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公務員の休職とは
公務員の休職は、公務員という身分を保持したまま一定期間職務から離れるというものです。公務員は各種制度で手厚い待遇がなされており、恵まれている職業と言えます。そのかでも、休職に関する取り決めは民間では考えられないほど充実しているのです。本ページでは、公務員の休職についてご紹介していきたいと思います。
公務員が休職する場合は人事院規則で規定がある
国家公務員法を実施するための規則である人事院規則。その十一系列の第四項目「職員の身分保障」という欄に、公務員の休職についての取り決めが記されています。内容を簡単にまとめると、以下のようになります。公務員が休職出来るのは、公的施設や政府関連の特別な研究に従事する場合や、災害に遭って所在が分からない、病気の為やむなく、といった限られたケースの場合です。
また、休職期間中は、基本的にそれまでの官職を保有したままとされ、休職期間は最長3年以内とし、具体的な日数については各ケースごとに任命者の判断にゆだねられます。何らかの理由で長期間職場を離れることになっても、キャリアや給与面でのマイナス要素なしにスムーズに職場復帰出来る、ということです。このことが、人事院による命令形式で保証されていることはとても心強いです。
地方公務員は条例によって規定されている
しかし、ここで注意しなければならないことがあります。それは、上記の取り決めは国家公務員についてのものであって、地方公務員の方が休職する場合については地方条例で規定されている、ということです。さらには、条例自体も地域ごとに複数存在するのでその内容にも自然と違いが生じてしまっていることに注意が必要です。
例えば次に紹介する病気休職の場合では、基本的な休職可能期間や給与規定については、同じ地方公務員法に則った条例である以上同内容となってはいます。しかし、細部の取り決めに違いが見られることがあるので、地方公務員の方々は万一の事態に備えて、自身の働く地域の休職規定について一通り確認しておくことをおすすめします。
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公務員が休職する場合90日は病気休暇
では次に、公務員が休職する際の流れを見ていきましょう。休職期間の内、始めの90日は病気休暇扱いになります。この休職期間が1週間以上となると、医師による診断書の提出が必要となります。この診断書の提出がない、または病気休職の理由がはっきりしない場合は単なる病欠扱いとなり、その間の給料支払いを始めとした問題が生じることになるので注意が必要です。
もうひとつ気を付けなければならないことは、公務員の休職規定は法律を基に定められているということです。一般的な企業が自社作成した就業規則と異なる以上、不当な休職利用に対して法的なペナルティが発生することもあり得るので制度に対する入念な理解が必要です。
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一般企業の有給休暇と同じ扱い
支払われるはずの給料についての扱いですが、休職後90日分については全額保証となっています。この点は、国家公務員・地方公務員の違いに関わらず一般企業での有給休暇と同じように扱われると考えてもらって大丈夫です。その後は、1年間経過するまでは20パーセント減、1年経過後は無給となり3年間経過すると失職という流れとなっています。
ちなみに、通勤手当や管理職手当については支給されませんので注意が必要です。病気になった際に一般的な企業と比べて手厚い支援体制が整っている一方、厳格な利用規定は完全に体調を回復した上で復職後も存分に能力を活かしてもらいたい、という思いが込められたものであると考えていいでしょう。
90日以降は病気休暇扱い
では病気休暇後90日以降経過した場合、支払われる給与はどの様に変化するのでしょうか?実はこの場合、手続きによって2つの異なるパターンが考えられます。1つ目は、休職後90日以降も病気が治らないとして病気休暇の延長を届け出るケースです。
この場合、受け取れる給与は基本給の半分となります。それに対して、90日以降の期間を休職扱いとして届け出る2つ目のケースでは、先ほど軽く触れたとおり1年経過するまでは基本給の80%を受け取れることとなっています。
支給される給与額の違いから、実際は休職扱いで届け出る後者のケースが多く取られているようです。ではこのケースの場合、公務員の休職期間はあとどれほど取得可能なのでしょうか?以下で見ていきましょう。
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公務員の休職は最大3年間が認められている
公務員は、最大3年間の休職が認められています。3年間たって職務に復帰しない場合は公務員という身分を失いますが、3年以内であればいつでも公務員としての職務に戻ることができるのです。
公務員は休職中であっても給与が発生
また、公務員は休職中であっても給与が発生します。病気休暇の場合は3か月間であれば全額が発生し、それ以降は1年以内でおよそ8割の給与が発生します。その他の理由で休職した場合は原則給与の8割が与えられ、1年以上の休職になると給与は発生しないということです。これだけみても、公務員は民間企業と比べて休職中の待遇がよいといえるでしょう。
公務員の休職中のボーナスは過去半年の職務が基準
公務員のボーナスは過去半年の職務を基準に決定されます。休職して初めてのボーナスの時期から考えて、過去半年に仕事をしているのであれば、その分ボーナスが支給されます。例えばボーナスから考えて3か月前に休職した場合、更にその3か月前の働いた部分に対しての賞与として、ボーナスが支給されるのです。
長期休職中はボーナスなし
当然ですが、1年以上休職している場合、もしくはボーナス日から考えて過去半年間に出勤していない場合は、ボーナスは発生しません。ボーナスは働いた分の報酬として与えられるため、労働実績がなければしかたのないことです。しかし、1年以内であれば通用の給与分は支給されます。
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公務員の休職に対するバッシング
このように公務員の休職は民間の休職に比べはるかに恵まれているのです。最近では、それに対して恵まれ過ぎではないのかという声もあり、公務員の休職へのバッシングが叫ばれています。休職中に公務員に与えられる給与は国民からの税金であるため、ほんとうにそこまで待遇を厚くする必要があるのかと疑問視する声も存在するのです。
公務員の休職には厳しい審査を導入すべきとの声もある
公務員の休職に関してはこれまで比較的緩やかな基準で取得できていたようですが、世間の声に伴い、休職を認める審査基準を厳しめにしようとする動きが出てきています。公務員の給与が国民の税金から支払われているため、無駄遣いしないための仕組みをさらに充実するべきとの声もあります。
公務員の休職は最大3年で民間企業より待遇がよい
なにかと風当たりの強い公務員の休職ですが、本当に休職すべき必要のある人にとっては無くてはならない制度です。ただし、民間企業に比べるととても待遇がよいため、世間ではバッシングの声もあるようです。
もし無駄に使われているのであれば国民の怒りも当然ですが、本当に必要な人のために利用されるのであれば、それは素晴らしい仕組みといえます。
※最後に、本記事につきましては、公開されている情報を活用し、当社が独自の基準によってシミュレーションした結果を開示しているものとなります。読者の皆様に企業選択の一助になればという趣旨で情報を作成しておりますため、なるべく実態に近い状態のシミュレーションとなる様に最善を尽くしているものの、実際の報酬額とは異なります。 あくまでも参考情報の一つとしてご活用くださいませ。