業界研究

【百貨店業界とは】主な業務内容や動向、主要企業の特徴を解説

近年変化の激しい百貨店業界

高島屋や三越伊勢丹、大丸など、誰しも一度は訪れたことがあるでしょう。そのため百貨店業界を身近に感じる方も多いかもしれません。

また身近なだけでなく比較的求人も多い傾向にあるので、百貨店業界への就職を検討している就活生も少なくありません。しかし、百貨店業界の詳細については知らない方も多いのではないでしょうか。百貨店業界を目指すのであれば、まずは業界の基本的な知識を理解しておくことが重要です。

本記事では、百貨店業界の基礎知識から各企業の詳細まで解説しています。百貨店業界の業務内容や動向を知ることで、「どんなやりがいがあるのか?」「どんな職種があって、それぞれどんな仕事内容なのか?」を理解することができるでしょう。

これらの理解から、自分の就活の軸と照らし合わせることで、より深い業界研究ができるようになります。百貨店業界を理解し、就職活動を優位に進めましょう。

百貨店業界とは

百貨店とは、小売業界の中に位置し、デパートでモノを販売する産業です。対面での販売を基本とし、一つの建物の中に衣・食・住のあらゆる商品が陳列されています。数多い商品を取り扱うことから、百貨店と呼ばれています。

店舗によっては一流ブランドが出店をし、華やかに軒を連ねています。スーパーマーケットやショッピングモールよりも、良質で高級な商品を取り扱いが多いです。

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百貨店業界のビジネスモデル

百貨店業界のビジネスモデルを表した図

メーカー

百貨店業界は、商品を仕入れるために各メーカーと取引を行っています。例えば衣料であればアパレルメーカー、食料であれば食品メーカーとなります。

アパレルメーカーの場合であれば、各メーカーが百貨店のフロアの一画に店舗を構え、商品の仕入れから販売まで、各メーカーごとに行います。

一方で食品メーカーの場合、デパ地下での販売がメインとなります。アパレルメーカーと違い、商品自体は食品メーカーが製造した商品ですが、仕入れや販売に関しては、百貨店の社員が行うことが多いです。

百貨店は、販売する場所なので、中に商品がなければ人は集まりません。そのため、各百貨店のブランドイメージや競合と差別化できるよう、生産メーカーの選定に力を注いでいる傾向があります。

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卸売業者

メーカーと百貨店を繋ぐ役割を担っているのが、卸売業者です。商社と呼ばれることもあり、メーカーから買い取った商品を百貨店に販売し、その差額から収益を得ています。

卸売業者は様々なメーカーと取引しており、多数の商品を扱っています。そのため卸売業者を通じることで百貨店としては、店舗に陳列する商品の幅が広がり、各社のブランドイメージの確立や、競合との差別化が図りやすくなります。

特に百貨店であれば、食品メーカーと百貨店の間に位置することが多いです。各百貨店は、自社のブランドイメージに合った商品を、より安く仕入れることができる卸売業者と契約しています。

「商社」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「商社」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

百貨店業界の3つの種類

百貨店業界の3つの種類を表した図

次に「百貨店業界の種類」について、解説します。百貨店業界の種類としては、「都市型」「鉄道型」「地域型」の3種類があげられます。

それぞれの違いについて知っておかなければ、自分のやりたい仕事ができない可能性があります。そのためそれぞれの違いを、しっかりと理解しておきましょう。

1.都市型

「百貨店業界の種類」について、1つ目は「都市型」があげられます。例えば「三越伊勢丹」や「高島屋」など、日本全国で店舗を構える大手の企業が該当します。

江戸時代に呉服屋として創業している企業が多く、「呉服系百貨店」とも呼ばれています。呉服系百貨店は、日本全国の都市に出店しています。特に県庁所在地や政令指定都市のような大都市には積極的に出店しているのが特徴です。

