業界研究

【テレビ業界徹底研究ガイド】現状の課題と今後の動向を紹介

テレビ業界の概要

テレビ業界は就活生に人気の高い業界であり、毎年多くの学生がテレビ業界への就活に臨んでいます。しかしテレビ業界は採用人数が少なかったり、そもそもの志望者が多いなど倍率が高く、就活難易度が高い業界でもあります。

また早い時期に選考を行う企業が多いのも特徴であり、早めに業界研究などは進めておかなければなりません。近年テレビ業界ではさまざまな動きがありますので、業界の基礎知識や動向などを知り、業界研究を進めていきましょう。

若者のテレビ離れが進んだことにより、視聴率が低下している企業は多いですし、業界大手であってもその地位は不動ではありません。またインターネット市場の拡大、スマートフォンの普及により、さらにテレビ離れは加速しています。インタネット広告が業績を上げ続けており、数年後にはテレビ広告を抜くとの試算もあり、変革を迫られている業界でもあります。

テレビ業界の業績推移について

  • 業界規模2兆5,654億円
  • 平均年収999万円
  • 平均継続年数19年

テレビ業界の業界規模は2兆5,654億円です。業界規模としてはそれほど大きくはありませんが、他業界と連携している業界ですので、国内の重要な産業の一つです。業界規模は横ばいに推移しており、大幅な拡大や縮小はありません。平均年収は999万円と高く、他の業界と比べても最高水準の金額です。業界内では基本的に年収は高い水準にありますが、民放キー局が特に年収は高いです。

平均継続年数は19年であり、これも他業界と比較しても長い傾向にあります。継続年数についても企業ごとに差はありますが、業界全体として長く続けている人は多いです。給与水準の高さややりがいの大きさなどで長く続けている人は多いです。

テレビ業界の細かい職種分類について

  • 製作・編成
  • 技術職
  • 営業
  • ディレクター
  • プロデューサー
  • カメラマン
  • AD
  • 照明スタッフ
  • 音声スタッフ
  • 美術スタッフ
  • アナウンサー
  • 記者

テレビ業界の職種として製作・編成、技術職、アナウンサー、営業が挙げられます。製作・編成は番組の企画・製作や番組構成の内容の編成などを行う職種です。テレビ業界における現場スタッフであり、ADやディレクター、プロデューサーなども含まれます。技術職も現場スタッフですが、カメラや照明、美術などの専門的な分野を担当します。一人で複数の分野を兼任するのではなく、一つの分野で専門職として働くことが一般的です。

アナウンサーは番組でニュースを読みを行ったり、ナレーションなどを行います。バラエティ番組に出演する機会も多く、人気の高い職種です。営業はスポンサーに対して広告営業を行います。CMの交渉や提案などを行い、番組制作に必要な資金を獲得する役割です。

テレビ業界の課題と今後の動向

テレビ業界の業界研究をさらに進めるためには、業界内の課題と今後の動向を抑えることも大切です。業界ではどんなことが起こっているのか、どんなことが問題・話題になっているのかを把握することで、より発展的な知識を身に付けることができます。自分と業界を結びつける時、面接で採用担当者と話すときに役立つでしょう。

テレビ業界ではさまざまな変革の動きがあるので、それらについて知ることが重要です。業界での主要なトピックから世間で注目されていることを知り、テレビ業界への理解をさらに深めていきましょう。

①現状との課題とは

「若者のテレビ離れ」よく聞くワードでしょう。これが現状テレビ業界が抱えている最も大きな課題です。専修大学経営学部の助教授「鈴木祥平」さん、教授の「森本 祥一」さんの資料では、10代、20代のテレビ視聴時間は平成17年から22年の5年間で約3割減少していると書かれています。

減少している理由は、スマホの急速な普及によって可処分時間を、スマートフォンのコンテンツに当てています。SNS、スマホで見れる動画コンテンツ、スマホで読める漫画、ゲームアプリなどです。

テレビ業界は広告収入が主な収益源のため、視聴者が減少すると収益も比例して減少していきます。そのため、テレビ業界にとって若者のテレビ離れは深刻な課題となっています。

一方で高齢層(40代、50代、60代)の視聴率にそこまでの変化はなく、この層の視聴者が今のテレビ業界を支えていると言っても過言ではありません。ただ若者のテレビ離れは、今後も加速する見込みで、この課題を解決しない限りテレビ業界に未来はないでしょう。

※以下、参考資料
テレビ離れ解決に向けたテレビとインターネットの共存に関する一考察

今後の動向①インターネットの活用

若者のテレビ離れの原因の1つに「好きな時に好きな番組が見れない」という意見があります。YoutubeやNetflixなどネット動画配信サービスは、好きな時間に自分が見たいコンテンツの視聴が可能なので、こういった意見が多いのでしょう。

