就活のマナー
【打診の意味】類語や場面に応じた使い方と行動をご紹介
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目次
ビジネスシーンで使用される打診とは
就活生といえども、すぐに社会人になります。そして、社会人としてビジネスシーンで活躍する際に、ビジネス用語は必須です。しかし、ビジネス用語の中には、間違った意味が広まってしまって、その言葉を誤用してしまうものもあります。
ここでは「打診」について紹介していきます。「打診」という言葉を聞いたことがない、という人は少ないかと思います。しかし、「打診」の正確な意味を理解して、適切に使えている人も案外少ないのではないでしょうか。
打診の意味と使い方を知ろう
「打診」は、間違って使われてしまいがちな言葉のひとつです。「打診」はビジネス用語として使われることが多い言葉なので、大事なビジネスの場面で誤用をしてしまうと、単に恥をかくだけにとどまらず、思わぬトラブルや、致命的な損失を発生させてしまうことになりかねません。そうならないために、しっかりと言葉の意味を理解しましょう。
ビジネスシーンで必要になる打診の意味
「打診」とは、もともと医術用語だったといわれています。医者が指先や打診器で患者の胸、背中などを叩き、その音を聞いて内臓の診察をする行為のことを意味したそうです。そこから転じて、相手に少し働きかけをし、その反応で相手の意向などを判断することを意味するようになりました。つまり、「打診」とは「相談する、持ち掛ける」という意味なのです。それ以上の意味は持ちません。
これは、ビジネス用語としても同じで、ビジネスの世界での「打診」は「相手の意向を確認する、話を持ち掛ける」という意味です。提案を相手にOKしてもらいたい、提案についてOKかNGか返事をもらいたい、という場合は別の言葉を使うことになります。
「打診を受ける」の意味
「打診をする」の意味は「相談する、話を持ち掛ける」ということですので、「打診を受ける」は、「相談される、話を持ち掛けられる」という意味です。そのため、打診を受けた場合は、判断を要求されているわけではありません。また、打診する側にお願いをされているわけでもありません。
どちらかというと相談の要素が強いため、あくまでも未定事項の提案として受け取った方がいいでしょう。したがって、すぐにその場ですべてを答える必要はなく、自分の答えられる範囲内で答えるのが正解です。ただし、未定事項の提案だからといって、いつまでも答えずに放置しておくことはいけません。ビジネスの場で打診を受けているので、きちんとした対処をする必要があります。
就活では日程調整で使われる場合が多い
企業が就活生に対して「打診」する場合の代表的な例は、面接などの「日程調整」が挙げられます。企業側の考え方としてはあくまでも日程調整の打診のため、決定事項ではありません。そのため、就活生は面接の日程の打診をされた場合に、都合が悪い場合は失礼のないように断ることも可能です。
ただし、就活の一環ですので、日程調整メールの返信の際は文面に注意して「こちらの都合で大変申し訳ございません。」ときちんと断ります。そして、自分から都合の良い他の日程を複数提示して、企業側からの打診に返答しましょう。打診された日程を断るだけでは、さらに日程が打診されるのを待つことになってしまいますので、自分から新たな日程を提示した方がいいでしょう。
打診を使用する際は他の意味と混同しない
よく打診を、「依頼」として、特に「正式ではないフランクな依頼」として使っている方が見受けられます。しかし、それは間違った使い方です。打診には、一般的にもビジネスシーンでも、そのような意味合いはありません。あくまで「相談する、話を持ち掛ける」という意味合いだけです。
そのため、相手に依頼をするときは、要望や交渉という言葉を使ってください。相手に何かを依頼したいときに打診をしても、その相手は承諾や返答をしてくれないかもしれません。依頼のつもりで打診を使うと、思わぬトラブルや致命的な損失を発生させてしまうことになりかねませんので、注意しましょう。
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打診の類語
「打診」という言葉の類語を知っておくと、言い換えて使う時などに便利になります。打診するという言葉は、相談や話を持ちかける意味になりますので、打診の受け手に何かを示することになるのです。そういう意味の同じ意味を持った類語は、「提案する」や、「提案する」や、「表明する」などがあります。これらの類語は、どれも未定の意思を提示ことについては同じ意味になります。ここでは、打診の類語について解説していきます。
提案する
「提案する」とは、公式的にはまだ未確定な事柄について建設的に考え、物事が改善されるために提示をすることをいいます。提案は、「ここをこうするとよくなります。」と相手先に伝えるだけではビジネス的に不十分なところもあるのです。そのため、一旦「ここが他のものなどに比べて劣っています。」と客観的にかつ論理的に分析をします。
そして、「そのため、ここをこう変えるとよくなります。」と提案することが大切です。「提案する」も「打診する」と同様に、提案された方は必ずしも同意する必要はありません。提案されたことは一意見として検討すべきことであり、その場で即時に回答する必要はありませんが、できるだけ早く回答すべきでしょう。
表明する
「表明する」という言葉も「打診する」の類語です。意味は、自分の考えや意見を他の人に表示してみせるということです。表明した事項が決定事項でないことは、「打診する」や「提案する」という言葉と同様で、表明された側は必ずしも同意をする必要はありません。