都市型の百貨店
・三越伊勢丹
・高島屋
・J.フロントリテイリング
・エイチ・ツー・オー・リテイリング
・そごう
・西武

2.鉄道型

「百貨店業界の種類」について、2つ目は「鉄道型」があげられます。駅ビルに直結し出店する百貨店が「鉄道形」です。鉄道型の百貨店は、都市型に次ぐ事業規模があります。

例えば、阪急電鉄の「阪急百貨店」や東京急行電鉄の「東急百貨店」などの百貨店を指します。

鉄道会社が母体となり、駅近くに出店することで集客力を高めています。これを「ターミナル立地型」と呼ぶことも多く、鉄道型の百貨店が積極的に採用しています。

1位 伊勢丹新宿本店 2,740億円
2位 阪急うめだ本店 2,412億円
3位 西武池袋本店  1,823億円
4位 JR名古屋高島屋 1,653億円
5位 高島屋大阪店  1,495億円

また、「【最新版】2020年 全国百貨店 店舗別 売上高ランキング」によれば2位と3位に鉄道型の百貨店がランクインしています。このように、店舗ごとで比較すると、都市型と並ぶ売上高を誇っています。

鉄道型の百貨店
・阪急百貨店
・近鉄百貨店
・東急百貨店
・小田急百貨店
・東武百貨店

3.地域型

「百貨店業界の種類」について、3つ目は「地域型」があげられます。例えば、「松屋」や「丸栄」など中小規模の百貨店が該当し、「都市型」や「鉄道型」との競争を避けるために、「地域密着型経営」を行っていることが特徴です。

新興住宅地や地方に百貨店を出店する「郊外型」のビジネスモデルを採用し、地域住民に親しまれる存在を目指しています。

郊外に店舗を構えることで、自動車を利用するファミリー層を中心としたターゲットが設定されています。そのため、家具や家電のような大型商品を扱う店舗が出店しており、「都市型」や「鉄道型」との差別化がされています。

一方で、地方の消費低迷や人口減少により、撤退や営業終了に追い込まれるなど、生き残りが難しくなってる経営手法でもあります。

地域型の百貨店
・松屋
・丸栄
・天満屋
・岩田屋三越
・井筒屋
・トキハ

百貨店業界の3つの職種と業務内容

百貨店業界の3つの職種と業務内容を表した図

次に「百貨店業界の職種と業務内容」について、解説します。百貨店業界の職種と業界内容としては、「販売職」「営業職」「バイヤー」の3種類があげられます。

それぞれの違いについて知っておかなければ、「どのような仕事なのか」が分からず、自分の合った仕事ができない可能性があります。そのためそれぞれの違いを、しっかりと理解しておきましょう。

1.販売職

「百貨店業界の職種と業務内容」について、1つ目は「販売職」があげられます。販売職は、実際に店頭に立ち、お客様に商品について説明をしたり、提案をしたりする職種です。

プライベートブランドとして、取り扱っている商品を販売しています。プライベートブランドとは、販売を行っている企業が独自に展開している商品です。ファミリーマートのお母さん食堂が有名でしょう。百貨店では、主に食品コーナーやプライベートブランドでの販売がメインになります。

お客様が百貨店において、快適にショッピングができるようにサポートします。お客様と実際に対面する立場であるため、接遇やマナー、丁寧な言葉遣いを身につけて接客することが求められます。

また販売だけではなく、商品の在庫管理や発注、伝票処理、売上日報の作成など、その他の事務作業も行います。販売職として経歴を積んでいくと、新人社員の指導、売場のセクションマネジメントを任されていきます。

他にも、百貨店オリジナルのクレジットカードの勧誘や、季節限定キャンペーンのお知らせなどもお客様にすることがあります。商品以外の情報についてもしっかりと把握しておく必要があります。

また販売職の中にも「売り場販売員」と「販売支援」が分かれています。それぞれ、下記で詳細を解説していきます。

「販売職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「販売職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

売り場販売員

「売り場販売員」は、実際に店頭に立ち、お客様に直接商品を販売することが仕事です。コンビニやスーパーにおいて、レジや商品の陳列を行っている人がこの職種にあたります。

百貨店業界に新卒で入社した場合は、まずは現場を経験するために販売の仕事を任されることが多いです。アルバイトが多い職種ではありますが、マネージャーへのキャリアアップが可能です。

