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公務員の昇給のポイント|給料の仕組みや棒給表についてもご紹介します

公務員の昇給事情とは

公務員は給料が安定していると考えている人が多いですが、就職を目指すのであれば昇給の事情についても知っておくことが大切です。公務員は給料が安定していますが、最初から高い給料がもらえるわけではありませんし、昇給できなければ給料はいつまで経っても低いままです。いかに安定しているとはいえ、給料の水準が低ければ意味はありませんし、ライフスタイルが変われば初任給と同程度の給料では生活が苦しくなってしまいます。

公務員は給料は安定してもらうことができますが、それだけではなくしっかりと昇給の制度も用意されています。どのような昇給制度があるのか、どのように昇給が決まっているのかを知り、公務員の昇給事情を正しく理解していきましょう。

多くの就活生が公務員の給料は安定していると思っている

就活生であれば一度は「安定しているし公務員の選択肢もありかな?」と自問自答された方もいらっしゃるかもしれません。まず、「公務員は安定している」というイメージをお持ちの就活生は多いです。しかし、公務員の給料がなぜ安定しているかという理由についてはご存知でしょうか。

この記事ではそんな公務員の給料の仕組みや、安定している理由、棒給表についてのご説明をしていきます。正しい知識を身につけて、自分が納得する就職活動に挑みましょう。

毎月決まった額の給料が受け取ることができる

公務員は給料が安定しているイメージを持っている人が多く、実際に毎月決まった額を安定してもらうことができます。月給で給料が固定していますし、月によって給料が減ることはありません。企業のように会社の業績に応じて給料がカットされる心配はありませんし、基本的には固定給よりも低い水準で給料が支払われることはないと考えておきましょう。

一般企業では、一部歩合制を導入している場合もあり、個人の成績によって月々の給料が増減する場合もあります。そのため成績が良ければ給料が良くなるメリットはあるものの、成績次第では給料が低くなるデメリットもあります。成績に関係なく、毎月決まった給料をもらいたいと考えるのであれば、公務員はおすすめです。

賞与や退職金も受け取ることができる

公務員は月々の給料が安定してもらえるだけではなく、賞与や退職金もしっかりもらえて安定しています。賞与は年収を決める重要なものになりますし、賞与の有無によって年収は大きく違ってきます。仮に月給が高い場合でも、賞与がなければ年収で計算した場合の金額は低いことも多いですし、少しでも高い年収を目指すのであれば賞与は必須です。

また退職金についてももらえるのが当然と考えている人も多いですが、実はそうではありません。退職金制度は企業ごとに決められているものであり、退職金なしにしても問題はなく、実際に退職金のない企業も数多くあります。公務員であれば長く勤めれば退職金も確実にもらうことができますし、金銭的な心配はほとんどないと言えます。

公務員の給料の仕組み

公民の昇給について考える前に、まず公務員の給料の仕組みについて知っておく必要があります。公務員の給料は、公務員としての経験年数、職歴、職格(係長・課長等)などによって、法令・規則に基づいて厳密に決められています。公務員として可能性のある給与額を表したものを「俸給表」といい、これによって自分の給料が決められています。

俸給表に基づく「級」「号」によって給料が決まる

なお、俸給表は、公務員の種類(国家公務員、地方公務員、市町村職員など)や、職(行政職、研究職、教育職など)によって異なりますので、注意してください。俸給表は、「級」と「号」で構成され、級や号が大きいほど給料が大きくなる仕組みとなっています。昇給とは自分の級や号が増えて給料が増えることを指しています。

年齢や経験で給料が決まることもある

公務員の給料は基本的には「級」「号」によって決められていますが、職種によっては年齢や経験によって給与が決まることもあります。年齢を重ねれば昇給していくことも多いですし、勤続年数が長くなればなるほどに昇給のチャンスは巡ってきます。

公務員は終身雇用で年功序列で考えられていますし、勤続年数が長ければもらえる給料の金額も高いです。一般企業でも長く勤めるほどに昇給する可能性はありますが、それでも絶対ではありませんし、場合によっては全く昇給できないケースもあります。

