職種研究

【児童相談所への就職ガイド決定版】必要な資格や求められる人材像ほかポイントを解説!

志望する就職先の研究は徹底しよう

就職活動を進めていくにあたって、自己分析や業界研究と並び絶対に欠かせないことと言えば「企業研究」。就活の中で最も重要だと言っても過言ではないほどの作業で、これを怠っては良い成果を得ることはできません。

企業研究が浅いまま選考に進んでしまうと、面接官に見抜かれて選考がうまくいかなかったり思い描いているビジョンとの食い違いに気付いたりと、後々就職活動に悪影響を及ぼします。よって就活を成功させるためにも、事前に志望する企業のことをしっかりと理解しておく必要があるのです。

そこで本記事でご紹介する職業は子供のあらゆる相談に応じる「児童相談員」です。企業研究が済んでいない方、興味を持っている方もぜひ参考にしてみてください。

児童相談所とは

各都道府県には、「児童相談所」という児童福祉の専門機関が存在します。児童相談所は簡単にいうと、児童の権利を守りつつ健全に育つように導き支援する機関です。さらに虐待や非行があった場合には、一時保護をして解決策を探っていくこともあります。

つまり、子供や保護者をサポートする大切な存在なのです。そこで次に、児童相談所の役割から仕事の概要まで詳しくご紹介します。児童と向き合って具体的にどのような仕事をするのか、ここでチェックしましょう。

相談所の役割

児童相談所の役割は、18歳未満の子供に関する様々な相談を解決するために調査や援助を行うことです。基本的には保護者による子育てやしつけの悩みから養育問題、児童自身の不登校やいじめ、心や体の障害などに関する解決策を探ります。

さらには暴力のような非行にまで対応し、時には警察や学校と連携することもあります。また、児童の非行や保護者が不在で養育環境が不適切である場合は、「一時保護」として保護をすることもあります。まとめると、次の事柄が児童相談所の役割だと言えます。

  • 子どものことを深く理解し、健全に成長を遂げる手助けをする
  • 不適切な環境に置かれている場合は、保護して解決策を考える
  • 子育てに悩む親を支援する

仕事の概要

児童相談員は、「児童福祉司」と「心理判定員」の2種類の職務に分けられます。アプローチ方法は異なるものの、どちらも子どもだけではなく親からの相談にも応じ、保護者へのサポートを行っているところが特徴です。

まず児童福祉司は、子どもの生活環境からアプローチをし、家庭環境などを考慮した上で面接を行うことによって、問題の解決を探っていきます。さらに心理判定員は、子どもの行動を観察したり心理テストやカウンセリングを行うことによって心の状態や生活能力を診断します。

心理学や社会学のような専門知識やカウンセリングスキルが必要とされるところが、児童福祉司との違いだと言えるでしょう。

仕事内容などについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

児童相談所の仕事のやりがい

児童相談所は、日頃辛い出来事を強いられている児童を救うためになくてはならない存在です。いじめや虐待といった環境に置かれている児童を、いち早く救出することが仕事になります。児童の人生を変えてあげることができるのが、児童相談所です。

辛い環境から子供達を救い出し、その後の成長を見届ける中で、児童相談所に勤務するやりがいを感じることができます。また、児童を守ることは、ときにその両親を救うことにも繋がるのです。

家庭内だけではどうしようもなくなった所に手を差し伸べ、解決に導くことで感謝されることも少なくありません。こういった所にも、やりがいを感じることができるでしょう。

児童相談所で働くうえで大変なこと

虐待やいじめを受けている子供の保護や親の相談など、児童相談所の業務内容は多岐に渡ります。近年は、児童虐待が大きな社会問題となっています。そうした問題に、常日頃向き合う精神力が求められるのです。ときには、目も当てられない家庭環境を目にすることもあるでしょう。

また、児童相談所では職員の少なさも嘆かれています。そのため、1人で処理する業務内容が非常に多いのも事実です。あまりの大変さに、精神的な問題で辞職する職員も多くいます。こうした環境の中で児童相談所で働くには、かなりの覚悟が必要になるでしょう。

児童相談所の就職に必要な資格とは

児童相談員がどのような仕事をしているのかを見ていきました。子どもの成長をサポートする機関ということで、興味を持った方もいらっしゃるでしょう。次に気になるのは、児童相談所で働くために必要とされる「資格」ではないでしょうか。

実は他の職業とも同様に、児童相談員になるためには必須とされる資格があります。ここで、児童相談員を目指す際に取得しておく必要がある資格をご紹介します。

①公務員資格

児童相談所に就職するためには、各自治体の「公務員資格」を取得する必要があります。なぜなら児童相談所の職員は、地方公務員として区分されるからです。もしも一般行政職採用の場合は、希望にそぐわない場に配属をされる可能性もあるので注意が必要です。

一般的に児童相談所に勤務する人は「児童福祉司」と「心理判定員」に分類されるとご紹介しましたが、もちろんどちらを希望するかで受験する採用試験は異ります。まず心理判定員になるには、上級(1種地方公務員試験)を通過していることが絶対条件です。

さらに「精神衛生に関係する学識経験のある医師、または同水準の人」もしくは「大学または大学院で、心理学を専門に学び、卒業した人」のどちらかを満たす必要があります。

公務員試験について、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

②児童福祉司

児童福祉司は「公務員」に区分されるため、地方公務員試験に合格している事が働く上での必須条件になります。それ以外で必須とされている試験や資格はありませんが、児童福祉法に定められている「任用資格要件」のいずれかを満たしておく事も条件の一つです。志望しているのであれば、これらを事前にチェックしておきましょう。

