるものではありませんので、よく考えて将来を選択しましょう。

とりあえず就活をしてみる

進学か就活か迷ったときは、とりあえず就活をしてみるのもアリです。大学院に進学するためには試験に合格しなければなりませんし、その勉強が大変な場合もありますが、上手におこなえば両立できないわけではありません。大学院への進学の時期と就活の時期はずれていることも多いですし、まずは就活をやってみて、その後大学院進学の勉強に集中する方法もあります。

とりあえず就活をしてみて、すぐにでもやりたいと思える仕事に巡り合う可能性もありますし、視野が広がって考え方が変わることもあります。仮に内定をもらったとしても辞退することは可能です。就活をしたからといって必ずしも就職しなければならないわけではなく、自由に決めることができますので、とりあえず就活することはおすすめです。

就活の軸を明確にする

就活を始める際には「就活の軸」を定めることが大切です。就活は内定を得ることが目的ですが、内定を得て入社した後も自分の選択に自信を持つことで、本当に就活が成功したといえるでしょう。しかし、就活の軸を定めることは難しいです。そこで活用したいのが「就活の軸作成マニュアル」です。このマニュアルでは、就活の軸の作り方が詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるため、就活に迷いがある学生はぜひダウンロードしてみましょう。

文系の大学院生に人気の就職先

文系の大学院に進学することで、就活に不利になる要素があることがわかりました。しかし、実際に文系大学院に進んだのち就活に成功している方も存在しています。文系の大学院に進むことを考えている方は、文系の大学院のデメリットのひとつであるコミュニケーション能力を伸ばすと同時に、人気の就職先をチェックしてみてはいかがでしょうか。そこでここからは、発表!2019年卒の就活生が選ぶ人気企業とは?〜就職希望企業ランキング:大学院生編〜を参考に人気の就職先を5社ご紹介していきます。

①アクセンチュア

1社目は、アイルランドに登記上の本拠を置いている総合コンサルティング会社のアクセンチュア株式会社です。アクセンチュアは世界最大のコンサルティングファームであり、さまざまな分野・産業に対してコンサルティングを提供しています。世界各地200以上の都市に拠点のあるアクセンチュアでは、社内でも英語が必須の環境です。

大学院で英語を専門的に学んだ方にはむしろ有利かもしれません。アクセンチュアでは、女性社員が最大限の能力を発揮して活躍できるよう、様々な活動に取り組んでいます。その結果、2007年と2017年を比較すると、女性社員数は5倍に、女性管理職数は4倍に増加するなど効果をあげています。

②伊藤忠商事

続いて人気なのは伊藤忠商事株式会社です。丸紅・三菱商事と並ぶ総合商社である伊藤忠商事は、繊維・エネルギー・食料をはじめとして通信・保険・金融といった非資源分野も扱っています。世界63ヶ国に拠点のある伊藤忠商事では、やはり英語力が必須となります。

コミュニケーションをとることができるのはもちろんですが、商社の仕事に関わる専門用語を使いこなすことが求められます。大学院に在学中から、商業を意識して英語に関わるといいでしょう。また、世界各国に拠点がある場合、各地の法律に合わせた取引をする必要があります。そのため、法律に強い人は有利であるといえそうです。

③三菱商事

次にご紹介するのは、先ほども名前があがっていた三菱商事株式会社です。約90の国と地域に拠点を持っている三菱商事は、1,000を超える連結対象会社と協働してビジネスを展開しています。三菱商事では、商品の売買以外にも資源開発やインフラ関連事業、金融事業なども手掛けています。

英語力や法律に強いことに加え、経済や金融が専門の場合は就活を有利に進めることができそうです。公明正大で品格のある行動を信条としている三菱商事では、幅広いビジネスを通して社会に貢献することを目指しています。また、三菱商事では女性が働きやすい職場環境づくりに注力しており、2016年度の育児休暇取得率は97.2%と大変高くなっています。

④ニトリ

続いて人気なのは北海道札幌市に本社を置く株式会社ニトリです。北海道を中心として全国に386店舗、台湾に26店舗、2013年からはアメリカ、2014年には中国にも店舗を展開しています。2032年には3,000店舗の展開を目標としているため、この先もますますグローバル化が進むでしょう。