一方で公務員であれば、年齢を重ねれば基本的には昇給していきますので、高年収を目指しやすくもあります。長く続けるのであれば確実に昇給を目指せることも、公務員の魅力の一つです。

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公務員の給料は高いのか

人事院の給与勧告は、労働基本権制約の代償措置として、職員に対し、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものであり、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させること(民間準拠)を基本に勧告を行っています。
人事院は、国家公務員の給与等勤務条件の決定について、法定すべき基本的事項は国会及び内閣に対する勧告により、具体的基準は法律の委任に基づく人事院規則の制定・改廃により、その責務を適切に果たすよう努めています。

公務員の給料は、国全体の民間企業従業員の給与などを参考に勧告されるようです。公務員の給料が高すぎると、民間企業との格差が広がったり、財政にも影響がでたりするでしょう。公務員の給料は税金で賄われています。そのため、給料は高すぎないように設定されているといえるでしょう。つぎに、公務員の昇給についてご紹介します。

公務員は安定していると言える

これまで述べてきたように、公務員の給料は税金で支払われています。一般企業のように、その会社の売り上げから給与が出ているわけではありません。企業であれば売り上げが伸びなかったり、利益が出せなかったりしたら、社員の減給やリストラ、場合によっては倒産なんてこともありますが、公務員の給与は税金によって賄われているため、大幅に減給してしまうこともなければリストラ、倒産なども滅多とありません。

会社員のように、仮に明日突然会社が倒産してしまっても、路頭に迷うということもないわけです。この点において、一般企業と比較すると「公務員は安定している」と言えるわけですね。

一般企業と異なり男女差が少ない

就職後に給料で悩むことが多いのが女性であり、年代別の平均年収などで見ても女性の方が年収は低い傾向にあります。就職時の月給や年収は同じでも、年数を重ねるごとに徐々に開きが出ますし、最終的にはかなり大きな差になっていることも少なくありません。

給料の面だけで考えれば女性は不利であることも多いですが、公務員の場合は一般企業に比べて男女差が少なく、同じくらい給与をもらうことができます。女性であってもキャリアアップが目指しやすい環境にありますし、男性と同等の給与がもらえることで長く続けやすくもあります。公務員は、女性にとっては安定した職業の上位に入りますし、給料の安定性や働きやすさなどから目指す人は多いです。

自治体別の地方公務員の給料

公務員の給与は各都道府県で同一ではありません。すべてバラバラです。『PRESIDENT Online』に基づいて平均年収を比較すれば、一番高い年収とワースト1位で100万円以上の差があります。所属する自治体によって給与に相違があることは覚えておいても損はありません。年収No.1の都道府県は東京都です。そして最下位は沖縄県です。それぞれの具体的な平均年収の額やなぜ100万円以上も差があるのかご紹介していきましょう。

東京都

東京都の一般行政職の平均年収は716.5万円です。No.2の三重県は704万円となり、10万円以上の差があります。平均年収だけではなく1万8000名を超える職員数は、No.2の1万2000名以上である北海道を大きく引き離していると言えるでしょう。No.1の平均年収とはいえ、基本給は各自治体の中でも最下位クラスです。

東京都の平均年収が高いのは、各エリアの一般企業の給与水準との兼ね合いで支給される「地域手当」が6万円以上と高額だからに他なりません。「地域手当」の高さNo.2である神奈川県でも4万円以下となります。「地域手当」含む諸手当の合計額が他の都道府県よりも高いため、平均年収716.5万円という高値になっているのです。

沖縄県

沖縄県の平均年収は570.7万円です。46位の鳥取県が602.6万円なので、30万円以上の差があります。基本給自体は、東京都と大して差がありません。また、物価の水準にも影響される「地域手当」も最下位ではありません。しかし、トータル的に他の手当の金額が低く、残業手当の平均値が全国ワースト1位となっています。

月の諸手当の平均金額は、No.1の東京都であれば13万5339円です。一方、沖縄県は5万5294円であり、月8万円以上の差が年収に100万円以上の相違を生む要因となっています。日本の市区町村単位であれば、東京都の青ヶ島村が平均年収で最下位ですが、都道府県別では570.7万円の沖縄県が47位となっています。

公務員はいつ昇給するのか?

