業界研究

百貨店業界への就職方法|把握すべき業界の動向から志望動機の書き方

百貨店業界の現状

百貨店業界への就職を目指すのであれば、業界の現状について知っておくことが大切です。百貨店業界は華やかなイメージがあり、就活生からの人気の高い業界です。

百貨店業界は訪日外国人の増加によって市場規模は増加傾向にありましたが、現在ではその勢いは落ちついています。業績としては平行線をたどっている企業も多く、今後の動きに注目が集まっています。また業界内では再編の動きも進んでおり、新店のオープンやリニューアルなどの動きも盛んです。業界内での動きが激しいですが、やりがいがある時期とも言えます。百貨店業界への理解を深めて、人気の業界への就職を目指しましょう。

百貨店業界の将来性

毎年人気の高い百貨店業界ですが、その将来性は必ずしも明るいとは言えません。百貨店は商品の単価も高く、高価な商品が多いです。そのため普段使いではなく特別なときに使うものであったり、贈答用として使われることがほとんどです。

近年ではお中元やお歳暮など、贈り物の習慣も薄れていき、100円ショップやファストファッションなど、とにかく安いものが世の中にたくさん出回っています。また百貨店で買い物をする年齢層も増加傾向にあり、若い年齢層の百貨店離れが増えていることも、業界の将来性が危ぶまれている要因の一つです。たとえ老舗であっても決して安心できる状況ではなく、新しい一手を打っていく必要があるので、自分が百貨店を変えるという強い意気込みを持って就職に臨まなければなりません。

百貨店業界について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

百貨店業界の売上高ランキングTOP3

平均年収が高い企業ランキングTOP10

  1. 三越伊勢丹HD 1兆2,872億円
  2. J.フロントリテイリング 1兆1,635億円
  3. 高島屋
    9,295億円

百貨店業界と一口にいっても企業はさまざまであり、どの企業を志望するのか悩んでいる人は多いです。百貨店ごとにそれぞれの色がありますし、それらの違いを知ることが大切ですが、企業選びの指標としては、売上高を参考にするのもいいでしょう。売上が多い=優良企業とは限りませんが、高い売上を誇っているということは、それだけ多くの人に愛されているということです。売上高TOP3の企業を知り、それぞれの特徴を確認していきましょう。

あなたが百貨店業界に向いているか、確認してください

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1位:三越伊勢丹HD

百貨店業界トップの売上を誇っているのは、三越伊勢丹HDであり、売上高は約1兆2,872億円です。百貨店業界全体の約16%のシェアを誇る大企業であり、業界をけん引している企業でもあります。三越伊勢丹HDは三越伊勢丹を経営しており、老舗百貨店企業として有名です。

三越伊勢丹HD=百貨店のイメージを持つ人は多いですが、実際にはその他さまざまな事業を展開しています。百貨店事業はもちろん、百貨店以外の業態で中小型の店舗の運営もおこなっていますし、国内だけではなく、海外事業にも積極的に取り組んでいる企業です。国内外で活躍しているグローバルな企業であり、常に先端をいくチャレンジ精神によって、常に高い売上をキープしています。

2位:J.フロントリテイリング

百貨店業界の売上高第2位は、J.フロントリテイリングです。売上は約1兆1,635億円であり、市場全体のシェアは約15%と1位の三越伊勢丹HDに迫る勢いを見せています。J.フロントリテイリングは大丸松坂屋百貨店やパルコなどを運営している企業です。百貨店事業を企業の主軸に据えており、大丸は300年、松坂屋は400年と長い歴史を持っています。

また百貨店事業に留まらず、ショッピングセンター事業、商社事業、建築・内装事業、品質管理事業、ITシステム事業なども幅広く手掛けています。国内はもちろん、海外事業への展開も積極的であり、海外拠点を数多く有しているのも特徴です。国内外で活躍し、百貨店業界でもトップを行く、日本を代表する企業と言えるでしょう。

3位:高島屋

百貨店業界の売上高第3位は、高島屋です。売上高は約9,295億円であり、市場全体の約12%のシェアを誇っています。高島屋も約180年続く老舗百貨店であり、日本の小売業界を支えてきた存在です。また企業としては、百貨店事業だけに留まらず、通信販売事業、法人事業、グループ事業なども展開しています。

高島屋は百貨店事業を通じてまちづくり戦略を打ち出していることが大きな特徴であり、地域密着をテーマに各店舗で再開発、改装が計画されています。創立200年に向けて変化を続けている企業であり、変化を続けることこそが、老舗百貨店として成長してきた秘訣です。伝統と革新の両方を大切にした企業であり、チャレンジ精神に溢れた企業だと言えます。

百貨店に就職後の仕事内容

百貨店では最初は現場配属になることがほとんどですが、最終的にはどの職種で働きたいのかを決めておきましょう。また様々な職種があるため、各職種を見ておく必要があります。百貨店業界に憧れはあるものの接客が苦手という人でも、本社であれば接客は現場に任せて自分の好きな仕事に携わることも可能です。

適材適所がありますので、自分に向いている職種はどれか、自分が希望する職種はどれかを知っておきましょう。

現場での販売員

百貨店の仕事といえば、一番にイメージされるのが現場での販売員でしょう。販売員の仕事はお客様に直接商品を販売することです。接客業ですのでお客様を第一に考え、言葉遣いも気をつけなければなりません。

百貨店では単価の高い商品を扱っている事が多く、立ち居振る舞いなどにも注意する必要があります。商品自体はもちろん、そこで働いている人、雰囲気すべてが百貨店の一部なので、その雰囲気に見合った接客を心がけなければなりません。