また販売は店頭での販売だけに限らず、店舗運営の仕事も含まれていますので、販売の職種でキャリアアップを図る人も多いです。企業によっては店舗だけではなく、エリアを任されるエリアマネージャーまでを販売の職種としている場合もあります。

販売支援

「販売支援」では、バイヤーが仕入れた商品を、どのように販売するかを企画する職種です。季節や流行に合わせ、イベントや催事の立案から開催まで一貫して関わり、百貨店の売り上げ向上や知名度アップを目指します。

例えば、フロアを貸切って「北海道のグルメを取り揃えた物産展」や「バレンタインデーチョコレートのイベント」などが有名でしょう。これらを企画し、運営する仕事が販売支援になります。

あらゆる商品の知識や、マーケティングによる市場調査、企画力やプレゼン力が求められるので、ある程度現場で経験を積んだ人が担当することが多いです。

2.営業職

「百貨店業界の職種と業務内容」について、2つ目は「営業職」があげられます。営業では百貨店の商品を、外部の顧客に販売する仕事です。

企業のように購入額が大きい顧客や、毎年一定金額以上の買い物をする顧客を対象に訪問し、新商品やキャンペーンを紹介する仕事や、お中元やお歳暮が必要な企業に、ギフト商品購入を促す法人専門の営業も存在します。また、記念品や制服、贈呈品、防災用品なども販売しています。

その中でも電話やメール配信によってアプローチを行う「内勤営業」と、実際に企業へ訪問する「外商営業」の2つの手法に分けることができます。

「営業職」について詳しく説明している記事もあるので、合わせて確認してください。「営業職」について詳しくなることで、より優位に就活を進めることができるでしょう。

内勤営業

「内勤営業」は、外出せずに、百貨店の商品を顧客に営業する職種です。お歳暮やお中元の季節になると「贈答品の販売を始めました」と顧客に電話をしてお知らせしたり、カタログを送付したりします。

付随してオンラインショップの対応や注文の問い合わせの対応をすることもあります。

外商営業

「外商営業」は、内勤営業と違い、外出をしてお客様の所に足を運びます。顧客を対象に商品の説明や、企業を相手に契約をしたりします。つまり、百貨店外で商品の販売をする仕事です。

また百貨店内で店舗を構えてもらえるように、アパレルメーカーやインテリアメーカーなどに営業を行い、企業を誘致する活動も行っています。

3.バイヤー

「百貨店業界の職種と業務内容」について、3つ目は「バイヤー」があげられます。バイヤーは、店頭に出す商品を買い付けてくる仕事です。どの商品がどのような顧客に売れるのかを的確に予測し、買い付けすることが求められます。百貨店では、主に食品コーナーやプライベートブランドの商品を買い付けを行っています。

流行は常に変化していきますし、顧客変動も激しい中で、先見性を持ち、トレンドを把握しながら買い付けることが腕の見せ所です。

闇雲に自分の好みで商品をピックアップして店頭に出すだけでは、売れ行きは伸びません。他にも、価格交渉や新規開拓もバイヤーの仕事です。交渉術を身につけて卸値の価格を調整したり、ヒットしそうな商品の販売ルートを確保して商品を仕入れたりしていきます。

商品知識が必要な職種なので、新卒入社で最初からバイヤーになることはほとんどありません。販売職の現場経験を経て、ステップアップとしてバイヤーになる人が多いです。

あなたが受けてはいけない職業をチェックしよう

就活では、自分に適性のある仕事を選ぶことが大切です。向いていない職業に就職すると、イメージとのギャップから早期の退職に繋がってしまいます

そんな時は、適職診断ツール「My analytics」を活用して、志望する職業と自分の相性をチェックしてみましょう。簡単な質問に答えるだけで、あなたの強み・弱みを分析し、ぴったりの職業を診断できます。

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百貨店業界の動向

次に百貨店業界の動向について解説します。百貨店業界の動向について理解することで、「業界全体ではどんな課題があり、どのような人物を求めているのか」「今後の展望により、就職することでどのようなメリットやデメリット」が分かります。