まず、公務員の昇給には「定期昇給」と「職の格が上がることによる昇給」があります。
定期昇給とは、1年ごとに昇給するので、多くの場合1月や4月に昇給するものです。
どれくらい昇給するかは、あなたの勤務に対する評価によって異なります。つまり、自分の業務内容を上司に高く評価されれば多く昇給し、逆に評価が低ければあまり昇給しないということです。

定期昇給と昇格昇給が年2回ある!職種によっても異なる

また、「職の格が上がることによる昇給」については、例えば一般級の人が係長になったとか、係長が課長になったとか、自分の今の格よりも上の格に上がったときの昇給になります。こちらについても、多くの場合1月や4月に実施されることとなります。

昇給の時期については、公務員の職種によっても異なります。昇給の時期についても、法令や規則によって厳密に決められていますので、興味のある公務員に関する法令・規則を調べてみるとよいでしょう。

臨時昇給があることもある

公務員は給料が安定していますし、昇給のチャンスも定期的に巡ってきます。そのため一定して昇給を目指すことができますが、裏を返せば周期が巡ってくるまでは昇給できないとも言えます。どれだけ頑張っても時期が来るまで昇給できないのでは、やりがいが感じられないのではないかと不安に感じる人もいますが、実はそうではありません。

公務員は昇給の周期は決まっていることも多いですが、職種によっては臨時で昇給がある場合もあります。基本的な周期で昇給があることはもちろん、臨時昇給のチャンスを掴むことができれば、さらに高年収を目指すことも可能です。安定しているからといって、必ずしも臨時のボーナスなどがないわけではありませんし、臨時昇給があることも公務員の魅力だと言えます。

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公務員の昇給は人事からの評価がカギ

この点においては、一般企業と似ているところがありますが、公務員として働くにあたり、一般企業以上に人事からの評価というのは大切です。昇給するもしないも人事次第ということです。そのため、日々の勤務での人事から評価を得ることが重要です。

老若男女問わず職員全員に昇給のチャンスがある

公務員が昇給できるかどうかは人事からの評価にかかっていますので、人事に対してしっかりとアピールをしていくことが大切です。きちんと仕事をこなし、真面目な人間性をアピールすれば必ず評価されますし、昇給のチャンスを掴むこともできます。人事からの評価次第では老若男女問わず職員全員に昇給のチャンスがありますし、一般企業よりも昇給はしやすいと言えます。

一般企業でも昇給のチャンスはもちろんありますが、定期的に昇給することは少ないですし、企業によってはほとんど昇給がない場合も多いです。対して公務員の場合は必ず昇給のチャンスがありますし、高収入も目指しやすいです。昇給があることで仕事にもハリが出ますし、長く続けやすいと言えます。

ほとんどの職員は「普通」の評価

公務員は会社員と違って、頑張ったら頑張った分だけ極端に昇給するというわけではありません。しかし、逆に上司からたくさんプレッシャーをかけられて、それに応え続けなければならないというようなことや、それに悩むということもありません。

そのため、ほとんどの職員は普通に出勤して普通に仕事をすることから、ほとんどの職員が「普通」の評価です。会社員のような入社1年目から人の何倍も努力してたくさんの報酬を得るということは難しいですが、着実に仕事をしたいという人には公務員は適した職業と言えます。

新任職員は1級からのスタート

大学卒業後、あるいは高校卒業後、新任職員のほとんどは1級からスタートします。先ほど述べたように、職種にもよりますが、公務員は定期昇給と昇格昇給と給与アップのチャンスが1年間に2回あるので、目の前の仕事を確実に処理していけば人事評価につながり、手元に入る給料が上がっていくわけです。

会社員が成果次第で給与が変わるのに対し、公務員の場合は成果・実績に応じた給与アップというのは難しいですが、目の前の階段を一段ずつ確実に登って行き、少しずつ昇給していくというイメージです。新任職員は1級からのスタートですが、しっかり勤続年数を重ねていったり、毎日遅刻をするなどの勤務態度に問題がなく、ちゃんと出勤して普通に仕事をしていくと段々得られる給与は上がっていきます。

