業界研究

【証券業界研究ガイド】就活に役立つ職種分類・主要企業情報を紹介

証券業界とは

証券業界は、就活生から高い人気を誇る業界です。聡明な頭脳、高い報酬、実力主義といったさまざまなイメージがある証券業界は、毎年多くの就活生の憧れの業界であることは間違いないでしょう。

しかし、証券会社の業務内容や実態を知らないまま、高い報酬を得られるというイメージだけで何となく志望している学生は多くいます。実際、証券会社の業務は、就活生が想像しているよりも、大変な面もあります。証券業界を志望するのであれば、まずは証券業界の基本的な知識を把握しておきましょう。

証券業界

私達にとって最も身近な金融機関といえば、「銀行」でしょう。アルバイトで稼いだお金が振り込まれたり、何かの支払いをしたりする時などは、銀行を利用することが多いです。金融機関には、大きく分けて二つの種類があります。一つ目は「間接金融」と呼ばれ、個人や法人の預貯金をもとに、金融機関が企業に貸し付けをおこなっている形態です。銀行はこの形態に当てはまります。

二つ目は「直接金融」と呼ばれ、お金を企業に投資したいと思っている個人や投資家と、お金が欲しいと思っている企業が繋がり、お金が直接流れる形態です。証券業界は、この直接金融に当てはまります。証券会社は、お金を投資したいと考えている個人や法人を探し、企業との橋渡しをおこなう重要な役割を担っています。

証券業界の仕組み

業界について詳しく知るには、証券業界の仕組みを知っておくことが大切です。証券業界は主に有価証券を取り扱う仕事であり、資産を運用したい投資家に対して、投資の提案をおこないます。これは個人と法人の両方があり、提案によって有価証券を購入してもらうことで、購入時の手数料分を利益とします。また、資金を必要としている国や自治体、企業などに対して、資金調達の提案をすることも、証券業者の仕事のひとつです。

つまり、資産を運用したい投資家と、資金を調達したい団体を結ぶかけはしとなる存在が、証券会社といえるでしょう。証券業界はそれぞれの仲介をすることで手数料を受け取り、これを利益としています。有価証券を通して資産の運用と資金調達の提案をすることで、証券業界は成り立っていると考えましょう。

証券業界の現状

証券業界の現状としては、貯蓄から投資へと人々の意識が移り変わっており、活発になっているといえるでしょう。特に2016年に少額投資が非課税となる制度の上限額が120万円に引き上げになってからは、投資の意識は高まっています。

また、通常は証券マンと話しながら資産の運用方法を考えますが、ラップ口座の登場によってこの必要性は薄れています。ラップ口座とは投資一任口座のことであり、年間の管理費を支払うことで、自動で投資をおこなってくれるサービスです。

つまり、口座にお金を入れて管理費を支払っていると、自動で投資がおこなえる状態です。さらにネット証券の登場によって投資のハードルはさらに下がり、法人だけではなく、個人での投資も活発になっています。

証券業界の業績推移について

  • 業界規模:3兆7,120億円
  • 平均年収:751万円
  • 平均勤続年数:12.9年

証券業界は、非常に景気に左右されやすい業界です。平成20年に起きたリーマンショックでは、多くの証券会社が赤字を計上し、業績不振に陥りました。しかし、平成24年頃からは、世界経済が好転し、業界規模もリーマンショック依然と同水準まで回復していきました。

近年は、円高の進行や手数料収入の減少に伴い、株式市場が下落傾向にあります。当然、投資意欲は下がり、証券業界全体の業績も不振傾向です。証券業界の給与水準は、他業界と比較しても高水準だといえるでしょう。しかし、証券会社に勤めるすべての人が平均給与を貰ってるとは一概にはいえません。

証券会社は実力主義的な一面が強く、常に成果を出し続ける必要があります。結果、個人の能力によってインセンティブの額も異なり、平均年収にも差が出てきます。平均勤続年数は、会社によって異なりますが、12.9年です。他業界に比べるとかなり短く、転職する人も多い業界といえるでしょう。

証券業界の就職

証券業界は平成18年まで上昇傾向にあった業界でしたが、平成19年以降、リーマンショックや金機器の影響を大きく受け、一旦落ち込みました。しかし、平成23年ごとには経済が世界的に回復傾向に戻ったことから、上昇するようになりました。証券業界は円高円安などの影響や、世界経済に大きく影響を受ける業界であるといえるでしょう。証券業界に就職を考えている人は、これらを知っておくとよいでしょう。