そのため、自分にあった企業を探すための業界研究や企業研究を進めることができます。百貨店業界を理解するためにも、現状の課題や今後の行方にもしっかり注目しておきましょう。

今までの変革

日本での百貨店の歴史は100年近くあります。1904年に、江戸時代から続く三井呉服店によって、株式会社三越呉服店が設立されました。主に洋服の登場により、幕末から明治期にかけて呉服業が不振を極めたことで、多様な商品を取り入れようと百貨店が誕生しました。

その後1920年代には、髙島屋、松屋、松坂屋、そごうなどの各呉服店が次々と株式会社へ組織変更し、百貨店化が進みました。このように百貨店業界、多くの場合呉服店からの歴史があり、今でもアパレルの販売に力をいれてる企業も多いです。

近年のトレンド

近年のトレンドを表した図

オンラインショップの台頭による市場規模の縮小

近年、百貨店業界は苦境に立たされています。オンラインショップの浸透により、対面での販売をメインとする百貨店の市場は、徐々に縮小しています。

経済産業省の商業動態統計(XLS)」によれば、百貨店の総販売額は2000年の10兆115億円から年々減少し、昨年2019年は6兆2,979億円と、過去20年で40%近く減少しています。

オンラインショップでは、店舗に足を運ばなくてよい、在庫がなくてもネットなら買える場合がある、店員に話しかけられずに済むなど、様々なメリットがあります。一部の小売店やアパレル企業によっては、ネット通販だけの限定商品を用意していることもあります。

一方百貨店は、オンラインショップに移行しきれていません。百貨店には取り扱われているブランドや真摯な接客により、贅沢感や高級感というイメージがあり、利用者は金銭的に余裕がある高齢者が多くなっています。

百貨店業界はオンラインショッピングに移行しようとしても、「オンラインショッピングのやり方が分からない」「高級品だから対面で買いたい」といった需要が多いといった課題があり、オンラインに移行しきれていない現状があります。

新型コロナウイルス感染拡大による休業

2020年に流行した新型コロナウイルス感染拡大の影響で、外出自粛や時短営業により、百貨店業界は大きな打撃を受けました。日本百貨店協会によれば、百貨店を経営している会社は全国に74社あり、店舗数は2020末時点で196店です。

これは2019年に比べて12店も減っており、200店をきったのは1970年以来50年ぶりになります。2020年1月には、創業300年を超す山形市の大沼山形本店が営業を終了し、8月には徳島市のそごう徳島店が閉店し、どちらも全国で県内に百貨店がひとつもない空白県となりました。

コロナ禍での新しい生活様式では、「非接触」「非対面」が求められ、百貨店の強みである「対面での丁寧な接客」が活かせなくなっています。小売業界では、インターネット通販の需要が高まっていますが、百貨店は年配客の利用が多いこともあり、ネット通販に移行しきれていない現状があります。

今後の行方

今後の行方を表した図

ビジネスモデルの転換

日本国内では、少子高齢や人口減少や新型コロナウイルス感染拡大の影響により、百貨店市場の縮小は避けられないと言われています。そのため、こうした今後の動向を見据え、百貨店各社は新しいビジネスモデルに着手している企業もあります。

最近の百貨店各社の戦略として、「脱百貨店型」と「売り場拡充型」の2つが挙げられます。「脱百貨店型」とは、オンライン化により売り場を設けて販売をせず、余った売り場を不動産のようにフロアを貸し出すことで収入を得るビジネスモデルです。

一方「売り場拡充型」とは、百貨店側が各テナント企業の商品を企画し、品ぞろえを決め、従来よりも売り場の品質を強化した戦略になります。

主に「脱百貨店型」を推進しているのが、Jフロント リテイリングです。この企業は、銀座最大の商業施設である「GINZA SIX」に、40を超えるブランドをテナントとして誘致しています。また2019年9月にリニューアルオープンの大丸心斎橋本館では、360以上がテナントで、場所貸し事業に注力しています。