経営管理・企画

百貨店業界の本社には経営管理や企画といった部署があります。売り出す商品の企画をしたり、経営の管理をするのがこの部署の仕事です。直接お客様に接客する機会は少ないですが、現場をよく見て、そして連携することが重要になります。百貨店の目玉でもある催事を企画しているのもこの部署で、企画次第では集客率が大きく違ってきます。

どれだけ現場のスタッフが頑張っていても、売り出しの商品がお客様のニーズに合っていないものであれば、商品は売れません。自分たちの売りたい商品、お客様が求めている商品、時代の最先端を走る次の流行など、世の中の流れを全て把握し、決定していくことが求められるので、大変ですが非常にやりがいのある仕事だと言えます。

事務や人事

百貨店業界でも一般の企業と同じように、事務や人事といった部署はあります。百貨店というとお店が基本になるため、現場に出たり、サポートする部署が人気ですが、事務や人事も企業を存続していくためには欠かすことの出来ない部署です。

また、接客業が苦手という人でも狙いやすい職種でもあります。百貨店業界では現場の仕事だけでなく、本社でも社外の企業や個人に対して営業や接客をしなければなりません。接客は苦手だけど百貨店業界で働きたいという人は事務や人事を目指し、そのために必要なスキルを身に付けておくといいでしょう。

法人・個人向けの営業

百貨店業界でも営業職というものは存在します。法人向けにお歳暮などの商品を提案していく仕事だったり、個人であっても規模の大きい取引をしている場合もあります。どちらの場合であっても百貨店という看板を背負っている以上、他社の営業よりもさらにビジネスマナーや立ち居振る舞いに気をつけなければなりません。

百貨店の営業職はあまり知られている職種ではありませんが、売り上げの大きな部分を担う大切な職種です。営業職の中ではかなりハードにはなりますが、その分やりがいも大きく、達成感の大きい職種であると言えます。

就職難易度は高め

百貨店業界は毎年就職希望者が多く、就職難易度は高くなっています。華々しい職場に憧れて販売員を希望するという人もたくさんいますが、最初から本社希望という人もいます。就職してすぐの配属は基本的には現場になることがほとんどですが、本社と販売員、どちらも人気が高いと言えます。どちらの職種を希望していたとしても採用の枠は、本社志望も販売員志望も同じなので、例年かなりの倍率の高さになっています。

厳しい競争を勝ち抜いてようやく就職となるため、インターンの参加や念入りな業界・企業研究など熱心な準備が必要になります。そのため志望度の高い企業がある場合は早めの行動が必要だと言えます。

あなたが百貨店業界に向いているか、適性を確認してください

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

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適職診断で自分の適性を把握しておき、就活を効率的に進めましょう。

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百貨店に就職するための志望動機のポイント2つ

百貨店に就職するためには、志望動機をこだわって作成する必要があります。志望動機は選考を突破する上では重要なものですし、大きく評価されるポイントでもあります。志望動機がどれだけ練り込まれているかによって、評価は大きく違いますし、しっかりと考えて作成することが大切です。

百貨店に就職するための志望動機のポイントは大きく2つあります。それぞれのポイントを正しく理解し、志望度の高さが伝わる志望動機を作成しましょう。

①百貨店に就職したい理由を明確にする

魅力的な志望動機を作成するためには、百貨店に就職したい理由を明確にすることが大切です。数ある就職先の中でなぜ百貨店を選んだのか、百貨店でなければならない理由は何かをアピールしていきましょう。大切なのは他の仕事と差別化すること、百貨店に就職したいという気持ち、熱意が伝わることです。百貨店だからこそ志望した理由を伝えるためには、百貨店業界にしかない特徴を踏まえてアピールすることが大切です。

志望動機としては「特別なお買い物をする場所を提供し、お客様の日常を彩るお手伝いをしたい」。「上品な空間を演出することで、非日常の中でのお買い物を楽しんで頂きたい」が挙げられます。百貨店ならではのポイントを含めて、就職したい理由を明確にしていきましょう。

②自分の性格や特徴の活かし方

自分の性格や特徴の活かし方を述べることも、百貨店業界の志望動機では重要なことです。百貨店業界への志望度の高さや熱意を伝えることは大切ですが、企業が求めているのは仕事で活躍し、企業に貢献できる人材です。どれだけやる気があっても、仕事で活躍できなければ意味はありませんので、自分の性格や特徴を活かし、どのように活躍できるかをアピールしていきます。

「人懐っこい性格を活かし、初めてお越し頂いたお客様とも素早く距離を縮め、お客様の望みを引き出すことで本当に求めているものを提供したい」など、実際の仕事に絡めることが大切です。働く姿をイメージさせることが大切ですので、企業研究をしっかりおこない、仕事を理解した上で志望動機を考えていきましょう。

志望動機の書き方について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

百貨店業界の現状・将来性や業務内容を把握して就職活動を進めよう

百観点業界は華やかなイメージがありますし、多くの学生が就職を目指す人気の業界です。憧れを持ち、高いモチベーションで就活に取り組むのは大切なことですが、憧れだけでは内定を勝ち取ることはできません。

選考を突破するためには、業界の現状や将来性、業務内容などさまざまなことを知り、業界や企業への理解をしっかりと深めておくことが大切です。憧れだけで就職できるほど簡単な世界ではありませんし、業界について、仕事についてきちんと理解しておく必要があります。

しっかりと理解を深めた上で実際の選考の対策を考えることが、内定獲得の近道です。業界についての知識を深め、念入りに対策をして百貨店業界への就職を目指しましょう。

 

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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