また証券業界では、書類選考や面接の上、採用を勝ち取った後は、企業が社員にあった職種を判断し振り分けるといったケースが多くあります。入社後はまず営業部署に配属となるケースが多いです。

証券業界の細かい職種分類

  • リテール営業
  • 法人営業
  • M&Aアドバイザー(投資銀行部門)
  • トレーダー
  • アナリスト
  • アクチュアリー

証券業界には様々な職種があります。新卒で入社した場合は、基本的にリテール営業や法人営業と呼ばれる業務から始まり、個人や法人を相手に金融商品の営業やコンサルティングをおこなうのが仕事です。

M&Aアドバイザーとは、企業合併のための資金調達や企業分析をおこなう職種です。入社後は投資銀行という部門に配属され、総合職や専門職とは別部門で採用を行っています。

トレーダーとは、株の売買をおこなう人です。日々変化するマーケットと向き合い、株の値動きをチェックしています。アナリストは、各業界の動向や株の値動きを分析する人です。

アナリストは、例えば「小売り担当」「製造業担当」のように、業種ごとに分かれている場合が多いのが特徴です。毎年、全国の優秀なアナリストが選ばれるコンテストもあり、選ばれたアナリストは業界紙で紹介されるなど、個人での能力がかなり評価される職種です。

アクチュアリーとは、「保険計理士」とも呼ばれ、確率論や統計学を用いて、金融商品のリスク管理をする職種です。専門性を有する職種ですので、採用時は「専門系職種」として採用をおこなっています。

証券会社の主要部門

証券業界の主要な部門は、リテールと投資銀行、セールスとトレーダーの4つがあります。リテールは個人や法人の投資家に対して有価証券の販売をおこなう仕事であり、いわゆる営業の仕事と考えてよいでしょう。投資銀行は企業買収や資金調達などのサポートをおこなう部門であり、企業を支えるアドバイザーとしての役割があります。

セールスも営業部門のひとつですが、リテール部門とは対象となる顧客が異なります。セールスの場合は、機関投資家などを相手にすることが多く、リテールとは違ったターゲットに対して営業をかけることが特徴です。トレーダーは企業から支給される資金を使用して、自分で取引をおこないます。自分で取引をおこなうことに加えて、顧客からの有価証券購入の注文を受ける受注取引をおこなうことも仕事です。

自分は証券業界に向いているタイプか、適性を診断してみよう

自分の適性や性格が、証券業界の仕事に向いているのかどうか、気になりませんか?

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証券業界の平均年収と営業収益

就職活動が実際に始まって、選考が進んでから自分の働きたい業界の就職状況を知ると、出遅れてしまうことがあります。また、働き先が決まってから、業界平均年収を下回っていることに気付き、働く気が失せてしまうなどということもあるでしょう。

そうした事態を防ぐためにも、自分が働きたいと考える業界の年収や就職状況についてリサーチすることは、とても重要です。ここでは、証券業界の年収や就職状況などについて紹介していきます。

証券業界の平均年収は企業間で差が大きい

まず、証券業界の平均年収は、企業によってさまざまで、大手企業にもなると、平均年収が1,000万円を超える企業もあります。平均年収トップとランキングが下位の年収の差は、実に3倍以上違うということもあります。

これは大手企業の名が通っているかいないかで、社会的な信用のレベルが違うことから、売り上げ高や利益に影響しているところからくる差ではないかとみられます。平均年収は、就職活動をするときの判断材料とするとよいでしょう。

営業収益ランキングTOP10

       営業収益ランキングTOP10

  1. 野村ホールディングス
  2. 大和証券グループ本社
  3. 三菱UFJ証券ホールディングス
  4. SBIホールディングス
  5. 岡三証券グループ
  6. 東海東京フィナンシャルホールディングス
  7. 澤田ホールディングス
  8. マネックスグループ
  9. 楽天証券
  10. あかつき本社

業界動向リサーチによると、営業収益のランキングは以上のようになります。営業収益とは、企業が取引によって得た利益のことであり、売上高とその他営業収益の2つで構成されています。売上高は製品などを販売した際の利益であり、その他営業収益は手数料などの収益を指していることは覚えておきましょう。これらの企業は営業収益の高い大企業であり、就活生からの人気が特に高いといえます。

証券業界の主要トピック

証券業界を理解するためには、主要なニュースやトピックをチェックするようにしましょう。業界研究は、エントリーシートを書く際にも参考になりますし、面接では、最近気になった時事問題について質問されることもしばしばあります。