一方、三越伊勢丹では「売り場拡充型」を推進しており、経験豊富な「コンシェルジュ」を配置して、よりお客様のニーズに適切に答えられるよう、接客の強化を図っています。このように百貨店各社は収益源を確保するために、新たなビジネスモデルに挑戦しています。

デジタルの活用

ビジネスモデルの転換の一環として、「リモート接客」を行なっている企業もあります。リモート接客とは、お客さんと販売員が画面を通じて1対1で接客を行う形式になります。

百貨店業界大手の高島屋では、予約制での「リモート接客」が始まりました。テレビ電話で対話をしながら、店頭と変わらない接客を受けることが出来ます。これにより、サイズに不安を抱える女性客やリモートになれない高齢者のお客さんから高評価を得ています。

このように、デジタル化が遅れていると言われていた百貨店業においても、デジタルを活用した接客が見られるようになりました。

百貨店業界の業績と待遇

百貨店業界の業績を表した図

業績規模 5.2兆円
平均年収 621万円
平均勤続年数 約18.1年

図では、「業績規模」「平均年収」「平均勤続年数」のカテゴリーのうち、それぞれトップの「卸売」「総合商社」「電力」の業界と百貨店業界を比較しています。

業界動向リサーチの「百貨店業界の現状・動向・ランキング・シェアを研究-業界動向サーチ」によれば、百貨店業界は毎年順調に業績を伸ばし続け、現在では業界規模5兆2,000億円となっています。業績の伸び率は-1.5%であり、150業界136位と高くなっています。

一方平均年収は621万円となっており、総合商社と比べると低いものの、サラリーマンの平均年収が400万円程度と言われているため、平均と比べると高めとなっています。

また平均勤続年数は18.1年となっています。国税庁が公表している「平成29年分 民間給与実態統計調査」によれば、全体の平均勤続年数は17.7年であるため、平均より高い勤続年数であることが分かります。

百貨店業界の主要企業の売上高ランキングと特徴

百貨店業界の主要企業の売上高ランキングと特徴

  1. 1株式会社三越伊勢丹ホールディングス
  2. 2J.フロントリテイリング株式会社
  3. 3株式会社高島屋
  4. 4エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社
  5. 5株式会社セブン&アイホールディングス(そごう・西武)

百貨店業界は、2007年から大型の統合が続いています。統合により閉鎖せざるを得ない店舗もありますが、企業同士の個性を合わせることで、より強い個性を生み出しています。

企業によって、歴史を重んじたり新しい風を取り入れることに積極的だったりと違うため、主要企業のことをあらかじめ知っておくことが大切です。また、実際に店舗にいくつか足を運び、販売ブランドの傾向や雰囲気を体感するようにもしましょう。

以下のデータは、2020年3月の有価証券報告書を参考に作成しております。

1.株式会社三越伊勢丹ホールディングス

企業名 株式会社三越伊勢丹ホールディングス
代表取締役社長 杉江 俊彦
従業員数 18,799名(グループ企業連結)
設立年月日(三越) 1673年(寛文12年)
設立年月日(伊勢丹) 1886年(明治19年)11月5日

三越伊勢丹ホールディングス株式会社は、三越と伊勢丹が統合合併した、国内最大の百貨店企業です。厳密に言えば三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井の4つの百貨店です。会社は1つになりましたが、三越は三越として、伊勢丹は伊勢丹として店舗はそのまま、独立の冠で営業しています。

三越の特徴は、伝統と格式を重んじる、富裕層の中高年をターゲットとしています。そして伊勢丹は、トレンドを先取りしたファッションを求める若い女性向けです。このように、まるで正反対の2社が合併をすることで、互いの弱点を補えるようになりました。

品位が大事な接客業のため、研修では細かくマナーを学ぶことができます。総合職の有給休暇の消化率は80%近くと高く、社員割引のような福利厚生も充実している会社です。

2.J.フロントリテイリング株式会社

企業名 J.フロントリテイリング株式会社
代表取締役社長 茶村 俊一
従業員数
設立年月日 (大丸) 1920年(大正9年)4月16日
設立年月日 (松阪屋) 1949年(昭和24年)5月14日
設立年月日 (パルコ) 1953年(昭和28年)2月13日

