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放課後児童支援員は学童保育指導員ともいう
将来は子どもにかかわる仕事がしたい、と考えている就活生の方も多いでしょう。「子どもにかかわる仕事」と一口にいっても、教師や塾講師、習い事の先生など選択肢はさまざまです。その選択肢のひとつに、子どもの放課後を見守る「放課後児童支援員」があります。
放課後学童保育に来る小学生を保護監督するという性質から「学童保育指導員」とも呼ばれています。その「放課後児童支援員」については、小さいころ学童に通っていたことのある人であれば、なんとなくはその活動を知っているでしょう。
しかし、そうでない人からしてみれば、あまりピンとこないものです。そこでここでは「放課後児童支援員」をフィーチャーして、その仕事内容や指導員になるために必要な資格などについてまとめて紹介します。子どもにかかわる仕事の選択肢を広げるために、ぜひ参考にしてください。
学童保育指導員の仕事内容
放課後児童支援員は、放課後学童保育に来る児童の保護監督をする役割があるということを先ほど述べました。具体的には、日々どのような仕事をこなしているのか疑問に思う人もいるでしょう。
ここでは、放課後児童支援員の日々の仕事内容について、紹介していきます。人によっては少し地味だなと思う方もいるでしょう。しかし、保護者が留守にしている子どもにとっては、どれも大切な役割を担っています。
放課後の児童の安全をサポートする
支援員の仕事を一言で表すと、「子どもの放課後の安全をサポートする」仕事です。なかでも小学校の授業が終わった後、親が仕事を終える一定時間のあいだ預かるのが、放課後児童支援員のメインの業務となっています。
小学生を取り巻く家庭環境もさまざまであり、共働き世帯も今では珍しくありません。保護者が留守にしているということは、家庭に子どもを守ってあげられる存在がいないということです。そのような状況下では、仮に子どもに何かよくないことが起こったとしても気づいてあげられないでしょう。
そこで、放課後保護者が留守にしている間の保護者の役割を、放課後児童支援員が代わりに担います。また、子どもの活動や体調をチェックするというのも大切な仕事です。体調面・メンタル面などのさまざまな角度から児童を見守り、よいことも悪いことも含め、何かあれば保護者に知らせて連携を取ります。
子供の遊びや勉強をサポートする
放課後の児童の親代わりとして、遊びや勉強をサポートするのも放課後児童支援員の仕事です。学校に通っている以上、勉強はとても大切です。子どもたちは毎日何かしらの宿題を持ってきていることでしょう。勉強を教えることも、学童保育指導員の役割です。なかには宿題タイムを設けて、勉強が終わってからでないと遊びにいけないというルールを設けている施設もあります。
一方で、勉強ばかりだと息が詰まってしまいます。時には外で思いっきり遊ぶことも必要でしょう。しかし、子どもの遊びだからといっても、危険はついてくるものです。そのため、児童たちが危険なことをしないように見守っている必要があります。
「子どもの放課後の安全をサポートする」支援員は、子どもの健やかな成長を促すために、勉強や遊びによりよい環境を整えてあげることも大切な役割です。
おやつの提供や食事の提供もおこなう
これに関しては必ずやっているとは限りませんが、学童保育のなかにはおやつや食事の提供をおこなう施設もあります。それらの食料は、施設によって、既製品を買ってきて出すこともあれば、手作りのものを出すところもあります。手作りするタイミングは、季節のイベントの時が多いようです。
幼児期に比べると落ち着いているものの、子どもは大人よりも成長のスピードが著しく、多くのエネルギーを消費します。そのため、いわば「補食」のような役割としておやつは最適です。とはいっても、夕食がいらなくなるほど食べさせるのはよくないため、そこは加減してあげる必要があります。
学童保育指導員の給料はいくらか
学童保育指導員の給料が気になる人も多いでしょう。2018年に公表された学童保育実施状況調査によると、週5日以上勤務する指導員の年収は、150万円未満が46.2%、150万円以上 300万円未満が31.3%、300万円以上は5.4%のみとなっています。日本の平均年収が400万円程度であることを考えると、学童保育指導員の給料は高いとはいえないことが分かります。
学童保育指導員を志すのであれば、これらの給料事情を考慮したうえで就職を考える必要があるでしょう。学童保育指導員の給料は、もちろん働く場所によっても異なります。少しでも高い年収を望むのであれば、給与条件について、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
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学童保育指導員に必要な資格
前の見出しでは、放課後児童支援員の主な仕事内容について紹介しました。この記事の中では「放課後児童支援員」「学童保育指導員」と2つの名称を出し、それらを分けずに話を進めてきましたが、厳密にいうと条件や扱いなどに少し差があるようです。ここでは、「学童保育指導員」になるために必要な資格についてまとめていきます。
実のところ、「学童保育指導員」として働く際に、必須の資格はとくにありません。主な勤務時間は平日の午後であるため、アルバイトやパートといった非正規雇用の勤務形態で従事している職員も多いです。
どうしても学童保育で働きたいという場合は、まずは次の見出しで紹介する「放課後児童支援員」を目指してみるとよいでしょう。必要な資格はとくにないと述べましたが、それでも子どもと接する仕事であるため、「保育士」や「教員免許」などの資格を持っていると有利にはなります。
教員免許を取得した方へ、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
放課後児童支援員とは
ここでは、「放課後児童支援員」についてご説明していきます。放課後児童支援員とは、学童保育を指導する専門資格を持った職員のことをいいます。内閣府が2015年よりスタートさせた「子ども・子育て支援新制度」の中でこの資格の設立が明記されました。専門資格であるため、持っていなければ支援員として活動することはできません。