ニトリでは原材料の仕入・現地生産・輸入・販売・配送までをグループ企業内で完結させることで、他企業との差別化を図っています。そのため、通常であれば商社が仲介する船の手配なども自社でおこなっており、通常の家具小売業と比べて海外とのやりとりが多いことが予想されます。ニトリでは「住まいの豊かさを世界の人々に提供する。」という志を全社員が共有しており、長期ビジョンの実現に全力を尽くしています。

⑤朝日新聞社

最後は株式会社朝日新聞社です。「ともに考え、ともにつくる」を企業理念を掲げる朝日新聞社では、健全・公正・謙虚なジャーナリズムを核として「豊かな暮らしに役立つ総合メディア企業」となることを目標としています。職種は記者部門・ビジネス部門・技術部門の3つに大きく分かれており、記者部門では記者や編集者、校閲など文章に関わる仕事が多いです。

そのため、専門的な文献を読み解いて論文を構成する力が役に立ちそうです。また、政治部や経済部、社会部といった部署に配属される場合には大学院での専門性を生かす可能性も広がります。福利厚生の面での大きな特徴は、賞与が年に4回支給され、年次有給休暇は初年度から25日付与されることです。

目的意識を持って行動することが大切

就職か進学か迷った場合はどちらでも好きな方を選べばいいですが、どちらを選ぶ場合でも目的をきちんとはっきりさせておくことが大切です。目的意識を持てずに漠然と行動しても、結果が伴わないことが多いですし、後悔してしまう可能性も高くなります。

就職や進学は闇雲に決定していいほど簡単なことではなく、人生を決める大きな分岐点になることを覚えておきましょう。どちら選ぶも個人の自由ですが、選択に際しては必ず目的意識を持っておくことが大切です。

文系大学院生は目的意識がないと思われやすい

文系の場合は就職か進学かで迷ったときにとりあえず就職、とりあえず進学など、とりあえずで自身の将来を決定してしまうことが多いです。そのため文系の大学院生は目的意識がないと思われやすく、それも企業が採用に積極的になれない理由でもあります。企業に就職すればきちんと目的を持って努力をすることが大切ですし、目的意識がなければ成長することはできません。

新卒の場合は院卒であっても、成長力を重視して採用が決定していることが多く企業でいかに活躍し、成長できるかをアピールすることが大切です。いかに能力が高くても目的意識が低く、成長できないと思われればマイナスの評価になりますので、日頃から目的意識を持つことを意識しておきましょう。

就職でも進学でも将来のビジョンを考えておく

自身の将来を決めるにあたって、就職か進学かで悩むことは多いですが、どちらを選ぶ場合でも将来のビジョンを考えておくことが大切です。明確な将来のビジョンを持っていれば、その実現に向けて努力することができますし、ビジョンを持っていることで目的意識が高いと評価されます。

就職する場合は企業での将来のビジョンが必要ですし、進学の場合は大学院、そして院を修了した後のビジョンについても考えておく必要があります。特に進学の場合は将来のビジョンをしっかりと考えておかなければ、修了後の就活で失敗してしまう可能性も高いです。自分が達成したい将来像、将来のビジョンを明確に設定し、それを達成するためには何が必要かを考えて就職か進学かを決めていきましょう。

文系大学院に進学するか迷っても就活はしよう!

文系大学院に進学することには、さまざまな迷いがありますが、迷った場合はとりあえず就活をしてみるのがおすすめです。就活をする中で進学への気持ちが変わる場合もありますし、反対に進学への気持ちが強くなることもあります。内定はいつでも辞退ができますし、内定さえ決めておけば選択肢を幅広く持つことができます。また大学院には必ずしも進学できるとは限りません。

進学試験で落ちてしまうこともありますし、その保険としても就活は有効です。文系の大学院に進学することはメリットもデメリットもありますので、しっかりと考えて決めることが大切です。迷ったときはとりあえず就活をしながら考え、視野を広げてひとつひとつの選択肢を吟味していきましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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