J.フロントリテイリング株式会社は、大丸、松坂屋、パルコが統合・合併して発足した企業です。関西発で、リニューアルを繰り返し新しさを求める大丸、定番ブランドで安定感のある松坂屋、ヤングファッションをリードするパルコ、と個性の異なる3社です。

経営の主導権は大丸ですが、販売に関しては従来通りの個性を活かす形での営業を続けています。

2017年4月には銀座にハイクオリティブランドを集めた「GINZA SIX」をオープン、11月には前出の「上野松阪屋」をリニューアルオープンさせて話題を呼びました。社内の風土は、まだ歴史や安定を重んじる傾向にあるようです。

これからは、挑戦する精神の強い新入社員の存在が必要になってくるでしょう。

3.株式会社高島屋

企業名 株式会社高島屋
代表取締役社長 木本 茂
従業員数 14,662名
設立年月日 1919年(大正8年)8月20日

株式会社高島屋は、合併統合・再編が進む百貨店業界内において、独立系の企業です。ハイランドグループという百貨店グループを率いていますがグループ内に資本関係はなく、商品開発や配送分担での協力体制のみという緩やかな関係となっています。

ハイブランドから家族向けのブランド・商品まで、品ぞろえも幅広く充実しています。レストラン街や食料品売り場もオールマイティにハイレベルです。

女性のマネージャーなど管理職も増え、残業も少なく、育児休暇や時短制度も充実しています。女性にとって働きやすい職場と言えるでしょう。

2016年、女性が働きやすい職場として厚生労働大臣より「えるぼし企業」に認定されました。育児や介護に携わる社員のため、今後は在宅勤務制度も導入しています。

4.エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社

企業名 エイチ・ツー・オーリテイリング株式会社
代表取締役社長 鈴木 篤
従業員数 5,693名
設立年月日(阪急百貨店) 1920年(大正9年)11月1日
設立年月日(阪神百貨店) 1947年(昭和22年)6月30日

エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社は、大阪に本社を置く企業です。阪急・阪神、およびその系列企業から成り立っています。関西地区で最大のライバルであった同社の合併にあたっては経営陣の退陣などさまざまなことがありました。

現在では食品宅配事業を新しく展開させるなど、業務を拡大してきました。休暇が取りやすく、女性は子どもが小学生になるまでは時短勤務を利用できます。保養所も充実しており、社員販売などの福利厚生はしっかりしている職場です。

店舗はほぼ関西圏のため、職場は関西配属であることがほとんどです。教育制度として、企画などで入社をしてもまずは店頭営業・販売業務の一連の仕事を経験することになります。

5.株式会社セブン&アイホールディングス(そごう・西武)

企業名 株式会社セブン&アイホールディングス
代表取締役社長 井坂 隆一
従業員数 そごう・西武単独 9,323名(グループ連結140,938名)
設立年月日(そごう) 1830年(文政13年)
設立年月日(西武) 1940年(昭和15年)3月14日

セブン&アイホールディングスは、セブン-イレブン、イト-ヨーカ堂、そごう、西武などからなる大手流通会社です。

連結企業としての売上高は5兆8,356億円と、百貨店業界1位から4位を足したものよりも大きいですが、西武・そごうの百貨店事業としては業界5位になります。環境経営に力を入れ、日本経済新聞社が選ぶ「第20回環境経営度調査」の小売・外食部門で1位を受賞しています。

採用は各事業部により異なり、百貨店業界のそごう・西武はそこでの単独採用となっています。総合職は全店舗、販売職は店舗限定など採用形式が異なるので、企業研究と対策があらかじめ必要です。

百貨店業界について理解し就活に挑もう

百貨店はその名のとおり、数多くの品物を取りそろえて顧客のニーズに応える店です。ファッション、宝飾品、食料品など、取り扱う品物はさまざまです。

百貨店に就職をするということは、国内だけではなく、世界の物流の流れを知るということにもなります。時代を作り出す百貨店業界への知識を深め、就職活動に役立てましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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