【児童福祉司になるために必要な任用資格要件】

  • 都道府県知事が指定する児童福祉司養成校を卒業
  • 都道府県知事が指定する講習会を修了
  • 医師、社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの資格を保有
  • 大学または大学院卒で心理学を選考、さらに指定施設にて実務経験1年 他

児童福祉司になるには主に以上のような任用資格が必要になるので、目指している方は頭に入れておきましょう。

児童相談所での業務に向いている人材とは

児童相談所で働くことを目指すには、まずは適性を知らなければなりません。たとえ働きたいとは思っていても、実際には向いていない人もいます。児童指導員を目指す人はほとんどが「子どもが好きだから」という志望動機を持っていますが、それだけではこの仕事は勤まりません。

人間相手のお仕事となるので、辛いことや大変なこと、苦労がつきものなのです。そこで次に、児童相談員になるのに向いている人材をご紹介します。児童相談所の気になる適性をチェックしましょう。

①子どもが好きな人

児童相談所では、様々な悩みを持つ子どもたちと接することとなります。そのため、子供が好きで本当に大切に思い、寄り添うことができる人が最も向いていると言えます。さらに子どもたちと同じ目線になって会話ができると、悩みを持った子どもたちでも打ち解けやすいのでなお良いでしょう。

児童相談所に足を運ぶ子どもたちは、基本的には大きな悩みを抱えています。よって、本人たちの気持ちをしっかりと汲み取った上で真摯な態度で接する必要があるのです。相手はまだ幼い子どもだとしても、一人の立派な人間。そんな子どもたちの意見を尊重し、複雑な問題まで解決しなければなりません。

②忍耐強い人

児童相談員は、相談者の障がいや非行、いじめ、養育の悩みなどの重い悩みを解決に導く必要があります。たとえ赤の他人とは言えど、親身になって相談に応じるため重い気持ちになることは言うまでもないでしょう。

さらに、相談所に足を運んだ子どもたちや保護者の悩みを社会学的視点から見つめ、責任を持って指導しなければなりません。ですので、忍耐強い人が児童相談員に向いていると言えます。相談者のどんな相談にも応じて、生活環境がより良くなるようにサポートする児童相談員は「忍耐力」と「責任感」が問われます。

幼い子どもを健全な方向に導くために、忍耐強さと責任感を持って業務に取り組む自信がある方は、ぜひ児童相談員への道を検討してみてください。

③穏やかな性格であること

また、児童相談員になるためにはおだやかな性格であることも必須条件です。どんな子どもを相手にしても円滑にコミュニケーションを取るためには、感情的にならずおだやかな気持ちを持っておく必要があります。

さらに児童相談所で仕事をしていると、子どもの保護者から敵視されることも少なくはありません。そんな時でも気持ちを落ち着かせて対応することが絶対条件だと言えます。さらにおだやかな性格であることに加え、相手の気持ちを理解する能力に長けている人も児童相談員の適性があると言えます。

子どもや親と面談をする機会が非常に多いので、相手の気持ちを考えながらコミュニケーションを取ることが得意な方は難なく業務をこなすことが出来るでしょう。

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児童相談所でのキャリアアップについて

児童相談員としてのキャリアアップの方法は様々です。何人担当したら良いだとか、大きな相談を解決できたら良いだとか、そのように単純明快な方法ではないのです。しかし働いている上で、たくさんの悩みを持った子どもや保護者と出会うこととなり、彼らの相談の内容も十人十色。

そのような相談ひとつひとつに真摯に向き合い、その度に正しい解決策を導き出すことで、確実に成長することが出来ます。そうすることによって、確実にキャリアアップに近づくことが可能です。

児童相談所で働くと言うことは簡単なことではありませんが、子どもたちに愛を注ぎ成長を見守ることで、非常にやりがいを感じることが出来るはずです。ぜひ就活生の皆さんも、児童相談員になることを視野に入れてみてください。

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児童相談所の求人情報サイト一覧

最後に、児童相談所の求人情報サイトを載せておきます。それぞれのサイトには職場環境や給料、仕事内容が詳細に書かれています。求人情報を比較し、自分にあった職場環境を検索してみましょう。

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児童相談所の職員になるには適性の有無を判断することが大切

児童相談所には、毎日たくさんの児童や親からのSOSが届きます。それをいかに早く解決し、救ってあげるかが児童相談所において重要であり、これからもそうした相談は尽きることがありません。児童相談所が不要になる日はこれから先もないでしょう。

あなたが児童相談所で働くことを希望するのであれば、苦しんでいる児童や親を救う覚悟や責任感を持つことが必須です。また、児童や親に寄り添い、悩みや苦しみに共感する温かい心で仕事に向き合わなければいけません。あなたが今の自分を振り返って、本当に適性があるのかを考えてもらえるきっかけになれば幸いです。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

多くの学生と企業をマッチングしてきた経験を活かし、『就活対策サイト「キャリアパーク!」が教える 「最高の会社」の見つけ方』(高橋書店)を出版。最高の会社を見極めるための基準や失敗しない企業選びの方法を紹介している。

全国民営職業紹介事業協会 職業紹介責任者(001-190515132-01459)

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