テレビ業界ではこのニーズを汲み取るため、2015年10月26日から「TVer」というサービスがリリースされました。TVerは民放テレビ局が連携した公式テレビポータルサイトです。テレビで放送された番組なら、番組放送終了から7日間まで無料で見れるサービスです。

このようなインターネットを活用した、配信チャネルの拡大が今後テレビ業界では活発になっていくでしょう。

今後の動向②コンテンツ制作の技術を活かす

テレビ業界の強みは「コンテンツの制作力」です。映像コンテンツの企画力、映像制作技術はインターネット業界にはまだまだ真似できません。このコンテンツ制作力を磨き続けることが、今後の動きになるでしょう。

インターネットを活用し、ユーザーとのタッチポイントを増やしてしまえば、映像コンテンツのクオリティではネット企業に負けないので、若い年代のユーザーもファン化できるでしょう。

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主要企業5選紹介

就活を攻略するためには、業界研究だけではなく、企業研究を行うことも大切です。同じ業界内でも企業によって特徴や強みは違いますし、特にテレビ業界の場合は企業ごとの違いが大きいです。

放映しているテレビ番組も違えば、番組の傾向なども違いますので、それぞれの企業違いを正しく理解しておかなければなりません。放映されているテレビ番組を知っているだけでは不十分ですので、主要な企業の事業内容など、企業としての情報も知っていきましょう。

①株式会社フジテレビジョン

  • 企業名 株式会社フジテレビジョン
  • 代表者名 宮内 正喜
  • 従業員数 1,340名
  • 設立年月日 平成20年10月1日(新設分割による)

株式会社フジテレビジョンは、テレビジョン放送、番組制作、イベント、映画・映像ソフト制作、通信、権利ビジネスなどの事業を行っている企業です。テレビ放送だけではなく、その他の関連事業でも幅広く活躍しています。テレビ業界では売上高はトップであり、高い実績を誇り、テレビ業界をけん引している存在です。

近年では視聴率は伸び悩みを見せていますが、売上は高く維持されています。さまざまな人気番組を持っていますが、特にバラエティー番組に強みのある企業です。フジテレビでは自分らしさが大切にされており、多様性のある人材が求められています。個性を発揮して働きやすい環境であり、好奇心旺盛な人、さまざまなことにチャレンジしたい人におすすめの企業です。

フジテレビでのインターンについて、知りたい人はこちらの記事もチェックしてみてください。

②日本テレビ放送網株式会社

  • 企業名 日本テレビ放送網株式会社
  • 代表者名 大久保 好男
  • 従業員数 1,247人
  • 設立年月日 昭和27(1952)年10月15日

日本テレビ放送網株式会社は、放送法による基幹放送や一般放送、メディア、その他放送に関連する事業などを行う企業です。民放キー局の一つでもあり、業界を代表し、けん引している存在でもあります。日テレの愛称でも知られており、視聴率が高く、人気の番組も多いです。ゴールデン帯の視聴率ではフジテレビを抜き、首位を獲得しています。

さまざまな人気番組がありますが、日テレはスポーツ番組も豊富であり、強みでもあります。日テレは社員がやりたいことを応援する社風があり、一人ひとりの挑戦を大事にしている企業です。何がやりたいのか、どんなことを成し遂げたいのかを明確にし、主体的に行動し、挑戦できる人材が求められています。一人ひとりが個性を発揮しやすい環境でもあります。

③株式会社TBSテレビ

  • 企業名 株式会社TBSテレビ
  • 代表者名 武田 信二
  • 従業員数 1041名
  • 設立年月日 2000年3月21日

株式会社TBSテレビは、放送法による放送事業などを行う企業です。民放キー局の一つでもあり、業界ではトップクラスの売上高を誇っています。TBSは通常のテレビ放送だけではなく、スカパー!のプラットフォームを持ち、放送していることも特徴です。人気番組も多く、視聴率は業界内でも高い位置づけにあります。

また専用のドラマスタジオを持つなど、ドラマ部門に強みを持ち、さまざまな人気番組を放送しています。TBSで求められているのは、テレビに対して強い熱意がある人材です。テレビを通してどんなことを伝えたいのか、どんなものを作りたいかなど明確なビジョンと高い意欲を持った人材が求められています。テレビが好きであることが前提条件であり、熱意を持って働くことができる企業です。