また、学童保育には2名以上放課後児童支援員の資格を持っている職員が在籍していなくてはなりません。これも「子ども・子育て支援新制度」の中で定められています。
業務内容は先の見出しで登場したものが大半ですが、支援員は専門的な立場であるため、現場の統括的役割を担います。小学生の子どもを持つ共働き世帯にとっては、安心できる存在であるといえるでしょう。
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放課後児童支援員になるには
放課後児童支援員は、大切な子どもたちを預かる専門的な仕事です。そのため、もちろん簡単になれるものではありません。それでもやりがいを感じることは多く、支援員になりたいという就活生も少なくありません。
そこで、ここでは放課後児童支援員になるために受けなければならないもの、経なければならないプロセスなどについてを解説していきます。自分に当てはまるもの・足りないものを確認してみてください。足りていない資格があれば、取得を目指す必要があります。
都道府県の研修を受ける必要がある
放課後児童支援員は地方公共団体から認定される資格です。資格を取得するためには、各都道府県で実施されている研修を受けなければなりません。
研修では、2~3か月の期間の中で1回につき4~8日間程度の日程で組まれたカリキュラムを受けることになります。どれくらいの研修期間になるかは都道府県によって異なるため、ご注意ください。
カリキュラムは6分野、16科目、24時間(1科目90分)で構成されています。その中では、学童保育の運営方針に基づく育成支援や心構え、子どもに関する基礎知識、そして保護者や地域との連携などについて学びます。どれも学童保育の専門職員になるためには欠かせない知識や技術ばかりです。
なお、保育士や社会福祉士などの資格をすでに持っている方は、保有している資格によって研修科目の一部が免除となります。これらの資格をすでに持っている方は、研修を申し込むときに申告しておきましょう。
研修を受ける為には条件をクリアする必要がある
- 保育士の資格を持っている
- 社会福祉士の資格を持っている
- 高卒以上に相当する学歴があり2年以上児童福祉事業での勤務経験がある
- 教員免許を持っている
- 大学か大学院で、社会福祉学、教育学など、該当する課程を修めて卒業している
- 大学にて、該当する学科の単位を修得し、大学院への入学が認められている
- 高卒以上に相当する学歴と2年以上学童保育の仕事経験があり、市町村長の認可がある
先に紹介した研修ですが、そのスタートラインに立つためには最低条件をクリアしている必要があります。上記の7つのうちのどれかをクリアしていれば、最低条件は満たしていることになるためご確認ください。
条件をみてみると、どれも簡単にはこなせない条件だと感じるでしょう。しかし、それは当たり前のことです。支援員の仕事は「子どもの放課後の安全をサポートする」ことであり、それは同時に命を預かる仕事であることを意味します。そのため、一朝一夕で資格が取れるはずがありません。
放課後児童育成支援師
「放課後児童育成支援師」は、すでに都道府県が認定する「放課後児童支援員」の資格を取得している、あるいは取得できる見込みの方が、子どもたちの育成支援についてさらに実践的に学び、より高度な技能を身に付けたいときに取得を目指す資格です。
こちらは日本放課後児童指導員協会が認定する独自の資格です。「放課後児童育成支援師」の認定を受けるためには、同協会が主催する「育成支援計画論」「育成支援実践論」などの4科目の講習(24時間・全4日間、1日のスケジュール:90分×4コマ+試験)をすべて受講し、科目ごとの試験に合格する必要があります。そのうえで資格申請とともに同協会の登録会員になることで、はじめて認定されます。
放課後児童専門育成支援師
「放課後児童専門育成支援師」も、日本放課後児童指導員協会が認定する独自の資格です。「放課後児童育成支援師」の資格を取得している、あるいは取得できる見込みの方が、さらに実践的・専門的に学びたいという要望に応えるための資格です。
「放課後児童専門育成支援師」の認定を受けるためには、同協会が主催する特定の分野(※)における講習(12時間・全2日間、1日のスケジュール:90分×4コマ+試験)をすべて受講し、科目ごとの試験に合格する必要があります。
※「遊び指導」「生活指導」「発達障害育成支援」「高学年育成支援」「健康・保健」「子育て支援」「組織マネジメント」「地域コーディネート」の8つがありますが、年度によって開講する分野が異なります。
放課後児童高度育成支援師
「放課後児童高度育成支援師」も、日本放課後児童指導員協会が認定する独自の資格です。「放課後児童育成支援師」の資格を取得している、あるいは取得できる見込みで、かつ学童などの放課後児童クラブで600日以上勤務している現職の指導員が、単なる経験だけに留まらず高度な実践力を身に付けたいときに目指す資格です。
「放課後児童高度育成支援師」の認定を受けるためには、同協会が主催する「実践研究とは何か」と「ライティング研修」のセミナー(1日のスケジュール:90分×2コマ)を受講したうえで、メールなどによる個別面談指導(実践研究報告書の作成・育成支援実践を研究目線で考察し言語化する能力の修得)を受ける必要があります。
学童保育指導員に関する資格は子育てにも役立つ
学童保育は、一時的にではありますが、放課後に子どもたちが帰ってくる家だと表現しても過言ではありません。大切な命を預かる場であるからこそ、安全に楽しく過ごせることが重要です。そのために、専門的知識を持つ職員は欠かせません。
また、「子どもの放課後の安全をサポートする」という性質を別の側面からみると、放課後児童支援員は子育てにも役立つ資格であるといえます。子どもの基礎知識について学ぶことができるため、学童保育での児童育成手段を自宅の子育ての参考にすることができます。
この記事を読んで、初めて「放課後児童支援員」の存在を知ったという就活生もいるでしょう。紹介してきた情報が、そんな方々の就職活動の幅を広げるのに役に立てば光栄です。
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