履歴書

【履歴書は返却されるのか】就活生が知っておきたい企業での取扱い

不採用だった企業に提出した履歴書の行方

現在の新卒労働市場は「売り手市場」と呼ばれていますが、それでも依然として、就職活動の椅子取りゲームが激しいことには変わりありません。他の志望者が多い人気企業であれば、不採用になる確率もそれだけ上がることになるでしょう。その際、メールや不採用通知など、俗にいう「お祈り通知」一通もしくは一枚で知らされ、企業に応募するときに送付した、履歴書をはじめとした書類が返ってこないケースも多いのではないでしょうか。
そんな時、「個人情報が書かれているのに」という不安などの理由から、履歴書がどうなっているのかが気になって仕方がない就活生も多いのではないでしょうか。そんな応募時の履歴書は不採用になってしまった場合、返却されるのかどうか。そして返却されなかった場合の履歴書は、どのようにして保管・処理されているのかについてをまとめてご紹介していきます。

履歴書を返却する法的な義務はない

履歴書を返却するかしないのかは、実際のところ企業によって異なります。なぜなら、「企業が履歴書を応募した人に必ず返却しなければならない」という法的な義務はないからです。また、詳しくは後ほどご説明いたしますが、不採用者が出たその度に、対象の応募者の履歴書を返却するという作業は、企業側のデメリットがとても大きいものになってしまうので、避けられがちです。
そのように企業によって対応が分かれる「履歴書の返却」という行為ですが、なかには不採用だった場合に、履歴書を返却するかどうかを求人の情報に事前に明記している企業もありますので、履歴書の行方が気になる場合はそのようなところも隅々までチェックしてみると良いでしょう。

郵送する前に履歴書の内容を見直そう

履歴書を郵送する場合は、コピーを取る前に内容を見直しましょう。履歴書には細かいルールや書き方が存在するため、きちんと守られているか郵送前にチェックすることが大切です。そこでぜひ活用したいのが「履歴書作成マニュアル」です。

無料でダウンロードできるので、履歴書の書き方に自信がないという就活生におすすめです。実際に履歴書を作成する際のお手本としても、持っておいて損はありません。

企業が履歴書を返却する2つの理由

上記で述べたように、企業が不採用となった人の履歴書を返却する義務はありません。しかしリクナビの調べによると、履歴書を返却しているという企業は約4割を占めます。ではなぜ、履歴書を返却する企業があるのでしょうか。ここでは、その理由について2つ紹介します。

①個人情報を企業で保管しないため

不採用になった人の履歴書を返却する理由の1つ目が、なるべく個人情報を保管しないためです。近年、特に個人情報の取り扱いについて厳しくなっています。社員の個人情報の管理はもちろん必要です。それに加えて求職者の個人情報を管理すると、それなりの容力が必要となるのです。

保管についての環境整備がなされていない場合、履歴書の保管場所、保管場所のセキュリティ、いつまでも残しておくと貯まる一方なので保管期限の取り決めなどなど、管理するために決めなくてはいけません。それらの容力を使いたくない、もしくは使えない企業は、不採用の際には履歴書の返却をおこなっています。

②取扱いについて信用を持たせるため

2つ目の理由は、個人情報の取扱いについて就職者へ信用を持たせるために返却というものです。いくら「不採用となった人の履歴書は責任をもって破棄しています」と文面で伝えても、実際はそうではないかもしれないと疑う就活生もなかにはいるでしょう。そのような不信感を求職者に与えないために、返却するのです。

返却されれば、データに残していない限りは悪用されないことで求職者も安心するでしょう。安心感を与える、疑いをもたれないような対応をすることが企業が履歴書を返却する理由の2つめです。

企業が履歴書を返却しない2つの理由

では、次に企業が履歴書を返却しないのにはどのような理由があるのでしょうか?企業が履歴書を返さないということの裏には、企業側のメリット・デメリット双方があります。

返却にもコストがかかる

履歴書が返却される場合、郵便局などの公共機関を利用するため、封筒代や切手代などのコストが少なからずかかっています。送り返す封筒1通にかかる金額はそれほど大きいものではありませんが、志望者が多い人気企業の場合、その都度返却の対応をしていれば、トータルで莫大な費用を投じなければなりません。

新卒採用にも予算がありますので、コストをなるべく抑えたいのは、どの企業にとっても同じことです。これらの理由から、頼まれない限りは履歴書の返却をしていない企業が多くなっています。

再応募を認めていないので永久保管

「コストがかかるから返却しない」としている企業がある一方で、履歴書を「永久保存しておきたいから返却しない」という企業もいます。そのような企業では、不採用になった人の再応募を認めていないケースもあり、これまでに送られてきた履歴書を永久保存し、いわゆる「データベース」を作ることによって、過去の採用試験を通過しなかった人からの再応募がないかを確認している場合もあります。