④株式会社テレビ朝日

  • 企業名 株式会社テレビ朝日
  • 代表者名 角南 源五
  • 従業員数 1,244人(連結)
  • 設立年月日 1957年11月1日

株式会社テレビ朝日は、放送法による基幹放送事業、一般放送事業を行う企業です。民放キー局として業界をけん引し、高い視聴率を誇っているテレビ局であり、ゴールデン帯の視聴率は2位を記録しています。またTBSと同様にスカパー!をプラットフォームとして放送を行っているのも特徴です。

また教育系、情報系の番組を多く持っていることも特徴であり、他局と比べても情報番組に強みがあります。テレビ朝日は現状に満足することなく、常に挑戦を続け、時代の最先端を目指す社風があります。新しいことにチャレンジしやすい環境であり、個性を発揮しやすい企業です。向上心を高く持ち、どこまでも成長していける人、好奇心旺盛で行動力のある人などが求められています。

⑤株式会社テレビ東京

  • 企業名 株式会社テレビ東京
  • 代表者名 小孫 茂
  • 従業員数 743名
  • 設立年月日 1964年4月12日(開局)

株式会社テレビ東京は、テレビジョン放送事業を行っている企業です。テレ東の愛称でも知られており、数々の人気番組を有しています。他のテレビ局にはない個性的な番組が特徴であり、またブレない姿勢で放送を続けていることが特徴です。災害時などでも情報はテロップだけに抑え、通常通り番組を放送するなど、番組に対してのこだわりも強いです。

人気の番組もさまざまありますが、ドキュメンタリー系の番組に強みがあります。テレ東では社員の個性を大切にする社風があり、柔軟な考えを持った人材が求められています。既成概念に固執するのではなく、自由な発想で新しいことを進めていける人材が求められており、新しいことに挑戦したい人におすすめの企業です。

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テレビ業界研究のおすすめ書籍紹介

テレビ業界への理解を深めるためには、志望するテレビ局の番組を見ることも大切ですが、それだけではなく、書籍を利用する方法もあります。テレビ業界に関して書かれた書籍は数多くあり、それらを読むことでも業界についての理解を深めることはできます。

書籍にはネットやテレビでは知ることができない情報が詰まっていますので、より専門性の高い知識を身に付けることが可能です。おすすめの書籍を参考にし、書籍を利用してテレビ業界への理解をさらに深めていきましょう。

①テレビの秘密

テレビの秘密という本は、テレビ業界について経営学の知見を踏まえて解説されています。ヒットするテレビ番組を製作するには何が大切なのか、どんなキャスティングをすればいいのかなど実際に働いてみなければ分からない情報が記されています。それらを実際のテレビ番組を例に挙げて解説されていますので、テレビ業界の裏側についてを分かりやすく学ぶことが可能です。

またテレビ関係者以外には馴染みのない編成の仕事について、その重要性についてなども紹介されています。テレビ業界はどのようにできあがっているのか、テレビ業界では何が必要なのかなどが解説されています。業界の入門書としてもおすすめであり、実例が用いられているため読みやすい一冊です。

②TVディレクターの演出術: 物事の魅力を引き出す方法

物事の魅力を引き出す方法という本は、テレビ演出に必要なアイデアや工夫などについて解説されています。テレビ東京でさまざまな番組を手がけたディレクターが、その仕事術を解説しており、実際の業務に触れながら、テレビに必要な知識を学ぶことができます。

またエピソードをもとに解説されていますので、読みやすくおすすめです。テレビは視聴者の注意を引く、興味を持ってもらうことが大切であり、そのための演出はどのようにすればいいのかなどが解説されています。たとえ低予算であっても工夫次第で魅力的な演出をすることは可能であり、工夫することの大切さ、アイデアを出すことの大切さも語られています。ディレクターを目指す人だけではなく、テレビ業界を目指す全ての人におすすめの一冊です。

テレビ業界を深く知って就活を有利に進めよう!

テレビ業界は就活生人気が高く、就職難易度も高い業界です。就活で勝ち抜くためにはしっかりと業界研究を進めて周囲と差をつけることが大切です。徹底した業界分析を行い、人気のテレビ業界への就職を目指しましょう。

テレビ局に就職する為にやるべきことについて、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています。

監修者プロフィール

ソーシャルリクルーティングのプロフィール画像
吉川 智也(よしかわ・ともや)
1988年北海道生まれ。大学卒業後、2010年に株式会社マイナビに入社、2011年に新人賞金賞を受賞。IT・小売・外食などサービス業界の企業を中心に、300社以上の採用活動を支援してきた経験をもとに、各大学のエントリーシート・履歴書などの就活講座の講師も務め、年間3,000名以上に対して講演を実施。
現在はポート株式会社で、キャリアアドバイザーグループの責任者として、年間約5,000名の学生の就活相談に乗り、さまざまな企業への内定に導いている。

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