公務員の初年度はどのくらい昇給するのか

これから公務員に就職する皆さんにとっては、1年目のお給料や昇給は就職活動においても将来設計においても重要な判断材料となると思います。ここでは、ある地方自治体の行政職の給与と昇給について想定されるケースを考えます。

勤務成績によって昇給の度合いは決まる

たとえば、大学卒業程度の試験を通過したとして、行政職の給与と昇給をシミュレーションしてみます。初任給は1級29号の180,800円となり、一年間の勤務が標準的な成績と評価された場合、4号級昇給しますので、1級33号の187,700円となり、6,900円昇給することになります。

なお、どのくらい昇給するかは勤務成績の評価次第であり、評価が最も高い場合は8号以上、低い場合は昇給しないということもあります。なお、1号あたりの昇給額は級号によって異なり、若年層で比較的高く高齢層で低い傾向にあります。

勤務成績が悪いと昇給はない

公務員は一定周期で昇給のチャンスがありますし、職種によっては臨時の昇給もありますので安定していながら高年収を目指しやすいです。人事に評価されれば年齢を問わず昇給は可能ですし、仕事への頑張り次第で高年収を獲得することができます。公務員は一般企業に比べれば昇給の制度なども優遇されていることが多いですが、勤務成績が悪いと昇給がない場合もあるので注意が必要です。

昇給できるかどうかは人事からの評価にかかっていますし、勤務成績が悪く、評価されなければ当然昇給の対象にはなりません。きちんと真面目に働き、成績を残すことが大切であり、公務員=安定して昇給できるわけではありませんので、間違った認識を持たないようにしましょう。

昇給以外の公務員への理解も大切

給料は仕事をする上では重要なものですし、昇給の仕組みなどを理解しておくのは大切なことですが、就職するのであれば他にも知っておくべきことはたくさんあります。給料は確かに大切ですが、それは仕事を決める上での一つの指標でしかありません。公務員について理解するためには、給料以外の部分にも目を向けることが大切であり、さまざまなことを知っておけば仕事への理解も深めやすくなります。昇給以外についても理解して、公務員についてさらに知っていきましょう。

福利厚生が充実している

公務員は給料が安定していて、労働環境が良いとイメージする人も多いですが、労働環境の良さは給料の安定性だけに裏付けられているわけではありません。公務員は給料が安定していることに加えて、福利厚生も充実しており、それが労働環境の良さにも繋がっています。福利厚生の充実は仕事をする上ではもちろん、プライベートの充実を図る上でも重要なもので、より良い環境で働きたいなら欠かすことのできないものです。

公務員であれば各種保険は完備されていますし、その他さまざまな制度や手当がありますので、福利厚生面で困ることはほとんどありません。給料が安定して高いこと、福利厚生が充実していることが、公務員が人気の理由でもあります。

公務員=残業なしではない

公務員の仕事は9時17時とイメージしている人が多く、残業はないと考える人もいますが、これは大きな間違いです。公務員でも残業はあり、必ずしも定時で帰れるわけではありません。部署によって、時期によっては多忙な日が続き、残業も多くなることもあるので注意が必要です。もちろん残業がほとんどない部署もありますし、閑散期などは定時で上がれることもあります。

これはすべての仕事で言えることであり、公務員かどうかには関係しません。公務員であろうとなかろうと、忙しい部署や時期であれば当然残業はあります。反対に暇な部署や時期になれば残業なしで帰ることができます。残業の有無については民間企業と同じであり、公務員だからといって残業がないわけではありません。

公務員の給与は俸給表により定められ勤務成績により昇給の度合いは決まる

公務員の給与と昇給について簡単に概略を説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
公務員と給与と昇給については、法令・規則で厳しく決められています。良い意味で明確に決められることになりますので、給料アップの基本は、地道に勤務評価を上げて行くということになります。

監修者プロフィール

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吉川 智也 (よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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