なお、近年では不採用を通知されても「何度でも採用試験が受けられる」ことを売りにしている企業も増えてきていますし、データベース化するためにどうしても必要であればバックアップを取っておけばよいだけなので、これが理由で履歴書を返却しないというケースは、コスト面が原因となる場合よりも割合としては少ないでしょう。

履歴書が返却される場合の扱い

もちろん、不採用になった際に、履歴書を返却してくれる企業も少なくありません。やはり自分の情報を自らで処理できたほうが安心はできます。返却をお願いする際、企業はどのように書類を送り返してくれるのでしょうか。

また、履歴書を返却してもらえた場合、返してもらったことに対するお礼はしておいたほうが良いのでしょうか。次に履歴書が返却される方法と、それに対してお礼状を書く必要があるのかについて見ていきましょう。

郵送で返却される

履歴書が返却される場合は郵送で、書類に書いた住所へと届けられます。企業が履歴書を返却してくれる場合は不採用ということになり、同時に不採用通知が添付されているケースが多いです。
このときの「注意」と言えるほどのものではないかもしれませんが、履歴書は書類に記載した住所に郵送されますので、家族や他の人に知られたくないという場合は、警戒しておいたほうが良いでしょう。

返却に対するお礼状は不要

結論から申し上げますと、履歴書の返却に対するお礼状の送付は基本「不要」です。理由としてはこのケースだと、わざわざお礼状をしたためるほどではありません。中にはお礼状を送っておきたいという就活生もいるでしょう。その場合は送っても問題はありません。
一方で、もともと返却を予定していなかった企業に無理を言って送り返してもらった場合は、相手に余計な負担をかけさせてしまっていることにもなりますので、お礼状を送っておくようにしましょう。

履歴書が返却されない場合の扱い

履歴書を返却してくれる企業がある一方で、こちらから何も行動を起こさない限りは返却してくれないところも数えきれないほどにあります。
そのような場合、履歴書などの書類はどのようにして保管もしくは処理されているのでしょうか。また、「企業の履歴書の保管の仕方に不安を覚えている」など、どうしても履歴書を手元に置いておきたい場合、書類の返却を求めることは可能なのでしょうか。次に企業側での履歴書の処分方法と、不採用通知後に返却してもらうことは可能なのかについて見ていきましょう。

企業側で破棄している

不採用の就活生の履歴書などの書類は、シュレッダーにかけてから破棄しているケースが多いです。なぜなら、これらの書類には電話番号や住所、そしてプライベートに関わることなどの応募者に関する個人情報が記載されています。多くの企業では、採用に使用した個人情報は、契約上、採用に関係していないことには一切使えないことになっていますので、そのまま保持しておいてもまったく意味はありません。
むしろ「流出のリスク」という大きな爆弾を抱えた状態になってしまっています。「流出のリスク」に関しては、履歴書を何も処理せず、そのまま捨ててしまったら、そこから個人情報を抜き取られてしまう可能性がありますので、そのままゴミ箱に捨てている企業は少なく、文字が判別不能になるようにシュレッダーをかけて細かくしているのです。

不採用通知後に返却を求める事は可能

不採用通知のみが送られてきた場合、その後履歴書をどうしても返却してほしい場合は企業にその旨を伝え、求めることができます。
しかし応募者に履歴書を返却する義務は、求人内容等にあらかじめ記載していない限り企業側にはありません。ですので断られるケースもあるかもしれませんが、就活生の中には、個人情報に関わることは自分で処理したいと思う方も多いと思います。どうしても気になる場合は企業の採用担当者に返却のお願いをしてください。

返却希望の場合は返信用の封筒を同封

企業の履歴書の返却の有無にかかわらず、送付を希望する場合は、企業に返信用の封筒と切手を同封した手紙を送るのが効果的です。もしその企業が必ず返却してくれる企業なのであれば、結果的に金銭面で損をしてしまったことになるかもしれません。
しかし、先述の通り、「採用のためのコストが余計にかかるのを避けるため」という理由から返却を実施してしないというところもありますので、そのような場合であれば、なおさら効果的です。

履歴書の行方は把握しておく事

はじめにもご紹介しました通り、送られてきた履歴書を企業が応募者に返却する法的義務はありません。自分から申し出ない限り、返ってこなかったとしても、企業側に非はまったくありませんので、はじめから「送った履歴書は返って来ないものだ」と思って対応するほうが自分の気分としても楽でしょう。
とはいえ、提出した自分の履歴書の扱いに不安を感じている就活生も少なからずいます。そのような場合は、企業側に確認をするなど、送った履歴書の行方をきちんと把握しておくことが大切です。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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