ただし、「表明する」という言葉は、「打診する」という言葉よりも、一方的に宣言するという意味合いが強いです。「打診する」は、相手方に対して相談したり、話を持ちかけたりすることで自分の意見を一歩引いて相手に対し「自分の意見はこうですが、いかがでしょうか。」ということなので、「表明する」ほど自分の意見を主張しません。「表明する」は、「打診する」の類語ですが、違いはあるのです。
意見を求める
「意見を求める」も「打診する」の類語ですが、意味が同じところと違うところがあります。意味が同じところは、「提案する」や「表明する」などの他の「打診する」の類語と同様に、意見を求めた事項が決定事項ではないことです。そして、他の人に意見を求めることは、相談をするために打診するということとほぼ意味が同じだと考えられます。
また、相手に意見を求めるという行為は、自分の意見を持っていて、さらにその上で相手の意見を聞いて自分の意見と比べたりミックスしたりしながら、最良の方法を求めていくというやり方です。そのため、「意見を求める」の決定権は、自分に近いところにあります。一方、「打診する」は、相手に打診をしてその結果相手の意見に近いところで決定をすることが多いのです。
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打診する側の使い方とそのポイント
「打診」という言葉に、依頼のニュアンスはないのですが、それ故にビジネスシーンで効果的に使われることがあります。例えば、ビジネスパートナーと仕事を進める際、最初から要望として話を進めたがために、話がこう着状態になることがあります。その原因は、要望に対して相手が身構えてしまったことです。
そうならないように、無用な波風を立てずにことを運ぶための手法が打診です。打診は、あくまで相談、話の持ち掛けですので、相手の警戒心は下がります。そして、警戒心を下げることで、とりあえず相手とのパイプを作り、その中で相手の反応を見極めることができます。こうすることで、交渉が結実しやすくなるのです。
相手へ打診するときの使い方
打診を使用する場面は、社内、社外にわかれます。社内で打診する場合は、「来季の人事異動について人事部長に打診した」という風に使います。「来季の人事異動について、自分の意見が反映される可能性があるかどうか、人事部長の反応を確認した」、という意味になります。
社外で打診する場合は、「弊社の新商品の提案について、○○会社に打診した」という風に使います。「新しく開発した商品を、使う可能性があるかどうか○○会社の反応を確認した」という意味になります。
打診するときのポイント
社内で打診を使用する場合、いきなり決定事項を伝えたり、一方的に自分の都合で話をすすめたりしてはいけません。「会議の日程についての打診」で、「○○に決まったので出席確認をしてくれ」はNGです。打診ではなく、「依頼」になってしまっていますよ。
まず、相手の都合や状況を尋ねてから、順番にステップを踏んでいきましょう。さらに、会議等の日程を打診する際は、2~3個の候補を示したりするといいと考えられます。
社外で打診が使用される場合、相手の返答への期待を間違うことがあります。「来季以降の契約について、○○会社に契約継続するかどうかの返事が欲しい」という場合、「来季以降の契約についての打診」では、YES/NOの答えがもらえない場合があります。
しかし、打診の意味からすると、相手方の対応はそれで問題ありません。YES/NOの答えが欲しい場合は、「来季以降の契約についての検討のお願い」としてください。
打診される側の取るべき行動とそのポイント
ビジネスシーンでは自分から打診するだけでなく、相手から打診されることもあります。相手がどういう意図をもって打診してきたのか、打診という言葉の意味をしっかり理解して適切な対応をしないと、思わぬトラブルや致命的な損失を発生させてしまうことになりかねません。
では、実際に打診があった場合に、どのように対処したらよいか、そのポイントをみていきましょう。
自分が打診されたときの取るべき行動
あなたが誰かに打診された場合、打診してきた相手方の意図は、あなたの意図を確認したいというものです。いくらYESかNOの答えを直接欲しがっていないとはいえ、ビジネスの場で、何か連絡を受けて放置するという行為はしてはなりません。あなたが打診された場合は、迅速に自身の意思を相手に伝えて下さい。
その際、明確な判断をするのが難しいのであれば、その部分は保留して応えられる範囲で返答して結構です。YESかNOの判断に時間がかかったばかりに、返答自体が遅れることは、もっともやってはいけないことになります。
打診されたときのポイント
打診されたときのポイントも、やはり「打診に依頼の意味はない」ということです。社内で打診が使用される場合、特に人事異動の場合に、辞令の意味と勘違いされる方がいます。「来季の人事異動について、上司から課長職を打診された」というのは、「来季の人事異動について、上司から課長職に付けるかどうか反応を確かめられた」という意味です。
上司は職務内容や勤務時間から課長職を遂行可能かどうか確認しているのであって、「来季の人事異動について、上司から課長職の辞令を受けた」という意味ではありません。くれぐれも、先走らないように注意してください。
打診の意味は相談する・持ち掛ける
あなたが就職してビジネスシーンで活躍する際には、以上のことに気を付けて「打診」を使用してください。「打診」独自のニュアンスを使いこなせれば、交渉事がスムーズにいくようになります。
また、「打診」は、ビジネス用語として広く定着している言葉です。そして、就職活動の対象となる会社の関係者や採用担当者は、もちろん社会人ですので、就活生といえども、就活中に打診される、することがありえます。そのときは、慌てず、正確な意味を理解して適切な対応をしてください。
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