特に証券業界は、就活生にとって馴染のない業界ですので、まずは日頃から証券に関するニュースや、企業の株価について関心を持ってみましょう。主要ニュースを知ることで、関連する他企業についての情報も得ることができます。気になったニュースはノートにメモするなどして、自分の意見なども書き込んでおくと、面接対策に役立ちます。

ネット証券が手数料自由化で台頭

近年、主流であった対面営業式ではなく、個人がネットで口座を開設し、株式を売買することが出来るネット証券を使う人も多いです。

対面式では、証券会社の人から直接さまざまなアドバイスを貰ったり、サポートをしてもらったりできる反面、手数料がとても高いという懸念点があります。一方のネット証券は、取引残高によって月額で手数料がかかることがありますが、対面式よりも圧倒的に安いお金で株の売買をすることが可能です。

最近では、手数料が一切かからないネット証券も出現し、ネット証券大手のSBI証券の口座数は、今年400万を突破し、総合口座数トップを誇る野村證券に次ぐ2位に浮上しています。

個人にとって、証券会社の一番の問題は手数料の高さでしたが、ネット証券が身近になることで、簡単に投資を始めることができるようになり、売買意欲も向上しています。業界研究では、主要な五大証券以外にも、ネット証券にも目を向けて研究を進めるとよいでしょう。

大和証券、人工知能によるリアルタイム株式出来高予測モデルを採用

証券会社も、積極的に人工知能(AI)を導入し始めています。大和証券は、株式のデータなどを機械学習によって解析し、独自の株式出来高予測モデルを、Cogent Labs(本社:東京都渋谷区、代表取締役:飯沼純)と開発しました。

株式市場は、一秒単位で数字が変化し、人の目で売値や買値を判断することはとても難しいことです。株の売買に関する様々な予測をAIがおこなうことによって、より精度の高い市場の出来高を把握することができるようになります。

これによって、機関投資家の大口注文の執行において、予測データを踏まえた安定した執行をおこない、よりよい執行成果が期待されます。大和証券は、コージェントラボと独自のライセンス契約を契約し、最新のAIの分析手法を熟知した専門家によって設計された、アルゴリズムトレーディングサービスを活用していきます。

人工知能(AI)は、最近特に話題になっている分野です。従来まで人の手に頼っていた業務が、近い将来、人工知能によって効率化されることになります。そのための研究があらゆる分野でおこなわれており、証券会社も積極的に人工知能を取り入れた業務を進めています。業界を理解すると同時に、人工知能(AI)のニュースにも目を向けてみるとよいでしょう。

主要企業5選紹介


券業界は企業によって特徴や仕事内容は、さまざまあります。証券業界を志望したいと思ったら、自分に合った証券会社をみつけることも大切です。そのためには十分にその業界の研究をおこない、納得してから志望企業を選びましょう。

事業内容や社風なども知ることで、より深く証券業界を知ることができます。
証券業界には実際にどのような企業があり、どのような特徴がある企業なのかを紹介していきます。

①野村證券

  • 企業名 野村證券株式会社
  • 代表取締役社長 森田 敏夫
  • 従業員数 12,999人
  • 設立年月日 1925年12月25日

証券会社といえば、まず野村證券を思い付く方も多いです。野村證券は、全国約160の本支店・営業所の預かり資産は100兆円にのぼり、2位の証券会社の約2倍の規模を誇っています。

海外へも積極的に進出しており、多くの従業員が海外勤務を経験していることも特徴です。部門は大きく分けて3つあり、営業部門、アセットマネジメント部門、ホールセール部門(投資銀行部門)があります。

営業部門のノルマは厳しいことで有名であり、「ノルマ證券」と揶揄されることもありますが、圧倒的な営業力を誇る野村證券の営業部隊が、会社全体の収益の基盤を構築しています。

②大和証券

  • 企業名 大和証券株式会社
  • 代表取締役社長 日比野 隆司
  • 従業員数 9,176人
  • 設立年月日 平成11年4月26日

大和証券は、野村證券に次ぐ国内第二位の資産残高を誇る証券会社です。信頼の構築、人材の重視、社会への貢献、健全な利益の確保という四つを企業理念に掲げています。仕事内容は、リテール部門、ホールセール部門、投資銀行部門などに分かれており、新卒で入社をすると、多くの人が個人・法人営業からスタートします。

激務といわれる証券会社の中でも特に女性の活躍推進に力を入れており、新卒の女性採用率は50%以上、女性管理職の割合も2005年の75名に対して、2016年には5.2倍にあたる389名が起用されました。

3年連続で「なでしこ銘柄」にも選ばれており、今後もますます女性の活躍が期待できる証券会社です。

③みずほ証券

  • 企業名 みずほ証券株式会社
  • 代表取締役社長 坂井 辰史
  • 従業員数 7,397名
  • 設立年月日 1917年7月

みずほ証券は、2009年5月に新光証券と、ホールセール専業のみずほ証券と合併して誕生した証券会社です。みずほフィナンシャルグループ傘下の大手証券会社として、銀行系証券会社とも呼ばれています。

国内273拠点、国外24拠点をベースに幅広い事業展開をおこなっており、「One Mizuho」のスローガンのもと、銀・信・証の一体運営を武器に、ワンストップでさまざまなサービスを顧客に提供しています。

企業の新規上場に関わるIPO取引額は、国内でもトップクラスの実績を持ち、さらに主幹事関与額では業界1位を維持している企業です。

④楽天証券

  • 企業名 楽天証券株式会社
  • 代表取締役社長 楠 雄治
  •  従業員数 480名
  • 設立年月日1999年(平成11年)3月24日

楽天証券株式会社は、楽天グループの会社のひとつで、日本のネット証券株式会社です。つまり、野村證券や大和証券と異なり、個人がネット上で株の売買ができるサービスを提供しています。手数料を一部無料化にしたり、コールセンターにAI機能を搭載するなど、顧客の信頼を第一に考え、サービスを提供しています。

ネット通販などで楽天を利用したことがある方も多いため、大手の安心感や信頼性を確保しており、今後もさまざまなサービスを通じて、一人でも多くの人がネット証券に関心を寄せることを期待しています。

⑤三菱UFJモルガンスタンレー証券

  • 企業名 三菱UFJモルガンスタンレー証券
  • 取締役社長 兼 最高経営責任者 荒木 三郎
  • 従業員数 5,436名
  • 設立年月日 1948年3月4日

三菱UFJモルガンスタンレー証券は、三菱UFJフィナンシャル・グループの基盤を最大限に活かすことができることが、特徴の銀行系証券会社です。国内店舗は62店舗あり、多くの金融サービスを通じて強固な顧客基盤を備えています。

数年前には、アメリカの企業を買収したことも話題となり、海外展開にも大きな強みを持っており、銀・信・証の一体型サービスという点では、上記で紹介したみずほ証券と似ています。

証券業界のおすすめの書籍紹介

業界研究を進める方法は、ネットが主な手段になりますが、業界に関する書籍を読むこともおすすめします。ネットは情報が多く掲載されている一方、虚偽の情報も出回っています。

書籍は購入するためにお金がかかりますが、中古本などをうまく活用すれば、安くで手に入れることができ、ネットには載っていない情報が体系的に学べることが利点です。

自分が特に気になる業界に関しては、書籍を購入し、より専門的な知識を蓄えましょう。

①図解入門業界研究 最新証券業界の動向とカラクリがよ~くわかる本

証券業界の動向とカラクリがよ~く分かる本は、様々な業界のシリーズが出版されている書籍であり、業界の動向や市場規模、給与に至るまで、とても細かく分かりやすく図表を用いて説明しています。証券業界は、なかなか理解することが難しい業界ですが、この本を一冊読めば、大まかな証券業界の実情を把握することができます。

②株の学校

株の学校は、少し実務に近い内容の本ですが、証券業界とは切っても切り離せない「株」についてまとめてある一冊です。証券業界に興味はあるけれど、本当に自分に向いているか分からないという人は、この本を一冊読んでみて、興味を持てるか持てないかの判断材料にしてみてもよいでしょう。

証券業界を深く知って就活を有利に進めよう

証券業界は金融系の仕事であり、就活生からの人気も高いです。つまり、倍率も高いといえ、内定を獲得するには事前の業界や企業研究が重要といえるでしょう。特に証券業界は学生だと馴染みがないことも多いため、志望するならどのような業界であるのかは知っておかなければなりません。

業界の現状や有名企業など、さまざまな情報を頭に入れておくことで、就活をスムーズに進めやすくなります。業界や企業への理解度の高さは、そのまま志望度の高さと捉えられることも少なくありません。普段は馴染みがないからこそ、就活で志望するならきちんと情報を身に付けておくことが大切です。証券業界について細部まで把握し、選考で上手に理解度の高さをアピールして、内定の獲得を目指しましょう。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也
(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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